進行中の雰囲気を残すため、一部、本編以外のレスも保持しています。
※ 本記事中腹(6~7ページ頃)において、多くの感想が飛び交います。必ずしもいい雰囲気とは言えないため、気になる方は本文(ヘッダが青文字のもの)のみ読み進めていただくようご注意ください。
342>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/07(月) 08:20:21.17ID:FtepUuYI
翌朝…
侑「お待たせ~」タタタ
侑「…あれ!?」
歩夢「どうしたの?侑ちゃん」
侑「歩夢、その髪型…」
歩夢「あ…どう?似合うかな」
はにかむ歩夢、その髪型はいつもの特徴的なお団子じゃなくて、昨日も見たばっかりのハーフアップだった。
侑「似合う似合う、可愛いよ!」
歩夢「うふふ、よかった」
侑「髪型変えてくるの珍しいね。びっくりしちゃったよ」
歩夢「だって侑ちゃんがしてくれたんだもん。ほどくのもったいなくて」
侑「えっ、昨日からそのままなの!?」
歩夢「そんなわけないでしょ。冗談でーす♡」クスッ
343>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/07(月) 08:26:30.35ID:FtepUuYI
お昼休み…
あだ名って不思議だよね。
同じ名前なのにあだ名にされる子もいればされない子もいて、かと思えば全然違うあだ名がついたりもする。
それがキャラクターってことなんだろうけど、高校生になるとなかなか個性的なあだ名を聞かなくなっちゃって、なんだか寂しいなぁ。
お昼はどうしようかな? >>344
1.教室で食べる
2.生徒会室で食べる
3.中庭で食べる
4.食堂で食べる
344名無しで叶える物語(たこやき)2020/12/07(月) 08:32:33.60ID:C+Xr096X
3
345>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/07(月) 08:38:02.98ID:FtepUuYI
歩夢「侑ちゃあん!」タタタ
侑「わ、どうしたの歩夢」
歩夢「もー、みんなが面白がって私の髪をいじってくるの。助けて」
優花「よいではないかよいではないか、どういう心境の変化か知らないけども~」ジリジリ
香「写真とらせーい」ジリジリ
歩夢「こ、来ないでぇ」
侑「なにしてるの二人とも。歩夢が怖がっちゃってるじゃん」
優花「だって歩夢がお団子以外の髪型してるの初めて見たよ。なんかあったのかなーってさ」
歩夢「なにもないよぅ…」コソ…
香「ほんとかなー?」
侑「…」
346>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/07(月) 08:40:16.12ID:FtepUuYI
侑「それ以上歩夢の髪いじるの禁止!」サッ
歩夢「ゆ、侑ちゃん…」
侑「いつもと違うから気になるのはわかるけど、そんなにしつこくするのはだめだよ」
香「ぅ…」
優花「…ごめん…」シュン
侑「歩夢、お昼ごはん食べよ。今日は中庭ね」
侑「行こ」ギュ
歩夢「う、うんっ」
347>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/07(月) 08:45:09.56ID:FtepUuYI
歩夢「あの、ありがとう。侑ちゃん」トコトコ…
侑「え、なにが?」トコトコ…
歩夢「髪のこと、庇ってくれて」
侑「ああ」
侑「全然、たいしたことないよ。優花達、悪ノリが過ぎることあるしね」
歩夢「今の侑ちゃん、かっこよかった」
侑「そ…そう?そんなこと、普通だよ、普通」
侑「もういじってこないと思うし、もしまた言われたらすぐに教えてね」
歩夢「うん、ありがとう」
侑 (──なんか)
侑 (イヤだったんだよなぁ、ああいう風に歩夢にされるの…)
348>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/07(月) 08:49:20.72ID:FtepUuYI
中庭
歩夢「いつものとこで食べる?」
侑「そう、だね」キョロ…
侑「…あ」
歩夢と中庭でお昼ごはんを食べるときによく使う木の近く。
二つの影がある。
璃奈ちゃんと──かすみんだ。
侑「…」
歩夢「…?」チラッ
歩夢「ぁ…かすみちゃん達…」
349>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/07(月) 08:51:42.92ID:FtepUuYI
歩夢「別のところに行こっか…?」
侑「…ううん」フル
侑「あそこで食べよう。いつもの場所で」
歩夢「えっ」
歩夢「い、いいの?その…かすみちゃん、いるよ?」
侑「…遠慮することなんかないはずだよ」
侑「だって、璃奈ちゃんもかすみんも友達だもん」
350>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/07(月) 08:56:29.31ID:FtepUuYI
侑「やっほー、璃奈ちゃん!かすみん!」
かすみ「……げっ!?」
璃奈「侑さん。歩夢さん」
歩夢「こ、こんにちは」
侑「二人とも中庭だったんだね。私達も一緒に食べていい?」
璃奈「いいよ」
侑「ありがとう」
かすみ「あ、り、璃奈ちゃん、かすみんちょっとお腹が…保健室にでも…」
侑「かすみん、大丈夫!?私が一緒に行こうか!?」
かすみ「………」
351>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/07(月) 09:00:17.47ID:FtepUuYI
「「いただきます」」
侑「璃奈ちゃん、今日もかすみんのコッペパンだ。いいなー」
璃奈「美味しい」モグ…
侑「かすみんかすみん、私ね、次はレモンクリームみたいなやつ食べたいな。作れる?爽やか系の!」
かすみ「…できないことはないと思いますけど」
侑「ほんと!?作ったら教えて!絶対買いにいくから!」
かすみ「はあ…」
歩夢「かすみちゃん、飲み物は?」
かすみ「あっ、教室に置いてきちゃった…」
歩夢「大変。お茶でよかったら飲む?コップ私のだけど、こっちは口つけてないからね」コポ…
かすみ「あ…ありがとうございます」
352>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/07(月) 09:07:23.04ID:FtepUuYI
侑「そうだ璃奈ちゃん、聞いて!いいニュース!」
璃奈「なに?」
侑「はんぺんのことね、問題なくなったんだよ!」
璃奈「ほ…ほんと?」
侑「菜々ちゃんが生徒会で話し合ってくれて、みんなで『はんぺんのことは気にしない』って結論になったって。これからもはんぺんと一緒にいられるよ!」
璃奈「……よかった…」
かすみ「はんぺんちゃんが、どうかしたんですか?」
歩夢「実は、学校の敷地内に猫が住み着いてるのはどうなんだってお話があったの。でも、生徒会長がなんとか丸く収めてくれたんだって」
かすみ「へえ。生徒会長、いい人ですね」
歩夢「そうだね」
353>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/07(月) 09:11:09.45ID:FtepUuYI
侑「はんぺん、今日もいる?」
璃奈「いるよ」
璃奈「さっきパンあげたから、今は寝てるかもしれない」
侑「少しだけ、顔見にいってもいいかな」
歩夢「起こさないようにね」
侑「わかってるー」
璃奈「私も行く。かすみちゃんも行こう」
かすみ「…うん」
354>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/07(月) 09:13:23.90ID:FtepUuYI
はんぺん スヤスヤ…
侑「ほんとだ、寝てるね」ヒソ
歩夢「すっかりここに落ち着いたみたいだね」ヒソ
侑「まったく、なんの心配もないよーって感じで寝ちゃって。こっちは大変だったんだぞ」
歩夢「大変だったのは侑ちゃんじゃないでしょ」
璃奈 ナデナデ
はんぺん モゾ… スヤスヤ…
侑「起きないんだ…」
歩夢「慣れてるね」
355>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/07(月) 09:16:05.03ID:FtepUuYI
侑「かすみん、いつもはんぺんにパン持ってきてくれてるんだって?ありがとね」
かすみ「!」
かすみ「いえ別に、ちょっと切れ端とか用意するだけなので…たいした手間じゃありませんし…」
かすみ「そ、それに!猫だってかすみんのコッペパン食べて『かすみん好き好きー』ってなるかもしれないですし。…まだ撫でれてませんけど」
侑「あはは、そっか。私もまだ撫でれてないから、一緒だね」
かすみ「…そうですか」
356>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/07(月) 09:20:47.45ID:FtepUuYI
侑「ねえ、かすみん。私ね、かすみんのファンでいたいって気持ち、なくなってないよ」
かすみ「…!」
侑「同好会のことは本当にごめん。細かいこといっぱい謝りたいけど、もう謝るのはこれっきりにするつもり」
かすみ「…かすみんは、謝ってほしいだなんて一回も思ってませんよ」
侑「そうだよね。だから今のは私がきちんとケジメをつけるために謝っただけ」
侑「私、かすみんのファンでいたいんだ」
かすみ「かすみんだけの、ファンですか?」
侑「かすみんのファンでいたいし、彼方ちゃん、エマ先輩、せつ菜さんのファンでいたい。虹ヶ咲のスクールアイドル同好会のファンでいたい」
侑「それって、だめなことかな」
かすみ「……全然、だめじゃないですよ」
357>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/07(月) 09:28:17.87ID:FtepUuYI
侑「頑張るみんなを精いっぱい応援するファンでいたいし、ピンチのときに正しく応援できるファンでいたいんだ」
かすみ「ライブが心配だから手伝いたいとか、もう言い出さないんですか?」
侑「言わないよ。私は部外者だからね」
かすみ「…っ、それは…」グ…
侑「あ、違うのかすみん。そう言われたことをどうこうとかじゃなくてね、せつ菜さんと話して、きちんと納得したんだ」
かすみ「せつ菜せんぱいと…?」
侑「うん。同好会の問題は同好会のみんなで解決することだから、ファンとして応援して愛してほしいって言われた」
侑「私は当事者にはなれないけど、ファンでい続けることはできる。そういう形でスクールアイドルのかすみん達を支えていきたいって思ったんだ」
358>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/07(月) 09:31:56.44ID:FtepUuYI
かすみ「…部長のせつ菜せんぱいとお話がついたのなら、かすみんから言うことはもうなんにもありませんよ」
かすみ「ファンとして、いつでも応援していてください」
侑「うん!」
侑「でも、それと別にね」
かすみ「はい?」
侑「私、スクールアイドルじゃないかすみんとももっと仲良くなりたいんだ」
かすみ「へ…」
侑「一緒にお昼ごはん食べたり、水族館に出かけたり、そんな普通の友達になりたい。だめかな?」
かすみ「な……っ」
359>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/07(月) 09:37:37.69ID:FtepUuYI
侑「ファンと友達を両立するのって変かな?」
かすみ「変っていうか、普通、ファンのみんなとお友達になることはないですし…」
侑「友達がファンになることはあるよね」
かすみ「それはまあ、あると思いますけど」
侑「だったら私はそっちだね!」
かすみ「は…はあ!?かすみんがいつ侑せんぱいとお友達になったんですか!?」
侑「えー、一緒に水族館行ったじゃん」
かすみ「それは侑せんぱいがあんまりしつこいから仕方なくだって言いましたよねえ!?」
侑「また行こうよ。次こそしな水にさ」
かすみ「せんぱいが間違えなきゃ行けてたんですけどね…」
侑「言いっこなしだってば。かすみんも到着するまで気づかなかったんだから、おあいこだよ」
かすみ「なんでですかーっ!」
360>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/07(月) 09:40:09.24ID:FtepUuYI
璃奈「それは、どういう表情?」
歩夢「…今だけは我慢するって決めた表情だよ」ニコニコ
璃奈「侑さんがかすみちゃんと仲良くなるの、いやなの?」
歩夢「いやじゃないよ。一人増えるだけだもん」ニコニコ
璃奈「怒ってる?」
歩夢「…………水族館は初耳だなって思っただけだよ」ニコニコ
璃奈「ふ、ふーん…」ナデナデ…
かすみと璃奈とお昼ごはんを食べました! ▼
362名無しで叶える物語(もんじゃ)2020/12/07(月) 10:58:27.17ID:HlCo57rO
おつおつ
かすみんとまた話せるようになって良かった…本当に良かった…!!!
363名無しで叶える物語(八つ橋)2020/12/07(月) 12:21:28.79ID:rkiiMmSi
あかん泣ける
364名無しで叶える物語(しうまい)2020/12/07(月) 12:29:32.07ID:i63xwTq/
そういえば水族館のことぽむは知らないんだったね
かすみんと仲良くなれそうでよかった
365名無しで叶える物語(たこやき)2020/12/07(月) 13:05:58.38ID:C+Xr096X
かすみん強い子だなぁ
わいやったら八つ当たりしてるや
366名無しで叶える物語(もんじゃ)2020/12/07(月) 18:12:19.90ID:LMyhkeWM
ようやく話せてよかった…
険悪なのはきついからね
367名無しで叶える物語(もんじゃ)2020/12/07(月) 22:43:28.03ID:sRHdMfaZ
おつです
みんなイイ子だから、みんな幸せになってほしい
一オタクの勝手な、独善的な願い、シナリオ希求でしかないけど、こうして一つの可能性を見守れるのは本当に嬉しい
368>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/08(火) 07:58:51.70ID:wHVgFDEf
放課後…
私は欲張りなのかもしれない。
あれもこれもしたくて、あっちにもこっちにも行きたくて、あの人ともこの人とも仲良くなりたい。
身体が二つあればいいのに。
三つあればいいのに。
そしたら──
お昼寝と、好きなもの食べるのと、友達と遊ぶのを一緒にやるのになぁ!
今日はどうしよっかな? >>369
1.まっすぐ帰る
2.寄り道して帰る(演劇部、裏庭、お台場から選択)
3.誰かに連絡する(しずく、かすみ、璃奈、果林から選択)
369名無しで叶える物語(もこりん)2020/12/08(火) 08:01:08.43ID:pbczBU6i
3
しずく
370>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/08(火) 08:14:57.19ID:wHVgFDEf
そうだ、しずくちゃんの演劇、来週…ううん今週の日曜日なんだっけ。
あんまり時間割けてないや。
でも練習は部でしっかりできてるはずだよね。
この前見学に行ったときだって、行われてる練習の一つも、説明されたことの一つも、知らなかった。
手伝いたい気持ちがあっても、演劇のことをなにも知らない私にできることなんかほとんどない。
しずくちゃんが頼ってくれない限り、なにをすればいいのかもわかんないんだ。
…見学、に、とりあえず…
侑 パッ
『16:21』
この時間なら、まだぎりぎり練習は始まってなかったはずだよね。
371>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/08(火) 08:19:11.61ID:wHVgFDEf
侑 スマスマ…
歩夢「侑ちゃん、帰らないの?」
侑「あ、うん。帰ろっか」
歩夢「調べ事?」
侑「そんなところ。私、みんなと違って得意なこととかあんまりないからさ。自分に知識がない分は調べたり詳しい人に聞いたりして補おっかなーって」
歩夢「私だって得意なことなんかないよ」
侑「そんなことないよ!歩夢、料理も上手だし頑張り屋さんだし」
歩夢「頑張り屋さんって得意なことかなぁ?」
侑「頑張れない屋さんの私にしてみればすごい才能だと思うよ」ウンウン
歩夢「うふふ、なにそれ。だったらもっと頑張ってくーださい」
侑「えへへー」
372>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/08(火) 08:23:24.00ID:wHVgFDEf
帰り道
侑「あれから優花達平気だった?」
歩夢「うん。お昼ごはんから戻ったとき二人にごめんねって言われて、似合ってるって褒めてくれたよ」
侑「よかった。たぶんそれを言いたかっただけだと思うんだけど、最初からそうしてくれたらいいのにね」
歩夢「ずっと同じ髪型だったのを変えたんだもん、仕方ないよ」
侑「そうかもしれないけど…って、なんで私がフォローされてるの?」
歩夢「だって侑ちゃんがあんな風に庇ってくれたから、私はもう気にしてないもん。それより侑ちゃんの方が気にしてるみたいで」
侑「んー、そうかな」
まあ、あんまりいい気分じゃなかったのはほんとだもんね。
373>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/08(火) 08:27:49.08ID:wHVgFDEf
侑「歩夢」
歩夢「なに?」
侑「髪型、どうするの?明日から」
歩夢「え?」
侑「いやほら、そのハーフアップ、続けるのかなって」
歩夢「…侑ちゃんはどうしてほしい?」
どうしてほしい? >>374
1.ハーフアップを続けてほしい
2.お団子ヘアーに戻してほしい
3.歩夢の好きな方にしてほしい
374名無しで叶える物語(庭)2020/12/08(火) 08:29:02.69ID:q0snSnxr
1
375>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/08(火) 08:32:08.59ID:wHVgFDEf
私は…
侑「続けてほしいな。ハーフアップ」
侑「お団子ももちろん似合ってるし『歩夢!』って感じするけど、それだって似合ってるしさ、それに…」
歩夢「それに?」
──歩夢「だって侑ちゃんがしてくれたんだもん。ほどくのもったいなくて」
なんだかすっごく可愛くて、なんて、
侑「………に、似合ってるし!」
歩夢「え~?なにそれ」クス
376>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/08(火) 08:37:46.95ID:wHVgFDEf
歩夢「でも、わかったよ」
歩夢「侑ちゃんがそんなに言ってくれるなら、しばらくこの髪型でいようかな」
侑「そ、そう?朝から大変だったりしない?」
歩夢「普段のお団子の方がよっぽど時間かかっちゃうから、むしろちょっぴり楽しちゃってるなって思うくらいだよ」
侑「そうなんだ」ホッ…
歩夢「侑ちゃん、そんなにこの髪型気に入ったの?珍しいね」
侑「ど、どうだろ。新鮮だからかな」
歩夢「ふーん?」
歩夢「侑ちゃんの新しい扉を開いちゃったかなぁ」
侑「えっ」
歩夢「普段そういうこと言ってくれない侑ちゃんが二回も『似合ってる』って言ってくれるなんて相当だもんなぁ」
侑「え、や、そんなんじゃないんだけど…!」
歩夢「これからずーっとハーフアップでいるように命令されちゃったりするのかなぁ」
侑「し…しないよー!」
歩夢と帰りました! ▼
377>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/08(火) 08:43:36.47ID:wHVgFDEf
夜…
『しずくちゃん:侑先輩』
晩ごはんを終えたくらいの頃、やっとしずくちゃんからお返事が来た。
19時半…たぶん、今まで練習してたんだよね。
公演まで一週間を切って大詰めなのはわかるけど、無理してないかな…
『しずくちゃん:リスト送ってくださってありがとうございました。とても役に立ちました』
放課後、私は『演技の幅』について調べて、目についたものを片っ端からしずくちゃんに送った。
部活の前だったから時間はあんまりなかったけど、送った瞬間に『既読』がつくのが止むまでひたすらに続けたおかげで、そこそこの量の情報を送ることはできた。
378>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/08(火) 08:50:01.54ID:wHVgFDEf
『ほんと?よかった』
『きちんと演劇部に所属して練習してるしずくちゃんに私がしてあげられることって思い浮かばなくてさ、調べて送るくらいしかできなかったけど』
『しずくちゃん:くらいなんてそんな!』
『しずくちゃん:私、昔から演技については映画や舞台を観て学んでいたんです』
『しずくちゃん:その方が感覚的に掴めるのでいいと思っていたんですが、よく考えたら本やネットで調べたことってほとんどなくて』
『しずくちゃん:先輩が送ってくださったもの、どれも理屈で説明してあって、それもすごくわかりやすかったです。感覚だけで培った演技の隙間を埋めてもらえたみたいでした』
『しずくちゃん:今日の練習にさっそく取り入れてみて、部の先輩達にも褒められたんですよ』
『しずくちゃん:侑先輩のおかげです♡』
『しずくちゃん:侑先輩のおかげです!』
379>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/08(火) 08:52:33.62ID:wHVgFDEf
『なんで二回言ったの?笑』
『しずくちゃん:打ち間違えてしまいました』
『ハートマーク?』
『しずくちゃん:調子に乗ってしまいました』
しずくちゃんの中でハートマークってそんなに神聖なものなのかな。
『可愛いじゃん、ハートマーク。私は好きだよ♡』
…お返事が、途絶えました…
380>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/08(火) 08:55:58.09ID:wHVgFDEf
あ…あれ!?なんで!?
なんか前にもこんなことあったような気がする、っていうかたまにお返事が来なくなるタイミングがあるな…
いやまあずっとラインに張り付いてる人ばっかりじゃないだろうし、そんなタイミングいくらでもあるとは思うんだけど。
自分でもちょっとノって打った自覚のある発言の直後に途絶えられると、さすがに焦っちゃう。
安易にハートマーク使わない方がよかったかな、しずくちゃんが反省した直後だったのに──
『しずくちゃん:私も好きです♡』
…ハートマークの、こと、だよね?
381>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/08(火) 08:57:31.07ID:wHVgFDEf
えっと…
『しずくちゃん:ごめんなさい』
『しずくちゃん:また調子に乗りました』
また調子に乗ったんだ。
わかんない、わかんないよしずくちゃん。
お互いに変なテンションで会話してるだけだと思っておけばいいのかな?
382>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/08(火) 09:02:06.67ID:wHVgFDEf
『私もよく調子に乗って歩夢に怒られるよ』
『しずくちゃん:怒られるんですか』
『しずくちゃん:私も侑先輩に怒られますか?』
『怒らないよ。なんなら調子に乗ってたのも気づかなかったくらいだもん』
『しずくちゃん:怒らないんですか…』
『怒ってほしいの?』
『しずくちゃん:怒りたいと思ったら存分に怒ってください!』
『怒りたいと思うことってある?』
『しずくちゃん:私はないです』
『私もないかなぁ』
『しずくちゃん:怒ってる間って、純粋に相手のことだけを考えてますよね。そう考えると怒られるのもそんなにイヤではないなと思います』
なるほど。
383>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/08(火) 09:06:49.67ID:wHVgFDEf
『しずくちゃん:調べた結果を送ってくれただけじゃないですよね』
ん?
あ、さっきの話かな。
『しずくちゃん:それぞれ、侑先輩がその情報から得たヒントや考えたことを一緒に書いて送ってくださったのが、すごく嬉しかったんです』
『的外れなこと書いてなかった?』
『しずくちゃん:いっぱい書いてありました』
侑「…」
『しずくちゃん:その正誤なんてどうでもいいんです』
『しずくちゃん:自分の知識分野以外の情報って、理解するのすごく大変だと思うんです。それなのに一つひとつ調べて、読んで、先輩なりに噛み砕いた意見を教えてくださった』
『しずくちゃん:そのこと自体が、すごくすごく嬉しいんですよ』
384>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/08(火) 09:12:34.17ID:wHVgFDEf
ああ、しずくちゃんは本当に──優しいなぁ。
部活前の時間がない中でやたらめったらに情報を送りつけてきた上級生に対して、こんな風に言えるなんて。
しかも的外れなコメントまで添えられてたのにね。
いっぱい。
思いつきで捻り出したようなお手伝いで申し訳ないなって思うのに、もうまたなにかしたいと思ってる。
それもこれもしずくちゃんが良い子だからだよね。
385>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/08(火) 09:16:03.56ID:wHVgFDEf
『私、もっとしずくちゃんの力になりたいんだ』
『なにかできること、ないかな?』
『しずくちゃん:侑先輩はいつもそんな風に私のことを気遣ってくれますね』
『しずくちゃん:ありがとうございます』
『しずくちゃん:私、』
『しずくちゃん:毎日侑先輩に会いたいです』
毎日…!
放課後は部活だから、お昼休みとか?
朝の時間か、私は近くだから部活が終わる頃にお迎えにいってもいいんだっけ──
『しずくちゃん:でも、会わないようにします』
386>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/08(火) 09:20:05.91ID:wHVgFDEf
『しずくちゃん:本当は毎日侑先輩に会ってお話ししたいです』
『しずくちゃん:今日はどんな風に過ごしたのか、なにがあったのか、聞いてほしいし話してほしい』
『しずくちゃん:短い道でもいいから隣を歩いて帰りたい』
『しずくちゃん:私がなにかを頑張った日には、頭を撫でてほしいです』
『しずくちゃん:そんな風に毎日を過ごしたい』
387>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/08(火) 09:24:24.50ID:wHVgFDEf
『しずくちゃん:ですが、私は今、桜坂しずくを謳歌するわけにはいかないので』
『しずくちゃん:今週の公演まで、彼女の人生を全うするまでは、私は満たされるわけにはいかないんです』
侑「…!」
『しずくちゃん:だから侑先輩にお願いすることがあるとしたら、私に会おうとしないでください』
『しずくちゃん:公演の日が近づくにつれて会いたくなってしまうと思います。私から連絡をしてしまうと思います』
『しずくちゃん:でも、どうか公演が終わるまで、鬼になって私を突き放してください』
『しずくちゃん:お願いします』
388>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/08(火) 09:27:56.40ID:wHVgFDEf
侑「──」
『わかったよ』
『しずくちゃん:ありがとうございます』
『しずくちゃん:あ、でもお返事くらいは下さると嬉しいです』
『しずくちゃん:わがままですけど、無視されちゃったら寂しいですから…』
侑「──」
『あはは、了解』
『すごいね、役者って自分の生活を懸けるものなんだね』
『しずくちゃん:誰かの人生を背負うのだから、それくらいのことは当然ですよ』
侑「──」
『今から本番が楽しみだなぁ!』
『しずくちゃん:彼女の決意に恥じない舞台にしてみせます!』
389>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/08(火) 09:29:18.25ID:wHVgFDEf
『しずくちゃん:そろそろ最寄り駅に着きます』
『しずくちゃん:またご連絡しますね』
『うん。私もなにか役に立ちそうな情報を見つけたら送るよ』
『しずくちゃん:ありがとうございます』
390>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/08(火) 09:31:26.01ID:wHVgFDEf
『しずくちゃん:侑先輩』
『なに?』
『しずくちゃん:日曜日、絶対に観にきてくださいね』
『もちろん行くよ!』
『しずくちゃん:公演が終わった後、時間を下さい』
『しずくちゃん:お話ししたいことがあるんです』
侑「──────」
『拍手し終えたら、一番に駆けつけるよ』
『しずくちゃん:ありがとうございます』
『しずくちゃん:それでは、お休みなさい』
しずくとラインで話しました! ▼
392名無しで叶える物語(もんじゃ)2020/12/08(火) 09:38:03.70ID:GBMebsTI
乙。ありがとう
良すぎて言葉がでてこん
たのしみ
393名無しで叶える物語(庭)2020/12/08(火) 10:25:12.97ID:q0snSnxr
乙
理想のしずくだわ…ヒロインはここにいたのか
394名無しで叶える物語(えびふりゃー)2020/12/08(火) 11:38:46.34ID:aDsxTbhO
生きてる
395名無しで叶える物語(もんじゃ)2020/12/08(火) 14:24:44.08ID:ss9N5jaa
マジで毎日の楽しみになってる
396名無しで叶える物語(もんじゃ)2020/12/08(火) 18:03:49.26ID:1y7XxdWz
はわわ