【ギャルゲ風安価SS】>>3「また一年が始まる」 2/3 7

100>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/11/30() 18:48:33.96ID:D/xESOtR

放課後…


歩夢「あ…あの、侑ちゃん、菜々ちゃんとの約束、私も…」

侑「大丈夫」スッ

侑「私一人でも、ちゃんとはんぺんのこと話してこられるよ。任せて──」キリッ

歩夢「ゆ…侑ちゃあん!」

 

101>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/11/30() 18:56:32.14ID:D/xESOtR

校門傍


侑「あれ、菜々ちゃんいないな。てっきり先に来てるかと思ったけど…ホームルーム長引いてるのかな」キョロ

「…さん、侑さん」

侑「ん?」

菜々「侑さん、待っていましたよ」ス──

侑「ど、どうして向こう向いてるの?」オズ…

菜々「シッ!」

侑 ビクッ

菜々「こちらを向いてはいけません。赤の他人のように振る舞いましょう。私達は極秘任務を扱うエージェントなので接触したことは誰にも悟られてはいけないんです」

侑「な、なるほど」

 

102>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/11/30() 19:01:42.27ID:D/xESOtR

侑 エット…

侑 ス──

侑「こ、こちらYOUだ。時刻になった、任務を開始したい」

菜々「…誰にもつけられてないか?」

侑「え?」


──??「侑ちゃんが行くところには私も当然ついていくよ♡」


侑 キョロ…

菜々「YOU?どうした、応答しろYOU!」ヒソ

侑「あっああ、大丈夫だよ。今日は約束があるって…じゃなくて、もちろんそんなヘマはしてないさ」

菜々「よし」コク…

(次は…)

菜々「では行きましょうか」スイ

侑「あれ!?もういいの!?」

菜々「はい、付き合ってくださってありがとうございます。満足しました」

侑「そ、そう…」

 

103>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/11/30() 19:06:10.73ID:D/xESOtR

菜々「本当は校門の上に座って、土地神風に出迎えたかったのですが。さすがに怒られてしまいますし、目立ちますからね」

(今のもそこそこ目立ってたと思うけど…まあ、いっか)

菜々「自意識過剰と言われると返す言葉もないんですけど、どうしても全校生徒から一挙手一投足を監視されているような気持ちが抜けなくて。不用意にエージェントごっこもできません」フゥ

侑「監視ってことはないと思うけど、生徒会長だもんね。みんなに顔と名前を知られてるって結構厄介だね」

菜々「『みんな』ではないことが先日はっきりしましたけどね」ニコッ

侑「あっ…」//

 

104>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/11/30() 19:12:09.60ID:D/xESOtR

菜々「目の前で売り切れてしまっては悔いても悔いきれませんからね。行きましょうか」

侑「そんなに激戦かな?今日が発売日ってわけじゃないよね?」

菜々「発売日はとうに過ぎましたが、最後の一個をタッチの差で持っていかれるということはノベルやマンガの中では往々にして起こりますからね。油断してはいけないんですよ」

侑「菜々ちゃん流のメソッドだね!」

菜々「ところで、きなこは読みましたか?」

侑「ぉ…」

侑「読んだよー…読まないと歩夢がお話ししてくれなかったんだもん。五巻読みました!」

菜々「さすが侑さん。約束は守ってくれると信じていました」

侑「約束したかなぁ…」

 

105>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/11/30() 19:17:06.22ID:D/xESOtR

菜々「しかし、五巻一気に読んだんですか。読むのに時間がかかるタイプのマンガじゃないとは言え、たった一晩で…」

侑「歩夢のとこに泊まったからね。時間はたっぷりあったんだ」

菜々「歩夢さんとお家は近いんですか?」

侑「近いっていうか隣だよ。昔から家族ぐるみで付き合ってきたから、もう我が家の離れって感じ。小学生の頃なんか家出に使ってたくらいだもん」

菜々「家出で隣に行ったら、すぐに見つかってしまうのではないですか?」

侑「もちろんバレバレだったよ。でも歩夢の家にいるなら危険はないからって、お母さんもお父さんも私が満足して帰ってくるまで別に迎えにもこなかったな」

菜々「ふふっ、意外とやんちゃな幼少時代だったんですね」

侑「だねー」

 

106>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/11/30() 19:27:37.49ID:D/xESOtR

ゲーマーズ


菜々「あ」

菜々「ありましたぁぁあ………!!」パァァァ

菜々「侑さん見てください!Blu-rayボックスです!店舗特典付です!」

侑「う、うん、そうだね。よかったね」

菜々「これがミニドラマのディスクですね!」ココ!

侑「へ~、なんか一緒に収録されてるのかと思ったけど、しっかり別のディスクで付くんだね」

菜々「ミニドラマとは言うものの合計四十分尺ですからね。これは見逃せない──いえ聞き逃せません!」

侑「どんな内容なのかな?」

菜々「公開されているのはタイトルだけなので未知数ですね。ですがタイトルから察するに──」

侑「菜々ちゃん?」

菜々「これは侑さんに対してネタバレになってしまいます!言うわけにはいきません!危なかった…」

侑「お、お気遣いありがとう」

菜々「では買ってきますね!」

侑「うん」

 

107>>1 1Y9DDrqNbw ()2020/11/30() 19:35:33.67ID:D/xESOtR

菜々「…♪」ニコニコ

侑「すっごく嬉しそうだよ、菜々ちゃん」

菜々「はい、とっても嬉しいです!大好きな作品なので!」

侑「こんなに歓迎してもらえたら、作品もボックスも喜ぶね」

菜々「そうでしょうか。ふふふ、Blu-rayになったことで新たな発見や気づきがどれだけあるのかと思うと…」

菜々「侑さん侑さん、いつ観ましょうか!?」

侑「あ、そうだね。アニメ一本観るってなると結構かかるよね。そうだなぁ…」

侑「
>>108


1.
金曜日からうち来る?
2.
土曜日って空いてる?
3.
放課後は忙しいよね?

 

108名無しで叶える物語(たまごやき)2020/11/30() 19:37:39.69ID:C28P/8bu

1

 

109>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/11/30() 19:44:45.84ID:D/xESOtR

侑「せっかくだし、金曜日うちにおいでよ」

菜々「え?放課後ですか?」

菜々「金曜日は少し遅くなるので、あまり長居することはできないと思いますが…」

侑「じゃなくってさ」

侑「泊まりにおいでよ!それで夜と土曜日をたっぷり使って楽しもう!」

菜々「と、まり…?」

侑「うん!晩ごはんも一緒に食べたりしてさ、私の部屋パソコンあるから部屋で観られるし!眠くなったら寝て、また次の日すぐ再開できるよ」

菜々「それは、とても…魅力的です…」

侑「へへ、そうでしょ?時間気にしながらじゃ充分に楽しめないもんね。帰ったらお母さんに話しておくよ──」

菜々「魅力的です、が」

菜々「外泊するとなると、両親に許可を取らなければいけません」

侑「あ、そっか…」

 

110>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/11/30() 19:51:54.22ID:D/xESOtR

菜々「これまで学校行事以外で外泊したことなどないので、どう反応されるのか予想できません」

侑「そういうもんかぁ」

菜々「…すみません」

菜々「私が、侑さんのお家の隣に住んでいれば。昔から家族で馴染みがあれば」

菜々「二つ返事で決めてしまえるのですが…」

侑「あははっ、そんなこと言ったって仕方ないんだから。菜々ちゃんが謝ることじゃないよ」

侑「それにもし泊まるのがだめだって言われたら、土曜日に来ればいいだけだもん。一日あれば余裕で観ちゃえるでしょ?」

菜々「それは、もちろん」

侑「だったら問題ないよ!金曜日から始めるか土曜日に始めるかだけの違いだよ」

菜々「侑さん…」

侑「だから、ね。そんなに申し訳なさそうなカオしないで。笑ってる菜々ちゃんが可愛いって言ったの忘れちゃった?」

菜々「わ、忘れませんよあんな強烈な言葉…!」

 

111>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/11/30() 19:57:27.73ID:D/xESOtR

侑「ご両親に聞いてみて。うちは全然オッケーなはずだからさ」

菜々「はい。改めて連絡しますね」

侑「うん」

侑「それ、私持とっか。間違って家に持って帰っちゃったらまずいでしょ?」

菜々「あ、そうですね。では──」

菜々「…」ジッ

侑「…ミニドラマだけ持ってく?」

菜々「いっいえ!我慢します!初めての内容なので一緒に聴きたいです…っ!」クッ…

侑「私が我慢できずに聴いちゃうかもなー」

菜々「な…なんということを!!」カッ

侑「じょ、冗談だよ!冗談!」アワワ

 

112>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/11/30() 20:08:46.53ID:D/xESOtR

菜々「しばしの別れですね…」

侑「私がしっかり預かっておくから安心して」

侑「ところでね、菜々ちゃん。聞きたいことがあるんだけど…いい?」

菜々「は、はい。なんでしょう。閏都市学園のことですか?」

侑「じゃなくて、んっと…ニジガクの校則のこと、なんだけど…」

菜々「うちの校則ですか?と言いますと…」

侑「えーっと…」

侑「菜々ちゃん、前に『動物の放し飼いは禁止』だって言ってたでしょ。あの校則って、まだあるよねぇ…?」

菜々「改定されたという話は聞きませんね」

侑 モジモジ…

菜々「…まさか侑さん、あなた…?」

侑「ね、猫とか…さ」

菜々「猫を飼ってるんですか!?学園の敷地内で!?」

侑「うわーっ待って待って!違うの!聞いて!」

 

113>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/11/30() 20:14:53.15ID:D/xESOtR

菜々「野生の猫、ですか…」

侑「たまたま中庭でお昼ごはんを食べてるときに見かけたんだけど、それから何回か見かけてね。追いかけてみたらちょっとした寝床みたいなのがあってさ」

侑「もしかしたら勝手に住み着いたのかなー、なんて…思ったりした、だけ…で…」

菜々「ふむ…」

侑「別に誰かの飼い猫ってわけじゃなさそうだし、ほんと、たまたま中庭の居心地がよかっただけだと思うんだよね。だから校則違反なんかじゃないとは思うんだけど…その…」

菜々「……」ジッ

菜々「………ごはん」

侑 ピク…

菜々「エサをあげてますね?」ニコッ

侑「うっ、なんでわかるの…!?」

菜々「侑さんはわかりやすいですから」

侑「菜々ちゃんにまで言われた…」

 

114>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/11/30() 20:28:33.39ID:D/xESOtR

菜々「要は、その猫を追い出さないでほしいというわけですね」

侑「その通りです」ヘヘー

侑「ね、菜々ちゃん。その校則って酪農科に向けたものでしょ?だったら野生の猫は…」

菜々「酪農科の飼育動物を対象とした校則なのは間違いありませんが、その条文には酪農科に限る旨の記載がないんですよ。順当に考えれば、『アニマル』には全て適用されるものと見なされるはずです」

侑「そんなぁ…」

菜々「…私が今この場で感じた見解としてもこうなります。公式の場で話し合えば、恐らくこっち向きの声が強くなるでしょう」

侑「だ、だったら今の話は忘れて──」

菜々「しかし、いつ誰がそれを議論の台に上げるかわかりません。誰の手引きもないまま議論を進めさせれば、それこそ侑さんが懸念している事態になりますよ」

菜々「侑さんも、それを見越して先手を打ったんですよね?」

侑「そう、です」

菜々 ムゥ…

 

115>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/11/30() 20:35:16.15ID:D/xESOtR

菜々「理事会とまで言わずとも、せめて生徒会役員の中でくらいは意見を好ましい方向に統一させておいた方がいいと思います」

侑「……できる…?」

菜々「…」

菜々「なんとか、やってはみます」

侑「菜々ちゃん…!」パァ

菜々「ですが、あまり期待はしないでくださいね。私も額面通りに考えれば校則違反と結論づけてしまいかねない案件ですから、骨は折れそうです」

侑「…うん。あえて話題にしたんだもん、その覚悟はできてる。菜々ちゃんの責任にするつもりだってないよ」

菜々「では、数日待ってください」

菜々「…その猫、名前はあるんですか?」

侑「はんぺんだよ。白くてふわふわしてるからって、一年生の子がつけたんだ」

菜々「はんぺんちゃん、ですか」

菜々「私も──撫でてみたいですね」

侑「うん!」

 

116>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/11/30() 20:44:20.10ID:D/xESOtR

それから、お話ししながらなんとなく商業エリアをぶらぶらした。

菜々ちゃんも鉄の意志を持ってるみたいで、色々なものに目移りする私を根気強く諭し続けてくれた。

そのおかげで余計な買い物をせずに済んだ。

一時間くらいの後、別れ際。

 

117>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/11/30() 20:48:35.94ID:D/xESOtR

菜々「ここで大丈夫ですよ」

侑「そっか。それじゃまた連絡してね」

菜々「はい。金曜日の件と、はんぺんちゃんの件ですね」

侑「じゃあまた──」

菜々「侑さん」

侑「うん、なに?」

菜々「私、その…」


菜々ちゃんは珍しく少しだけ言い淀んで、


菜々「…おかしなところは、ありませんでしたか…?」


まっすぐに私を見つめた。

 

118>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/11/30() 20:55:19.84ID:D/xESOtR

侑「おかしなとこ?」

菜々「はい」

菜々「勝手がわからないなりに、せめて楽しめるように──楽しんでもらえるように、したつもりなのですが」

菜々「楽しかった、ですか?」

侑「…うん、もちろん!すっごく楽しかったよ!」

菜々「!」パァ…

侑「菜々ちゃんは?楽しかった?」

菜々「はいっ、とても…!」

侑「私も結構遊んでるうちに色んなこと忘れて楽しんじゃうタイプだからさ、菜々ちゃんも私といるときは難しいこととか考えないで、楽しんでくれたら嬉しいな」

菜々「そう、ですね」

侑「また買い物とか行こうね!」

菜々「──はいっ!」


菜々と買い物をして帰りました! ▼

 

120名無しで叶える物語(とばーがー)2020/11/30() 21:51:24.19ID:AOs6zXxv

更新ありがとう
乙です

 

121名無しで叶える物語(もんじゃ)2020/11/30() 22:26:46.53ID:6RLJHv68

菜々の好感度高まってますなあ
お泊まりできるといいな

 

122名無しで叶える物語(茸)2020/11/30() 22:35:32.44ID:mGdZON4P

泊まりか…隣の部屋がね…

 

123>>1 1Y9DDrqNbw ()2020/12/01() 07:51:30.34ID:vbEqwthX

夜…


一足先にお母さんに菜々ちゃんのことを話しておいたところ、もうなんの抵抗もなくあっさりと許可が下りた。

『許可が下りた』なんて言い方が合わないくらい、お母さんも楽しみにしてそうな反応で…

まあ、渋い反応をされるよりよっぽどいいからいいんだけどね。


侑「…私、最近色んなことしてるな」


なにか考えておかなくちゃいけないこととか、漏らしてないっけ。


気になることはある? 
>>124
1.
はんぺんのこと
2.
かすみのこと
3.
同好会のこと
4.
演劇部のこと
5.
今は特にないかな

 

124名無しで叶える物語(SIM)2020/12/01() 07:54:09.19ID:WcusA5XW

3

 

125>>1 1Y9DDrqNbw ()2020/12/01() 08:13:42.57ID:vbEqwthX

同好会、どうなってるかな。

話をしたのが金曜日だったから、…まだ一週間も経ってないんだ。

かすみんとも彼方ちゃんともエマ先輩とも話してないせいか、なんだか随分前のことみたいに思える。

かすみんと彼方ちゃんは仲直りしたかな。

ライブのステージの許可は取れたのかな。

曲はどうするんだろう。


侑「…みんな、元気かなぁ…」

 

127>>1 1Y9DDrqNbw ()2020/12/01() 08:18:31.92ID:vbEqwthX

かすみんには連絡しても返ってこなかったし、今日なんか会うのをわざわざ避けられてしまった。

彼方ちゃんはライフデザイン学科、エマ先輩は国際交流学科。

二人とも三年生で学科も違うから、会いにいったからって会えるとは限らない。

歩夢は事情を知ってるけど、私達の間で話したってなにがどうなるわけでもないもんね。

他に同好会のことを知ってる人は…

………いる、よね。

 

128>>1 1Y9DDrqNbw ()2020/12/01() 08:26:40.57ID:vbEqwthX

同好会の部長、せつ菜さん。

部長さんであることを考えれば三年生だと思うけど、…そうじゃない可能性もある。

かすみんが『せんぱい』って呼んでたから一年生じゃないのは間違いないにしても、もし三年生だって確定しないのなら。


侑「…違ったら笑い話で済む、よね」


なーんだ勘違いしちゃったよ、って笑えばきっと笑ってくれる。

反対に、この想像が合ってるとしたら。

あえてなにも話をせずにいる今の状態が、一つの答えだったりするのかな。


侑「…わかん、ないなぁ…」ハァ…

 

129>>1 1Y9DDrqNbw ()2020/12/01() 08:31:17.06ID:vbEqwthX

翌朝…


侑「お待たせ~」タタタ

歩夢「行こっか」

侑「うん!」


侑「はんぺんのこと、菜々ちゃんに話してみたよ」

歩夢「どうだったの?」

侑「正直、校則違反になっちゃう可能性が高いんじゃないかってさ…」

歩夢「そう…」

侑「でも菜々ちゃんにお願いして、なんとかそうならないように生徒会の人達とお話ししてくれることになったんだ」

歩夢「そうなんだ」

侑「璃奈ちゃんに伝えるのは、もう少し話が進んでからにしようと思うんだけど…どうかな?」

歩夢「うん、いいと思う。いい方向に進んでほしいね」

侑「だねー…」

 

130>>1 1Y9DDrqNbw ()2020/12/01() 08:38:35.17ID:vbEqwthX

お昼休み…


私はできるだけ朝から台所を覗かないようにしてる。

朝ごはんの準備や片付けをするときには目を細めながらうろうろするから、たまに足とかぶつける。

それもこれも、全てはお弁当の楽しみをお昼休みまで奪われないため…!

まったく、お母さんだって私が起きたらお弁当箱見えないところに移してくれたらいいのにね。


今日のお昼はどうしよっかな? 
>>131
1.
教室で食べる
2.
中庭で食べる
3.
生徒会室で食べる
4.
屋上で食べる

 

131名無しで叶える物語(八つ橋)2020/12/01() 08:39:26.11ID:Ey4N0bNh

4

 

132>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/01() 08:46:45.35ID:vbEqwthX

歩夢「侑ちゃん、お昼ごはん食べよう」

侑「うん」


どこで食べようかな。

中庭は、かすみんと璃奈ちゃんがいるかもしれない。

ばったり会っちゃうのは、予想できるなら避けておきたいよね。

菜々ちゃん…と、話したいこともあるけど。


歩夢「?」


今じゃ、ないかもね。

どっちみち近いうちに話す機会があるはずだから、そのときにまとめて話せばいい。


侑「屋上でも行ってみよっか!」

 

133>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/01() 08:49:27.33ID:vbEqwthX

歩夢「屋上って珍しいね」トコトコ

侑「お昼休みは人が多いからあんまり好きじゃないんだよねー」トコトコ

歩夢「そっか。今日は曇ってるから、人少ないかもしれないもんね」

侑「え?」

侑「あ、そうだね!それを見越してた!」

歩夢「別になにも考えてなかったんだ…」

侑「見透かさないで…」

 

134>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/01() 08:53:31.34ID:vbEqwthX

屋上


キィ──


侑「…おお、ほんとだ。結構がっつり曇ってる」

歩夢「降ってきちゃったら大変だね。すぐ避難できるようにこの辺で食べよっか」

侑「賛成。でもそのおかげで人はいないね、やった!」

歩夢「侑ちゃんって人が好きなのかそうじゃないのかたまにわかんなくなるよ」

侑「好きだよ。でもたまにはさ、あー誰とも話したくないーってことあるでしょ?」

歩夢「ふうん、今日は一人にしましょうか?」

侑「歩夢は別!一人でお昼ごはんなんてヤだよー」

歩夢「うふふ。仕方のない侑ちゃん」

侑「いじわるー」

歩夢「さ、食べよう──」


キィ──

 

135>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/01() 08:58:47.94ID:vbEqwthX

「…あら?」

侑「あ…果林先輩!」

歩夢「こんにちは、果林先輩」

果林「こんにちは、二人とも。どうしたのよ、こんなに入口ギリギリで。今日はそんなに混んでないでしょ?」

歩夢「混んでないですけど、雨が降ったらすぐ避難できるようにと思って」

果林「そんなに怖がるくらいなら、よりによってこの曇りの日に屋上なんか来なきゃいいのに」フフ

侑「だって普段は混んでるんですもんー」

果林「そうね。私も同じ理由で上がってきたんだもの」

侑「ね、果林先輩。一緒に食べましょうよ!」

果林「えー?…ま、たまには他学年のコとも交流しておかなくちゃね。いいわよ」

侑「やったー!座って座って!」

 

136>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/01() 09:03:43.07ID:vbEqwthX

果林「わざわざ敷いて座るなんて偉いのね」ペン

侑「歩夢がいつも持ってきてくれるんですよ」

歩夢「侑ちゃん、昔から石とか木とかに座っちゃってはお尻汚して怒られてたので」

侑「ちょっと言わないでよ、果林先輩にさ~」

果林「ふふ…仲良きことは結構よ」

侑「果林先輩、よく屋上に来るんですか?」

果林「曇りの日はたまにね。上を目指せばいいだけだからわかりやすいもの」

侑「うん…?そうなんですね」

 

137>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/01() 09:08:39.81ID:vbEqwthX

果林「侑、どう?私が見立ててあげた服は。ちゃんと着てる?」

侑「き、着ました…」

果林「髪もきちんとセットしなくちゃだめよ」

侑「それは、しませんでした…」

果林「もう、それじゃ魅力が半減しちゃうでしょうに」

歩夢「私、結局まだその服見せてもらってないよ」

侑「み…見なくていいよ~!」

果林「どうしてよ。ばっちり着こなして見せてあげたらいいじゃない」

侑「恥ずかしいですから!」

果林「恥ずかしいのなんて最初のうちだけよ。せっかく女に産まれたんだから、オシャレしないともったいないわ」

歩夢「もっと言ってあげてください、果林先輩。侑ちゃん、自分の可愛さをわかってないので」

果林「歩夢もだけどね?」

歩夢「へ…へぇっ!?」

侑「そうだそうだー!」

 

138名無しで叶える物語(茸)2020/12/01() 09:10:21.98ID:9bUJyTUJ

果林さんかなり久しぶりな気がするな

 

139>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/01() 09:19:50.15ID:vbEqwthX

果林「最近のコって、こんなにオシャレに無頓着なの?オシャレにというより自分に、なのかしら」

侑「一つしか変わりませんけど…」

果林「私の周りにはそういうアンテナを強く張ったコしかいないのよ。だから新鮮」

歩夢「果林先輩、モデルやってるんですよね?それにライフデザイン学科だし…」

果林「関係ないわよ」

果林「そりゃ普通よりも少し意識レベルが高いコ達が多いかもしれないけど、そんなの誤差よ。毎朝鏡を見るでしょう?そこに映る自分が昨日より魅力的に見えるかどうか、それをどれだけ意識してきたかだけの違い」

果林「自分のこと、可愛がってあげないと可哀想よ。放っておいたらだめ」

侑「ぐう…説得力がある…」

歩夢「わかりました。私も、今日からちょっとずつ意識してみます」

果林「ええ。自分が昨日より魅力的だと思える毎日はとっても素敵なんだから」

 

140>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/01() 09:24:47.37ID:vbEqwthX

果林「たまには一緒に買い物にいって、お互いをコーディネートし合ってみるといいわ」

果林「それで、相手に勧められたものは信じること。いくらか自分の感覚とは違っても、あなた達が相手のために選んだものなら似合わないなんてことはないはずだから」

歩夢「…よし、侑ちゃん!土曜日お買い物に行こう!侑ちゃんコーディネートするから!」

侑「えっ…ええ!?急過ぎない!?」

歩夢「可愛くなろうとするのに早過ぎるなんてことは、」チラッ

果林「ありません」

歩夢 フフン

侑「な──なにその連携プレイ!?」

果林「どんな服を選んだのか、教えてね」ニコッ

 

141>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/01() 09:31:00.64ID:vbEqwthX

「「ごちそうさまでした」」

侑「お待たせしました」

果林「ん?」

果林「別に、待ってたわけじゃないわよ。急いで教室に戻る理由もないし、あなた達のお喋りを聞いてるのは楽しいしね」

歩夢「果林先輩、曇りの日は屋上に来ますか?」

果林「毎回ってことはないわね。曇りでも混んでる日もあるし、実習の準備をしながらお昼を済ませることもあるから。エマと時間が合う日は食堂のことが多いしね」

歩夢「そうですかぁ…」

果林「また会いたい?」

歩夢「あ、会いたいってそんな…!侑ちゃんの写真を見せたいので!」

侑「!?」

果林「コーディネートのね。それは確かに見たいから──」

果林「連絡先を交換しておきましょうか、歩夢」スッ

侑「!!?」

 

142>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2020/12/01() 09:34:55.23ID:vbEqwthX

果林「これでいつでも侑の可愛い画像を送り放題よ」

歩夢「はい、たくさん送りますね」

侑「お、送らなくていいよ!一枚も!」

果林「侑は?連絡先、いらない?信用できない相手には教えないけど…あなた達なら変なことに使うとは思えないし」

侑「えと…」

果林「ふーん、すぐにいるって言えないの。だったら教えてあーげない」プイッ

侑「あっ、や!いる!いります!果林先輩の連絡先欲しいです!美味しいものの画像たくさん送ります!」

果林「そう?そこまで言うのなら、教えてあげようかな」

侑「あ、ありがとうございます…」クタ

果林「ふふ…♪」


果林とお昼ごはんを食べました!
果林の連絡先を手に入れました! ▼

 

144名無しで叶える物語(光)2020/12/01() 10:02:56.98ID:JW/ANfoR

おつやで
果林パイセンの絡みももっとみてみたいね
ていうか土曜日……

 

145無しで叶える物語(たこやき)2020/12/01() 11:07:00.48ID:SLAL3Sm+

家にお迎えに来たら菜々ちゃんが寝てる可能性があるのか…
ぽむの頭壊れちゃうよ

 

146名無しで叶える物語(光)2020/12/01() 11:17:58.79ID:fIHqyMlS

歩夢の独断だし日曜日にずらしてもらうような選択肢出ないかな
なかったら修羅場やね

 

147名無しで叶える物語(もんじゃ)2020/12/01() 12:18:26.35ID:JEzMLpuR

普通に3人でアニメ見るパターン...ってなると多分侑が話題に出そうとしてるせつ菜の正体について、が出来なくなりそうだなぁ

 

148名無しで叶える物語(んじゃ)2020/12/01() 13:23:08.00ID:RaFWgz9m

お姉さん感すき