【ギャルゲ風安価SS】>>3「また一年が始まる」 3/3 10

945>>1 1Y9DDrqNbw ()2020/12/31() 17:37:42.68ID:Uz+NQcfq

翌朝…


侑「んー…」ゴロ


朝日。


侑「…」ゴロ…


突っ伏す格好で目覚めた後、ぐるりと仰向けに寝返り。


侑「お腹、空いたなぁ…」


お腹が空きました。


どう過ごそうかな? 
>>946
1.
お母さんに朝ごはん作ってもらう!
2.
歩夢とランチに行く!
3.
明日に向けて課題を終わらせる!?

 

946名無しで叶える物語(庭)2020/12/31() 17:53:37.87ID:wFtJ0r0t

2

 

947>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/31() 18:02:23.36ID:Uz+NQcfq

侑「ん~~~」ムムム… ←仰向け

侑「…よし!今日は朝ごはん食べずに、歩夢と思いっ切りお昼ごはん食べよう!」

侑 スマスマ…

歩夢『はい。おはよう侑ちゃん』

侑「おはよう歩夢!もう朝ごはん食べちゃった?」

歩夢『ううん、まだ食べてないけど…どうかしたの?』

侑「今日さ、ランチ行こうよ!歩夢と行きたかったお店があるんだ~」

歩夢『うん、いいよ。えっと、もう出るってこと?遠いの?』

侑「遠くはないんだけど、お腹空いたから早めに行きたいなーと思って」

歩夢『朝ごはんは食べないの?』

侑「うーん…食べない。思いっ切りお昼ごはんを食べたいんだ!」

歩夢『なにそれ』クス

歩夢『わかった。それじゃ私も朝ごはん食べないことにするね』

侑「シャワー浴びたいから、んー…後で連絡するね!」

歩夢『はーい』

 

948>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/31() 18:04:38.59ID:Uz+NQcfq

侑「お待たせ~」タタタ

歩夢「もう、誘っておきながらのんびり屋さんなんだから」

侑「えへへ、ごめんごめん」

歩夢「ところでどこに行くの?電車に乗るんでしょ?」

侑「うん。行きたいのはね、もんじゃ屋さんなんだ!」

歩夢「もんじゃ屋さん?…って、もしかして…」

侑「そう!愛ちゃんのお家に行ってみようよ!」

 

949>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/31() 18:09:47.59ID:Uz+NQcfq

もんじゃ みやした


侑「んー………あ、ここかも」

歩夢「『みやした』だって。そうみたいだね」

侑「ちょっと着くの早かったかなぁ。まだ準備中かもしれないね」

歩夢「あれ?侑ちゃん、これ…」スッ


『本日貸切!』


侑「えーっ、貸切…!?」ガーン…

歩夢「あちゃあ。事前に確認したらよかったね」

侑「…」

歩夢「どうしよっか。せっかくこの辺まで来たんだし、神田辺りにでも行ってみる?」

侑「………いや!聞くだけ聞いてみる!」

歩夢「えっ、貸切って書いてあるのに!?」

侑「昨日から看板戻してないだけかもしれないからさ。すみませーん」ガララ

歩夢「え…ええっ、侑ちゃん…!」

 

950>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/31() 18:14:19.04ID:Uz+NQcfq

「「「ハッピバースデー!!愛ちゃーーーん!!」」」


パン! パパン! パン!!


ゆうぽむ「「──うわっ!?」」ビクッ

「愛ちゃん何歳になったんだー!?」

「くそーっ、俺があと20歳若ければ~!」

「俺はまだまだ10代の気持ちだぞ!」

「わ、お客さん来ちゃった!ちょっと待ってみんな、ストップストップ!」

歩夢「な、なに…?」

愛「…って、侑じゃん!歩夢も!」

歩夢「あ、愛ちゃん…こんにちは…」

侑「愛ちゃん!私達ランチしにきたんだけど、今日ってほんとに貸切なの?」ズイッ

愛「おおっと」

 

951>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/31() 18:16:07.59ID:Uz+NQcfq

歩夢 キョロ…

歩夢「あっ、侑ちゃん見て!」クイ

侑「え?」


『愛ちゃん お誕生日おめでとう!!!』


歩夢「もしかして今日って…」

侑「愛ちゃん、お誕生日なの!?」

愛「そうだよー!だから常連のみんなに集まってもらって愛さんの誕パやってんだー!」

侑「だから貸切だったんだ…!」

 

952>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/31() 18:23:45.64ID:Uz+NQcfq

歩夢「そういうことだったんだね。タイミングがいいのか悪いのか…あ、愛ちゃん。お誕生日おめでとう」

愛「ありがと!ピチピチの17歳になりました!」ゞ

愛「あっという間に、もーもー17歳!ピチピチだけにピーチってね!」

侑「あはははっ……ピーチでもーもー17歳だって!あははは………!」ヒィヒィ

歩夢「お誕生日パーティやってるんじゃ、さすがにランチでお邪魔するわけにはいかないね…」

愛「へ?なに言ってんの、水臭いこと言わないでよ!」

歩夢「え?」

愛「こんなチョーサイコーのタイミングで来てくれたんだもん、一緒に祝ってってくれなきゃ愛さん悲しいぞ!」

 

953>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/31() 18:25:24.49ID:Uz+NQcfq

歩夢「で、でも常連さんだけのパーティなんじゃ…」

愛「お祝いは誰にされたっていいわい!なんつって!誕パの日に友達追い返すなんて有り得ないっしょ!ねー、みんな!」

「そうだそうだ、せっかく来たんだから一緒にお祝いしようぜお嬢ちゃん!」

「愛ちゃんの友達なら俺達の友達みたいなもんだよなあ!」

「大将!みやしたスペシャルをあの子達に!」

愛「いやそれ愛さんが言うやつだからー!………ね?今日はランチの料金貰わないし、もう帰すつもりないからさ、入って入って!」

歩夢「それなら…お言葉に、甘えようかな。ね、侑ちゃん──」

侑 ヒーッヒーッ 床ベシベシ

愛「ちょっとちょっと侑~、今からそんなんじゃついてこらんないよ?今日は愛さん絶好調でダジャレ飛ばしまくってくからね!」

侑「か、勘弁してぇ…!」

 

954>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/31() 18:31:41.05ID:Uz+NQcfq

愛「はいー!みやしたスペシャルに愛さんスペシャル、出来上がり!」

「おーっ、来た来た!」

愛「侑と歩夢にはこれもね!」

侑「あっこれ…!愛ちゃん特製のスペシャルドリンクだ!」

愛「お気にだったっしょ?いっぱい飲んでよ」

侑「ありがとう愛ちゃん!歩夢、これ前に話したやつ!」

歩夢「わぁ…!侑ちゃんに聞いてから飲んでみたかったの。頂くね、愛ちゃん」

愛「どーぞどーぞ」

ゆうぽむ ゴクビッ…

歩夢「……美味しい!」

愛「でしょーっ」ニカッ

侑「歩夢、それめちゃくちゃもんじゃに合うんだよ。食べよう!愛ちゃんも座って、一緒に食べようよ!」

愛「だね。もんじゃはみんなで食うもんじゃ!サイコーの加減で焼いたげるからちょい待ちね!」チャッチャッチャッ

歩夢「すごい手捌き…」

侑「ねー、これ見てるだけでも満足しちゃいそうだよ」グゥゥ…

歩夢「…満足してなさそうだね」

侑「もーっ、私のお腹~!」

 

955>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/31() 18:42:21.46ID:Uz+NQcfq

「そんで課長が電話に絶対出たがらないんだよ。課長の内線にかかってきてるのに、一回こっちで出て繋がなきゃいけなくてさ~」

愛「内線に出ない選択があるんかい!ってね」

「聞いてよ愛ちゃん、主人が目も合わせてくれないから何度も詰め寄ったら、照れながら『結婚記念日の』ってピアスくれたのよ。用意したけどどうやって渡せばいいかわからなくて照れてたんだって!」

愛「おーっ、それはハッピーな明日になりそうだね!ピアスだけに!」

「愛ちゃん、まだビール飲んでいいかな!?かみさんがお義母さんとこ行ってて留守にしててさ、帰っても寂しいからここで飲んでっちゃいたいんだよ!」

愛「う~ん……今日は奥さんに代わって愛さんがゆるーす!留守の間だけね!」


侑「愛ちゃん、すごいね。大人気だぁ…」

歩夢「ね。料理も運んで焼くのもやってくれて、ああやってお話ししたり一緒に食べたりしてくれて、常連さん達ともみんな仲良しなんだね」

 

956>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/31() 18:48:17.88ID:Uz+NQcfq

侑「こんなに楽しいお店なら、常連になりたくなっちゃうのもわかるよね」

歩夢「うん。もっと近かったらたくさん来ちゃいそう」

愛「学校からうちなんてすぐじゃん、そう言わないでいつでも来ちゃってよ!」ヒョコ

歩夢「わ、愛ちゃん。聞いてたの?」

侑「愛ちゃんが一つの部活に入らないのって、お店があるからなの?」

愛「え、どうかな。考えたことないけど、そうだね。たまに助っ人するのはいいけど毎日ってなるとなぁ、お店でこうやってみんなと話してるのが一番楽しいからね」

侑「へえ、楽しいんだぁ…!楽しそうだなぁ…!」

愛「お。侑、興味ある?愛さんと一緒に看板娘やる?」

侑「看板娘…!!」パァ

歩夢「えっ侑ちゃん!?」

 

957>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/31() 18:53:36.73ID:Uz+NQcfq

愛「ま、愛さん一人いればホールは間に合っちゃうからさ。職場見学がてら、暇なときにでもやりにおいでよ!侑なら大歓迎だしみんな可愛がってくれるよ」

侑「うんっ、やるやる!」

歩夢「ちょっと侑ちゃん…!」

侑「たまにだってば、放課後なんにもすることなくて暇だーって日だけ!ね?」

歩夢「もう、またすぐそうやってやること増やすんだからぁ…」

愛「あははっ、なんなら歩夢も一緒においでよ。したら暇なとき連絡して、せずに来ても全然いいけど!」サラサラ…

愛「ほい、愛さんのライン」っ紙

侑「ありがとう愛ちゃん!」

歩夢「も、も~…!」

愛「今日もまだまだ楽しんでってよ。みんな、愛してるよ!愛だけにっ☆」


愛の誕生日パーティに参加しました!
愛の連絡先を手に入れました!    ▼

 

966>>1 ◆1Y9DDrqNbw (しうまい)2021/01/03() 09:41:04.34ID:oMXPABdg

翌朝…


侑「お待たせ~」タタタ

歩夢「行こっか」

侑「うん!」


ライブはお昼前、11時から。

少し早めに歩夢と待ち合わせて商業エリアに向かう。


歩夢「侑ちゃん、早かったね」

侑「寝坊なんかしないよ、この大事な日に」

歩夢「鳴らしても鳴らしても出なかったから、お家まで行っちゃおうかと思ったよ」

侑「ごめんごめん、起きたよって連絡すればよかったね」

歩夢「本当に楽しみにしてるんだね」

侑「──もちろん!!」

 

967>>1 ◆1Y9DDrqNbw (しうまい)2021/01/03() 09:50:49.59ID:oMXPABdg

お台場、フェスティバル広場


侑「おお…」


開演より30分ほど前なのに、会場にはそれなりに人がいる。

みんながみんな同好会のライブを観にきた人達ってわけじゃないだろうけど、それはつまりアンテナを張ってなかった人達にも観てもらえる機会ってことだから、むしろいいことだよね。

当然中にはチラシを手に持ってる人もいる。


侑「すごいね歩夢、あそことあそこ、あっちの人も…ライブを観にきたみたい」

歩夢「うん。あのグループはさっき看板を眺めてたから、初めて知って立ち止まったのかも」

侑「ああ~っ、チラシたくさん取ってきたらよかった!開演までの時間で一人でも多くの人に宣伝したかったよ~!」

歩夢「せっかくこんなにアクセスのいい場所でやるんだもんね。待合せに早く着いちゃった人とか、いるかもしれないし」

侑「……私、チラシ探してくる!インフォメーションとかに置いてあるかな!?」ガタ…

歩夢「ま、待って待って侑ちゃん!もう行って取ってくるほどの時間ないよ。侑ちゃん自身が見逃しちゃうよ!?」ガシッ

侑「うおっと、そっか、それはだめだね…」フー…

歩夢「もどかしい気持ちはわかるけど、今日はしっかり応援することに集中しよう?ね、最前列で観るんでしょ?行こ」

侑「うん…!」

 

968>>1 ◆1Y9DDrqNbw (しうまい)2021/01/03() 09:58:13.64ID:oMXPABdg

初めてのドキドキ。

ずっと楽しみにしてた映画の上映開始直前。

新学期に教室の扉を潜る瞬間。

クリスマスの朝、枕元のプレゼントをひらく気持ちにも似てるかもしれない。

しずくちゃんと観にいった演劇のときと同じ気持ちのような、違う気持ちのような。

期待と、不安と。

歩夢と繋いだ左手の温もりがなかったら、私はおとなしくしていられたかな。

周りのざわざわが大きくなったり小さくなったり、私の心臓に合わせるように様子を変えて──


コツ、と澄んだヒールの音が響いた。

 

969>>1 ◆1Y9DDrqNbw (しうまい)2021/01/03() 10:07:18.28ID:oMXPABdg

侑 ──ハッ…


コツ、

コツ、

コツ──


赤をベースにした制服風の衣装。

黒のベーシックスカートを覆うようにはためくフリルとプリーツ。

力強く、鈍く、すらっと脚を包むハイブーツ。

サスペンダーと同じ色合いのネクタイが、明るい上半身の印象をぎゅっと引き締める。

太ももの花飾りと頭にちょこんと乗った小さなハットが可愛らしさも見せてくれる。


そんな──そんな、


「せつ菜ちゃーーーん!!!」


優木せつ菜が──現れた。

 

970>>1 ◆1Y9DDrqNbw (しうまい)2021/01/03() 10:18:21.43ID:oMXPABdg

侑「歩夢、あれ…!せつ菜ちゃんだ…!!」

歩夢「う、うん…!」


心なしか歩夢の声も少し高い。

ぎゅう、と二人の手に力が入る。

目を伏せたまま、丁寧に階段を下りてくる。

周囲からちらほら飛ぶ声援はまるで聞こえないかのように、自分の意識だけを大切に抱えて。


──コツ


階段を下りきって中腹のステージに辿り着く。

口元は、笑ってる?噛み締めてる?震えてる?

どうにだって受け取れるように、控えめのルージュがチカッと照明を返した。


レザーのグローブが軋む音。

大きく息を吸ったのは、優木せつ菜か、お客さん達か、それとも──私か────


せつ菜「♪走り出した!思いは強くするよ 悩んだら、君の手を握ろう──」


優しく詩を詠むような透明に響く声、


せつ菜 ──フッ

侑「────っ……!」ドキン…



♪────ッッッ!!!

 

971>>1 ◆1Y9DDrqNbw (しうまい)2021/01/03() 10:39:41.33ID:oMXPABdg

せつ菜さんが伸ばした手。

私はいつの間にか同じように右手を伸ばしてしまっていて、あと1cm──触れ合える直前、音と熱の暴力が私達の間を駆け抜けていった。

これまで動画でいくつか観たどんなスクールアイドルの曲よりも熱く、激しく、情熱的で、身体も意識も置いていかれるような魂のミュージック。

せつ菜さんの手が動く。脚が動く。

もしかして、せつ菜さんの身体が楽器で、その動きがこの強烈な音を奏でているの──?

声が、表情が、振り下ろす腕が、踏み締める脚が、

一つ一つ、ズシンと私の胸を揺らす。

心臓がどんどん速くなっていくのを感じてしまう。

伸ばしたまま下ろせずにいる右手は気づけば痛いほどに握り締めていて、駆け巡る血液があと少しでも速くなってしまったら血管が切れちゃうんじゃないかってくらい熱くて、熱くて、熱くて、熱くて──


せつ菜「────────────ッ!!!」


その叫びで、なにかが吹っ切れてしまった。

痛っ、と聞こえた気がしたけど、それどころじゃない。

全身が内側からこみ上げる感情の行き場を探してガタガタと震える。

届け!届け!届け!届け!

私は今、あなたに世界の全てを奪われたんだ。

終わる──終わってしまう──終わらないでほしい、もっと声を聞かせて──もっとお話ししよう──


せつ菜さん──!

せつ菜さん──!!

せつ菜さん────!!!

 

972>>1 ◆1Y9DDrqNbw (しうまい)2021/01/03() 10:51:40.22ID:oMXPABdg

────ッ♪………


はぁっ……はぁっ………はぁっ…………


キラキラと輝きが舞い上がっていくように、曲は終わりを迎えた。

会場に響く歓声は、せつ菜さんの声より何倍も大きい。

だけど、私にはたった一人が奏でた音だけがじんじんと残っている。

胸を焦がすような高鳴りが、止まない。止まない。

瞼を閉じれば何度だって出会えそうなほどに焼き付いてしまった衝撃が私を捕まえて離さない。


──パタッ


侑「!」ハッ


ひとしずく、汗が石畳にはねて、ふと我に返る。


せつ菜 ──ニッ

せつ菜「皆さん、ようこそお越しくださいました!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会のグループ結成ライブへ!」


そんな口上を聞いて、全身から力が抜けていく。


歩夢「……侑ちゃんっ」ガシッ

侑「あ、あゆむ…」

歩夢「だ、大丈夫?随分聞き入ってたけど…」

侑「ああ、うん、大丈夫。ありがとう」

侑「すごかったね。私、なんて言えばいいのか…わかんないくらい、…感動しちゃった」

歩夢「────」

歩夢「そう、だね。すごかったね。でもほら、今日のライブはせつ菜さんだけのものじゃないんだよ。みんな出てくるみたい」

侑「っと、そうだった。気を抜いてる場合じゃないよね」ットト

 

973>>1 ◆1Y9DDrqNbw (しうまい)2021/01/03() 11:09:00.50ID:oMXPABdg

彼方ちゃん、エマ先輩、かすみんがそれぞれ思い思いの様子でステージに下りてくる。

かすみんは手をぶんぶん振りながら一段飛ばしで階段を駆け下り、一番にせつ菜さんの隣に並んだ。

エマ先輩は嬉しそうに瞳をきらきらさせながら会場を眺めるように視線をあちこちへ向けていて、私と歩夢に気がつくと小さく手を振ってくれた。

彼方ちゃんは最初に姿を見せたにもかかわらず、とぼとぼと歩くせいでステージに着いたのは最後だった。


ずらり、

ステージに四人の視線が並ぶ。

せつ菜さんがみんなに目配せをすると、それぞれ姿勢を変えて綺麗な陣形に移る──


歩夢「みんな、緊張してるね」

侑「そう、だね」


彼方ちゃんも、かすみんも、エマ先輩も。

口元こそ柔らかな曲線を描いてるけど、すごく力が入ってるのが目に見える。

目と眉はさまよわせる余裕もなく、ただただ前方に向けられるばかりで。

全員の様子を確認したせつ菜さんでさえ、さっきとは打って変わって──どこか、不安そうな表情を浮かべてる。


みんな、頑張れ──!


聞き覚えのあるイントロが流れ出して、二曲目が始まった──………

 

974>>1 ◆1Y9DDrqNbw (しうまい)2021/01/03() 11:25:06.83ID:oMXPABdg



せつ菜「────本日は、ありがとうございました!」

「「「ありがとうございました」」」

せつ菜「これからも私達は、皆さんに応援していただき愛していただけるよう、精いっぱい精進していきますので、よろしくお願いします!」

せつ菜「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会でした!」


パチパチパチ…

まばらな拍手に見送られて、同好会のみんなは袖へと引っ込んだ。

歩夢と繋いだ左手、お互いに力がこもる。

二曲。

せつ菜さんの一曲と、四人での一曲。

今日のライブで披露されたのはそれだけで、時間はまだ11時半にもなってない。

たぶんだけど、他の曲をやる予定はあったんだと思う。

でもそれを、せつ菜さんが止めた。

二曲目が終わった後、せつ菜さんがステージの袖に視線を送る不自然な空白の時間があって、そのまま最後の挨拶に移った。

理由は──会場の空気だ。

せつ菜さんの曲で確かに盛り上がっていた空気は、二曲目が進むにつれて徐々に──徐々に──落ち着いていった。

それはきっとパフォーマンスをしてたみんなにも伝わってしまったはずで、これ以上続けるのはよくないってせつ菜さんが判断したんだと思う。

私達はいつの間にか離してた手を改めて繋ぎ直したし、お客さんの数は減った。

 

975>>1 ◆1Y9DDrqNbw (しうまい)2021/01/03() 11:35:52.77ID:oMXPABdg

同好会のみんな、四人での曲は、決して悪くなかった。

少なくとも目立つような歌や踊りのミスはなかったし、きちんと最後までやりきった。

でも、それだけだった。

心を奪われるような熱とか、目を離せなくなるほどの圧倒とか、そういうものを感じなかった。

どちらかといえばハラハラしながら見守ってしまう気持ちの方が大きくて、正直なところ、パフォーマンスを充分に楽しめたとは言えない。


侑「…でも、結成したばっかりのグループなんだもん。最初はみんなそうに決まってるよね」

歩夢「そうだね」

侑「みんな、練習頑張ってたもん。次のライブはもっとよくなるし、その次はもっともっとよくなるよ」

歩夢「私も、そう思うよ」

侑「なのに、みんな…途中で帰っちゃったりして……ひどいよ…」

歩夢「……そう、だね」


二曲目が半分くらい進んだ頃、どこかから聞こえてきた会話。


──「せつ菜ちゃん、グループ組むんだね」

──「ね。ずっとソロでやるのかと思ってた」

──「なんでグループ組むんだろうね」


──「一人の方が、いいのに」


私はショックだった。

目の前でみんなが一生懸命パフォーマンスしてるのにそんな会話をされてることもそうだし、曲よりもそんな会話が耳に入ってしまったこともそう。

でもなによりも、


────確かにね…────


そんなことないって真っ先に思えなかった自分が、恥ずかしくて恥ずかしくて──悔しかったんだ。

 

976>>1 ◆1Y9DDrqNbw (しうまい)2021/01/03() 11:42:19.58ID:oMXPABdg

すっかりいつもの風景に戻った広場で、私達はまだ手を繋いでぼうっと立っていた。


歩夢「侑ちゃん」

侑「うん」

歩夢「みんな、まだステージの近くにいるかもしれないよ」

侑「!」

歩夢「会いにいかなくて、いい?」ジッ

侑「会いに…」


侑「……ううん、いい」フル…

侑「今は私が会いにいくタイミングじゃないと思う。みんなだけで話したいことが、きっとたくさんあると思うんだ」

歩夢「…わかった」コク

歩夢「それじゃ、お昼ごはんでも食べてから帰ろっか」

侑「うん…」


同好会のライブを観にいきました! ▼

 

977>>1 ◆1Y9DDrqNbw (しうまい)2021/01/03() 14:59:32.67ID:oMXPABdg

※ スレ残数の関係上、展開を詰めています。ご理解ください。


夜…


『菜。』


トーク履歴は何日か前のままで止まってる。

まずはライブを労いたかった。

でも、なんて言えばいいのかわからなくて、こんな時間になるまでメッセージを送れずにいた。

せつ菜さんのパフォーマンスが素晴らしかったこと。

感じた想いや胸の高鳴りをそのまま伝えたい。

それと、全体曲。ライブの話をすれば絶対に避けられない。

私はよかったと思った。

素人の目にもいくつか課題はあるように見えたけど、そんなことはきっとみんなが一番わかってることで、私がわざわざ言う必要なんかない。

だけどライブをあそこで止める判断をした、その引き金になったのであろう空気。聞こえた感想。

あまりにもかけ離れた二曲について、どんな風に話せばいいのかどうしても整理できずにいた。

もう、いい時間になっちゃう。

このまま明日を迎えたら、私は同好会のみんなと──せつ菜さんと、今日のライブの話をできなくなってしまうような気がする。


──歩夢「みんな、まだステージの近くにいるかもしれないよ。会いにいかなくて、いい?」


あのときみんなの元に行かなかったのが、そのタイミングじゃないと思ったからなのは嘘じゃない。

でも本当の理由は違って、私は、


侑「せつ菜さんと話したいんだ──」ポツ…


せつ菜さんと。

せつ菜さんだけと、話がしたい。


侑「…よし」


手近な上着を羽織って、お母さんに一言、家を出て電話を鳴らした。

 

978>>1 ◆1Y9DDrqNbw (しうまい)2021/01/03() 15:14:53.88ID:oMXPABdg

近所の公園


菜々「侑」ジャリ…

侑「こんな時間に呼び出してごめんね」

菜々「本当ですよ。消耗品の管理ができない子だと思われたらどうするんですか」

侑「私は全然できてないから大丈夫だよ」

菜々「それは大丈夫ではありません」クス…

侑「隣、座らない?」

菜々「それでは失礼して」スッ

侑「…誰もいないね」

菜々「児童遊園ですよ?こんな時間に子どもが遊んでいる方が問題です」

侑「遊具もあんまりないから、私近所なのにほとんど来たことないよ」

菜々「私は…どうでしょうか。元々外で遊び回る幼少期ではなかったので、そうですね、あまり馴染みがないように思います」

侑「っていうかこんなに近所だったらニジガク入る前にも何回か会ってそうだよね」

菜々「会っていたかもしれませんね。まあ、とは言えこの辺には世帯が多いのでそんな相手はごまんといそうですが」

侑「もー、菜々ちゃんってばつれないなぁ。そこは実は幼稚園の頃一番の大親友だった相手ってことにしようよ」

菜々「ふふ。それは歩夢さんなのではないですか?」

侑「そうだね、間違いないや」

菜々「幼馴染み設定は上手く使うのが難しいものなんですよ」

侑「設定?」

菜々「ラノベの話です」

侑「ああ」クス

 

979>>1 ◆1Y9DDrqNbw (しうまい)2021/01/03() 15:21:47.37ID:oMXPABdg

侑「…ライブ、お疲れ様」

菜々「…ありがとうございます」

侑「どうしても今日中に言いたくてさ、会いにきちゃった」

菜々「ラインや電話でもよかったのに。侑のそういうところ、素敵ですよ」

侑「……ううん、そうじゃないんだ」

菜々「と、言いますと?」

侑「なんて言えばいいのか…わかん、なくて」

侑「会えば言葉が出るかなって思ってね」

菜々「…そうでしたか」

侑「うん」

菜々「………侑」ス──

侑「うん、なに?菜々ちゃ──わっ!?」グイッ

菜々 ジィィィ…

菜々「私の顔が見えますか?」

侑「よ、よく見える…けど…」

菜々「言葉は出そうですか?」ニコッ

侑「ぁ…」

侑「……あぁぁぁ………もう、何事かと思ったよ…」ヘナ

菜々「会えば言葉が出そうだったと、侑が言ったんじゃないですか」

侑「そうだけど、菜々ちゃん…心臓に悪いなぁ…」ハァ

菜々「?」

 

980>>1 ◆1Y9DDrqNbw (しうまい)2021/01/03() 15:41:06.85ID:oMXPABdg

侑「私ね、スクールアイドルのライブって生で初めて見たんだけど」

侑「せつ菜さんのパフォーマンス、すっっっごく、よかったよ!!」

菜々「!」

侑「熱くて激しくて情熱的で、もう…これだーっ!って感じだった。胸のときめきが抑えられなくて……あっそうだよ、うん…私、すっごくときめいたんだ!」

菜々「それは…とても、嬉しいです…」//

侑「せつ菜さんが友達だってこととか普段の様子とか吹き飛んじゃって、なんか…なんていうのかな…手とか伸ばしちゃった。触れたかったのかも」

菜々「伸ばしてくれてましたね」

侑「えへへ、見えてた?」

菜々「当然見えますよ。最前列にいてくれましたし、手を伸ばしてたのなんか侑くらいでしたから」

侑「だ…だってぇ…」

菜々「…」

菜々「………触れたかった、というのは」

菜々「どういう想いですか?」

侑「え?」

菜々「せつ菜のパフォーマンスが侑に響いたというのなら、それほど喜ばしいことはありません。たくさんのお客さんが来てくれていましたが、最も目を輝かせてくれていたのは侑でしたよ」

菜々「私もステージの上では日頃のことなどすっかり忘れてしまう方なので、一人のスクールアイドルとしてあなたというお客さんと向き合えたことが純粋に嬉しく思います」

菜々「ですが、せつ菜はやはりスクールアイドルとしての姿であって、私は──今の私は、菜々です」

菜々「せつ菜のことを語る侑の瞳が嬉しくくすぐったい反面、どこか…もやもやとしてしまうんです」

菜々「…侑」

侑「は、はい」

菜々「あなたが憧れ、手を伸ばし、触れたいと思ったのはきっとせつ菜なのでしょう。そんな侑の手を、『私』が取っては──いけませんか?」

侑「そ、れ…は」

 

981>>1 ◆1Y9DDrqNbw (しうまい)2021/01/03() 15:57:58.78ID:oMXPABdg

じっと、視線が交わる。

ステージの上に見たせつ菜さんの燃えるような瞳とは違う、穏やかで凛々しい光。

このどちらも同じ人だなんて、見てしまった今こそどこか信じられない気分だ。

肩口で左右に結んで垂らした髪。

家用の髪型なのかな、生徒会室でよく会うときより雰囲気が柔らかい。

決して高くない背。

私より少し高く感じるのは、きりっとした印象のせいか、姿勢がいいせいか。


私が伸ばした手。

あれは、なにを求めたんだろう。

自分にない輝く意志を持った姿に、思わず伸びてしまったんだけど。

もしもあの手を取ってくれる誰かがいたなら、それは──せつ菜さんがよかった?それとも菜々ちゃんがよかった?

私は…


侑「…わかん、ない」

侑「あのときなんで手を伸ばしちゃったのか、自分でもわかんないんだ」

侑「触れたかった、のは、せつ菜さんがあんまりにもカッコよかったから。自分が持てないものを持ってるように、感じたから、かな」

侑「触れられないってわかってたから伸ばしたのかもしれない。もし触れられてたら、そこで憧れが違うなにかに変わっちゃってたのかも……なんて…」

侑「…あはは、ごめん、ほんとにわかんないんだ──」

菜々 スッ──


…ギュ


侑「…ぁ…」

菜々「触れて、しまいました」

侑「菜々、ちゃん…」

菜々「せつ菜の魅力が触れられないことにあるというのなら、この温もりは、『私』にしか与えられないものですね」

侑「────……っ…」ドキッ…

 

982>>1 ◆1Y9DDrqNbw (しうまい)2021/01/03() 16:34:50.07ID:oMXPABdg

侑「あの、あの…菜々ちゃん…」

菜々「私、スクールアイドルを引退するつもりでいます」

侑「────えっ…」

侑「なん……なん、で…?」

菜々「小さな理由はいくつかあるのですが、あえてなぜと訊かれると、同好会の皆さんのため…でしょうか」

侑「同好会の、ため…?」

菜々「今日のライブを観ていて、わかったでしょう。こんなことを認めたくはありませんが、私──せつ菜の存在は、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会が活動をする上では邪魔にしかならないんです」

菜々「一年の活動実績がある私と活動を始めたばかりの同好会の皆さんでは、どうしてもパフォーマンスに差が出てしまいます。それは練習量や経験値などの積み重ねであって、一朝一夕で埋まるものではない」

菜々「今回、ライブに向けて皆さんの練習を私がまとめる形になったのですが、……控えめに言って最悪でしたよ」

菜々「私は生来手を抜ける性分ではないですし、せつ菜を客観的に見る視点も持ち合わせています。皆さんのパフォーマンスをせつ菜と同じところまで、せめて同じステージに立ってお客さんに違和感を与えないところまで引き上げるには、あまりに期間が短過ぎました」

菜々「時間が取れない分、質を高めようとすれば、高校生の身体には負担の強いメニューが続いてしまう。それがわかっていても、合理的に考えるとそうせざるを得なかったんです」

菜々「全員なんとか喰らいついてはくれましたが、限界寸前だったと思います」

菜々「…先日、侑達にドーナッツ作りへ誘ってもらえたこと、だから本当はよかったと思ったんです。あの日練習を休んでいなかったら、疲労で誰かがケガをしていたかもしれない」

菜々「……それをわかっていてもなお、私は止まることができませんでした」

菜々「私と皆さんが同じステージに立つのは、今の時点では現実的じゃない。ですがスクールアイドルである以上、同じ虹ヶ咲学園に通う私達が異なる組織として活動をすることもできない」

菜々「私はスクールアイドルを続けている限り、立てるステージを逃すという選択をきっと取れないでしょう。そして、同好会の皆さんはそのたびにせつ菜と並ぶための異常な練習をこなすことになる」

菜々「今回はなんとか全員無事に乗り切れましたが、次もそうである保証はない。誰かがケガをしてしまうか、あるいはスクールアイドルを諦めてしまうか。そんな未来が待っています」

 

983>>1 ◆1Y9DDrqNbw (しうまい)2021/01/03() 16:51:52.55ID:oMXPABdg

侑「そんな…」

侑「菜々ちゃんっ……せつ菜さんは、本当にそれでいいの?」

侑「同好会のみんな、きっとこれからどんどんすごくなるよ。練習はきついかもしれない、次のライブではまだまだかもしれないけど、少しずつ上達していって、いつかせつ菜さんに並ぶよ。ううん、追い抜いちゃうかもしれない!」

侑「そんなみんなと一緒にライブしたくないの?見てるだけなんて、悔しくない!?」

菜々「………ふふ。なにを言い出すかと思えば…」

菜々「悔しいに決まってるじゃないですか」

侑「!」

菜々「優木せつ菜はいつだってその瞬間の自分ができる最高のパフォーマンスをしてきました。明日の自分には及ばなくとも、昨日の自分は絶対に越えてきたつもりです」

菜々「同好会の皆さんが日々成長するというのなら、私だって同じだけ──それ以上に成長します。共に切磋琢磨しながらどんどんお互いを高め合っていきたい。そうやって、虹ヶ咲学園こそがスクールアイドルのトップだと胸を張って言いたい」

菜々「…ですがそれを叶えるには、色々なものが噛み合いませんでした」

菜々「私が一年生だったのなら、どんなによかったでしょうか。いっそ彼方さんもエマさんも一年生で、かすみさんと四人でここから、今からスクールアイドルを始められたなら、どんなに」

菜々 ………フゥ…

菜々「私はスクールアイドルでいる自分が大好きですが、それと同時にスクールアイドルそのものの大ファンでもあるんです」

菜々「私がこれから立ったのであろうたくさんのステージで、私ではないスクールアイドル達がどんな風にパフォーマンスをするのか。隣からでは見えないそんな景色を存分に楽しむ生活に戻ろうと思います」

侑「……っ」グ…

菜々「…そんな日々を、一緒に過ごしてはくれませんか?」

侑「…ぇ…」

 

984>>1 ◆1Y9DDrqNbw (しうまい)2021/01/03() 17:19:22.98ID:oMXPABdg

菜々「なにも侑の全てを私に下さいとは言いません」

菜々「ただ、今までせつ菜と共に過ごしてきた日々が終わりを迎える。守りたかった生活がなくなり、このままだと私は生真面目一辺倒の生徒会長に戻ってしまうでしょう。その隣に、いてほしい」

菜々「侑と過ごす時間が楽しいんです」

菜々「たくさんの感情を素直にぶつけてくれて、私が知らないことをたくさん教えてくれます。あなたのために、明日も頑張る私でいたいと思える」

菜々「侑」ギュ…


菜々「私にとって、明日も頑張る理由でいてくれませんか──?」


侑「…菜々、ちゃん…」


私は、

菜々ちゃんの笑う顔が好きだ。

ライトノベルやアニメのことを話すとき、心から楽しそうに、嬉しそうに話す顔。

調子に乗って失敗しちゃった私を見て呆れたように微笑む顔。

はんぺんのことでなんとか議論を勝ち取ったと語ったときの、どこかいたずらっぽく誇った笑顔。

初めて私の名前を、名前だけを口にして、戸惑いながらはにかんだ顔。

もっと色々な表情を見てみたい、私だってそう思う。

自分の夢を必死に追いかけてきた菜々ちゃんの決断に、私が言えることがもうないとするなら、

せめて。

 

985>>1 ◆1Y9DDrqNbw (しうまい)2021/01/03() 17:22:23.39ID:oMXPABdg

侑「…せつ菜さんがいなくなっても、この温もりはなくなっちゃわないってことで、いいんだよね」ギュ…

菜々「はい、もちろんです」

侑「菜々ちゃんの隣にいても恥ずかしくないように、私も…毎日少しずつ、頑張ってみるね」

菜々「…ふふ」

菜々「私が、あなたの頑張る理由になってみせますよ。これからよろしくね、侑!」

侑「──ぁ…」

菜々「? どうしましたか?」

侑「…ううん、なんでもないよ。お手柔らかにね、菜々!」

菜々「はいっ!」ペカー


菜々「…………あれっ…!?」//


【ギャルゲ風安価SS】侑「また一年が始まる」 ―終わり―

if...菜々エンド】

 

986>>1 ◆1Y9DDrqNbw (しうまい)2021/01/03() 17:27:01.55ID:oMXPABdg

以上で、ifを含め完結となります。
思ったよりも相当ギリギリで、要望に応えられそうな部分とか書いてる場合じゃありませんでした。
話したいことや感想を聞かせていただきたい気持ちなどあってスレ残数が全然足りませんが、お付き合いいただきありがとうございました
拙い点も多かったと思いますがとても楽しかったです


明けましておめでとうございます、
今年もたくさん皆さんと話したりSSを読んだり書いたりできたらいいなと思います。
それでは、またお会いしましょう!

 

987名無しで叶える物語(もんじゃ)2021/01/03() 17:44:40.42ID:G1+iC1gX

楽しかった!乙

 

988名無しで叶える物語(たこやき)2021/01/03() 17:57:49.69ID:GyQHeDee

おつおつ!とても面白かったです!
ただ、それだけに展開が急になってしまったのがもったいないなぁ…

 

989名無しで叶える物語(もんじゃ)2021/01/03() 18:04:10.49ID:aduwKGNw

お疲れ様でした!
2
スレに渡り、素晴らしいssをありがとうございました!
ひとまずはゆっくりお休みください!
(
もしも、仮に、気が向くようなことがあれば、続編?もお願いします!)

菜々ちゃんかわええな。せつ菜も好きだけど、菜々も十分かわいい、いいね……
にしても、菜々エンド、かなりビターっていうか、退廃的なものを感じる苦さがあるもんですね……

 

990名無しで叶える物語(光)2021/01/03() 18:19:45.91ID:AMf9NIBb

まずは完結お疲れ様でした!超大作になったね。
感想レスしたい場面は多々(というか毎回)あれど必要そうな保守以外は我慢していたので、そのお心遣いにも感謝。

めちゃめちゃ言いたいこと沢山あるのだけど、とりあえずは個人的にはリクエストさせて頂いたしずく√endと菜々√endが読めて感無量でした。最高でした。ありがとう!
勿論もう少し読みたい気持ちはあったけれど、もし
>>1がまた別のSS書くことあればそちらに活かして頂ければ個人的には幸い。嗅ぎつけます。笑

本当にここのところずっと、日々の大きな楽しみだったよ!愛と熱のこもった素敵な作品をありがとうございました。
言い足りないことはTwitterに感想溢すかも知れんから、もしやっててよかったらエゴサしてください(小声)

 

991名無しで叶える物語(八つ橋)2021/01/03() 19:37:26.48ID:aIXcpd9L

乙でした。今更ではありますがifルートまで書いていただきありがとうございます。(特に菜々ルートはレス数も減ってきた中で)
設定とか立場とかが変わってもキャラがそのキャラのまま生き生きと動くさまは読んでてとても楽しかったです。

 

992名無しで叶える物語(しうまい)2021/01/03() 19:43:54.42ID:ULFPVEug

次スレ行かないって言うからずっと書き込み我慢してたけどようやく書ける
おつでした!
しずくちゃん菜々ちゃん√本当にありがとう
菜々√についてはかなりビターな感じだけど見られてよかった
今はそういう結論でもせつ菜ちゃんと侑ちゃんならきっとこの先も色々な選択があるんじゃないかと妄想が膨らみますね
本当におつでした
めちゃくちゃ良かったです

 

993名無しで叶える物語(しまむら)2021/01/03() 21:38:09.96ID:kYwq255J

超大作になった分ぞんぶんに楽しませてもらった!乙

 

994名無しで叶える物語(おにぎり)2021/01/03() 23:47:08.91ID:+LsSNK3Q

ちょっと前から1000レスに達しそうでスレ内に収まるかヒヤヒヤしてたけど書き切ってくれて本当に良かった
しずくルートと菜々ルートが両方見れて最高だった
菜々ルートでスクールアイドル引退は驚いたけど、せつ菜ルートとの差別化にはもってこいだと思うから納得

前スレからずっとこのSSが生き甲斐の1つだった、ありがとう
すごい丁寧な描写で感動したから今後の新作SSもすごい楽しみにしてる

 

995名無しで叶える物語(庭)2021/01/04() 00:25:15.38ID:nHAXfgbt

完結おつです!!!!!

都度都度感想書きたくなるくらいめっちゃ良かったけど次スレはないということだったので我慢してました……
日常会話の描写とか侑のモノローグとかめっちゃ好きだし、それぞれのキャラとの出会い方とか仲の深め方とかも丁寧で本当に素晴らしい
欲を言えば全キャラのエンド全部見たいくらいでした(ifでしずくENDと菜々ENDを描いてくれて本当に感謝です)

次回作も楽しみにしてますよ!!!!!

 

996名無しで叶える物語(とばーがー)2021/01/04() 01:21:23.28ID:XEuv3ifG

完結おめでとう
スレ見つけてから更新毎日楽しみにしてました
ありがとう
😊

 

997名無しで叶える物語(もんじゃ)2021/01/04() 17:53:04.04ID:jYKialMW

引き込まれる作品でしたよ乙ですよ

 

998名無しで叶える物語(光)2021/01/04() 20:29:21.58ID:O9juxgA/

おつおつ!
最初の方から楽しく読んでたよ
次回作も楽しみにしてる!