ダイヤと梨子と、時々果南。 裏側

書いたきっかけ

思い付きです。思い付きで書いたシリーズの第何弾かです。

 

本作が生まれるまでの変遷(だいぶ長くなりました)

まず、最近彼方ちゃんを書いていないなと思ったのが始まりでした。(私は虹のSSを彼方ちゃんメインでしか書かないと決めています)

彼方ちゃんと璃奈の眠気バトルシリーズ(?)の三作目を書いてもよかったのですが、特に面白そうな場面が思い浮かばなかったので、地の文ごりごり系SSを書くことにしました。そうしてまず出来上がったのが、劇中劇(?)になっている 【SS】Beautiful Moonlight です。つまり本来はこれを単品で完結させ投稿する予定でした。

が、どう足掻いてもあの数レスから増えず、というのも私が書きたかったのが「練習をこっそり抜け出してから別れるまで」だったので、前にも後にも付け足すわけにはいかず、加えて本人も言っているよう「高校生の放課後」には大きな時間的制約があり、それこそが(曲としての)Beautiful Moonlight が醸す切なさを生むものであるため、もりもりに盛り込んで中ぶくれさせるというのも違ったからです。

そんな理由で、たった数レスぽっちのSSが進退窮まる状態で完成してしまい、さすがにこれをわざわざスレ立てして投下するか…?と悩みました。相当な数のレスがつかないと即死です。(私の経験上、まず即死は免れません)

そこで、QU4RTZの四人をそれぞれ主人公に立てた Beautiful Moonlight 短編集に仕立て上げるか、と思い付きました。それぞれがそれぞれに抱える切なさや哀しさを四人分書いて一本のSSにする、これはいいのではないか、と。

が、すぐに挫折しました。一本のSSとして完結させるということは、いくら短編集とはいえその四つは全て同じ世界観であると考えるのが普通です。しかしそうなったとき、四人分のストーリーに整合性を持たせて自分が納得できるとは到底思えなかったのです。彼方ちゃんと果林が二人きりでこっそり練習を抜け出してしまうに至るまでのストーリーは、私の中できちんと形作ることができます。同じように、かすみが、エマが、璃奈が、それぞれに抱える Beautiful Moonlight のストーリーを『それぞれ』形作り納得することもできるでしょう。ただ、その全てが同時に確立する世界を、私は自分が納得する形で作ることはできないだろうと感じたのです。ギャグSSであればそこまでストーリーを構想することはないのですが、特に地の文ごりごりの心情描写系SSだとそれをしておかないとかなりブレた仕上がりになってしまうので、私はここで短編集形式を断念しました。

つまり、たった数レスぽっちのSSが一歩も進んでいない状態でまた出迎えてくれたというわけです。

そして私はここまで色々と迷走して結構疲れていたので、正直もう同じテイストで地の文をごりごり書くのはイヤになっていました。そこで、なにもかも忘れてお蔵入りするにはちょっと惜しい程度のSSを眺めていると、ぴんと閃きました。

これ、誰かが書いたことにすればいんじゃね…?

もちろん書いた責任を他のSS書きさんに押し付けるとかそういうことではなく、キャラクターの誰かがSSの中でこのSSを書いたことにすればいい。つまり、劇中劇として扱ってしまえばいい、と。それならば不要な肉付けをすることがないまま全体量を増やすことができる。そうして思い至ったのが、一年ほど前に存在だけ仄めかして放置されていた『文豪ダイヤさん』だったというわけです。

 

全体をギャグテイストに仕立てた弊害なのか、【SS】Beautiful Moonlight に対する感想がほぼなかったのが切なかったです。そりゃしんみり読める雰囲気になってないですもんね。

 

 

文豪ダイヤさんについて

文豪ダイヤさんが産まれるきっかけとなったSSを読んでくださった方はわかると思いますが、当然、オチ的な一文として放り込んだだけで、いつか続きを書こうと思っていたものではありませんでした。しかし当時の投下後のレスに文豪ダイヤちゃん編を望む声もあり、書くものがなくなり本当に筆を全く動かせなくなったときにはお世話になってもいいかもな、という程度の認識はありました。

こんな風に言ってしまうと、今回めちゃくちゃに行き詰まった結果として文豪ダイヤさんにお世話になったみたいですが、そんなことはありません。いや、上の変遷を思うとそういう側面もあるのかな?

とにかく、文豪ダイヤさんを書くにあたっては重過ぎる障害が一つあるのです。なにかというと、そう、「私自身が全く文豪たりえない」ことです。文豪ダイヤさんを書くためには、「その文章を書いたダイヤさんがSS界隈で『文豪』と呼ばれるようになる」ことに説得力が出るだけの文章を私が書けなくてはならないのです。無理です。

私が「よっしゃこれなら『文豪』たりえるぜ!」と思う文章を書ける日は永久に来ないと思いますので、結論から言うと、文豪ダイヤさんの本編が公開されることはありません。ただ、そんな中でも書けるものはあって、それが今回のような文豪ダイヤさんの下積み編というウルトラCです。そこそこ読める文章さえ書ければ、「まだダイヤさんはSSを書き始めたばかりで、これから少しずつ飛躍していってゆくゆくは『文豪』になるんだよ」という言い逃れができます。どういうスパンでSS書きやってんだダイヤさんは、という話になりますが、社会人になってからでもSSは書けますし……

そんなこんなで、迷走したり疲れて地の文から逃げたりした結果、今回のSSが出来上がったという話でした。

 

(本作の)梨子について

ちょっと迷っています。

なにがというと、本作とも本作の前日譚とも違うSSで、同人作家として活動していそうな梨子を書いたことがあるのですが、その梨子と本作の梨子が同一人物なのか、つまり両者は同じ世界観の出来事なのか、という点です。

アナザー梨子の同人活動もマンガではなく文章のようなので、同一人物である可能性はあります。ただまあマンガを描いている同人作家であってもSSに詳しい人なんかごまんといるので、それだけを拠り所にして結論付けるのは早計ですが。文豪ダイヤさんはともかくアナザー梨子の同人活動については再び書く可能性もあり、あまり変なところで設定を固めてしまうと後から矛盾に苦しんだりするので避けておきたいところですが、『有能なアシ』という伏線だけ一応入れておきました。

両者はどちらもギャグSSなので、ストーリーや設定をほぼ考えずに勢いで書いています。これがギャグSSのいいところですね。

そういえば、文豪ダイヤさん下積み編に切り替えた時点で「SSの書き方指南SS」に仕立て上げようとしてみましたが、向いていないことが判明しました。

 

(本作の)果南について

なんかSSに詳しくね?

 

頂いた感想(ラ!板、まとめ、ツイッターから)

・そのSS見た事ある気がするw (本作の前日譚SSのことです)

・乙。劇中劇は悪くないが文豪を語るにはまだ早いんじゃなかろうか。切なさを描くのならもう少し滑らかさが欲しかったな。あと本編は読みづらくてちょっと一方的だな。解説じみた内容なら読み手を意識した方がいい

・前作も読んだことある気がするぞ。今回もよかった

・こういうの好きよ

・果南ちゃんのキレキレのツッコミ好き。このままシリーズ化してほしい

・花丸と理亞のよかった

・メンバーで一番手が掛からない梨子ちゃんをこっそり可愛がってそう