635社長 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2018/06/29(金) 08:51:23.07ID:2ygLhvI/
鞠莉「水槽のお魚がみんな死んじゃってる…?!」
曜「十二番の水槽に入ってたコ達がね」
曜「どうやら、水槽に異物が混入してたみたいで…水質がすごく酷くなってて、」
鞠莉「………それは so bad ね」
曜「うん、それで、」タジ…
鞠莉「それで?どうしてマリー達が呼ばれるの?」
曜「………」
職員「…本日、朝から皆さんには代理で館内運営を手伝っていただいていますね」
鞠莉「ええ」
636社長 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2018/06/29(金) 08:52:17.58ID:2ygLhvI/
職員「その立場からして失礼を申し上げるのは重々承知なのですが、」
職員「今朝、イズリバの水槽点検は皆さんに手伝っていただいた、とか」
鞠莉「はい。曜と、私達とで………って、まさか…」
曜「………」
職員「十二番水槽の点検をしてくださったのは、津島さんだそうですね」
善子「っっ!!」
637社長 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2018/06/29(金) 08:58:26.53ID:tsKZsl3c
鞠莉「待ってよ!私達が、善子がなにかしたって疑ってるの?!」ガタッ
曜「お、落ち着いて鞠莉ちゃん。そういうわけじゃ…」
曜「でも、昨日の宿直報告では異常なしだったんだ。担当したのもすごくベテランの人で、あんなにはっきりした異常を見落とすとは思えない」
曜「十二番に異常が起こったのは、だから、昨日の宿直が終わってからさっき異常が見付かるまでの間ってことに…なる、から…」
鞠莉「…おんなじよ。つまり結局は善子がなにかやったんだって言いたいんでしょ?!」
善子「………っ」
職員「直接なにかをなさったとまで言っているわけではありません。ですが、もしかしたら、今朝の点検時点で異常があったのを見落とされた可能性はあるかもしれない、と…」
鞠莉「……!」
638社長 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2018/06/29(金) 08:59:59.85ID:tsKZsl3c
曜「もちろん、初めてやるお仕事で完璧であることなんか求めてなかったよ。みんなに任せただけで最終確認しなかった私も悪いんだ。でもね、」
鞠莉「…曜、ごめんなさい」
曜「え?」
鞠莉「少しだけ、善子と二人にしてほしい」
曜「鞠莉ちゃん…」
鞠莉「お願い」
曜「………先輩、いいですか」
職員「でも、」
曜「お願いします。私の大切な友人なんです。少しだけ」ペコ…
職員「…わかった。外に待機していますので、お話が終わったらすぐに呼んでください」
鞠莉「ありがとうございます」
ガチャ… バタン
639社長 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2018/06/29(金) 09:02:24.53ID:tsKZsl3c
鞠莉「…………」
善子「…………」
鞠莉「…………」
善子「…………」
鞠莉「………………善子、」
善子「鞠莉も、疑ってる?」
641社長 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2018/06/29(金) 09:05:00.09ID:tsKZsl3c
鞠莉「私は、あなたが水槽に異物を入れたなんて思ってないわ。だけど、見落としたってことなら、絶対にないとは言えない」
善子「…」
鞠莉「おもらしグセ」
鞠莉「それが完全に治ったのかどうか、私にはまだわからないんだもの」
642社長 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2018/06/29(金) 09:10:26.80ID:tsKZsl3c
善子には、悪い癖があった。
事務作業や流れ仕事などの単純作業、連続作業において、ふと工程をすっ飛ばしたり、一つ飛ばしにしたりする癖。
高校を卒業してすぐに一般企業に就職した善子は、その癖が発覚してから、度重なるミスによって少しずつ病んでいった。
そして、やがて周りも本人も耐えられなくなり――辞職。
環境の急激な変化などによるストレスから来る精神的なものだということで、善子にはしばらくの療養と地道なケアが言い渡された。
643社長 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2018/06/29(金) 09:13:27.80ID:tsKZsl3c
ただし、善子自身は病院に入ることも通うことも嫌がった。
自宅で内職などを行える状態でもなかった。
そこで私が手を挙げ「家政婦」という名目で雇い、経過観察と療養、ケアを目的として家事全般の手伝いをしてもらっている。
私と善子、ダイヤしか知らないその悪癖を、「おもらしグセ」と呼んでいた――
644社長 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2018/06/29(金) 09:16:02.38ID:tsKZsl3c
鞠莉「最近のあなたはとても優秀よ。家事もしっかりこなしてくれてその質にも申し分はないし、おもらしすることもほとんどなくなった」
鞠莉「そろそろ社会復帰しても平気なんじゃないか、って私も思ってたところよ」
鞠莉「だけど、知人の家で家事手伝いをやるのと実際の職場で仕事に従事するのとでは、やっぱり――」
善子「違う」
645社長 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2018/06/29(金) 09:22:13.02ID:tsKZsl3c
善子「絶対に、私じゃない。私が点検したときには、どの水槽にも異常なんか絶対になかったわ」
善子「そりゃ素人だもの。どんな状態が適切かなんてはっきりはわからないけど、でも…あそこまで言われるほど明確な異常なんだったら、気付かないわけがない。おもらしも絶対にしてない」
鞠莉「善子…」
善子「当然じゃない!私のおもらしグセで一番苦しんでるのは私よ!そのために鞠莉にまで迷惑を掛けて…それなのに、いざお仕事するってときに注意しないと思う?!」
善子「チェック項目はちゃんと聞いて覚えたし、一つひとつ指差し確認もしたわ。わざわざ折り返してそれぞれの水槽を二回ずつ点検したんだから。…本当よ!!」
鞠莉「…」
善子「…鞠莉はさっき言ったわね。千歌さんや果南さんに比べて随分と速かった、って。私はきちんとやったつもりだけど、それでもやっぱりダメだったのだとしたら、もう……」
ガチャ
千歌「善子ちゃんじゃないよ、絶対に」
善子「! 千歌さん」
鞠莉「果南も…」
646社長 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2018/06/29(金) 09:25:11.00ID:tsKZsl3c
果南「水槽の点検が速かったから、手を抜いたんじゃないかって疑いが拭えないんでしょ。鞠莉」
鞠莉「…そうよ」
果南「だったら、それは勘違いだよ。善子が速かったわけじゃない。私達が遅かったんだ」
鞠莉「そんなの、相対的に見れば当たり前でしょ。言い方を変えただけよ…」
千歌「違うの、鞠莉ちゃん!チカ達は普通よりも遅かったの!」
鞠莉「なんですって…」
647社長 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2018/06/29(金) 09:27:27.57ID:tsKZsl3c
千歌「チカ達がチェックしたときね、」
千歌『ぎゃわー!果南ちゃん果南ちゃん魚に手つっつかれたー!』
果南『大丈夫!私なんかさっきペンギンにつつかれまくったから!』
千歌『えっ…それはほんとに大丈夫なの…』
果南『皮膚に穴あいたけどもう治ったよ』ホラ
千歌『ほらじゃなくて。…ってか治ってないよ!果南ちゃん血だらだらじゃん!』
果南『え?うそ』
千歌『ほんとだよ!よく今までそんな平然としてたね?!』
648社長 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2018/06/29(金) 09:30:33.31ID:tsKZsl3c
果南『あはは。痛みって過ぎると感じなくなるよね』
千歌『あははじゃないし!それ感覚なくなるくらいの大事ってことじゃないの?!』
果南『えー、大げさだよ。さ、早く点検の続きやろ』
千歌『なんでそんなに無頓着なの?!昔は怪我とかに敏感だったじゃん!絆創膏、絆創膏!』
果南『私は別に怪我で困ったこととかないからなー…鞠莉やダイヤには負担が掛からないように気を付けてたけど』
千歌『バケモノフィジカルのせいか!ほら足!足出して!』
果南『チカは心配性だな~』
千歌「…ってことがあって、その分チカ達の点検は遅くなったの」
649社長 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2018/06/29(金) 09:32:46.46ID:tsKZsl3c
果南「これがその怪我。朝、ペンギンにやられたとこだよ」スッ
鞠莉「あのときの…」
果南「そう。だからね、善子は特別に速いわけでもなんでもなかったんだ。本人がちゃんとやったって言うんなら、間違いなくちゃんとやったはずだよ」
善子「果南さん…」
650社長 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2018/06/29(金) 09:38:25.79ID:tsKZsl3c
千歌「そうじゃなくったって、今日の善子ちゃんの様子を考えてみてよ!誰よりもお仕事に積極的で真剣だったじゃん!」
曜『営業開始まで時間あんまりないけど頑張ろうね!それじゃ始めよっ!』
善子『じゃ、私こっちから始めてるわよ』スタスタ
曜『じゃ、ちょっと外すね。わかんないとこあったらインカム飛ばすか、後回しにしといて後で聞いて!』
善子 モクモク…
鞠莉『取り掛かるの早』
果南『いやー、食べた食べた』
鞠莉『so delicious だったねー』
善子『皿洗いくらいやるわよ。どいて』
曜『お、ありがとう善子ちゃん』
曜『じゃあカワウソはちかちゃんにお願いしよっかな。私がフクロウ担当するから』
千歌『はーい!』
善子『私は?私はなにすればいいの?見てるだけなの?』
千歌「そんな善子ちゃんが手を抜いたりするなんて、絶対絶対ぜぇーーーったい有り得ないから!!!」
鞠莉「――――――っ!」
善子「千歌さん…」
651社長 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2018/06/29(金) 09:40:50.38ID:tsKZsl3c
果南「…どう?これでも、まだ善子のこと疑う?」
千歌「これでも善子ちゃんのこと信じられないって言うなら、わたし鞠莉ちゃんのこと――」
鞠莉「ごめんなさい」スッ
鞠莉「ごめんなさい。果南、千歌…そしてなにより、善子」ペコ…
善子「鞠莉…」
652社長 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2018/06/29(金) 09:43:21.36ID:tsKZsl3c
鞠莉「私、とんだバカちんだったみたい。普段から善子の一生懸命なところ、誰よりも近くで見てたはずなのに…それに、」
善子『それにしても、調理場もこっちも任せっきりにして離れちゃうなんて、随分と信頼されたものね』
鞠莉『そりゃそーよ。みんなで奇跡を成し遂げた仲間なんですもの。これで信頼されてなかったらマリーかなりショックよ』
善子『プライベートはそうかもしんないけど、仕事になると話は変わるでしょうに』
鞠莉「わかってた…はず、なのに」
653社長 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2018/06/29(金) 09:44:28.46ID:tsKZsl3c
鞠莉「他の誰が疑っても、私だけは信じてあげなきゃいけなかったのに…」
鞠莉「ごめんね、善子」ギュ…
善子「鞠莉…」
善子「…いいのよ。そう言ってくれるだけで、いいの…」ギュ
654社長 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2018/06/29(金) 09:50:52.58ID:tsKZsl3c
それから程なくして、開園直後に十二番水槽へ食べかけのアイスを投げ込んだという子どもが保護者に連れられてきて、無事に善子の疑いは晴れることとなった――
職員「誠に申し訳ありませんでした!」
曜「申し訳ありませんでした!」
善子「もう、いいってば。最後くらい笑顔で手を振りなさいよ」
鞠莉「遊びにくるときには、モ・チ・ロ・ン」
職員「はい!もちろん割引を――」
鞠莉「モ・チ・ロ・ン、」
職員「…もちろん、無料でご案内いたします」
鞠莉「そうよねー♡」
千歌「ねえ、事の発端がそもそも果南ちゃんにあることって…」ヒソ
果南「まあ、どっこいどっこいってことでいいでしょ。まさか鞠莉も本気で無料で入ろうなんて思ってないだろうし…」ヒソ
鞠莉「カナァン、ちかっち~!人数分の年パスくれるってよ~☆」
果南「まじかあの女」
655社長 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2018/06/29(金) 09:53:58.86ID:tsKZsl3c
鞠莉「それじゃ、そろそろ帰るわね」
曜「うん。結局閉園までいてもらっちゃったね」
善子「なんだかんだで楽しかったし、別にいいわよ」
曜「善子ちゃんにそう言ってもらえると、もう…とんでもなく肩の荷がおりるよ…」ハハ…
善子「曜さんもたまにはウチに遊びにきなさいよね」
曜「うん!絶対行かせてもらうよ」
鞠莉「マリーのとこね?あそこ一応マリーのとこだからね?」
656社長 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2018/06/29(金) 09:57:50.57ID:tsKZsl3c
鞠莉「帰りはマリーが運転するわ」
善子「へえ。どういう風の吹き回し?」
鞠莉「贖罪よ」
善子「素直でイイことね♪」
657社長 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2018/06/29(金) 09:58:28.85ID:tsKZsl3c
鞠莉「ちかっちー…は、まあそこだからいいとして、果南も乗ってくでしょ?送るわよ」
果南「私はいいよ。チカんとこでお風呂入ってから帰るから」
千歌「うちのお風呂を当然のように」
果南「従業員権限でね」
千歌「なにをー!派遣のくせにー!」
果南「あっパワハラ!その発言はだいぶパワハラだったぞ!」
千歌「へへ…すいやせん。ゆっくりしてってくだせえよ」ヘコヘコ
果南「弱っ!責任者パワハラってワードに弱っ!」
善子「あれなら放っといてよさそうね。帰りましょ」
鞠莉「そうね」
658社長 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2018/06/29(金) 10:00:35.67ID:tsKZsl3c
鞠莉「それじゃ、またね」
果南「おー、善子もまたねー」
善子「今日はありがとう。嬉しかったわ」
果南「いひひ…当然じゃん。大切な仲間で可愛い後輩だよ。なんかあったら守るさ」
善子「千歌さんも」
千歌「善子ちゃんが善い子だって知ってるからね。また遊ぼーね!」
善子「ええ、必ず」
659社長 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2018/06/29(金) 10:03:34.45ID:tsKZsl3c
ブゥゥゥゥン
善子「今日は働いた感じするわね~」
鞠莉「感じがするんじゃなくて、働いたのよ」
善子「あら。いつになく甘いじゃない」
鞠莉「今日は今までで一番労われて然るべきだもの」
善子「…そ。悪くない気分ね」
鞠莉「そろそろ、どこか就職先を探してみてもいいかもしれないわね。沼津から出ない範囲なら、マリーから口利きもできるわよ」
善子「…そうね。考えとく」
鞠莉「ええ。ゆっくりね」
ブゥゥゥゥン…
第八話
善子・クライシス
完
660社長 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2018/06/29(金) 10:04:10.49ID:tsKZsl3c
ギャグssだったはずなんだけど。
安価どうにかすることを考えたらこうなった
満足してもらえたならいいけど
661社長 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2018/06/29(金) 10:07:41.83ID:tsKZsl3c
次の話、誰にメインスポットを当てるか
鞠莉、ダイヤ、果南、聖良、善子、梨子、千歌、曜、その他(自由指定) >>663
絡ませたいキャラを同時に指定してくれてもいい
内容 >>665
ちょっとずつ長くなってきたな
あと二話くらいで完走しそうな感がある
最終話は決算の話だろうなあ…不安だなあ営業成績
662名無しで叶える物語(茸)2018/06/29(金) 10:09:32.23ID:3w+p1WXu
鞠莉、ダイヤ
663名無しで叶える物語(有限の箱庭)2018/06/29(金) 10:10:10.11ID:9JE02RAj
鞠莉、善子、花丸
665名無しで叶える物語(茸)2018/06/29(金) 10:14:40.82ID:yDzDLbzQ
花丸ちゃん、善子ちゃんを家政婦(兼恋人)として雇いたいと鞠莉の会社に突撃
月給20万円からのオークション
667社長 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2018/06/29(金) 12:36:55.33ID:K3n2Iz4e
刺激的な安価でワロタ
話の根幹(誰が競り落とすか的な部分)は安価に任せた方がいい?
おれが独断で書いた方がいい?
668名無しで叶える物語(茸)2018/06/29(金) 12:51:51.91ID:24emy2Pi
社長の独断のがええと思う
今のように時々安価の方がいい
おもらし茸とか埋め茸に
隙を与えると色々荒れる
669名無しで叶える物語(公衆)2018/06/29(金) 12:55:09.04ID:YhL+L3TG
善子と聖良は仲良くなれるのか
670社長 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2018/06/29(金) 13:02:26.07ID:K3n2Iz4e
承知
674名無しで叶える物語(茸)2018/06/29(金) 19:35:12.96ID:92Izfd4p
水族館の話、しっかりまとまってて楽しかった
善子オークションも期待
686社長 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2018/07/01(日) 17:54:01.66ID:0yF99p0C
鞠莉「よーしこっ。一緒にお出かけしましょ」
善子「イヤよ。面倒くさい」
第九話
善子と鞠莉の楽しい一日
完
687社長 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2018/07/01(日) 17:55:33.19ID:0yF99p0C
鞠莉「終わらないわよ?!」
鞠莉「楽しい一日させてよ!キャッチボールも成立してないくらいの一瞬だったわよ!」
鞠莉「遊びましょーよ!よーしーこー、遊びましょーよーーーっ」グイグイ
善子 (う…うるせーーーー!) イラッ
688社長 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2018/07/01(日) 18:08:35.50ID:0yF99p0C
鞠莉「どうしてそんなに so cool
なのよ。前回マリーに歩み寄りが行われたんじゃなかったの?!」
善子「歩み寄りもなにも、別に鞠莉に対して距離を置いてたことなんかなかったし」
鞠莉「いーや!善子はなんだか冷たくなったわ!昔以上に淡白になったとマリーは感じる!」
善子「そう。大人になったのね」
鞠莉「そういうとこよー!少しくらい感情的に噛み付いてきてよー!」
善子「前回歩み寄りが行われたのはどっちかというとあなたから私に対してだと思う」
鞠莉「そ、そういう攻め方は好きじゃないわよ私!!」
689名無しで叶える物語(茸)2018/07/01(日) 18:10:05.70ID:VYfAI2OG
お、いつの間にか始まってるじゃん!
690社長 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2018/07/01(日) 18:13:47.67ID:0yF99p0C
善子「だいたい遊ぼう遊ぼうって、鞠莉いつも遊んでばっかりじゃない。仕事してるシーン見たことないわよ」
鞠莉「前回だってお仕事だったわよ?!」
善子「無償のね」
鞠莉「ぐぅ…」
善子「もう少ししっかりしなさいよ。知ってる?あなたの会社、関係ない人達にまで経営状態の心配されてるのよ」
鞠莉「だ…誰よそんな失礼な心配してるの!」
691社長 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2018/07/01(日) 18:17:21.95ID:0yF99p0C
善子「ま、私には関係のないことだから構わないけど。ダイヤ達にお給料支払えるくらいには頑張りなさいよね」
鞠莉「善子はうちで働くつもりないの?」
善子「今の会話の流れでそんなつもりがあったら私の根性相当ひん曲がってるでしょ」
鞠莉「だから聞いたのよ」
善子「張り倒すわよ」
692社長 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2018/07/01(日) 18:22:00.69ID:0yF99p0C
鞠莉「だいたい、誰よ派遣なんて内容で起業したのは。どうせならもっとみんなで一緒に働ける業種がよかったわ」プリプリ
善子「面倒くさいから突っ込まないわよ」
鞠莉「果南も梨子もちかっちも仲間になったのに、結局お仕事で外に行っちゃうんだったら意味ないじゃないの」
善子「千歌さん仲間になったっけ」
693社長 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2018/07/01(日) 18:26:40.09ID:0yF99p0C
善子 …キョロ
善子「ダイヤ達は?」
鞠莉「営業に行ってくるって。マリー残して」
善子「見習おうという気はないの?」
鞠莉「ついていこうかっては聞いたのよ。でも事務所を空けたくないからお留守番しててほしいって」
善子「とうとうダイヤにまで邪魔者扱いされてるじゃない」
鞠莉「んなっ?!そ、そんなんじゃないわよ!お留守番だって立派なお仕事なんだから!マリーにしかできないんだから!」
善子「どうかしらね。あのポニテもできてたと思うけど」
鞠莉「善子のいじわるぅ…」ウルウル
善子「悔しかったら仕事見付けてきなさい」
694社長 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2018/07/01(日) 18:32:28.02ID:0yF99p0C
鞠莉「ね、善子」
善子「なに?」
鞠莉「進捗はどう?」
善子「…」
鞠莉「あなたも子どもじゃないんだもの。全てを私に話せなんて言わないわ」
鞠莉「でも、この間も言ったように、私にも役に立てることがあると思うから。困ったことがあったら相談してね」
善子「…はいはい」
鞠莉「約束よ」
695社長 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2018/07/01(日) 18:34:42.93ID:0yF99p0C
善子「…じゃ、いっこ聞いてもいい?」
鞠莉「なんでも!!」
善子「私って、なにが向いてると思う?」
善子「これと言ってやりたいことがあるわけでもないから、なんとなく次を探すのがね…」
鞠莉「そうねえ…」
696社長 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2018/07/01(日) 18:39:20.45ID:0yF99p0C
鞠莉「でも、家政婦は意外と向いてるんじゃないかしら」
善子「家政婦ぅ?」
鞠莉「いやあなた現在進行形でやってるからね?『なにその架空気味の職業』みたいな反応しないでよ」
善子「そうだけど、ここは特殊でしょ。家政婦の求人なんか見たことないし…っていうか、ここ以外のとこ行ってまで家政婦やろうなんて微塵も思わないし」
鞠莉「マリーの傍にいたいってことね♡」キャ
善子「知らないの?私、転職活動と併せて転居活動もしてるのよ」
鞠莉「善子出てっちゃうの?!」
697社長 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2018/07/01(日) 18:42:18.94ID:0yF99p0C
善子「今こそあなたの好意で住み込みにさせてもらってるけど、雇用関係もなくなってなお家までお世話になり続けるわけにはいかないじゃない」
鞠莉「いーわよそんなの!いつまででもいなさいよ!」
善子「私自身のケジメだから」
鞠莉「善子いなくなっちゃうのイヤよぉ…」
善子「どうせ引っ越すにしてもすぐ近くだってば」
鞠莉「それならなおさら出ていく必要なんて――」
??「話は聞かせてもらったずら!!」スパァン
698社長 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2018/07/01(日) 18:44:15.62ID:0yF99p0C
鞠莉「だ…っ、誰?!」
善子「ずら丸でしょどう考えても」
??「入ってもいいずら?」
鞠莉「どうぞ~」
??「おじゃまします」
善子「もう名前いいから」
699社長 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2018/07/01(日) 18:45:40.82ID:0yF99p0C
鞠莉「ハナマルじゃない!久し振りね!」
花丸「こんにちは、鞠莉ちゃん。善子ちゃんも」
善子「さっきの勢いよくふすま開いたみたいな効果音なんだったの?」
花丸「演出だよ」
700社長 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2018/07/01(日) 18:51:19.55ID:0yF99p0C
花丸「沼津市街の方で善子ちゃんを見かけなくなったと思ったら、こんなところにいたんだね」
善子「人を失踪者みたいに言わないでもらえる?」
鞠莉「ハナマルは紅茶でいいかしら」
花丸「うん!」
善子「もう少し整然とできないのこの人達」
701名無しで叶える物語(アラビア)2018/07/01(日) 18:53:43.24ID:CXAcssj6
カプ厨の思惑を悉く平均化しなるべく公平に運んでいく安価捌き
惚れ惚れするね
702社長 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2018/07/01(日) 18:57:59.12ID:0yF99p0C
鞠莉「ハイどーぞ」コト
花丸 ズズ…
花丸「ずらあっ♡」プハー
鞠莉「ハナマルは美味しそうに飲むわね~」
花丸「だって美味しいんだもん。さすが鞠莉ちゃんの用意してくれたお紅茶だね」
鞠莉「そーなのよ!せっかくいいの選んできてるのに、みんな麦茶みたいにがぶ飲みしちゃうからイヤになるわ!」
善子 ゴクッゴクッゴクッゴクッ プハァァ
善子「ティーカップ一杯だとなんか物足りないのよね」
鞠莉「言ってるそばからぁ~っ!」アーン!
花丸 (今のはたぶんわざとやったな)
703社長 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2018/07/01(日) 19:14:28.85ID:0yF99p0C
鞠莉「ハナマルが可愛いからお菓子あけちゃいましょう」ガサ
花丸「ずら~~♡」
善子「それ来客用にって買ってきたやつでしょ。またダイヤに怒られるわよ」
鞠莉「久し振りに会った友達に対して出せないなら、お菓子なんて買い置きしないわ」
善子「…それもそうね」
花丸 パク
花丸「んまあ~~~♡」
704社長 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2018/07/01(日) 19:21:46.18ID:0yF99p0C
花丸「そういえばグランマに新しいケーキが出ててね、なんかこう、善子ちゃんが好きそうな感じだったよ」モグモグ
善子「チョコケーキ?」
花丸「ちゃいろかったからそうだと思う。コウモリの羽みたいのがついてて、見た目も可愛かったずら」
鞠莉「ケーキいいわね。買いにいく?」
花丸 パアアアッ
善子「お留守番任されたんでしょうが」
鞠莉「oh... そうだったわ…」
花丸 シュン…
善子「あんたなにしに来たのよ」
719社長 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2018/07/01(日) 22:26:10.34ID:0yF99p0C
鞠莉「どうして善子はいつもそう言い方が冷たいのよ。遊びにきてくれたのよねえ?ハナマル」
花丸「うん」モキュモキュ ゴックン
花丸「善子ちゃんを奪いにきたずら」
よしまり「「…………へ?」」
721社長 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2018/07/01(日) 22:30:11.79ID:0yF99p0C
花丸「高校を卒業して以来、最初の半年くらいはよく連絡も取ったし遊びもしたけど、ここしばらくはほとんど音沙汰なしになっちゃって寂しかったんだよ」
善子「それは…ごめん」
花丸「ううん、いいの。善子ちゃんのこと…少し聞いちゃったから。大変だったよね、今も…なのかな」
善子「…そうね」
723社長 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2018/07/01(日) 22:33:14.83ID:0yF99p0C
花丸「そこでおら考えたんだ」
花丸「善子ちゃん!」
善子「はい」
花丸「おらの花嫁さんになるずら!」
善子「………は?」
鞠莉「な?」
鞠莉「よ?」
鞠莉「めェ?!」
花丸「一人でありがとう」
724社長 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2018/07/01(日) 22:35:57.13ID:0yF99p0C
善子「待ちなさいよ、言い出すことが唐突で少しも意味が――」
鞠莉「だぁ~~~~めっ!」
鞠莉「だめだめだめだめよーーーっ!!いくらハナマルとは言え善子は譲らないんだから!」
花丸「むむ…っ、なんの権利があって鞠莉ちゃんが引き留めるの!これは善子ちゃんが決めることずら!」
鞠莉「善子はマリーの家政婦だもの!」
花丸「間もなく自由の身になろうとしてるはずだもん!」
鞠莉「ちょっと!捕らえられてたみたいに言わないでよ!」
726社長 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2018/07/01(日) 22:38:15.35ID:0yF99p0C
ギャーギャー
善子「私の意見が最優先でしょ…」
ギャーギャー… ピタッ
まりまる ジッ
善子「?! な、なに?」
花丸「その言い方は、もう心が決まってるの?」
善子「え」
鞠莉「確かにマリー達が言い争うよりも、善子に決めてもらうほうが good よね」
善子「え」
729社長 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2018/07/01(日) 22:40:42.93ID:0yF99p0C
花丸「鞠莉ちゃんの家政婦は辞めてここを出ていくつもりなんだよね?」ズイ
鞠莉「だからと言ってハナマルのとこに行くなんて言ってないものね」ズズイ
善子「や、あの、二人とも、ちょ…」
まりまる ジリジリジリ…
>>730「話は聞かせてもらったァ!!」スパァン
730名無しで叶える物語(茸)2018/07/01(日) 22:41:04.59ID:rUPn87bE
ちか
731名無しで叶える物語(茸)2018/07/01(日) 22:41:35.43ID:6TpDimLP
聖良
732社長 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2018/07/01(日) 22:44:17.99ID:0yF99p0C
千歌「その勝負はチカが預かろう!!」ドン!
鞠莉「その声は――ち、ちかっち!」
善子「声はっていうか」
花丸「なぜ千歌ちゃんがここに!」
善子「それはほんとにね。相変わらずひまなのねこの人」
千歌「ちょっと!チカがいつもかつも仕事せずにぶらついてると誤解されるような物言いはやめてもらおうか!」
善子「このスレ遡ってみなさいよ」
733社長 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2018/07/01(日) 22:47:26.60ID:0yF99p0C
千歌「花丸ちゃんが遊びにきてると聞いて駆け付けてみればこのザマ…」
千歌「仲良くしなさい!仲間でしょ!」
千歌「鞠莉ちゃん紅茶をチカにも」
鞠莉「オッケー☆」
善子「テンポ悪いわね、もう…」
734社長 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2018/07/01(日) 22:51:13.55ID:0yF99p0C
花丸「預かるったって、一体どうするつもりずら」
千歌「二人が一人を取り合うとなれば、これはもうアレをやるしかない流れ…」
鞠莉「アレ?」
千歌「…そう!」
千歌「善子ちゃん争奪オーーーディション!!!!」
花丸「善子ちゃん…」
鞠莉「争奪…」
善子「……オーディション?」
花丸「オークション?」
千歌「オークション。」
鞠莉「OK」
736社長 ◆1Y9DDrqNbw (茸)2018/07/02(月) 07:36:11.58ID:Acpx00UH
千歌「ただいたずらに自分が自分がと主張するだけじゃだめだよ」
千歌「いかに善子ちゃんのことを真剣に思い、欲し、守りたい傍にいたいと考えているか。そしてその気持ちで信頼されること」
千歌「オークションとは名ばかりの、三人での真剣な話し合い!」
千歌「それを僭越ながら、不肖このわたしが取り仕切らせてもらうよ…」
善子「じゃあオークションなんて名ばかりの呼び方やめなさいよ」