397>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/08(火) 19:08:07.51ID:oGPQUA2f
翌朝…
侑「お待たせ~」タタタ
歩夢「行こっか」
侑「うん!」
いつもと同じように私を起こしてくれて、いつもと同じようにベランダで一言だけ交わして、いつもと同じようにエントランスで私を待っててくれる。
そんな歩夢の髪は、ハーフアップで風にそよいでいる。
ほんのちょっとしたきっかけだけど、これまで一度もなかった変化だ。
なんだかそれがくすぐったくて──嬉しい。
侑「歩夢、今日もハーフアップだね」
歩夢「楽ちんで助かっちゃった」
侑「似合ってるよ」
歩夢「…やっぱり、フェチなの?」
侑「や、やっぱりってなに!?」ガーンッ
398>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/08(火) 19:14:32.43ID:oGPQUA2f
お昼休み…
「高咲さん、ちょっといいー?」
侑「ん?」
四時間目が終わるなり廊下から呼ぶ声がした。
何度か合同授業で話したことがあるな、くらいの顔見知りだ。
何組の子だっけ…
侑「どうかしたの?」トコ…
「これ預かったから、渡さなくちゃと思って」っメモ
侑「…なにこれ?」
「わかんない。私は部活の先輩から受け取ったんだけど、先輩も前の休み時間に友達から受け取ったんだって」
侑「ええ…?」
「ごめん、約束あるから行くね!」
侑「あ、うん。ありがとう」
『ゆうちゃんへ
お昼休み、家庭科室に来られたし』カサ…
侑「……えっと…」
どうしようかな? >>399
1.一人で家庭科室に行く
2.歩夢と家庭科室に行く
3.無視する(お昼ごはんを食べる場所:教室、中庭、食堂、生徒会室から選択)
399名無しで叶える物語(たまごやき)2020/12/08(火) 19:15:19.90ID:ngwniaQ4
1
400>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/08(火) 19:18:42.07ID:oGPQUA2f
歩夢「侑ちゃん、どうしたの?」ヒョコ
侑「歩夢」
侑「なんか、こんなの渡されたんだけど…」
歩夢「…いたずら?」
侑「かなぁ」
歩夢「困っちゃうね。今日はお昼ごはんどこで食べよっか?」
侑「か、家庭科室には…?」
歩夢「えっ、行くの?」
侑「友達かもしれないし…」
歩夢「直接連絡してこないお友達?」
侑「うーん……」
401>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/08(火) 19:23:14.65ID:oGPQUA2f
侑「連絡先を交換してない友達、とか…?」
歩夢「それってお友達?」
侑「…」
歩夢「…」
侑「やっぱり、覗くだけ覗いてくるよ。無視してなにかあったら後味悪いもん」
歩夢「もう、侑ちゃんってば。すぐ変なことに首を突っ込むんだから」
侑「いや、まだ変なことって決まったわけじゃ…」
歩夢「ぱっと行って戻ってこようね」
侑「うん……って、歩夢はいいよ。先に食べてて」
歩夢「一人で?」
侑「…優花達と…」
歩夢 ジトー
侑「す、すぐ!ほんとすぐ戻るから!ね?」
歩夢「10分ね」
侑「い…行ってくる!」タタタ
402>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/08(火) 19:26:13.13ID:oGPQUA2f
なんだろう、一体。
見たことない字だと思うんだけど、誰だろう。
っていうか『ゆうちゃん』って私のことなのかな?
迷わず私の元に辿り着いたってことは、このメモを書いた人がそう伝言していったんだよね…
漢字を書けない人?
でも家庭科室は漢字だもんね。
『来られたし』とか言ってるし…
…うーん、謎だ…
403>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/08(火) 19:27:46.21ID:oGPQUA2f
家庭科室
先生に怒られるとかじゃないよね。
メモで呼び出す意味もわかんないし、そうじゃないことを祈って…
侑 コソ…
侑「……あ!」
404>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/08(火) 19:31:04.46ID:oGPQUA2f
侑「彼方ちゃん!」
彼方「お、やっと来た。待ってたよ~」
侑「なーんだ、彼方ちゃんだったんだぁ」
彼方「んん~?ちゃんとメモ渡したでしょ?」
侑「え?名前書いてあった!?」バッ
彼方「おいおい。彼方ちゃんに限ってそんな書き損じあるわけ…」
『ゆうちゃんへ
お昼休み、家庭科室に来られたし』カサ…
彼方「…」
侑「…」
彼方「そういうこともあるかぁ」
侑「結構致命的なミスじゃない?これ」
405>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/08(火) 19:33:25.63ID:oGPQUA2f
彼方「まーまー、こうして無事に会えたんだから細かいことは気にしなさんな」
侑「細かいかなぁ」
侑「ところで、なにかあったの?」
彼方「んー、どうしようかなーって思ったんだけどねぇ」
彼方「約束したからさ、声かけなくちゃってね」
侑「約束…?」
406>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/08(火) 19:38:39.32ID:oGPQUA2f
グラタン ドン…!
侑「ぐ──グラタンだ!」
彼方「今日は加熱による栄養素の変化についての実習をやってね。彼方ちゃんはグラタンを作ったのだ」
侑「学校ではまず見ない料理で驚いてるよ…!」
彼方「なんでもいいって言うから、お家から器も持ってきたの」
侑「へ、へええ…」
侑「それで、その、これはもしかして…?」ゴクリ…
彼方「うん、侑ちゃんにあげる分だよ」
侑「や…やったあ!」パァァ
407>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/08(火) 19:43:58.80ID:oGPQUA2f
侑「あれ、でもこれ私が食べちゃったら彼方ちゃんはお昼ごはんどうするの?」
彼方「侑ちゃんのお弁当でも貰おうかなってね~」
侑「あ、お弁当教室に置いてきちゃった…」
彼方「彼方ちゃん、お昼ごはん抜きなの!?」ショック…
侑「えっ、それはまずいね!ちょっと待ってて、すぐに持ってくるよ」ガタ
彼方「とまあそんなこともあろうかと今日はパンを買ってあるんだけど」ゴソ
侑「んな…」ガクッ
彼方「でも侑ちゃんのお弁当を誰かが食べなくちゃいけないのは変わらないんじゃない?放課後まで残してても仕方ないもんね」
彼方「パンは明日の朝ごはんにでもできるし、よければ彼方ちゃんが食べるよ~」
侑「あー…歩夢も待たせてるんだった。どっちにしても一回教室戻らなくちゃだめかな?」
彼方「おっと………」
408>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/08(火) 19:47:35.98ID:oGPQUA2f
彼方「じゃ、お弁当は諦めよっか」
侑「え?」
彼方「歩夢ちゃんには悪いけど、よそでごはん食べてくるから戻らないって連絡しておいて」
侑「すぐ戻ってくるよ?」
彼方「んー」
彼方「たぶん、教室に戻ったらここに帰ってこないと思うんだよねぇ。侑ちゃん」
侑「あ、ああー…」
彼方「かと言って、歩夢ちゃんの前で侑ちゃんのお弁当と彼方ちゃんのお料理を交換っこして食べるのも…ちょっとねぇ」
侑「あ、ああー……」
彼方「ってことで、はい、席に着いた席に着いた。歩夢ちゃんにラインしといて」グイ
侑「わわっ。わかった、わかったから…」
409>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/08(火) 19:51:50.60ID:oGPQUA2f
「「いただきます」」
侑「うわー、彼方ちゃんのグラタンだぁ。美味しそう…!」
彼方「熱いから気をつけたまえよ」
侑「実習って四時間目だったの?だとしてもまだこんなに熱いなんてすごいね」
彼方「うん。実習中は焼き上げを軽くしておいて、仕上げの加熱をさっきしたんだよ。そのままその中に入れといたから保温にもなったしね」
侑「なるほど」
彼方「冷めないうちにどうぞ~」
侑 ハフ…
侑「…ん!おいひい!」
彼方「うんうん、よかったよかった」
410>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/08(火) 19:59:44.21ID:oGPQUA2f
彼方「じゃ彼方ちゃんもパンたーべよっと」モグ
侑「ん、ごめんね彼方ちゃん。お昼ごはんパンになっちゃって」
彼方「ん~?いーよいーよ、パン好きだもん」
彼方「それにそんな言い方しちゃパンが可哀想だよ」
侑「それもそっか。ごめんねパン、お昼ごはん彼方ちゃんになっちゃって」
彼方「それはなにをどう考えて出た発言かな?」
411>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/08(火) 20:09:53.06ID:oGPQUA2f
侑「五月に、しかも学校でグラタン食べるなんて思わなかったや」モグモグ…
彼方「しかもこれまでのグラタン歴を塗り替えちゃう逸品だなんてねぇ」モグモグ…
侑「彼方ちゃんって、のんびり屋さんなのに結構自信家だよね」
彼方「そうかね?戯れで言っちゃう分には足りるくらいの腕前だと思うしね」
侑「うん。ほんとに美味しいもんね!」
彼方「パンも美味しいよ」
侑「…彼方ちゃん、ニジガクで密かに人気の裏コッペパンって知ってる?」
彼方「裏コッペパン?知らないかも」
侑「たまに購買部の傍で一年生の子が自分で作ったコッペパン売ってるんだけど、それがもう超~~~絶品なんだよ!」
彼方「へー、そうなの?探してみようっと」
侑「食べたら感想聞かせてね」
彼方「うん~」
412>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/08(火) 20:15:12.75ID:oGPQUA2f
「「ごちそうさまでした」」
彼方「お粗末様~」
侑「あー、美味しかった。こんなサプライズにするんじゃなくてもっと早く言ってくれたらよかったのに」
彼方「サプライズにしたつもりはなくってね~。彼方ちゃん、侑ちゃんの連絡先知らないんだよね」
侑「あ」
彼方「ふっふっふ…ね?思い至らなかったでしょ?」
侑「なんか随分仲良くなったつもりでいるから、まさかって感じだよ…」
彼方「仲良しなのは間違いないよ。ライン知らなきゃお友達じゃないなんて言わないでしょ?」
侑「そうだね」
侑「…でも、交換しとこうか」
彼方「賛成~」
413>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/08(火) 20:17:52.98ID:oGPQUA2f
侑「……彼方ちゃんと、またこうして普通に話せてよかった」
彼方「ん」
彼方「同好会のとき以来だもんね」
侑「──彼方ちゃん、あの、私…」
彼方「謝らなくていいからね」
侑「っ……ぇ…」
彼方「むしろ私が不用意なこと言っちゃったせいでかすみちゃんにも火を着けちゃって、悪かったと思ってるのはこっちだよ」
侑「そ…そんなことないよ!あれは私がちゃんとしてなかったからで…」
彼方「そういうの、なしにしよ?」スッ
414>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/08(火) 20:24:15.10ID:oGPQUA2f
彼方「こんな言い方あれだけど、侑ちゃんが同好会に入るとか入らないとか、彼方ちゃんはどっちでもよかったんだよね」
彼方「そりゃ放課後一緒に部活できたら楽しいと思うけど、そうじゃなくてもこうしてたまにお昼ごはん食べたり、お休みの日に会ったら練習したりお買い物したりできるもん」
彼方「それに、もうこのお話はせつ菜ちゃんと済ませたんでしょ?」
侑「あ…うん。聞いたんだ…?」
彼方「せつ菜ちゃん、突っ走っちゃうことはあるけど、頭もいいし丁寧な子だからね~。昨日の部活で全員集めてそのこと話してくれたよ」
侑「そうだったんだ…」
彼方「だから、私達の間で変に気を遣うのはだめ。よそよそしくされたら、彼方ちゃん寂しくて泣いちゃうよぉ」シクシク…
侑「わっわっ、ご、ごめん彼方ちゃん!」アワワ
彼方「にひ。いーよ」パッ
侑「も…もう彼方ちゃぁん…」ヘナ
415>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/08(火) 20:29:09.87ID:oGPQUA2f
彼方「侑ちゃんのライン聞いちゃったから、お休みの日いつでも呼び出せるようになっちゃった」
侑「できれば前の日までに連絡してくれると助かるかなぁ」
彼方「ん~、気まぐれでお菓子焼いた日は呼んじゃだめってこと?」
侑「それは絶対呼んで!」
彼方「わがままだなぁ、侑ちゃんは~」ケラケラ
侑「臨機応変っていうんだよー」ケラケラ
彼方とお昼ごはんを食べました!
彼方の連絡先を手に入れました! ▼
417名無しで叶える物語(茸)2020/12/08(火) 20:31:50.94ID:7woavy8S
そろそろ身体が足りなくなってくるなあ
同好会入ってるアニメとかだといっぺんに全員と色々できるからなあ忙しそうだ
418名無しで叶える物語(もんじゃ)2020/12/08(火) 21:22:50.93ID:rt1VqIS3
おつです、みんなかわいいねぇ
勘違いだったりとかしたら申し訳ない限りなんだけど
コッペパンについて彼方ちゃんに教えてる部分、なにやら違和感を覚える会話になってる気がするのは意図的なのでしょうか
(個人的には、コッペパンのバリューや公平性などを守るべくボカしてるのかなーと解釈)
419>>1 ◆1Y9DDrqNbw (しうまい)2020/12/09(水) 00:35:34.20ID:5oQ871uK
>>418
すみません、ご指摘いただいた部分があまりピンと来ませんでした
侑が「彼方が裏コッペパンを買いにいったら売り手がなんとかすみだった!」というサプライズを仕掛けようとしたようなイメージですが、その点とは別になにか違和感がありましたか?
423名無しで叶える物語(公衆)2020/12/09(水) 08:21:24.95ID:Xs0NmbwG
>>419
ありがとうございます、なるほどサプライズ
理解力不足だったみたいです。下手な疑問すみませんでした
※ 確かに少しわかりづらかったので、まとめるにあたって当該会話部分を修正しています。
420>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/09(水) 08:03:06.25ID:VyJVmJYQ
放課後…
うーん、満足感がすごいなぁ。
お昼には彼方ちゃんのグラタンを食べてその次の休み時間にはお弁当を食べたんだから、当たり前なんだけど。
お母さんが作ってくれたお弁当を食べずに持って帰るなんていやだもんね。
短い休み時間に黙々と食べる間、歩夢の視線が痛かったのだけが…あはは…
今日はどうしよっかな? >>421
1.一人で帰る
2.歩夢と帰る
3.寄り道して帰る(運動場、中庭、公園、お台場から選択)
4.誰かに連絡する(菜々、かすみ、彼方、果林から選択)
421名無しで叶える物語(茸)2020/12/09(水) 08:04:10.05ID:uy58ekuZ
お台場
422>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/09(水) 08:18:55.87ID:VyJVmJYQ
侑「歩夢、帰ろ」
歩夢「お弁当箱洗ったの?」
侑「さっき洗ったよ」
歩夢「あーあ、侑ちゃんが休み時間にお弁当食べるんだったら私もお昼休みは我慢したのになぁ」
侑「優花達と食べたんでしょ?」
歩夢「食べたけど。侑ちゃんがいないとごはんの美味しさも半分になるの!」
侑「とんでもない仕組みだなぁ」
歩夢「…」ジー
侑「や、わかってるわかってる!突然放ったらかしちゃってごめんね、歩夢」
424>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/09(水) 08:21:38.32ID:VyJVmJYQ
歩夢「今日は誰のところに寄って帰るんですか?」ムー
侑「誰のところにも寄らないよ。歩夢とお台場にでも行こうかなって思ってるから」
歩夢「そうなの?」パァ
侑「…ぷっ」
歩夢「え、なに!?」
侑「いや、歩夢は表情がころころ変わるなーって」
歩夢「ば…ばかにしてる?」
侑「してないよ。そういうところが可愛いんだってば」
歩夢「も、も~…」//
侑「さ、行こ!」
歩夢「うん」
425>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/09(水) 08:27:50.94ID:VyJVmJYQ
お台場
侑「そろそろパスケース替えようかなー」
歩夢「今のだめになっちゃった?」
侑「そんなことないんだけど、なんとなく」
歩夢「侑ちゃんが替えるなら私も替えるよ」
侑「見にいこっか」
歩夢「うん!」
426>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/09(水) 08:31:44.08ID:VyJVmJYQ
雑貨屋
侑「あー、やっぱ種類少なくなってるよね」
歩夢「五月だもんね」
侑「思いつくのちょっと遅かったなぁ」
歩夢「この辺とかだと色違いでおそろいにできるね」
侑「なるほどねぇ…」
歩夢 ヒョイ
侑「あれ、戻しちゃうの?」
歩夢「ときめいてないってカオしてるもん。違うんでしょ?」
侑「あはは、さすが歩夢。うん、ちょっと違うかな」
歩夢「これだ!って思わないなら買っちゃだめ。そんな風に買ってもまたすぐ替えたくなっちゃうよ」
侑「おっしゃる通りでーす」
427>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/09(水) 08:41:07.84ID:VyJVmJYQ
歩夢「来月になったら品揃えも変わるかもしれないし、また見にこよ?」
侑「だね。まだまだおまえだって頑張れるもんなー」ツン
歩夢「だったらまだ使ってあげたらいいのに」
侑「…それもそうだね」
侑「パスケースって三年間使えるものなのかな」
歩夢「どうだろう。一年でも全然汚れてないし、使えそうだけど」
侑「だとしたら買い替えちゃうのも可哀想かなぁ」
歩夢「ユウチャン、ワタシ、マダイッショニイタイヨ」
侑「あはははっ!私それ好き!あははは……」
歩夢「久し振りに精霊の声出しちゃった」//
侑「パスケースの精霊にそう言われちゃったら替えらんないや、こうなったら三年間一緒にいようね」ツンツン
歩夢「クスグッタイヨー」
侑「あははは…それ、それやめて…!あははは…っ」ヒィヒィ
428>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/09(水) 08:45:18.75ID:VyJVmJYQ
駄菓子屋
侑「ガブリチュウみーっけ!」
歩夢「あんまりたくさん買っちゃだめだよー」
侑「はーい。あ、でもほら歩夢!梅ミンツあるよ」
歩夢「あ…」
侑「はい、お買い上げ」ポン
歩夢「て、手に乗せないで!」
侑「カゴいる?」
歩夢「いらないもん!」
侑「ヤングドーナツもあるけど」ヒョイ
歩夢「うう…」
429>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/09(水) 08:48:00.84ID:VyJVmJYQ
侑「お、ニンジンのやつだ」ヒョイ
歩夢「形がってだけでしょ」
侑「だってなんていうのかわかんないんだもん、これ」
歩夢「ライスパフとかじゃなかったっけ?」
侑「うーん…いや、ニンジンの方がわかりやすいよ」
歩夢「それは侑ちゃんの感覚じゃない…」
侑「二本買っとこうかな?」ヒョイ…
歩夢「一本にしなさい」メッ
430>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/09(水) 08:53:38.71ID:VyJVmJYQ
侑「見てこれ歩夢!一緒に飲も!」
歩夢「うん」
侑「何味がいい?私コーラかな~」ゴソ
歩夢「私はピーチがいいな」
侑「これで30円って安いよね。来るたび買っちゃうよ」
歩夢「うふふ…ねえ、覚えてる?小学三年生の頃、侑ちゃんがソーダで私がグレープ買った日あるじゃない」
侑「ぅ…」
歩夢「侑ちゃん、ぎゅーって握り締めながら噛み切ったから、すごい勢いでジュースが出てきちゃってべとべとになったよね」クス
侑「だって開けるの難しいじゃん。今はそんな失敗しないから!」
歩夢「ハンカチあるからね」
侑「しーなーいーかーらー!」//
431>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/09(水) 09:01:09.71ID:VyJVmJYQ
侑「たこ焼きのいい匂いするなぁ」クンクン…
歩夢「食べようなんて言い出さないでね」
侑「二人で分けっこすれば!…って言いたいところだけど、今日はさすがにいらないかな」
歩夢「ちゃんと晩ごはん食べられる?」
侑「あはは、平気だよ。普段だったらここでたこ焼き食べても晩ごはん食べられるくらいなんだけどな」
侑「…あれ?もしかして私、普段お弁当足りてないのかな?」
歩夢「そんなことないと思うよ」
歩夢「ごはんの時間を覚えちゃってるから、そこに合わせてお腹が空くようになってるんだと思うの。侑ちゃん、だいたいいつもごはんの時間同じでしょ?」
侑「ん、そうかも。なるほどー、便利な身体だね」
歩夢「ごはんを食べるのに本気だもんね」
侑「偉いぞ、私のお腹」サスサス
432>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/09(水) 09:09:40.61ID:VyJVmJYQ
『お化け屋敷』
歩夢「…」
侑「…」
歩夢「ねえ、覚えてる?」
侑「あ、覚えてる。覚えてるけどさすがに言わないでほしい」
歩夢「うん…私もあんまり言いたくない」
侑「あの頃は小さかったからね。仕方ないよね」
侑「あれっきりほとんど近づきもしなくなっちゃったけど、歩夢、なんか怖さ抑えめのモードとか追加されたらしいよ」
歩夢「…だから?」
侑「い
歩夢「かない」
侑「はい」
歩夢とお台場に寄って帰りました! ▼
433>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/09(水) 09:15:50.20ID:VyJVmJYQ
夜…
ごろごろ。
ベッドの上で体勢を変えながらスマホを眺める。
『このえかなた』
追加されたばかりのラインアカウント。
なんだか、彼方ちゃんらしくて好きだな。
『彼方ちゃん』に表示名を変更してから、ふと目がその少し下に留まる。
『菜。』
う~ん、いいなぁ。
いつもなら『菜々ちゃん』に変えるところだけど、これは変えたくない。
可愛すぎない?これ。
434>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/09(水) 09:22:18.29ID:VyJVmJYQ
こうして見ると、本当に今年度になって友達が増えたなぁと思う。
『かすみん』
『しずくちゃん』
『彼方ちゃん』
『果林先輩』
『璃奈ちゃん』
『菜。』
いや、やっぱり菜々ちゃんが結構異彩を放ってる。
個性的だし好きだけどね。
435>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/09(水) 09:30:47.71ID:VyJVmJYQ
歩夢とのトーク履歴は、基本着信履歴で埋め尽くされてるんだよね。
お休みの日にちょこっと連絡したり写真を送ったりすることもあるけど、なにかあったらだいたい直接話しちゃうもんなぁ。
ほんと、通話無料ってすごいよね。
毎朝壁を叩いて起こされたらやだもん。
いつか穴空いちゃいそうだし。
案外、穴の一つくらい空いてた方がコミュニケーション取るのに楽だったりするかな?
でもベランダでああして話すの好きだからなぁ。
それに、夜更かししてたら怒られちゃうかもしれないから…
やっぱり穴は空けない方向でいこう!
みんなのことを考えて過ごしました! ▼
438名無しで叶える物語(もんじゃ)2020/12/09(水) 11:28:17.92ID:x0oVq29B
おつおつ
彼方ちゃんやさしいな
ぽむもかわいいな
土日に同好会のライブと演劇部の公演があるんだっけか、個人的にはそれまでに菜々かすみんともう1回絡ませたいところ
439名無しで叶える物語(もんじゃ)2020/12/09(水) 11:30:19.02ID:x0oVq29B
裏コッペパンのくだりは自分には伝わりましたb
かなかすの仲修復できたらいいな~みたいな侑ちゃんの計らいという解釈
440名無しで叶える物語(茸)2020/12/09(水) 12:17:14.89ID:NaYBD12A
新スレたってたのか。めっちゃ面白いから完結まで見る
441>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/09(水) 20:08:32.96ID:VyJVmJYQ
翌朝…
侑「お待たせ~」タタタ
歩夢「行こっか」
侑「うん!」
いつも通りの朝、ふと思う。
侑「そういえば、エントランスに下りるの絶対歩夢の方が早いよね」
歩夢「朝の話?」
侑「うん、毎日私が『お待たせ』って言ってるなーって」
歩夢「…そうだね」
侑「え、そんなことない?」
歩夢「そんなことあるよ。絶対に侑ちゃんより早く下りるようにしてるもん」
侑「なんで?」
442>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/09(水) 20:13:04.51ID:VyJVmJYQ
歩夢「……あれは小学二年生のときです。朝からリコーダーが見つからなくて家を出るのが少し遅くなっちゃったことがあるの」
侑 (あっ)
歩夢「前の日になんにも考えずに本棚に置いちゃったせいだったんだけど、遅れてエントランスに着いた私は驚いたよ」
歩夢「侑ちゃんがいないんだもん」
歩夢「いつもより遅かったんだからそんなはずないって思ったんだけど、一旦戻って侑ちゃんのお家に行ったら『もう出たよ』って言われて…」
歩夢「必死になって家とエントランスを何往復もして、結局遅刻ぎりぎりになるからってお母さんが車で学校まで送ってくれたら──」
歩夢「侑ちゃん、教室で黒板にお絵かきして遊んでたよね」ニコッ
侑「あ、あはは…そんなことも……あったかなぁ…」
歩夢「あれからだよ。私が絶対に侑ちゃんより先にエントランスに下りるようになったのは」
侑「こ、子どもって無邪気だね~」ハハ…
443>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/09(水) 20:19:29.75ID:VyJVmJYQ
お昼休み…
思えば歩夢とはずっと一緒に過ごしてきた。
小学校では三年生に上がるときと五年生に上がるときの二回、中学ではそれぞれ進級のタイミングで二回、高校でも二年になるときにクラス替えがあって、入学でクラスの割り振りがあったタイミングも数えると相当な回数になるけど、今までずっと同じクラスなんだよね。
一年も離れたことがないせいで逆に当たり前みたいな感覚になっちゃってるけど、珍しいことかな。
確率で考えると結構低そうだよね…
歩夢とクラスが離れ離れの学校生活なんて想像できないや。
どこで食べようかな? >>444
1.教室で食べる
2.生徒会室で食べる
3.中庭で食べる
4.屋上で食べる
444名無しで叶える物語(たまごやき)2020/12/09(水) 20:20:27.57ID:CjqiS1Zq
4
445>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/09(水) 20:27:05.78ID:VyJVmJYQ
だってクラスが違ったら、朝一緒に登校してから授業が始まるまでの時間、休み時間と昼休み、それに放課後しか一緒にいられなくなって………
歩夢「侑ちゃん、お昼どこで食べよっか」
…あれ?
授業中に話すことなんかほとんどないし、あんまり関係ない…?
歩夢「侑ちゃん?考え事?」
休み時間も昼休みも、会いにいったりきたりして、結局は一緒に過ごしてそうな気もする…
…あっ!でも、待って。
歩夢「侑ちゃ~ん。お~い」フリフリ…
侑「新しい友達ができちゃったら!?」
歩夢「きゃっ!?」ビクッ
侑「うわっ歩夢!?」ビクッ
446>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/09(水) 20:31:28.88ID:VyJVmJYQ
歩夢「ど、どうしたの。大きな声出して…新しい友達…?」
侑「あ、ううん、なんでもないんだけど」
新しい友達ができるのは喜ばしいことだし全然いいんだけど、もし私よりその子と過ごす時間の方が楽しいって歩夢が思うようになったら…
歩夢「…?」
…それって、今の歩夢が感じてる気持ちなのかな。
歩夢より他の友達が大事だなんて思ってない、比べることでもないって思う。
けど、実際に歩夢と過ごす時間は前よりも減ってて…
侑「歩夢」
歩夢「う、うん。なに?」
侑「歩夢との時間、もっと大事にするからね!」ギュ(手)
歩夢「へ…へええ!?」//
侑「さ、お昼ごはん食べにいこっか!」ズンズン
歩夢「て…手繋いだまま行くの~!?」// アワワ…
447>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/09(水) 20:35:12.38ID:VyJVmJYQ
歩夢「どこを目指してるの?」
侑「今日は屋上!」
歩夢「えっ?」
侑「あんまり人が多くないとこで過ごしたい気分なんだ。ほら、この前屋上が意外と穴場だってわかったじゃん?」
歩夢「えっと、果林先輩のとき…?」
侑「そうそう、果林先輩と三人とかだったらいいんだけどねー」
歩夢「侑ちゃん、その、屋上に人がいなかったのって確か──」
侑「ん?」
448>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/09(水) 20:38:18.61ID:VyJVmJYQ
屋上
ガヤガヤ……ガヤガヤ……
侑「え。多っ」
歩夢「まあ、今日はお天気だから…」
侑「全然穴場じゃないじゃん」
歩夢「あれは雨が降りそうだからだって、果林先輩も言ってたでしょ」
侑「そ…そうだっけ!?あー、うん、そんなこと話したような気がする…」
歩夢「座る場所もないくらい混んでるね…どうしようか」
侑「う~ん………」
侑「…そうだ!」
歩夢「え?」
449>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/09(水) 20:40:11.67ID:VyJVmJYQ
侑「ちょっと待ってね」スマスマ
歩夢「うん…」
侑「きっとすぐお返事くれると思うんだ」
歩夢「誰?」
侑「静かなとこでお昼ごはん食べてそうな人」
歩夢「それって…」
♪
侑「!」
侑「ほらねっ!」っスマホ
『果林先輩:裏庭にいるけど』
450>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/09(水) 20:44:43.19ID:VyJVmJYQ
裏庭
侑「果林せんぱーい」トコトコ
果林「ほんとに来たのね。歩夢もこんにちは」
歩夢「こんにちは」
侑「なるほど、裏庭かー。全然思いつきませんでした」
果林「日が当たらないからか、普段からあんまり人いないのよね。放課後は…たまに変な子がいるけど」
歩夢「変な子?」
果林「ううん、なんでもないわ。今からお昼ごはん?」
侑「はい!ここで食べていいですか?」
果林「どうぞ。私の土地でもないもの」
歩夢「お一人がよくてここにいたんじゃないんですか?私達、いたら迷惑じゃ…」
果林「静かなのが好きでここにいるのはその通りだけど、どうしても一人がいいってわけじゃないわ」
果林「あなた達の話を聞いてるの、面白いしね」ニコッ
451>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/09(水) 20:50:02.30ID:VyJVmJYQ
「「いただきます」」
侑「果林先輩はお昼もう済んじゃったんですか?」
果林「そうね」
侑「またサラダ?」
果林「当然。ああ、でも今日は鶏胸肉入りのやつにしたのよ」
侑「…だけ?」
果林「だけ」
侑「うへえー」
果林「うへーとは失礼ね」
歩夢「侑ちゃん、ごはん大好きなので」
果林「私も野菜好きだから同じことよ」
侑「満足感とかなんかこう、全然違いますよ」
果林「慣れだってば。前も言ったでしょう?」
452>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/09(水) 20:56:06.94ID:VyJVmJYQ
果林「そうだ、この間は画像送ってくれてありがとう、二人とも。よく似合ってたわね」
歩夢「果林先輩にそう言ってもらえるとほっとします」
果林「それはどっち?歩夢が選んだ侑の服の方?」
歩夢「ど、どっちも…」
果林「侑には言ったけど、私が見立てたコーディネートよりずっとよかったわよ」
歩夢「そんなこと…!」
果林「あるの。侑なんか私が謙遜してそう言ったのに『そうですよね!』なんて返してきたんだから」
歩夢「侑ちゃん…」
侑「えーっ!?今さら怒るんですか!?」
果林「ふふ…怒るわけないじゃない。私だって同じ意見だもの」
侑「ですよねー」ヘヘ
453>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/09(水) 21:01:59.80ID:VyJVmJYQ
果林「あら?」
果林「歩夢、前からハーフアップだっけ?」
歩夢「いえ。コーディネートのときに侑ちゃんが合わせてくれて、それから続けてるんです」
侑「へへー、似合ってるでしょー」
果林「そうよね、やっぱり。なんだか特徴的な髪型だった気がしてたもの」
果林「でも、うん、いいんじゃない。前の髪型より大人びた印象になってるし、そういう意識で変えたのよね?」
侑「わ、よくわかりましたね。さすが」
果林「前の髪型だって歩夢をよく象徴してるみたいで素敵だと思ったけどね」
歩夢「あ…ありがとうございます。でもしばらくは、これでいこうかなって」テレ…
果林「…ふうん」
454>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/09(水) 21:06:45.20ID:VyJVmJYQ
歩夢「果林先輩、お洋服どのくらい持ってるんですか?」
果林「さあ。たくさん」
歩夢「たくさんですかー…いいなぁ」
果林「仕事によっては、撮影に使った服がそのまま報酬だったりすることもあるのよ。そうじゃなくても貰う機会は多いし、どんどん増えていっちゃうのよね」
果林「寮のクローゼットにも限りがあるから、そろそろどうにかしなくちゃいけないんだけど」
侑「フリマアプリとかで売ったらいいんじゃないですか?」
果林「フリマアプリねえ」
果林「よく聞くけど、私そういうの疎くて。どうすればいいのかわからないから、調べるのも面倒くさくて結局そのままにしちゃうのよ」
455>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/09(水) 21:11:25.30ID:VyJVmJYQ
侑「よかったら手伝いましょうか?」
果林「え?」
侑「お洋服の片付け。フリマアプリで売るのとか」
果林「それは、ありがたいけど…」
歩夢「侑ちゃん、そういうの使ったことあるの?」
侑「ないけどやってみればわかるんじゃないかな」
歩夢「大丈夫…?」
果林「それで侑にできたら、私がまるでそういうのに疎いみたいじゃない」
侑「え、疎いんですよね?」
果林「う…疎くなくはないだけ!私がわからないのに目の前でさくさく使いこなされたら、…悔しいし」
侑「………ぷっ」
果林「笑ったわね!?」
456>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/09(水) 21:14:04.54ID:VyJVmJYQ
侑「笑ってません!w」
果林「口元がもうにやついてるのよ」ムニー
侑「ひゃああ…ふみまへぇん」
果林「まったく」パッ
侑「いてて…でも、私がやってみてできれば、それを果林先輩に教えられますよ。そしたら自分でもできるようになるから!」
果林「…まあ、それもそうね」
457>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/09(水) 21:20:08.75ID:VyJVmJYQ
侑「果林先輩、土日もモデルのお仕事ありますか?」
果林「あるときはあるけど、今週は特にないわね」
侑「じゃあ、えっとー…土曜日!やりましょうよ」
歩夢「わ、私もお手伝いします!」シュバッ
侑「どうですか?」
果林「私は全然いいけど…」
果林「その、二人はいいの?せっかくの土曜日をそんなことに使っちゃって」
侑「もちろん!尊敬する果林先輩の力になれると思えば!」ゞ ビシッ
果林「侑がどうして私のことを尊敬するのよ。調子がいいんだから」フフ
果林「…でも、ありがとう。甘えてもいいかしら」
ゆうぽむ「「はいっ!」」
果林とお昼ごはんを食べました!
果林と土曜日に約束しました! ▼
459名無しで叶える物語(たこやき)2020/12/09(水) 22:09:40.55ID:Qz5nXjQ0
おつです!
460>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/10(木) 08:06:27.61ID:2Zlou1o4
放課後…
ああ言った手前、ほんとになーんにもわかりませんじゃちょっとかっこ悪いので、休み時間にフリマアプリをダウンロードしてみた。
ふんふん、出品のページで写真を撮って説明文を書いて値段を決める、だけ。
その3ステップしかないんだとすれば割と簡単かもしれない。
試してみたいけど、学校のものを勝手に出品しちゃうわけにいかないし、やるなら帰ってからだよね。
どうしよっかな? >>461
1.一人で帰る
2.歩夢と帰る
3.寄り道して帰る(中庭、公園、お台場から選択)
4.誰かに連絡する(しずく、彼方、璃奈から選択)
461名無しで叶える物語(茸)2020/12/10(木) 08:09:20.22ID:aOt4O90t
しずく
462>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/10(木) 08:14:08.89ID:2Zlou1o4
ま、フリマアプリのことは後で考えるとして…
しずくちゃんに連絡しちゃってもいいかなぁ。
会いにはいっちゃいけないんだよね。
まだ部活が始まるまでは少し時間があるはずだから、一言か二言話すくらいならできるかも。
じゃなきゃせめてなにか役に立ちそうなことを調べて送ろうかな…
どう連絡しようかな? >>463
1.他愛のない話を振る
2.練習の調子について話す
3.役に立ちそうな情報を送る
463名無しで叶える物語(たこやき)2020/12/10(木) 08:17:31.89ID:HDHWq00r
3
464>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/10(木) 08:22:43.00ID:2Zlou1o4
部活前なんだから集中を邪魔するような話をしちゃだめだよね。
それに、せっかく役作りに徹してるんだからそれを壊すようなこともしちゃだめだ。
役の気持ちを崩さないまま受け取れて、役者としてのしずくちゃんのためになること──うん、やっぱりちょっとでも調べ事をして情報共有しようっと。
私だって演劇の知識を少しでも深めておきたいし、自分の勉強にもなると思って。
侑 スマスマ………
465>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/10(木) 08:28:05.74ID:2Zlou1o4
一言か二言の相槌が来た後、すぐにそれはなくなった。
私のやろうとしてることをわかってくれたんだよね。
私はネットで調べたことをコピーして、もしくは少し打ち直したりしながら、粛々としずくちゃんに送る。
まるで一方的に見えるそんな作業に対して、送る端から既読がつくことがしずくちゃんの『返信』だ。
ただただ黙々と情報を取りにいってるのがわかる。
それが役者としての成長に、役としての説得力に繋がるんだって信じて。
466>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/10(木) 08:33:29.17ID:2Zlou1o4
そんな会話をしばらく続けていると、既読がつかなくなった。
部活が始まったんだ。
ぼんやりと見詰めるトーク履歴の向こうに、しずくちゃんの一心不乱な表情が見えるような気がする。
『頑張ってね』
それだけ最後に送って一息つく。
歩夢「侑ちゃん、帰れる?」
侑「ああ、歩夢。ごめん、待たせてた?」
歩夢「なんだか真剣な表情だったから。もういいの?」
侑「うん。帰ろっか」
467>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/10(木) 08:37:30.68ID:2Zlou1o4
帰り道
侑「これ落としてみたんだ」っスマホ
歩夢「果林先輩と話してたやつだよね。どう?使えそう?」
侑「そんなに難しくなさそうだよ。売りたいものの写真を撮って、説明文を書いて、値段を決めるだけなんだって」
歩夢「それで売れちゃうんだ。すごいね」
侑「ねー。リアカーに山盛り積んで公園でフリマに参加する時代じゃなくなったんだ」
歩夢「侑ちゃんそんな経験ないでしょ。どこで学んだのそんなこと…」
468>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/10(木) 08:40:37.49ID:2Zlou1o4
侑「帰ったら試しに出品してみようと思うんだけど、なにがいいかな?」
歩夢「なんだろう。侑ちゃん、人に売れるものとか持ってるの?」
侑「持ってたかなぁ…目覚まし時計とか?歩夢が起こしてくれるから全然使わないんだよね」
歩夢「りんごの形のやつ?」
侑「そうそう」
歩夢「あれまだ持ってたの!?だって買ったの中学に上がるときだったよね?」
侑「心機一転って買ったけど、結局使ってないや」アハハ
歩夢「もったいないなぁ、もう」
歩夢「でもいいんじゃない?ちゃんと動くよね?」
侑「それは確認しとかなきゃだね」
469>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/10(木) 08:46:55.33ID:2Zlou1o4
侑「売れるもの売れるもの…こうやって考えると案外難しいな」
歩夢「いらないものだったら捨てちゃってるはずだもんね。使えるのに使ってないものとか、だぶっちゃったものとか…」
侑「だぶったものだとあるかも!私、間違って同じ巻を買っちゃったマンガあるんだよね」
歩夢「あ、それいいかもね。まだキレイでしょ?」
侑「ピカピカだよ!間違って買ったけどゴミってわけじゃないし、読まないまま捨てるのもなーってそのままにしてるんだよね」
歩夢「一巻?」
侑「ううん、七巻」
歩夢「中途半端なところだね…」
侑「三巻がだぶったのと、最新の二十一巻がだぶったのもあるよ。待てよ、あれもだぶったんだっけ」
歩夢「フリマアプリに出すかどうかって以前に、同じ巻を買っちゃう間違いを直しなさい」
470>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/10(木) 08:54:21.85ID:2Zlou1o4
歩夢「お洋服を出品してる人ってたくさんいるの?」
侑「待ってね。適当に『服』とかでー…」
侑「わ、めっちゃ出る!」
歩夢「ほんとだ。こんなにお洋服を売りたい人がいるんだね」
侑「この辺の値段ってどうなの?」
歩夢「んー…お店で買うよりは全然安いけど、誰かが着たお古にしては高い…かも?」
侑「歩夢だったら買わない?」
歩夢「どうかなぁ。前から欲しかったけど買えないままのアイテムとかがあったら買っちゃうかもしれないけど、普段のショッピングみたいな感覚では買わないかな」
侑「うーん、なるほど」マジマジ…
471>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/10(木) 08:58:32.15ID:2Zlou1o4
侑「服もいくつか出してみよっかな」
歩夢「侑ちゃんの?」
侑「うん」
侑「土曜日まであんまりないから結果がわかるかわかんないけど、どのくらいの値段だったら売れるのかとか知っておいたらやりやすそうじゃない?」
歩夢「そう、だね」
侑「果林先輩、処分したい服たくさんあるみたいだし、できれば出したら早めに売れてほしいしさ」
歩夢「うん、それはいいんだけど…」
侑「なにか気になる?」
歩夢「…侑ちゃんのお古を他の人が着るのは、ちょっと…なぁ…」
歩夢「私が買い取ろうか?」
侑「それなんか意味ある!?」
歩夢と帰りました! ▼