【ギャルゲ風安価SS】>>3「また一年が始まる」 3/3 9

903>>1 ◆1Y9DDrqNbw (しうまい)2020/12/28() 07:43:15.66ID:2w1/+vuk

翌朝…


侑「お待たせ~」タタタ

歩夢「行こっか」

侑「うん!」


昨日の夜、菜々ちゃんを家まで送っていった帰り、彼方ちゃんからラインが来た。

頼んでおきながらあのせつ菜ちゃんを本当に連れ出せるとは思わなかったよ~って、まったく彼方ちゃんったら!

でもおかげでみんなきちんと休息を取れたとのことで、ここからライブまではなんとかなりそうだって。

よかった。


侑「菜々ちゃんと料理するならなにがいいかな?」

歩夢「そうだなぁ、最初はやっぱりハンバーグとかじゃない?」

侑「ハンバーグ!いいね、菜々ちゃんにぴったりだと思う!」

歩夢「侑ちゃんが食べたいだけでしょ」クス

 

904>>1 ◆1Y9DDrqNbw (しうまい)2020/12/28() 07:50:58.86ID:2w1/+vuk

お昼休み…


今日は食堂でお弁当を食べることにした。


侑 キョロ…

歩夢「誰か探してるの?」

侑「うん、エマ先輩に会えないかなと思ったんだけど」

歩夢「あれきり話してない?」

侑「うん。かすみんと彼方ちゃんとはお話しできたから、あとはエマ先輩だけなんだけどな…」

歩夢「ライブ、日曜日なんだよね。それが終わったら一回スクールアイドル同好会に挨拶に行ってみよっか。私も一緒に行くから」

侑「ほんと!?ありがとう、歩夢」

歩夢「いいよ。だから、それまでもうあんまり首を突っ込んじゃだめだよ」

侑「ぅ…はーい…」


項垂れる私をくすくすと笑うと、歩夢はエビフライを一本くれた。

こんなもので慰められる私じゃ…………美味しい。

 

905>>1 1Y9DDrqNbw (しうまい)2020/12/28() 08:03:10.43ID:2w1/+vuk

放課後…


日曜日の天気予報は晴れ。

普段見慣れない雨雲レーダーとやらも頑張って見てみたけど、うん、雲はなさそう!

会場がどこなのか聞きそびれたけど…

スクールアイドルっていうんだし、きっと学校の近くだよね?


侑「って、いやいや!応援しにいくんだから会場は聞いとかなくちゃだめでしょ!」ハッ


菜々ちゃんに連絡しとかなきゃね。


放課後どうしようかな? 
>>906
1.
歩夢とまっすぐ帰る
2.
お台場に寄って帰る

 

906名無しで叶える物語(たまごやき)2020/12/28() 08:18:57.53ID:dNkVPutO

2

 

907>>1 ◆1Y9DDrqNbw (しうまい)2020/12/28() 08:34:49.26ID:2w1/+vuk

お台場


侑「歩夢、抹茶飲んでこー!」

歩夢「うん。私はホットにしようかな」

侑「暑い時期でも抹茶は温かいのが美味しいよね。私はどうしよっかなー…」ウーン…

侑「決めた!ほうじ茶ラテ!」

歩夢「抹茶じゃないんだ…」

侑「だっていい匂いがするんだもん!それに、」

歩夢「私の貰うんだもんね?」

侑「さっすが歩夢、わかってるぅー!すみませーん、抹茶ラテとほうじ茶ラテくださーい!」

歩夢「うふふ…」

 

908>>1 ◆1Y9DDrqNbw (しうまい)2020/12/28() 08:41:05.58ID:2w1/+vuk

侑「どこで飲もっか」

歩夢「外の階段のところ行かない?」

侑「うん!ホット飲むなら外の方がいいね」

侑「クンクン…あ~、抹茶もいい匂いするなぁ」

歩夢「もう、すぐそこなんだから我慢してください」サッ

侑「ああっ、私の抹茶ラテ遠ざけないで!」

歩夢「侑ちゃんのじゃないもん」

侑 クピ…

侑「ぷへぁ」

歩夢「歩きながら飲まないの、お行儀悪いよ」

侑「はーい」

 

909>>1 ◆1Y9DDrqNbw (しうまい)2020/12/28() 08:47:27.99ID:2w1/+vuk

フェスティバル広場


侑 クピ…

侑「ん~~~っ、美味しい」

侑「歩夢も飲むでしょ?」

歩夢「うん、貰うね」クピ…

歩夢「はぁ、ほうじ茶の香りが落ち着く」

侑「ねー」

歩夢「そういえば侑ちゃん、予備校のこと考えた?」

侑「ぅ」

歩夢 ジトー

侑「ほ、ほら、そういうのってじっくり吟味しないといけないでしょ?簡単に通うとこ変えられるものじゃないし。だから、ね」

歩夢「もう。後でうちにあるパンフレット渡すから読んでおいてね」

侑「はぁい……」


「え!せつ菜ちゃんライブやるんだ!」


侑「…………え?」

 

910>>1 ◆1Y9DDrqNbw (しうまい)2020/12/28() 08:52:41.79ID:2w1/+vuk

侑「ねえ歩夢、今…」

歩夢「うん、なに?」

侑「せつ菜さんがどうって聞こえなかった?」

歩夢「え?そう…?」

侑 キョロキョロ…


「新しいグループのお披露目だって~」

「へー、せつ菜ちゃんグループ組んだんだー」


歩夢「ぁ…」

侑「やっぱり!ね!」

歩夢「うん、そうみたいだね。えっと…」キョロ

侑「………あれかも!」タタタ

歩夢「えっ侑ちゃん、ちょっと!」

 

911>>1 ◆1Y9DDrqNbw (しうまい)2020/12/28() 08:59:49.00ID:2w1/+vuk

『虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 お披露目ライブ』


ゆうぽむ「「………!」」

侑「531日、日曜日…」

歩夢「場所はフェスティバル広場、ここでやるんだね…」

侑「そうだったんだ。確かに、たまに小さなイベントとかやってるもんね」

侑「にしても、ポスター作ったんだ…」


せつ菜さん、彼方ちゃん、かすみん、エマ先輩。

緊張した表情の四人が並んで映る縦看板ポスター。

わかってた。

わかってたことだけど、こうやって告知したってことは──


──菜々「告知をまだ打っていなかったことだけは不幸中の幸いと言えますか。そもそも31日にライブの予定があることは、部員以外まだ誰も知りませんから」


もう、後には退けないってことだ。

 

912名無しで叶える物語(たまごやき)2020/12/28() 09:05:20.83ID:dNkVPutO

いよいよアニメ1話のシーンか

 

913>>1 ◆1Y9DDrqNbw (しうまい)2020/12/28() 09:09:24.31ID:2w1/+vuk

大丈夫──


──彼方「いやぁ、うちの同好会、曲の数がとっても少なくてね。ライブしたくても披露する曲が足りないんだよ」


大丈夫──


──エマ「うちの同好会、曲を作れる人がせつ菜ちゃんしかいなくて、でもせつ菜ちゃんも忙しいから最近は曲作りができてないんだって。だからひとまずせつ菜ちゃんが一人でやってた曲をやるんだけど──」

──かすみ「曲は、ライブまでになんとかします。だから、このことは黙っててくれませんか」


大丈夫──だよ──ね──?


──菜々「かすみさんやエマさんのファンだと言ってくれたのだと聞いています。その気持ちを裏切りたくないと、部員の全員が考えているんです。結成したばかりでまだまだ不安定な私達ですが、どうか応援して、愛してくださると嬉しいです──」


侑「……っ」ブル…

 

914>>1 ◆1Y9DDrqNbw (しうまい)2020/12/28() 09:15:07.92ID:2w1/+vuk

歩夢「侑ちゃん」ソッ

侑「…!」

侑「歩夢…」

歩夢 コクン…

歩夢「一番前で応援しようね」


──侑「たとえ来週ライブができなくても、今回のステージが使えなくなっちゃっても、私はずっと応援してるよ。いつになっても、どこになっても必ず駆けつけて最前席で応援するから!」


侑「…っ、そう、だよね…」

歩夢「そうだよ」ニコッ

侑「会場に一番乗りしなくちゃね!」

歩夢「寝坊しないでね」

侑「…頑張ります!!」


歩夢とお台場に寄り道して帰りました! ▼

 

915>>1 1Y9DDrqNbw (しうまい)2020/12/28() 09:30:55.15ID:2w1/+vuk

夜…


ダイバーシティ東京プラザのサイトを確認してみたら、イベント一覧のページにも小さく記載があった。

熱心にここを確認してる人がどのくらいいるのかはわからないけど、確実に誰かの目には触れてる。

そのうちの何人かは観にくるはずだ。

友達とか家族を連れて、楽しみにして、来るんだ。


侑 ドキドキ…


誰かに連絡する? 
>>916
1.
菜々
2.
かすみ
3.
彼方
4.
しない

 

916名無しで叶える物語(茸)2020/12/28() 09:35:09.08ID:xNXpZzu2

かすみ

 

917>>1 ◆1Y9DDrqNbw (しうまい)2020/12/28() 09:41:59.63ID:2w1/+vuk

侑 ドキドキ…


彼方ちゃんが練習してた、『スクールアイドルみんなの曲(だっけ?)』。

たぶん、せつ菜さんが一人でやってた曲っていうのとは違うよね。

これで二曲。


侑 ドキドキ…


スクールアイドルのライブって普通何曲くらいやるものなんだろう。

同じ曲を何回かやったりするものなのかな。

一人で歌って踊るよりは、みんなで歌って踊ってる方がなんだかアイドルって感じするし、じゃなきゃみんなで練習したり、そもそもグループを作ったりする必要もなくなっちゃうよね。


侑 ドキドキ…


どんな心構えで観にいけばいいんだろう。

他のライブを観て予習しておいた方がいいかな?

いやでも今他のスクールアイドルのこと考えたくないな。


侑「…………ああっだめだ緊張してきた!かすみんに連絡しよう!」バッ

 

918>>1 ◆1Y9DDrqNbw (しうまい)2020/12/28() 09:43:59.53ID:2w1/+vuk

『かーすみんっ』

『こんばんは!』


送ってから我に返る。

なんでよりによってかすみんを選んじゃったんだ…

もうなんでもいいから誰かと話してないとそわそわしちゃって仕方なかったんだけど、

…なんでよりによってかすみんなんだ…


『かすみん:こんばんは』

『かすみん:どうかしたんですか?』


侑「!」


やばっ、お返事来た!

どうしよう!!

 

919>>1 ◆1Y9DDrqNbw (しうまい)2020/12/28() 09:48:28.32ID:2w1/+vuk

思ったより返信が速くて驚いたのもある。

どう返そうか迷って、


『なんか、誰かと話したくて連絡しちゃった』

『今なにしてるの?』


思ったことをそのまま文章にしたような、どことなくごまかして適当に繋いだような、どっちとも付かない感じになってしまった。


『かすみん:さっき夜ごはんを食べ終えたので、お風呂に入ろうと思ってたところですけど』


うう、ごめんねかすみん…なんの用もないのに引き止めちゃったよ…


『あ、そうだったんだ。邪魔しちゃってごめんね』

 

920>>1 ◆1Y9DDrqNbw (しうまい)2020/12/28() 09:50:28.19ID:2w1/+vuk

『かすみん:別にいいですけど』

『かすみん:侑せんぱいはなにしてたんですか?』


あれ、お話続けてくれるんだ。

…えへへ、やった。

 

921>>1 ◆1Y9DDrqNbw (しうまい)2020/12/28() 10:00:29.76ID:2w1/+vuk

『私はごはんもお風呂も済ませちゃって、ぼーっとしてたとこだよ』

『かすみん:それで誰かと話したくなったんですか』

『かすみん:侑せんぱい、さみしがり屋さんなんですか?』

『え、そんなことないよ!』

『かすみん:わざわざ後輩に連絡しなくても、歩夢せんぱいとお話ししたらいいじゃないですか』

『歩夢とは放課後たくさん話したもん』

『かすみん:一緒に帰ったんですか?』

『そうだよ。お台場に寄ってからね』

『かすみん:ほんとに仲良しさんなんですね』

『まあね!羨ましいでしょ!』

『かすみん:別に羨ましいとは思いませんけど。かすみんだって璃奈ちゃんと仲良しですもん』

 

922>>1 ◆1Y9DDrqNbw (しうまい)2020/12/28() 10:12:24.82ID:2w1/+vuk

『かすみん:璃奈ちゃんが嬉しそうでしたよ。せんぱいがごはんに誘ってくれたって』

『そうなんだよ!お母さんも璃奈ちゃんのこと可愛がってたし、また誘っちゃおうっと』

『次はかすみんも来るよね?』

『かすみん:考えときます』

『もー、かすみんってば素直じゃないんだから~』

『璃奈ちゃんとどこか遊びにいったりした?』

『かすみん:まだしてませんね』

『かすみん:今週までは忙しいので、そのうち行きたいですけど』


テンポよく続いてたラリーを、そこで止めてしまった。

聞きたい、と思ってしまったから。

練習の調子はどう?困ってることはない?昨日はちゃんと休めた?

でも、それを私から聞くのは──


『かすみん:まあまあ順調だと思いますよ、ライブの準備』


侑「!」

 

923>>1 ◆1Y9DDrqNbw (しうまい)2020/12/28() 10:22:44.20ID:2w1/+vuk

『かすみん:昨日、せつ菜せんぱいが練習をお休みするようにしてくれたんですよね』

『かすみん:彼方せんぱいから聞きましたよ』

『かすみん:正直ちょっと疲れてたので、助かりました。ありがとうございます』


かすみん…!

なんだか、たったそれだけのことで、うっかり涙が出そうになってしまった。

いけないいけない、黙りっ放しになっちゃうよ。


『私もせつ菜さんと仲良くなりたかったし、いい機会だったよ。順調ならよかった!』

『かすみん:せつ菜せんぱいのプライベートって全然想像つかないんですけど、どんな風なんですか?』


う…っ。

 

924>>1 ◆1Y9DDrqNbw (しうまい)2020/12/28() 10:32:06.80ID:2w1/+vuk

えっと…

この感じ、やっぱりせつ菜さんが菜々ちゃんだって同好会のみんなは知らない、のかな。

少なくともかすみんは知らないっぽいよね。

そうなるとなにを話していいのかも難しくなってくるけど…


『昨日は歩夢と三人でドーナッツ作ったんだけどね、せつ菜さんあんまり料理とかやらないらしくて興味津々で楽しそうだったよ』

『かすみん:お料理しそうなイメージはないですもんね。楽しんでたならよかったです』

『かすみん:放課後にドーナッツ作ったことの方が驚きですけど』

『すっごく時間かかったよ!だから昨日の晩ごはんは三人でドーナッツ食べたんだ~』

『かすみん:せつ菜せんぱいもですか?』

『そうだよ』

『かすみん:そういうの厳しそうですけど、なんか意外です。明日からかっちゃおうっと』

『え!?それ私がせつ菜さんに怒られない!?』

『かすみん:どうでしょうねぇ』

『なしなし!言っちゃだめだよ!』

『かすみん:どうしましょうかねぇ』

『ちょっと~!』


かすみとラインで話しました! ▼

 

925>>1 ◆1Y9DDrqNbw (しうまい)2020/12/28() 10:39:06.82ID:2w1/+vuk

とりあえずこんなところで。
保守お任せしっ放しですみません、いつもありがとうございます。

 

926名無しで叶える物語(SIM)2020/12/28() 19:34:12.78ID:nbr0RNzb

こちらこそいつも良いものを読ませてくれてありがとう

 

927名無しで叶える物語(もんじゃ)2020/12/29() 00:50:46.76ID:JsIMiKMy

やっと追い付いた!
描写がとても丁寧でええな
こんな百合ギャルゲやりてぇわ

 

931>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/31() 07:43:00.60ID:Uz+NQcfq

翌朝…


侑「お待たせ~」タタタ

歩夢「行こっか」

侑「うん!」


結局、かすみんはあれからしばらくお話に付き合ってくれて、いい時間になってしまった。

流れで『璃奈ちゃんとお出かけしたら報告する』って約束までしてくれたけど、せっかくなら私も混ぜてほしいなぁ…なんていうのは図々しいよね。

それよりも菜々ちゃんに怒られないか、そっちの方が心配だよ。

かすみんが変にからかわなきゃ、そこまで怒られるようなことじゃないと思うんだけどなぁ…


歩夢「一昨日のレモンが余ったから、レモンティーを作ってきたよ。お昼のとき一緒に飲もうね」っ水筒

侑「わあ、レモンティー!甘いやつ?」

歩夢「ほんのりね。ハチミツで味を調えたの」

侑「楽しみになってきた!」ウキウキ

 

932>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/31() 07:49:15.46ID:Uz+NQcfq

お昼休み…


侑「歩夢、レモンティー!」ズイ

歩夢「ゆ、侑ちゃん。ごはんにはたぶん合わないから、食べ終わったら飲もう?」

侑「そっかぁ」

歩夢「お昼ごはんどうする?優花ちゃん達と食べる?」

侑「…」ム…

歩夢「侑ちゃん?」

侑「…レモンティーって、四人で分けたら少なくなっちゃう?」キリッ…

歩夢「………ぷっ」

侑「え?」

歩夢「ふ……うふふっ。そうだね、今日は二人だけでお昼にしよっか」

侑「え?え?なに、なんで笑うの?」

歩夢「なんでもないよ。さ、行こ」クス…

侑「ねー、なんで笑うのー?」


歩夢とお昼ごはんを食べました! ▼

 

933>>1 1Y9DDrqNbw ()2020/12/31() 07:55:39.62ID:Uz+NQcfq

放課後…


裏庭を覗いたら誰もいなかったので、そこで歩夢とお昼ごはんを食べた。

果林先輩がいたら一緒にレモンティーを楽しめたのに、こう学校が広いとなかなか会えないものだね。

そういえば、前に果林先輩が『裏庭に変な子がいることがある』って言ってたけど、あれはなんだったんだろう…


今日はどうしようかな? 
>>934
1.
歩夢とまっすぐ帰る
2.
裏庭に寄って帰る
3.
誰かに連絡する(果林、菜々、璃奈から選択)

 

934名無しで叶える物語(もんじゃ)2020/12/31() 08:15:11.80ID:WgERZiBN

2

 

935>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/31() 08:20:02.02ID:Uz+NQcfq

歩夢「侑ちゃん、帰ろう」

侑「歩夢。ね、ちょっと裏庭寄ってっていい?」

歩夢「うん、いいよ。忘れ物でもしちゃった?」

侑「ってわけじゃないんだけどね。むしろ思い出したって感じかな」

歩夢「?」

侑「とりあえず行こ!」ギュ

歩夢「わわ…」トト

 

936>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/31() 08:23:55.80ID:Uz+NQcfq

裏庭


歩夢「どうして急に裏庭なの?」

侑「ほら、前に果林先輩が『放課後はたまに変な子がいる』って言ってたでしょ。もしかしたら会えないかなーと思ってさ」

歩夢「ああ、言ってたかも。よくそんなこと覚えてたね」

侑「ふと思い出しただけなんだけどね。でも放課後になるとちょっと肌寒いくらいなのに、ほんとにこんなところに誰かいるのかな」キョロキョロ

歩夢「どうだろうね。果林先輩にしか見えないお友達だったりして」

侑「えっ!?それ、どういうこと…!?」

歩夢「どういうことかな~………あ、あれ…」ハタ

侑「ひぃっ!?な、なに!?誰かいた!?」ビクッ

歩夢「あそこ、誰か倒れてない…?」

侑「え…た、大変じゃん!行こう!」タタッ

歩夢「うん!」タタッ

 

937>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/31() 08:27:40.26ID:Uz+NQcfq

侑「…ぁ」タタ…

歩夢「どうかしたんですか!?大丈夫ですか!?」

侑「歩夢」

歩夢「侑ちゃん、先生呼んできた方がいいかな!?」

侑「歩夢。大丈夫、たぶんなんともないよ」

歩夢「えっ、ど…どうして…?」

侑「よく見て、その人。彼方ちゃんだよ」

歩夢「え…」

歩夢「ほ、ほんとだ…」

歩夢「っでも、彼方先輩だったらなおさら心配じゃない。早く保健室に──」

侑「大丈夫だよ」スッ

歩夢「侑ちゃん…!」

 

938>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/31() 08:30:15.27ID:Uz+NQcfq

侑「彼方ちゃん、彼方ちゃん。起きて」トントン

彼方 zzz...

侑「おーい、彼方ちゃ~ん。もう放課後だよ~」トントン

彼方「……………んむ……」

歩夢「!」

侑「彼方ちゃん。同好会の練習はいいのー?」

彼方「……んん~…同好会…………」

彼方「………はっ!せつ菜ちゃんに怒られちゃう!」バッ

歩夢「きゃっ」

侑「おっと。おはよう、彼方ちゃん」

彼方「あれ、侑ちゃんじゃん…おはよぉ」

 

939>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/31() 08:35:12.63ID:Uz+NQcfq

侑「おはよ。よく寝てたね」

彼方「ふぁぁ………」

彼方「起こしにきてくれたの?ありがとねぇ」

侑「私達はたまたま通りかかって、そしたら彼方ちゃんが寝てたから驚いて起こしただけだよ。ね、歩夢」

歩夢「う、うん…」

彼方「お~、歩夢ちゃんもいたんだね。おはよぉ」

歩夢「お、おはようございます…?」

侑「もー、だめだよ彼方ちゃん。ここ陽もあたらないし寒いでしょ?」

彼方「彼方ちゃんがすやぴし始めたくらいの時間は、まだあったたかったんだけどなぁ」

侑「いつから寝てたの?授業は?」

彼方「彼方ちゃんの学科、午後は実習になることも多くてね~。早く終わったら片付けて帰っちゃっていいんだよ。そしたら同好会の練習まで空いちゃうから、誰もいないここでたまにすやぴしてるの」

侑「そういうことだったんだー」

 

940>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/31() 08:46:21.79ID:Uz+NQcfq

彼方「やー、侑ちゃん達が通りかかってくれて助かったよ~。お寝坊したらせつ菜ちゃんに怒られちゃうからねぇ」

侑「今から同好会の練習に行くんだね」

彼方「うん。ラストスパート、頑張らなくっちゃ」

歩夢「明後日なんですよね。侑ちゃんと応援に行きますね」

彼方「ありがとう、歩夢ちゃん。観にきてくれたみんなに恥ずかしくないパフォーマンスができるように頑張るよ~」

侑「みんなの体力は大丈夫そう?」

彼方「ん~…ま、もう間もなく本番だからなんとか乗り切れると思うよ。これが来週だったらって考えると、さすがの彼方ちゃんもちょいとビビっちゃうけどね」

侑「そっか…」

彼方「そんなカオしないで」ポン

 

941>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/31() 08:50:44.94ID:Uz+NQcfq

彼方「一昨日侑ちゃんが協力してくれたこと、本当にみんなのためになったんだよ。身体を休められた彼方ちゃん達だけじゃなくて、これはせつ菜ちゃんのためにもなったことなの」

彼方「こんなに近くで私達を応援してくれる侑ちゃんがいるから、みんな頑張れてるんだからね」

彼方「彼方ちゃん達のライブを観るときまでそんなしょぼくれたカオしてちゃだめだぜ~?」ウリウリ

侑「わわっ…や、やめてよ彼方ちゃ~ん」

彼方「さって!」スクッ

彼方「せっかく侑ちゃん達に起こしてもらったんだから遅刻せずに行かないとね」

侑「もう、髪ぼさぼさになっちゃったじゃん!」

彼方「いひひ。スクールアイドルの彼方ちゃんより可愛かったから、いじわるしちゃいました~」

侑「も…もーっ!」

 

942>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/31() 08:54:51.99ID:Uz+NQcfq

彼方「そいじゃ彼方ちゃんは行くよ。ありがとね、二人とも」ノシ

侑「行ってらっしゃい!」ノシシシ

歩夢「頑張ってくださいね」ノシ

侑「………果林先輩が言ってたのって、彼方ちゃんのことだったんだね」

歩夢「みたいだね。お昼寝してただけなんて、びっくりしちゃったよ…」

侑「あはは。私は前にも公園で寝てる彼方ちゃん見たことあったから、今回もそうなんだーってすぐにわかったよ」

歩夢「だ、大丈夫なのかなぁ」

侑「やめなよって言ったんだけどな。ま、学校の中なら安全なんじゃない?」

侑「それより歩夢、髪やってー」

歩夢「はいはい。もう、こんなにぼさぼさにしちゃって」クシクシ

侑「わ、私のせいじゃないじゃ~ん!」


裏庭で彼方とお話ししました! ▼

 

943>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/31() 08:57:15.64ID:Uz+NQcfq

夜…


侑「とうとう明後日かぁ。明日もみんな練習するのかな?あんまりやり過ぎないでほしいけど…」

侑「ライブが終わったらせつ菜さんときちんと話すって言ってたし、私が心配することじゃないよね…」

侑 ウーン…

侑「私にできることって、やっぱりもうないのかなぁ…」


考え事をして過ごしました! ▼