本作品は安価SSです。
進行中の雰囲気を残すため、一部、本編以外のレスも保持しています。
541>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2019/09/01(日) 06:24:18.88ID:H7Dyo1WB
1月8日、浦の星にて
ダイヤ「──またこうして新たな一年の始まりを皆さんと迎えられることを嬉しく思うと共に──」
生徒「…なんだか生徒会長、目腫れてる…?」
生徒「私も思ってた。アイプチ失敗したのかなーって思ってたけど、やっぱり腫れてるのかも…」
生徒「なんかあったのかなあ…」
ダイヤ「真木さん、原野さん、湯部さん、式典の途中ですよ。私語は謹みなさい」
生徒「はい、ごめんなさい…」
ダイヤ「通常授業のみならず、様々なことに時間を割く必要があり慌ただしい期間となりますが──」
ダイヤ「──それでは、これにて第三学期の始業式を閉会いたします」
ダイヤ「振り返ったとき、我々が浦の星で過ごした時間に胸を張れるよう、残りの日々を大切にしてくださいな」
542>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2019/09/01(日) 06:27:54.22ID:H7Dyo1WB
鞠莉「ダイヤ、果南。オハヨ!」
ダイヤ「おはようございます、鞠莉さん」
果南「おはよ、鞠莉」
鞠莉「な~んか今日のダイヤはぼんやりして、らしくないわね」
ダイヤ「え、そ…そうですか?」
鞠莉「昨日は果南がお世話になったみたいだけど、もしかしてあーんなことやこーんなことがあって眠れなかった、なんて言うんじゃないわよね~~?」
果南「ははは、ないない。ダイヤも私もぐっすり眠って」
ダイヤ「寝付きがよくなかったと言えば、それはその通りですが」
鞠莉「ホワァ!?」
果南「ダイヤ!?」
543>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2019/09/01(日) 06:38:57.42ID:H7Dyo1WB
ダイヤ「昨日のことが頭から離れないのです…果南さんと(一戦)交えたことが、どうしても…」
鞠莉「か、かかかか、果南と交わった…ですってえ…!?」プルプル…
果南「いや誤解!嘘じゃん、そんなことしてないでしょ!ちょっとダイヤ!」ユサユサ
ダイヤ「激しく攻められ、搦め手に嵌められ、為す術もなく蹂躙され…」ユラユラ
鞠莉「攻められて!からめ取られて!蹂躙されたですってえええ…っ!!?」ワナワナ…
果南「おい!ダイヤ!それ以上根も葉もないこと言われると身がもたないんだよ、こっちは!」ユッサユッサ
ダイヤ「ああ…こんなことになる(気になってぼーっとしてしまう)のならば、やはりあの後もう一戦お付き合いいただけばよかった…」ユランユラン
鞠莉「ほ……ほォ~~~ゥ…もう一戦したくなっちゃうくらいよかったのねェ……」ヒクッ
果南「鞠莉!鞠莉さん!違う違う待ってよ、ダイヤなんか寝不足っぽいし頭回ってないんだよきっと!」マテマテ!
鞠莉「寝不足にさせたのは誰よ!」
果南「少なくとも私ではないよ!」
544>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2019/09/01(日) 06:43:09.90ID:H7Dyo1WB
ダイヤ「果南さん」つ裾 キュ
鞠莉「な…」
ダイヤ「次こそはわたくし達があなたに、決して忘れることができない体験をさせてあげますから──努々そのおつもりで」
鞠莉「 」ピッキーン
鞠莉「わたくし、達。へえそう、達。ルビィも一緒だったのね…」
鞠莉「かッなァァァーーーーーーん!!」
果南「うわーっ、絶対私悪くないやつなのにぃ~~~っ!!」ダダダダダ…
鞠莉「待ちなさーーーーーーい!!」ダダダダダ…
ダイヤ「はあ…」ヘニャ
生徒達 (((今日も三人は仲良しだなあ)))
545>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2019/09/01(日) 06:50:50.51ID:H7Dyo1WB
教師「コバルトは酸素と結合することで酸化コバルトになり、深いブルーを放つようなります。これがコバルトブルーという色で…」
ダイヤ (昨日の一戦は──ルビィと交えた一戦と通じるところが多かったように思うわね…)
──『かなんの いあいぎり!』
──あげはちゃん『…』
──ダイヤ『ぜ、全然効かない…!?そんなわけは…』
──『まりのママの だんがいのつるぎ!』
──ダイヤ (先のふんえんで、マリアナさんは体力が3/4ほど減っている)
──マリアナ『…』
──ルビィ『耐えたあ…!?』
ダイヤ (トレーナーがトレーナーならば、ポケモンはあれだけの力を発揮してみせる。ルビィへの敗北も果南さんへの敗北も、一重にわたくしのポケモントレーナーとしての実力が及ばなかったせい)
546>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2019/09/01(日) 07:01:55.61ID:H7Dyo1WB
ダイヤ (それになにより、)
──ダイヤ『このまマさんの前では、いかなるみずタイプのわざも蒸発して届くことがない──』
──『マリアナの アクアテール!』
──『こうかは ばつぐんだ!』
ダイヤ (あれは堪えたわね…)
ダイヤ (とくせいを打ち消すとくせい──いや、もっと正確に考えなければ)
ダイヤ (マリアナさんの『ノーてんき』の効果は、『天気の影響をなくす』こと。それは、まマさんの『おわりのだいち』を打ち消したのではなく、大日照状態による恩恵のみを打ち消したのだということ)
ダイヤ (つい、おわりのだいちと大日照状態を一緒くたに考えてしまいがちだけれど、厳密に言えばその二つは異なるもの)
ダイヤ (まマさんにみずタイプのわざが効かないのはとくせいの影響ではなく、とくせいによる天気の影響)
ダイヤ (この差を掴むことで得られる利をまだ具体的に想像はできないけれど、きっと果南さんの強さはこういう細かい知識を一つひとつ正しく積み重ねた上に成り立っているのだろう)
ダイヤ (──よし!わたくしも、もっともっと頑張ろう!) キリッ
教師「お、黒澤さん。いい表情をしていますね。コバルトの性質が理解できましたか?」
ダイヤ「いいえ、聞いていませんでしたわ!」
教師「ええ…」
547>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2019/09/01(日) 07:13:49.86ID:H7Dyo1WB
ダイヤ (ルビィと果南さんは、あの戦闘の後、どうやらマリアナさん達の『調整』とやらについて何事かお話ししていたようだけれど…)
──ルビィ『マリアナさんがあそこからだんがいのつるぎ耐えるとは思わなかったからびっくりしたよ!』
──果南『ゲンシグラ受けられるように調整しとかないとさ、意味ないからね』
──ルビィ『特殊は?』
──果南『一応メガゲンにも対面で勝てるようにと思って、特化シャドボ確定耐えで調整してるよ』
──ルビィ『うへえ…それだけ耐久に振って、攻撃に振れる分残るの?』
──果南『まあなんとかね』
ダイヤ (正直、そっちはほとんど理解できなかったわね。あの二人の会話に対してちんぷんかんぷんというのは、どうにも呑み込みがたいものがあったけれど…それは置いておくとして)
548>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2019/09/01(日) 07:24:01.18ID:H7Dyo1WB
──ダイヤ『特殊…?とは、なんですか?』
──ルビィ『あー…』
──果南『…どうする?あえて教えてなかったんじゃないの?』
──ルビィ『あえてってわけでもないんだけど…』
──果南『でも、四天王を圧倒しようってんなら、必要な知識じゃない?』
──ルビィ『そうだよね…』
──果南『なんか気になることでもあるの?』
──ルビィ『いや…………別に…』
──ダイヤ『なにをこそこそと話しているのですか。わたくしに隠さなければならないようなことなの?』
──ルビィ『ぅ』
──果南『ポケモンにはさ、物理わざと特殊わざっていうのがあるんだよ』
──ダイヤ『…ほう?』
549>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2019/09/01(日) 07:31:36.20ID:H7Dyo1WB
ダイヤ (まったくもって盲点でした)
ダイヤ (ルビィも果南さんも、『普通にプレイしていれば気づかなくても無理はない』と言ってくれたけれど、現にあの二人は知っていたのだから…)
ダイヤ (わたくし自身、これまでの道中、何度か『とくこう』と『とくぼう』について考えたことはあったけれど──)
──ダイヤ『この、とくこうおよびとくぼうなる能力──これは、特別な攻撃、および特別な攻撃に対する防御…!』
──ダイヤ『オーバーヒートのような特別なわざを使ったり受けたりするときに使われる能力、ということね!』
ダイヤ (…あまり思い出す必要がない類いの結論しか得られなかったのよね) //
ダイヤ (特別なわざって。)
ダイヤ (われながら、イヤおい、って感じだわ…)
550名無しで叶える物語(たまごやき)2019/09/01(日) 08:06:24.06ID:Prc3j9U4
かわいい
551>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2019/09/01(日) 18:53:57.74ID:H7Dyo1WB
ダイヤ (とにかく、敗北経験との引換えに値すると思えるだけの知識は得られた。果南さん──と、ルビィへのリベンジはいずれ必ず果たすとして)
ダイヤ (ひとまずは目下に控えるルネジム戦、およびその先で待つというポケモンリーグを突破するのがなによりの目標)
ダイヤ (ああ、こんなことを思ってはいけないとわかっているけれど、もくたんちゃん達に会いたくて仕方ない。早く放課後にならないかしら。早く、放課後に──)
ダイヤ ハッ
教室 ガラン…
ダイヤ「いつの間に──もう放課後になっていたとは!」ガタ…
教師「それでは授業を始めますよ…あら、黒澤さんは?」
果南「教室でぼーっとしてたので置いてきました」
教師「すぐに呼んできなさい」
果南「やれやれ…」
生徒達 (((やっぱり今日の黒澤さんなんかおかしいな…)))
生徒 (わかってたんなら連れてきてあげなよ)
鞠莉「zzz」
教師「そこの理事長を起こしなさい」
生徒「起こせる人がいなくなったので無理です」
552>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2019/09/01(日) 18:55:23.90ID:H7Dyo1WB
今朝はすごく変なところで切って失礼しました
また実況に戻ります
553名無しで叶える物語(もなむす)2019/09/01(日) 22:52:49.71ID:tIQp4DPe
敗北から一回り成長するのは王道だなあ
554>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2019/09/02(月) 06:25:21.17ID:R1nyIc7j
キンセツヒルズ
ダイヤ「4号室は空き部屋…と」カチカチ
『5号室 作曲家の部屋』
ダイヤ「あら。表札にこうも堂々とお書きになるということは、相応に名の知れた方か、あるいは相当に自信家な方なのでしょうね」
ダイヤ「公人としての顔を持つ方のご自宅に訪れるというのは、結構マナー違反のような気もしますが…この表札を見る限り開口一番で追い返されるということもないでしょう」
ダイヤ「我らが作曲家の梨子さんとお話ししてみていただきたいところですが──」カチ
作曲家『…なんだ、誰だ』
ダイヤ (うわ。絶対気難しい方だ。ミスった)
555>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2019/09/02(月) 06:28:18.28ID:R1nyIc7j
作曲家『私はそれなりに名の知れたつもりの作曲家だが、家にまで押しかけてくるような人をファンとは認めないぞ』
ダイヤ「あ、えと、それは失礼いたしました。決してあなたに会いたくて訪れたわけではなく、そもそもあなたがどなたであるのかも存じておらず、ああいえこれは自尊心に傷を付けてしまいますか、ええとその」
作曲家『ただでさえここ最近、不気味なことが続いて眠れずにいらいらしてるんだ。余計な気苦労をかけさせないでくれ…』
ダイヤ「不気味なこと…?」
作曲家『私が曲を弾くと、どこからともなく拍手が聞こえてくるんだ。聞き間違いなんかじゃない、確かに私の演奏に合わせて、曲が終わると同時に必ず拍手が聞こえるんだ』
作曲家『せっかく引っ越してきたのに、一体なんだっていうんだ…ああもう、わかったら帰ってくれ。私は眠りたいんだ』
ダイヤ「そ、それは配慮が足らず申し訳ありませんでした。引き上げますわ、ごきげんよう」
556>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2019/09/02(月) 06:32:29.73ID:R1nyIc7j
ダイヤ「…ふう。やはり安易に見知らぬ方のお宅を訪れるものではないわね。ここはもう大人しくテッセンさんのお宅を捜す方が賢明と言えるのでは…」
ダイヤ「…」
ダイヤ カチ
『6号室 熱烈な女の部屋』
ダイヤ「ほう!また奇異な名乗りを。果たしてこの方は一体…」ワクワク
熱烈な女『私のだあいすきな作曲家がね、この辺りに住んでいるの。どことは知らないわ。でもね、うふふ、この部屋にいるといつもあの方の曲が聞こえるから、私ってばいつも拍手をしてしまうの!ああ、どこでお会いできるかしら…うふふふふ』
ダイヤ「こっわ!なんなのですかこの人!作曲家の方、今すぐ引っ越した方がよいでしょう!」
ダイヤ「やれやれ…様々な人間関係が渦巻いていて面白いと言えば面白いけれど、沼に足を突っ込んでいるような感覚にもなってしまうわね…さて、7号室の方はっと」カチカチ
ダイヤ「────やりよる場合か!!!」
557>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2019/09/02(月) 06:35:09.25ID:R1nyIc7j
ダイヤ「昨晩果南さんにこてんぱんにされ、今日はあろうことか日中そのことに思考を奪われ過ぎて先生方から三度も注意されたというのに!決意を新たにポケモンバトルへ励もうというところだったのに!」
ダイヤ「なぜのんびり日常パートを楽しんじゃっているのですか!」
ダイヤ「ルネジムは!?ポケモンリーグは!?」
ダイヤ「わざの見直しととくせいの復習、戦略を練ってその練習をするのは!?」
ダイヤ「なに一つしていない!!」
ダイヤ「こんなことでよいのですか黒澤ダイヤ。目の前の関心に身を任せ楽しむばかりでよいのですか。いいえいけません!わたくしがなんのためにオメガルビーをやっているのか思い出しなさい!わたくしは──」
ダイヤ「…」
ダイヤ「ゲームをする目的は一つ、楽しむために他なりませんか…」
ダイヤ「………」
ダイヤ カチカチ
『7号室 夢見る男の家』
ダイヤ「人生は長旅!夢見てなんぼですわ。さあ、あなたの夢をお聞かせくださいな!」ルンルン
558>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2019/09/02(月) 06:39:22.27ID:R1nyIc7j
『9号室 冷たい女の家』
ダイヤ「…心が、ですかね」
ダイヤ「いえまさか。こんなにユーモラスな表札を掲げる方がそんなわけはないでしょう」
ダイヤ「手が冷たいとか目付きが悪くて冷たく思われがちとか、ここはさらに捻ってクールな方という可能性もありますわね」カチ
ダイヤ「こんにち
冷たい女『ウチ、大体のものは間に合ってますわよ?』ブツッ
ダイヤ「え…」
ダイヤ「あのわたくし別に物売りではなく、通りすがりのポケモントレーナーなのですが」カチ
冷たい女『ウチ、大体のものは間に合ってますわよ?』ブツッ
ダイヤ「……………ちょっと口調似せてくるのやめてくださいな…」
559>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2019/09/02(月) 06:42:58.96ID:R1nyIc7j
『10号室 廊下を見る女の家』
ダイヤ「廊下を見る…?」
ダイヤ「考えようによってはわたくしもキンセツヒルズへ来てからずっと廊下を見ていると言えますが」
ダイヤ「お話ししてみればわかることですか」カチ
ダイヤ「こんにち
廊下を見る女『おい!そこに立ってる人!』
ダイヤ「ひいっ!?」ビクッ
廊下を見る女『そこどけよ!すぐに!廊下見てんだよ、こっちは!』
ダイヤ「えっあっ廊下を見るってそういう…す、すみませんでした…」ススス
ダイヤ「…なにか待っているのでしょうか…」
560>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2019/09/02(月) 06:49:27.20ID:R1nyIc7j
11号室 力なき男の家
ダイヤ「…あのう」
力なき男『おれは、なんの力もない男だ…』
ダイヤ「それは一体、どういう心根からの発言で…」
力なき男『おれにはなんの力もない。おれにできることなんか、なにもないんだ…』
ダイヤ「…」
──??「クッ、私の内に潜む魔力が暴れて…ええい鎮まれっ!この魔力を解放するには、世界はまだ…弱過ぎるのよ…!」ギラン
ダイヤ「対極に位置する思考の知り合いがいるので、もしよければ今度お連れいたしますわ」
ダイヤ「なにをお話ししてくださるわけでもないし、あまり人にいてほしくもなさそうな雰囲気なので、ここは早々に退散するとしましょう。お邪魔いたしました………」
『もくたんは わざマシン89を 手に入れた!』
もくたん スタコラサッサ
561>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2019/09/02(月) 06:56:10.60ID:R1nyIc7j
ダイヤ カチカチ
ダイヤ「…ん?」
┃ ┃
┃男 ┃
12号室┃ ┃
┃ もくたん┃
ダイヤ「12号室の前に…人が…」
ダイヤ「もし」カチ
男『あんさん、こいつのお知り合い?』
ダイヤ「へ?いえ、見知らぬ方ですが、少しお話しできればなと…」
男『なんや、ちゃうんかい。せやったらあっち行っときい。どうせこいつ、怯えるばっかりで誰とも話そうとせえへんから』
ダイヤ「む」
ダイヤ「なにか癪に触る物言いですわね。ご用があるのはこの方ではありませんし、人と揉めてまでお話ししようとは思いませんが…」カチ
『12号室 怯える男の家』
ダイヤ「怯える男の家、ですか…はあ…」
562>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2019/09/02(月) 07:01:24.43ID:R1nyIc7j
ダイヤ カチ
『13号室 テッセンの家』
ダイヤ「おお!見つけましたわ!」
ダイヤ「1号室から順繰りあたっていったせいで、辿り着くのが随分と遅くなってしまいましたが…」
ダイヤ「テッセンさんったら、お部屋が何号室であるのかくらい教えていってくださればよいものを。おおらかな方ですものね」クス
ダイヤ「これもそれなりに時間が経ってしまったけれど、まだテッセンさんのお誘いは有効だと信じて。こんにち──」カチ…
ダイヤ「………」
『13号室 テッセンの家』
ダイヤ「………」
ダイヤ (あと数室だし、今さら十分か二十分遅れてもとやかく言われないでしょう) カチカチ
563>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2019/09/02(月) 07:06:09.65ID:R1nyIc7j
『14号室 アイスを愛する家』
お嬢様『♪私は王女ではないけれど、アイスをたっぷり召し上がる』
ダイヤ「♪スプーンですくって、チャッ、チャッ、チャッ」
お嬢様『♪舌に乗せると、トロン、トロン』
ダイヤ「♪喉を音楽隊が」
お嬢様・ダイヤ『「♪とおり、ま、す~」』
お嬢様『うふふ、私、アイスって大好き!楽しくって美味しくって、甘いんですもの!』
ダイヤ「わたくしも大好きですわ!三つ買ってやっと一つ食べられるかどうかという、とても貴重なものですがね…」フッ…
お嬢様『あ、あの…?』
564>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2019/09/02(月) 07:09:18.81ID:R1nyIc7j
『15号室』
ダイヤ カチ
『もくたんは インターホンを 鳴らした!』
『……返事が ないようだ』
ダイヤ「ここも空き部屋ですか。これで3室目ですかね」
ダイヤ「階を一周したけれど、次のお部屋で全てのようね。最後はどのような方がいらっしゃるかしら」
565>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2019/09/02(月) 07:13:35.55ID:R1nyIc7j
『16号室』
ダイヤ「ごめんくださいなー」カチ
『もくたんは インターホンを 鳴らした!』
『……… ……… ……… ………』
ダイヤ「…うん…?」
ダイヤ「どなたかいらっしゃいますか?」
ダイヤ「……」
ダイヤ カチ
『もくたんは インターホンを 鳴らした!』
『……… ……… ……… ………』
ダイヤ「返事がないわけでは、ない…の…?」
ダイヤ「は、ははは…お昼寝中かなにかといったところですわよね。そうよね。それか、そう、無言を貫く男の家だとか、そういう……ね…」
──『1号室 ろーてんしょんばばあの家』
──『2号室 リボン小町の家』
──『3号室 オヤジ達の家』
『16号室』
ダイヤ「い、いやですわここの方ってば。表札を書き損ねるだなんて、ふふ、う──うっかり屋さんなのですから………」
ダイヤ「失礼いたしましたあっ!」
566>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2019/09/02(月) 07:16:42.33ID:R1nyIc7j
ようやくニューキンセツに辿り着くことができそうです
567名無しで叶える物語(たまごやき)2019/09/02(月) 07:49:46.94ID:l5kSyJ0o
おっつー。久しぶりのひとりプレイって感じやね
原作やってないからわからないけど17号室はただ意味深なだけなん?
568名無しで叶える物語(たまごやき)2019/09/02(月) 07:49:55.33ID:l5kSyJ0o
16だった
569>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2019/09/02(月) 18:48:23.22ID:R1nyIc7j
テッセンの家
ダイヤ「こんにちは!いやあ、お部屋も多いしすっかり迷って遅くなってしまいましたわ。ええ本当に、まるで思いのまま寄り道してきたかと思うほど遅くなってしまって心苦しいのですがねえ」カチ
テッセン『おお、おまえさん!よく来てくれたな!』
テッセン『この階には色んな人が住んでいてな、皆さんと会ってみたか?話を聞くだけでも楽しいだろうからな、わっはははは、ぜひお邪魔してくるといいぞ!』
ダイヤ「…ごめんなさい。すでに寄り道をしてきました…言い訳したことを恥じますわ…」シュン
テッセン『おまえさんに来てもらったのは他でもない、頼みたいことがあってな』
ダイヤ「ええ、わたくしでお力になれることならばなんなりとお申し付けくださいな。熱闘を交わした間柄ですから」
テッセン『ニューキンセツっちゅうのを知っとるか?』
ダイヤ「ニュー…キンセツ…?」
570>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2019/09/02(月) 18:54:50.98ID:R1nyIc7j
テッセン『実はキンセツシティを中心として、この辺りの地下を開発しようという十数年計画があったんだがな。その地下施設をニューキンセツと呼んどった』
ダイヤ「呼んで…いた?過去形なのですか」
テッセン『キンセツシティは長い歴史から見るとつい最近になって、ようやく人が増えて栄えてきたんだ。その流れを活かそうっちゅうてもっと人を呼び込むための開発計画だったんだがな…』
テッセン『一年前に、なんだ、計画は無期凍結になった』
ダイヤ「…ほう」
テッセン『今じゃ、計画の真っ最中に事務所として使っとった離れが残っとるだけだ』
ダイヤ「…………最後まで聞きましょうか」
571>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2019/09/02(月) 19:01:41.68ID:R1nyIc7j
テッセン『計画の名残から、その離れをニューキンセツと呼ぶ者も多いんだがな、おまえさんにはちょいとそっちのニューキンセツを覗いてきてもらいたいんだ』
ダイヤ「今はもう使っていない、離れをですか?」
テッセン『計画の最中こそ事務所として使っとったんだが、今のニューキンセツは無人の施設だ。だがなんの役割も持たん掘っ建て小屋になったというわけじゃない』
テッセン『キンセツシティの重要な電力源である発電機を置いておるんだ』
テッセン『元はこの町中に置いていたんだがな、音もするし熱も出す、おまけに電磁波を観測するとか騒ぎ出す者もおって、計画がなくなり使い道がなくなったことに合わせて、離れへ移設したっちゅうわけだ』
ダイヤ「なるほど」
ダイヤ「これだけの大都市を賄うとなれば、機械の規模も相当なものになるでしょうからね。駆動音に運転熱、発電機がゆえの電磁波ですか…」
ダイヤ「実際どこまで生活に支障を来たすものであったかは想像の域を出ませんが、離れも空いたとあっては、発電機を傍に置いておきたくない方々にとっては好都合だったことでしょうね」
572>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2019/09/02(月) 19:07:21.46ID:R1nyIc7j
テッセン『しかし最近、どうも発電機の調子がよくないようでな』
テッセン『様子を見にいこうにも、わしはジムをそう長く空けていられんし、無人の時間が長くなったせいで野生のポケモンが住み着いてしまったんで、下手な者を使いに寄越すわけにもいかん…』
テッセン『と悩んでいたところに、折よくおまえさんに再会したというわけだ』
ダイヤ「ははあ…やっと話が見えてきましたわね」
テッセン『おまえさんの実力なら、ニューキンセツに住み着いとるポケモンは訳もないだろう。どうだ、ここは一つ、わしに頼まれてはくれんか?』
ダイヤ「ふふ…なにを今さら。元より、わたくしはテッセンの手となり足となるつもりで参ったのですよ。その程度のことはお安い御用ですわ」
ダイヤ「わたくし達に、ぜひお任せくださいな!」
573名無しで叶える物語(SIM)2019/09/02(月) 19:14:53.06ID:DuirOZd0
【コメント】おねぇちゃぁまた性懲りもなく安請け合いしてうゅ……
574>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2019/09/02(月) 19:18:10.93ID:R1nyIc7j
テッセン『引き受けてくれるか!いやあ、助かるわ!おまえさんを見込んだわしの目に狂いはなかったな!』
ダイヤ「もう、調子のよいことですわ」クス
ダイヤ「それで、具体的にはなにをすればよいのでしょう。電機分野にはとんと明るくないものですから、見て不調の箇所を見つけて修理してというわけにはいかないと思いますが」
テッセン『なに、頼みたいのは大したことじゃない』
テッセン『発電機は遠隔操作もできるようになっとるんだがな、移設のときにスイッチをオフにしたきり、うっかりオンにし損ねたようなんだ』
テッセン『赤くピカピカ光っとるから、一目ですぐにそれとわかる。おまえさんには、ちょいとニューキンセツへ行って、遠隔操作のスイッチをポチリと押してきてほしいっちゅうわけだ』
ダイヤ「そんなものですか。それならばわたくしにも滞りなく達せられそうですわ」
テッセン『ニューキンセツは、すぐ南のサイクリングロードの入り口辺りからなみのりで東へ進んだところにある。戻ったらお駄賃もやるからな、ま、施設見学だと思ってちょちょいと済ませてきてくれ!わっはははは!』
ダイヤ「まあ。そんなに容易い用件ならば、わたくしが小一時間ほどジムリーダーの代理を務めるので、テッセンさんご自身で行かれてはいかかですか?なんてね」
ダイヤ「サイクリングロードの入り口辺りからなみのりで東ですね。さっそく行ってまいりますわ!」
テッセン『頼んだぞう、もくたん!』
575>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2019/09/02(月) 19:23:48.42ID:R1nyIc7j
ダイヤ「地下施設の開発ですかあ」カチカチ
ダイヤ「十数年計画というからには、相当大掛かりな計画だったのでしょうね。これでも栄え始めてそう長くないとのことだったけれど、そこに輪をかけて地下の開発…」
ダイヤ「素人考えではあるけれど、ううん…計画が無期凍結になるほどの強い反対の声が上がったのも、わからなくはない気がするわね…」
ダイヤ「それにしても、物事をはっきりと言うテッセンさんにしては──」
──テッセン『キンセツシティは長い歴史から見るとつい最近になって、ようやく人が増えて栄えてきたんだ。その流れを活かそうっちゅうてもっと人を呼び込むための開発計画だったんだがな…』
──テッセン『一年前に、なんだ、計画は無期凍結になった』
──ダイヤ『…ほう』
ダイヤ「やや歯切れの悪い物言いだったような…まるで──」
【コメント】おねぇちゃぁまた性懲りもなく安請け合いしてうゅ……
ダイヤ「んま!」
576>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2019/09/02(月) 19:34:33.25ID:R1nyIc7j
ダイヤ「なんですか、その言い方は」カチカチ
ダイヤ「テッセンさんは、これまでの旅の道中出会った方々の中でも特にお世話になった方なのだから、頼まれ事の一つや二つでやいやい言うのではありません!」
ダイヤ「たいした説明もなくやれ荷物を取り返せ、手紙を渡せ、荷物を運べ、ついてこいと小島へ連れ去る…」
ダイヤ「そのような横暴の数々に比べれば、スイッチをポチリと押してきてほしいというお願い事など、頼まれたうちにも入らないでしょう」カチカチ
ダイヤ「テッセンさんもおっしゃっていたよう施設見学だと思えば、もくたんちゃん達との遠足のようなものですわ」
ダイヤ「野生のポケモンも住み着いているとのことだったし、新たな出会いがあるかもしれない」
ダイヤ「このくらい、鼻唄でも交えながら楽しむくらいの余裕がなくてはだめよ」
ダイヤ「お天気もいいですし、遠足日和ですわねー。もくたんちゃん♪」カチカチ…
577>>1 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2019/09/02(月) 19:36:14.31ID:R1nyIc7j
こんなガチガチの説明があったかは定かではありませんが、ちょっとキャラクターが喋り始めるとダイヤさんはすぐに会話を成立させますね
どうなってるんだ…
>>567
ふふふ…
578名無しで叶える物語(あら)2019/09/02(月) 19:51:52.80ID:++VYj47F
【コメント】いろんな人の助けになれるから、わたしは楽しいよ。ダイヤも楽しいでしょ?
579名無しで叶える物語(もんじゃ)2019/09/02(月) 21:00:56.40ID:nlsQQWNf
【コメント】ダイゴさん嫌いなの?