書いたきっかけ
通称「没ネタスレ」で頂いたのがきっかけ。スレタイと一緒にあらすじとクライマックスのワンシーン(本編の>>68)、及びどんな話を書きたかったのか、という意図まで教えていただくことができたので比較的書きやすかったです。
まだSSを書くことに慣れていなかったため、単純にアニメの隙間を補完するような内容だったことや、元々得意な地の文を思い切り活かせる内容であったことなど、取っつきやすい条件が揃っていたため、抵抗なく受け取ることができました。
――幼少期からなにをしてもギャグみたいな失敗ばかりして周りから笑われていた希が、そのうちなにに対しても真剣に取り組めなくなった。(没ネタ提供者から頂いた設定の一部)
この設定を聞いたとき、希の一歩引いた態度にバシッと答えが出たような感覚でいっぱいになりました。希個人をメインに据えた二次創作はそれこそたくさんあって、過去に触れるものも多いですが、中でもひときわしっくり来て、必ず書き上げたいと思いました。
希について
作中でほぼ全てを希に語らせているので、ここで改めて語ることがあまりありません。
強いて言うならば、希が「諦めきった」状態ではないということを描写するように頑張りました。度重なる失敗で辟易していて、表舞台に上がる意思はとっくに捨てたと思い込んでいるけど、本当は捨てきれていない。全てを自分がいなくても回るように調整しようとする反面、何重にも張り巡らせた策の最後の一枚につい自分の存在を忍ばせてしまう。そうやってほんのわずかずつ透けてしまうカケラを全部拾い集めた誰かが、いつか本当の気持ちに気付いて手を引いてくれる、そんなことを無意識下で望んでいる姿を書ければ、と思っていました。無理でしたが。
にこと絵里について
どのくらい描写するか悩みました。主軸ではない部分をあんまり書きすぎるのもよくないなと思いつつ、希だけにピントを合わせて書ききると重くて苦しめそうだったので。ただこの二人の心情も、ついでに掘り下げるにはボリューミーなので、希の気持ちや暗躍を引き出す程度の役割におさまってもらいました。
個人的なμ'sの推しがにこ、推しカプがのぞにこなので、もしかしたらにこの方が描写が厚めだったかもしれません。
過去の失敗について
フィクションです。作者の実体験に基づいているなどということは一切ないので、そのおつもりで。
重くなりすぎない範囲で、かつ当時の希(小学生や中学生)が背負うにはギリギリ、という線引きをなんとか達成できたんじゃないかと思いますが…どうでしょうか。その線引きに注意するあまり「ギャグまんが体質」というスレタイの気軽さを裏切る重量になってしまった点は反省です。
全体の振り返り
作者以外にしてみれば知ったことではないと思いますが、普段と違う文章の書き方をしました。というのも、没ネタ提供者より頂いたクライマックスのワンシーンを、頂いたそのまままるっとコピペで使いたかったからです。全体の調和のために、その1レスに合わせた文章を心がけました。
「悪魔の舌打ち」という表現をキーワードに据えたかったのですが、反復が少なくてあまりキーワードらしくならなかったなと、読み返すと残念な気持ちになります。
頂いた感想(ラ!板、まとめ、ツイッターから)
・なぜその文体でギャグテイストをやろうとしたのか…君のSSって、題材よりも綺麗に書こうとしてて硬いよ~
・めっちゃ真面目な内容なのになんでこのタイトルかと思ったらそういうことか、期待
・乙乙、良い改変だった
・もうちょいギャグテイストにできそう
・泣ける
・三年の馴れ初めは死人が出るからダメだって言ったでしょ!没ネタスレで一番気になってたから、こんなに丁寧に書いてもらってすごく嬉しかった
・のぞえり加入の経緯を丁寧に書いてくれたのがなによりも良かった
・本気で打ち込めば打ち込むほど、ギャグみたいな展開に全てをさらわれてしまう。そして、いつしか何事にも身が入らなくなり、人を羨むだけの日々の中、懸命にアイドル活動へと研鑽するμ'sの面々に心動かされていく。そんな希の心情や情景がとても上手に表現できている素晴らしい作品でした。
・まさかタイトルだけじゃなくあのセリフまで入れてくれるとは…なんか涙出そうになった。他の八人も同系統って設定にするとは思わなかったよ、俺には絶対出てこない発想だ。荒川UBのP子をイメージして書いてたから、こんなスタイリッシュな話に転生されて本当に驚いてる。書いてくれたこと、改めて感謝する。そして面白かった、乙!
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