善子「南ことりに恋をして」 5

185ぬし ◆z9ftktNqPQ (大陸鉄道)2018/06/10() 22:02:36.03ID:jWpHTJrO

それから数ヶ月――… 


善子「おつかれさまー」ガチャ 

梨子「あっ!来た!」 

ダイヤ「!!」キッ 

善子「?!」ビクッ 

善子「な、なによ…」 

ルビィ「よしこちゃん。自分の行いには責任を持たないとね…」ススス… 

花丸「善子ちゃーん。自分の胸に手をあてて思い返してみるずらー」ススス… 

ルビまる ガシッ 

善子「ひっ?!」 

善子「な、なによ!なんなのよ?!放しなさいよ!」ジタバタ 

果南「善子なりの考えがあったのかもしれないけどさー、ああいうのは一応本人に許可を得とかないとねー」アハハ 

鞠莉「じゃないとこういう事態になるからねー♪」ナムアミダ… 

善子「なっ、なに?!なんの話?!」 

ダイりこ ジリジリ… 

善子「ダイヤ!リリー!目!目がマジに見える!!」 

ダイヤ「マジですからね」 梨子「マジだもの」 

ダイヤ「それではさっそく善子さんの粛清を…」 

果南「チカ。プレイ!」 

千歌「はいはーい」カチッ

 

186ぬし ◆z9ftktNqPQ (大陸鉄道)2018/06/10() 22:03:20.98ID:jWpHTJrO

ダイヤ「なっ?!」ハッ 

梨子「がっ!」ハッ 

ダイりこ「「さ、なくていい!!」」バッ… 

かなまり ガシッ 

果南「まあまあ。そう言わずに。実物を見せないと善子だってなんのことかわかんないでしょ?」クス 

鞠莉「そーよ。情報の伝達に齟齬が発生するかもしれない…でしょ?」クス 

ダイヤ「あーなーたーたーちー…っ!」 

梨子「どうしてここで私たちもダメージを受けなきゃいけないんですか!」 

果南「んー」 

鞠莉「おもしろいから?」 

果南「かなん♪」 

ダイりこ ブチッ 

ダイヤ「はじめからそれが目論みで――!!」 

善子 (なんなのよ…) ジッ… ←羽交い締めされてる 

善子「…あ」

 

187ぬし ◆z9ftktNqPQ (大陸鉄道)2018/06/10() 22:04:13.65ID:jWpHTJrO

梨子『お…おchu~しゃ堕天使リリーよ!』// 

梨子『あなたのハートに堕天の一撃っ♡』 


梨子「っっっああああああァァァァァ!!」 


ダイヤ『きょ…今日も元気にいっきますわよ~!』// 

ダイヤ『恋のダイヤル rin rin rin♡』 


ダイヤ「っっっああああああァァァァァ!!」 


アアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッ!!! 

リコチャン! ダイヤサン! キヲシッカリ

カワイイヨ! カワイイカラ タイジョウブダヨ


善子「…これね」ナルホド

 

188ぬし ◆z9ftktNqPQ (大陸鉄道)2018/06/10() 22:05:25.88ID:jWpHTJrO

ダイヤ「な、に、を…冷静に心当たってますのォ!」ユラァ 

善子「罰ゲームなんだからしょーがないじゃないの。内容提案したの私じゃないし」 

ダイヤ「それを誰が撮っていいと言いましたか!!」 

梨子「そしてそれを誰がホームページにアップしていいって言ったのよ!!」 

善子「そう噛み付くことないじゃない。おかげでほら、二人のAqours内ランクはうなぎ登りよ?」ククク… 

ダイヤ「ほお~…反省の色は全くないようですわねえ」ヒクヒク 

梨子「消しなさい!今すぐに!」 

善子「イヤよ!これのおかげでAqours自体の知名度だってガンガン上がってきてるんだから!」 

梨子「ダイヤさん!よっちゃんの進路は私が塞ぐので早く!」シュッシュッ ←反復横跳び 

ダイヤ「待ってください梨子さん!その役目はわたくしが!」シュッシュッ ←反復横跳び 

ダイヤ「わたくしはホームページの動画を削除するなどという高等技術は扱えません!」シュッシュッ 

梨子「んなっ?!わ、私もなんですけど!」シュッシュッ 

ダイヤ「なんですって?!じゃあ果南さんか鞠莉さん…」バッ 

果南「~♪」スー フスー スヒー ←口笛 

鞠莉「ね、このときの曜も可愛かったわよね」ホラココ 

曜「えーっ、もう。やめてよ鞠莉ちゃんってばー」// 

ダイヤ「 」 

梨子「千歌ちゃん!」バッ 

千歌「ごめん梨子ちゃん…今のチカは果南ちゃんの従順な犬…」モグモグ 

梨子「みかんくらい後で好きなだけあげるわよォ!」 


キャーキャー ワーワー 


善子「…もう放してくれてもよくない?」 

花丸「確かに」スッ  ルビィ「確かに」スッ 

……………… 

………

 

189ぬし ◆z9ftktNqPQ (大陸鉄道)2018/06/10() 22:17:46.74ID:jWpHTJrO

ー練習後ー 


善子「じゃ!バスだから!」シュタッ タタタ… ピッ 

梨子「あっ!」 

曜「私も~♪」タタタ… ピッ 

運転手「発車します」 


プシュー バタン ブゥゥゥン… 


ダイヤ「…もうっ。明日こそとっちめますわよ」フンス 

梨子「逃げ足だけはトップスピードなんだから…」フンス 

千歌「梨子ちゃーん。ダイヤさーん」ノシ 

梨子「なあに裏切り者の千歌ちゃん」ジトッ 

千歌「うわあ根に持たれてるぅ…」タジ 

梨子「当然でしょ。今日の裏切りは忘れないからね」 

千歌「えーっ、やだやだ困る!」 

ダイヤ「今からでも遅くありません。削除に協力してくださるのならそれなりの温情措置を…」 

千歌「それはおもしろくないからやだなあ」 

ダイヤ「こっ…この人はァ!」 

梨子「で、なに?帰らないの?」 

千歌「ああ、うん。アクアステージ寄ってこうかって話してるんだけど、どう?どうですか?」 

ダイヤ「寄り道は校則で禁止されていますわよ」 

千歌「じゃあ梨子ちゃんだけ誘う」 

ダイヤ「そういうのはやめてください」 

千歌「今から下りればちょうど『船が夕焼けを渡る時間』くらいだよ!」 

梨子「どうしますか?」 

ダイヤ「そうですわねえ…」 

……………… 

………

 

190ぬし ◆z9ftktNqPQ (大陸鉄道)2018/06/10() 22:18:40.25ID:jWpHTJrO

山道を下りるという千歌ちゃんたちを見送り、ダイヤさんと二人、帰路に着く。 

今日はこのまま帰る。 

なぜか、意見が一致した。 


梨子「ダイヤさんと二人で帰るのなんて、初めてですね」テクテク 

ダイヤ「そうですね」テクテク 

ダイヤ「…気まずい、とか思っていますか?」 

梨子「なんですか、それ」クス 

ダイヤ「ちょっと気になっただけです」フフ 

梨子「そういえば、二人きりで過ごすのってあれ以来かもしれませんね」 

ダイヤ「東京の?」 

梨子「そうです。図書館で四時間」 

ダイヤ「ふふ…懐かしい」 

梨子「もしかしたら、あの小旅行がなかったら、この時間って気まずかったんでしょうか」 

ダイヤ「ありえなくはないですね」 

梨子「…」テクテク 

ダイヤ「…」テクテク 

梨子「…よっちゃん、あれから……」 

ダイヤ「…ええ」 


短く、ただそれだけの会話。 

言いたいことは伝わったとわかるし、受け取った通りで正しいと確信できた。

 

191ぬし ◆z9ftktNqPQ (大陸鉄道)2018/06/10() 22:19:36.86ID:jWpHTJrO

あれから、よっちゃんは少しずつ落ち着いていった。 

東京から戻ってからしばらくは、夜中に突然私に電話を掛けてきたり、練習中に突然ダイヤさんの手を引いていなくなったりしたけれど。 

ダイヤさんの家に寄る頻度が二日に一度、三日に一度…と減っていき、ぼーっとすることや失敗することも同じように減っていって。 


梨子「最後にダイヤさんのお家に来たのはいつ頃ですか?」 

ダイヤ「さあ…いつでしたか。貸していたディスクも丁寧に手提げ鞄で返してくださっただけなので、今は貸しているものもありません」 

梨子「そうですか」 

ダイヤ「ええ」 


やがて、ことりさんの話をすることはなくなった。

 

192ぬし z9ftktNqPQ (大陸鉄道)2018/06/10() 22:21:08.68ID:jWpHTJrO

よっちゃんは元通り、飄々として、マイペースで、どこか危なっかしい…そんなよっちゃんに戻った。 

ダイヤさんのスマホがメールの受信を告げることもなく―― 

まるであの二日間が、そしてあの日々が、そもそも白昼夢かなにかだったんじゃないかとすら思うようになっていた。 


梨子「これでよかったんだと思いますか?」 

ダイヤ「…」 

ダイヤ「よくないとするなら、どうするつもりですか」 

ダイヤ「再び善子さんのことりさんへの想いを掘り返し、悩ませ苦しませようとでも?」 

梨子「そういうわけじゃ…ありませんけど…」 

ダイヤ「言いたいことはわかりますけれどね。よくも悪くもなんの決着すら見なかったことこそが、いつか再び善子さんの枷になるのでは…と」 

梨子「…はい」 

梨子「一回だけ真姫さんにお願いしてみるとか、あと一回だけことりさんにメールを送ってみるとか」 

ダイヤ「意味はないでしょうね」 

ダイヤ「真姫さんはあの場でことりさんのホームページを教えてくださった。ことりさんから返信はない。これこそが、答えなのではありませんか」 

梨子「そう…ですよね」 

梨子「このまま忘れるのが最善なんでしょうか」 

ダイヤ「善子さん本人がなにも言わない以上、わたくしたちだけが躍起になるのは悪手だろう…とは、思いますわ」 

ダイヤ「ですが、忘れるのが最善という風には、わたくしは思いませんよ」

 

193ぬし ◆z9ftktNqPQ (大陸鉄道)2018/06/10() 22:21:53.91ID:jWpHTJrO

ダイヤ「なんの決着も見なかった。膨らみ、そして萎み。叶いも破れもしなかった。だからといって、それを『なかったもの』と切り捨てるのはあんまりでしょう。 

ダイヤ「もしかしたら善子さん自身は忘れたいと願うのかもしれません。忘れられずに苦しむのかもしれません。それでも、わたくしたちだけは覚えていましょう。 

ダイヤ「叶えてあげたくて奮闘したことも、叶えてあげることができなかった事実も。 

ダイヤ「だって、善子さんの想いは、確かに存在したのですから」 


梨子「…………はい。」 

ダイヤ「…もう。あなたが泣かないでくださいな」ポン… 

***

 

219ぬし ◆z9ftktNqPQ (大陸鉄道)2018/06/11() 21:52:10.30ID:efuRTpQb

さらに数週間後――… 


司会者「本日は、日墺・ピティナ・文化交流ピアノコンペティションにお越しいただき、ありがとうございます」 

司会者「今日この場から生まれる音楽が、オーストリアと日本の、ひいては国際的なピアノ文化の発展に寄与することを祈っております」 

司会者「それではオープニングセレモニーと致しまして、日墺の若きピアノ奏者二名によるコントラストエキシビションをお届けいたします」 

司会者「まずは日本の奏者をご紹介いたします――西木野真姫さま――」 


ワァァァァァァ… 


善子「わ、すご…」 

ダイヤ「本当に真姫さんが…」 

善子「リリーのお父さんってすごいのね…」 

梨子「いや、正直私も驚いてるよ…真姫さんが引き受けてくださったことまで含めて…」 

ダイヤ「それどころか、」 


『招待状 日墺・ピティナ・文化交流ピアノコンペティション』 


ダイヤ「わざわざ三通も…」 

善子「できすぎよね…」 

……………… 

………

 

 

220ぬし ◆z9ftktNqPQ (大陸鉄道)2018/06/11() 21:53:10.15ID:efuRTpQb

司会者「――ピアノ文化の更なる可能性を感じさせる演奏でした」 

司会者「それではプログラム進行に参ります――」 


梨子「はあ…綺麗な音だった…」// 

善子「リリーのピアノだってキレイよ」 

ダイヤ「そうですよ。Aqoursのピアノ奏者だって負けてませんわ」 

梨子「そっ!そんな!今の演奏に比べたら私のピアノなんか鼻唄よ、鼻唄!」アセアセ 

ダイヤ「どういう謙遜の例えなのですか?それは…」 

ダイヤ「…っと。奏者の方には申し訳ありませんが、今のうちに真姫さんへご挨拶に伺いましょう」 

梨子「あ…そうですね」 

善子「あ、待って、先にその、お手洗い…」 

ダイヤ「善子さん!だから始まる前に行っておきなさいとあれほど――」 

梨子「まあまあダイヤさん。じゃあエントランスで待ってるから、行ってきて」 

善子「うん。すぐ戻るわ」 

梨子「あ!よっちゃん、これこれ」ヒラ 

善子「わ。ありがとう、リリー」 

善子「じゃあすぐに!」テテテ… 

……………… 

………

 

221ぬし ◆z9ftktNqPQ (大陸鉄道)2018/06/11() 21:54:09.27ID:efuRTpQb

善子「エントランス…は、あっちね」 

善子 トコトコ 

女性「……ん?」 

女性 ジッ… 

善子「……… …」ピク 

善子 (な、なんか見られてる?気のせいよね?誰?) トコトコ… 

女性「…」 

女性 トコトコ 

善子 (ついてきたァ!) ビクッ 

善子 (なになに?!なんなの?!怖い!) トコトコ 

女性 トコトコ 

善子 (ダイヤぁ…リリー…) トコトコ 

女性「………ねえ」 

善子 ビックゥゥゥゥ!! 

女性「あはは。そんなに驚かなくてもいいのに」 

善子「な、なにか?」ビクビク 

女性「んー…なにかっていうかー…」ジッ 


ブラン 

『ゲスト(招待者:西木野 真姫) 津島 善子 さま』 


女性「真姫ちゃん…善子ちゃん…」 

女性「ってことは、間違いないよね」ニパッ 

善子「は、はいい…??」 

……………… 

………

 

222ぬし ◆z9ftktNqPQ (大陸鉄道)2018/06/11() 21:55:09.77ID:efuRTpQb

梨子「よっちゃん遅いですね」 

ダイヤ「方向さえ間違わなければ、迷うような造りでもないのですけれどね」 

梨子「表示板もあるしなあ…」 

ダイヤ「仕方ありませんね。わたくしが見てきますので、梨子さんはここで…あ」 

梨子「あ。よっちゃん、遅かったわ――ね――?」 

女性「こんにちは!」ニパッ 

善子「………」アセアセ 

ダイヤ「こ、こんにちは…」 

ダイヤ「その…どちら様ですか?」 

梨子「よっちゃん…」 

善子「私なにもしてないもん…」←半泣き 

女性「わたしは、まー…」ウーン 

女性「真姫ちゃんの知り合いかな!」 

ダイヤ「真姫さんの」 

女性「うん!今から真姫ちゃんとこ行くつもりでしょ?私もそうだから、一緒に行こ!」 

梨子「え、はあ…」 

女性「行くよ、善子ちゃん!」ズンズン 

善子「ちょ、手ぇ放して!善子って呼ばないで!あなた誰よ!」 

善子「あーーーーも~~~~っ」ズルズルズル… 

梨子「…とりあえず行きましょうか」 

ダイヤ「そうですわね…」 

ダイヤ (この人、どこかで…

……………… 

………

 

223ぬし ◆z9ftktNqPQ (大陸鉄道)2018/06/11() 21:57:33.55ID:efuRTpQb

『西木野真姫さま 控え室』 

コンコンガチャ 


女性「や、真姫ちゃん!お疲れさま!」 

真姫「応答待ってから入りなさいよ」 

女性「まあまあそう言わずに。ほら、お客さん連れてきたよ」 

真姫「年々姉に近付いてきてるわよ…客?誰よ……あら」 

女性「ほい」グイ 

善子「きゃっ。ま…真姫さん、お久し振りです」ペコ 

梨子「あ…真姫さん、こんにちは。お招きいただいてありがとうございます」ペコ 

ダイヤ「黒澤ダイヤです。ご挨拶に伺いました」ペコ 

真姫「久し振り。来てくれたのね」 

梨子「まさかご招待いただけるなんて思ってなくて…驚きました」 

真姫「私がこの舞台に立ったのはあなたのおかげよ?招待しないわけないじゃない」 

梨子「あ、ありがとうございます……演奏とっても素敵でした」 

ダイヤ「わたくしもそう感じました。ピアノに関しては素人ですが、それでもうっとりしてしまいました」 

真姫「ふふ…アリガト。善子はどうだった?」 

善子「き、キレイでした」 

女性「あははは。シンプルな感想だねー」 

善子「………」アセ… 

真姫「善子の言葉がシンプルになってるのはあなたのせいでしょ。いい加減、放してあげなさいよ」 

女性「おっと。手繋ぎっぱなしだったね」パッ 

善子 ホッ 

真姫「ま、みんな座って」

 

224ぬし ◆z9ftktNqPQ (大陸鉄道)2018/06/11() 21:58:32.68ID:efuRTpQb

女性「いやー、久し振りに聴いたね真姫ちゃんのピアノ。相変わらずキレイな音だなーって感心しちゃったよ。ね!」 

梨子「え、ええ…そうですね」 

女性「んー?なんか堅いね」 

真姫「…その様子だと、あなた自己紹介してないんじゃない?」 

女性「へ?」キョトン 

女性「あー、してないや」テヘ 

真姫「そりゃこの子たちも萎縮しちゃうわよ…まったく…」 

ダイヤ「…」ジッ 

ダイヤ「あ!」ハッ 

梨子「え?ダイヤさん、お知り合いですか?」 

ダイヤ「いえ、直接お会いするのは初めてですが…」 

ダイヤ「高坂、雪穂さん…では…」 

よしりこ「「えっ?!」」 

雪穂「わ!嬉しいなー、ダイヤちゃん私のこと知ってるんだ!そうだよ。わたし、高坂雪穂!よろしくね!」

 

225ぬし ◆z9ftktNqPQ (大陸鉄道)2018/06/11() 22:00:31.24ID:efuRTpQb

梨子「穂乃果さんの妹さん…」 

雪穂「おっ。そうだよね、スクールアイドルやってるんだったらそっちが先に出てくるよね」アハハ 

梨子「ご、ごめんなさい。失礼な言い方を…」 

雪穂「いいよいいよ!お姉ちゃんに比べたらわたしの活躍が日陰になっちゃうのは事実だからね!」 

真姫「自分で活躍とか言うし」 

ダイヤ「真姫さんに続いて雪穂さんまで…」ポーッ 

善子「ほんと、信じられないわね…こんな…」 

真姫「こんなちゃらんぽらんがスクールアイドルやってたなんて、でしょ」 

善子「いいいいいえそそそそそんなことは」 

雪穂「動揺が激しい」 

真姫「姉からの遺伝よね。スクールアイドルやってた頃は雪穂ももう少ししっかりしてたと思うんだけど」 

雪穂「真姫ちゃんは手厳しいなー」 

真姫「ほんとのことでしょ」

 

226ぬし ◆z9ftktNqPQ (大陸鉄道)2018/06/11() 22:01:32.80ID:efuRTpQb

善子「…ん?」 

善子「そういえば雪穂さん、なんで私たちがスクールアイドルだって…」 

雪穂「あー…それは、ねー…」 

雪穂「メール読んじゃったから…かなー…」ポリポリ… 

善子「メール?」 

雪穂「うん」チラッ 

雪穂「そろそろ来ると思うんだけど」 

ダイりこよし「「「?」」」 

真姫「あら。来れるの?」 

雪穂「来てるよ。真姫ちゃんの演奏も聴いてた」 

真姫「そう」 

真姫「…善子には少し酷かしら」 

雪穂「うーん…」 

梨子「………………………えっ。もしかして…」 

真姫「…気付いた?」 

梨子「え、その、まさか…」 


コンコン 


??「真姫ちゃん。いますかー?」 

ダイよし「「っ!!」」 

真姫「いるわよ。入って」 


ガチャ 


ことり「こんにちは~っ♪」 

……………… 

………

 

 

227ぬし ◆z9ftktNqPQ (大陸鉄道)2018/06/11() 22:02:34.58ID:efuRTpQb

真姫さんたちの会話。 

リリーの反応。 

それらを目の当たりにしても、なにも思い至らなかった。 

色々な動揺が残っていたから? 

それはあるかもしれないけれど、仮に落ち着いていたとしても、きっと思い至ってはいなかっただろう。 

そして、仮に仮に思い至っていたとしても、心の準備など、一時間掛けたって整うことはなかっただろうから。 


ガチャ 


その瞬間があまりに唐突であったことは、 


ことり「こんにちは~っ♪」 


ほとんどなににも影響しなかったのだと思う。 

……………… 

………