53名無しで叶える物語(やわらか銀行)2018/05/12(土) 00:41:54.48ID:W2PjMw5p
曜「落ち着いた?」
穂乃果「うん!もう平気!」
曜「よーしっ、」
穂乃果「もう走らないからね?!」
曜「…ワカッテルヨ」
穂乃果 (ノーキンだなあもう…)
穂乃果「…おっと、すみません…」
絵里 バッタリ
穂乃果「…あ」
絵里「…」ジッ
絵里「どいてくれる?」
穂乃果「は、はい」サッ
絵里「………」ジッ… プイ
絵里 スタスタスタ…
穂乃果「…………うーわー、びっくりしたあ…心臓止まるかと思っちゃった」ドキドキ
曜「うーん、相変わらず無表情だなー。せっかく美人なのにね」
穂乃果「美人だからこそ無表情って怖いよ…っていうか、あの人笑うことあるのかな」
曜「そりゃあるよ。たまに見るよ」
穂乃果「ほんとに?!どういうとき笑うの?!」
曜「んっとー…ああ、あれあれ。黒澤さんとこの妹さんと話してるときとか」
穂乃果「ルビィちゃん?だっけ?」
54名無しで叶える物語(やわらか銀行)2018/05/12(土) 00:42:38.70ID:W2PjMw5p
曜「そうそう。ルビィちゃんのことはだいぶ好きみたいだよ。その代わりお姉さんの方とは仲良くないみたいだけど」
穂乃果「ふうん…仲間だからってわけじゃないんだ…」
曜「まあ、私にも別に優しくしてくれたことないしね」
穂乃果「あ!ごめん、そういうつもりじゃなくって」
曜「あはは、いいっていいって。今さら気にしないよ。穂乃果ちゃんにそんなつもりがないことくらいわかってるから!」
穂乃果「…みんな曜ちゃんみたいだったら怖くないのにな」
曜「…でも、そもそもトゲなんかほとんど見たことないでしょ?」
穂乃果「た、確かに!」ハッ
穂乃果「あっでもううん、絢瀬さんのは何回も見てる!」ブンブン
曜「絢瀬さんは、まー…ああいう人だからねー」
穂乃果「やっぱりちょびっとだけ怖いなあ…」
曜「よしよし。少しずつ慣れていってくれたらいいよ」
曜「いつか、みんなでドッチボールでもしてみたいね」
***
55名無しで叶える物語(やわらか銀行)2018/05/12(土) 00:43:13.57ID:W2PjMw5p
>< >< ><
『少女が初めて聞くお礼の言葉は、とても暖かく、胸に染み込んでいきました』
ダイヤ「…………」モクモク
――黒澤さん!ありがとう。
――明日からも、よろしく。
――ルビィちゃんも、また明日ね。
――ダイヤ…ちゃん。
ダイヤ「…………」モクモク
『少女は今日も一人ぼっちで生きています』
ダイヤ「…本は、読む人を映すのですね」
ダイヤ「あのページが最もすれている事実が、彼女がどういう人であるのかを如実に物語っていますわ」
ダイヤ「ダイヤ、ちゃん」
ダイヤ「ふふ」
ダイヤ「棘刀式も、あながち無駄なばかりの慣習ではないのかもしれませんわね」
56名無しで叶える物語(やわらか銀行)2018/05/12(土) 00:43:53.57ID:W2PjMw5p
ガラリ
南「ダイヤさん…」
ダイヤ「あら、南さん。そうですわね、もうそろそろ稽古でしたか…」
南「もう一時間も前に終わりました」
ダイヤ「え?!…ああっ、今日は開始が早いのでしたっけ…」
南「………ハァ」
ダイヤ「すみません、南さん。今日は本当に私の不注意で、」
南「いい加減になさい!!」
ダイヤ ビクッ
南「あなたは…黒澤家の長女!やがて御三家当主の一角を担う存在なんですよ!」
ダイヤ「え、ええ…わかっています。だから、」
南「またその本を読んで…」
南「本を読むのは結構。夢を見るのも結構です。でも、それならば拗ねているより先にやることをやりなさい!いつまでも皮肉な子どものままでいないで!」
ダイヤ「そ、そんな言い方……いえ、今までの私の行いが悪かったのですよね」
ダイヤ「私も棘刀式の代表として、黒澤家の長女として、きちんと務めを果たしますわ」
南「…当然です」スタスタ…
57名無しで叶える物語(やわらか銀行)2018/05/12(土) 00:44:38.96ID:W2PjMw5p
南「…ああ、それと」ピタッ
ダイヤ「はい?」
南「その本を渡しなさい。棘刀式が終わるまで預かっておきます」
ダイヤ「っ?!だ、だめです。これは人から借りているもので…」
南「没収するとは言っていません。村祭りの翌日には返します」ヒョイ
ダイヤ「そ、それでも………もう読みませんわ!祭りの日までは棘刀式の稽古に集中します!だから、お願い…」
南「それならば、預かっていても同じでしょう」
ダイヤ「お願いです、返して…!手元に置いておきたいの!」ガシッ
南「こら、放しなさい……あっ」ポロッ
バサッ
ダイヤ「ああっ!希さんの本なのに…ひどい…」
南「…あなたが突然掴み掛かってきたりするからです」
南「そう軽率に手を出してはいけません。あなたは棘人なんだから…………あっ」ハッ
ダイヤ「……っ!」
ダイヤ「…」ギリ…
南「……ごめんなさい、今のは私が」
ダイヤ ダッ
ガラガラッ ダダダダ…
南「ダイヤさん!」
南「…ああ。私はなんてことを…」
………………
………
58名無しで叶える物語(やわらか銀行)2018/05/12(土) 00:45:23.22ID:W2PjMw5p
占占占
果南「雨だー!」
にこ「喜んでんじゃないわよ、半魚人」
果南「えー、なんでさ。気持ちいーじゃん、雨」
にこ「よかないわよ。傘で手は塞がるし洗濯物は乾かないし、いいことないわ」
果南「まーまー。カリカリすると皺になるよ」
にこ「げっ!美容の大敵ね!いや~、雨は気持ちいーわね~」
果南「だよね~」
パラパラ…
意味もなくページをめくる。
何十回、何百回と読んだ物語。
それなのに、全く別の本を手にしたように感じる。
希「本って、持ち主を映すんやなあ…」
にこ「…つか、今日も来なかったのね」
果南「…そうだね」
にこ「いい雰囲気だったんじゃないの?」
果南「と、思ったんだけどな~」
希「…………」
59名無しで叶える物語(やわらか銀行)2018/05/12(土) 00:45:54.95ID:W2PjMw5p
ダイヤちゃんが稽古に来なかった。
昨日あんなことがあったからだろうか。
でもお話しできたし、少しだけ仲良くなれたと思ったけど。
それとこれとは別の話…か。
希「……ん?」
ページがごそりと移動する。
現れたのは、小さな栞。
栞…じゃ、ない。
60名無しで叶える物語(やわらか銀行)2018/05/12(土) 00:46:44.97ID:W2PjMw5p
希「切符…?」
『東京ユキ』
日付指定のないそれは、村から遥か遠く離れた場所へ宛てるもの。
そもそも電車に乗るまでにも何本ものバスを乗り継がなくてはならないこの村で、そうそうお目に掛かることはない。
発行日は…
希「え?…七年前?!」
にこ「は?!言いすぎでしょ!」
果南「確かに。七歳は下に見える。十一歳だよ、十一歳」
にこ「十八歳よ!!日々成長してるし!!」
希「あ、ごめん、なんでもなくて…」
七年前の、村祭りくらいの日だ。
そんなにも昔の切符が、どうして…
希「…………。…あ」
ザアザアと唸る雨音の中、わずかに響く水の弾ける音。
ふと顔を上げると、水溜まりを蹴飛ばしながら一心に歩く姿。
希「…ダイヤちゃん?」
にこ「この村にいて、胸なんかなんに使うのっつー話よ。誰を欲情させたってしょうがないでしょーに」ハンッ
果南「洗い物が一つ減るのは羨ましいかもね」
にこ「ブラはしてるわ!!…って、あ?希ィ?!」
果南「希?!傘は?!」
私は、走り出していた。
………………
………
61名無しで叶える物語(やわらか銀行)2018/05/12(土) 00:47:29.25ID:W2PjMw5p
服が雨を飲み込んでいく。
そのたび重くなっていくのは、身体か、心か。
雨に濡れてなお美しいままの黒髪。
誰の真似か、空は激しく泣き続けて。
呼応するように、世界は空の泣き声で全ての音を掻き消して。
それなのに。
彼女の頬を濡らすのが、雨ではないことも。
一色の音の中に、彼女の声が溶けていることも。
私にははっきりとわかった。
一人と、一人。
初めて見る彼女の泣き顔に、掛けられる言葉なんかあるはずもなくて。
近付くことすら、できなくて。
私にできたのは、ただ、想い――そして、決めることだけ。
占占占
62名無しで叶える物語(やわらか銀行)2018/05/12(土) 00:48:12.66ID:W2PjMw5p
◇◇◇
にこ あんたたちが好きなことすんのは構わないわよ。
にこ でも、お遊びならよそでやれ。
にこ 私の前では、許さない。
ツバサ 私が、あなたたちと?ふふ…面白い冗談ね。
ツバサ ねえ、知らないのかしら。
ツバサ 世の中、情熱だけで動かせる人間で溢れているわけじゃないのよ。
鞠莉 んー、pass しとくわ。
鞠莉 マリィもこれでいて忙しい身なのよねー。一応ホラ、理事長だから。
鞠莉 応援はしてるから、招待してよね。チャオ~☆
絵里 は?
絵里 楽しそうでなにより。
絵里 放課後は定例会議よ。遅れずにね。
聖良 そうですか、理亞も加わったのですね。
聖良 至らないところもある妹ですが、よろしくお願いいたします。
聖良 …ふふ、ご冗談を。私まで加わったら、理亞と闘えないじゃないですか。
◇◇◇
63名無しで叶える物語(やわらか銀行)2018/05/12(土) 00:48:44.84ID:W2PjMw5p
◆◆◆
『ネコは旅の途中でした』
『この村には、いつまでいるの?』
『いつまでだって構わないのです。旅のネコですから』
『だったら、その間はここにいるといいわ』
『それは少女の優しさであり、また、欲望でもありました』
『ずっと傍にいてくれとは言いません』
『ほんの数日間だけ、隣にいてほしいと願う少女を、誰が責めることができるでしょう』
『ネコは喜んで頷き、その日から、少女は一人ではなくなりました』
『共に野菜を売り歩き、共に牛小屋を掃除し、共に木を伐り』
『共に眠りに就いては、共に起き、朝の鐘を打ちます』
『少女にとってそれは、願ってやまなかった夢のような日々でした』
『隣にあなたがいるだけで、世界はこんなにも変わるのね』
『ネコは微笑み、少女の手を取りました』
◆◆◆
64名無しで叶える物語(やわらか銀行)2018/05/12(土) 00:49:18.34ID:W2PjMw5p
***
聖良「遅くまで失礼いたしました。それでは海未、また明日」
海未「はい。暗くなってきましたので、お気を付けて」
園田「またいらしてくださいね」
聖良「近いうちに」
テクテク
聖良「…おや?」
梨子「…あ」
聖良「こんばんは」ペコ
梨子「こんばんは」ペコ
聖良「帰りですか?…よければ、途中までご一緒しませんか?」
梨子「は、はい」
聖良「暗くなってきましたからね。とは言え、顔見知りばかりのこの村で、なにが起こるとも思えませんけどね」
梨子「ふふ…そうですね」
65名無しで叶える物語(やわらか銀行)2018/05/12(土) 00:49:51.10ID:W2PjMw5p
梨子「海未ちゃんのところ、ですか?」
聖良「そうです。遅くなったのですが、理亞の件を謝りに」
梨子「ああ……え?でも聖良さんは別になにも…」
聖良「それはそうですが、村内の揉め事なので」
梨子「丁寧ですね」
聖良「…万が一にも、理亞の立場が危うくなることを思うと。私のひと手間でそれを防げるのなら、たいしたことじゃありません」
梨子「いいお姉さんですね」
聖良「そ、そうでしょうか」//
梨子「なかなか、おてんばさんが治りませんね。理亞ちゃん」
聖良「…そう、ですね」
梨子「聖良さん?」
聖良「理亞はまだ子どもです。私が過保護にしたのもありますが、よくも悪くも周囲に影響されすぎるきらいが強い」
聖良「今回のことも、恐らく…」
梨子「…?」
海未「お~い、聖良!」
聖良「え?海未?」
梨子「海未ちゃん」
66名無しで叶える物語(やわらか銀行)2018/05/12(土) 00:50:28.32ID:W2PjMw5p
海未「おや、梨子も一緒でしたか」
梨子「ええ、偶然会ったからご一緒してたところよ」
聖良「どうかしましたか?海未」
海未「ああ、そうでした。忘れ物があったので届けにきたのですよ」ハイ
聖良「それは…すみません、わざわざ。明日でもよかったのに…とは、届けてくれたのに失礼ですね。ありがとうございます」
海未「私も、少し息抜きをしたかったところなので」
聖良「お母様の傍では、なかなか肩肘が張ってしまいますもんね」
海未「はい…正直なところ」
梨子「じゃあ、海未ちゃんも一緒に歩きましょうよ」
海未「そうします。この暗い中、聖良だけ送り出したことを不安にも思っていましたので」
聖良「ふふ。海未がいればどんな悪漢も怖くありませんね」
梨子「なにも起こらないって言ったばかりじゃないですか」
聖良「そうでしたっけ?」
梨子「ふふふ」
海未「聖良と梨子も、すっかり打ち解けましたね」
梨子「聖良さん優しいから。海未ちゃんもいるし」
聖良「初めは私の方が棘人だったかと錯覚するほどでしたけどね」
梨子「む、昔の話はいいですから!」
海未「ふふ…」
海未「…誰もが、こんな風に笑い合えるようになればよいのに」
***
67名無しで叶える物語(やわらか銀行)2018/05/12(土) 00:51:01.83ID:W2PjMw5p
占占占
南「よし。希さん、壇上へ」
希「はい」
南「ダイヤさん。トゲを」
ダイヤ「はい」
スゥ…
息を吸い、
ブンッ。
木剣を振り下ろす。
ダイヤ「……っ」
斬れこそしないものの、その打撃は確かに伝わる。
ダイヤちゃんが表情を歪める。
南「…結構です」
果南「演舞もね。綺麗に揃ってたよ」
南「そうですね。これなら本番も大丈夫でしょう」
南「今日の稽古はここまで!」
どう、とみんな一斉に壇上で寝転がる。
68名無しで叶える物語(やわらか銀行)2018/05/12(土) 00:51:33.71ID:W2PjMw5p
希「ダイヤちゃん。手…」
ダイヤ「平気ですわ。これが私の務めですから」
希「そうやけど…ごめんね」
ダイヤ「なにを謝ることがありますか…これは私と希さんに課せられた『役割』の為すこと」
ダイヤ「そこに希さんの意思はないでしょう?」
希「うん…そうやね」
ダイヤ「もう本番も近いですわ。頑張りましょうね」
希「…うん!」
占占占
69名無しで叶える物語(やわらか銀行)2018/05/12(土) 00:52:43.08ID:W2PjMw5p
◇◇◇
曜 遊びのつもりはないんです。ただ私たちは、みんなで一つのものを作り上げたいだけ。その喜びを、知りたいだけなんです。
にこ それは世間じゃ『お遊び』っていうのよ。青春ごっこなら、家に帰ってやってなさい。
梨子 今はごっこでもいいんです。矢澤先輩だって、最初はそうだったはずじゃないですか。
曜 矢澤先輩が舞台にいた頃のこと、本当には知りません。でも、観ましたよ。舞台。画面越しだって伝わりました…あなたが誰よりも本気だったこと。
梨子 もう一度、その本気を見せてほしい。今度は、私たちと一緒に。
にこ …………っ。
70名無しで叶える物語(やわらか銀行)2018/05/12(土) 00:53:21.01ID:W2PjMw5p
ツバサ 矢澤さんが陥落した…か。けれど、彼女は私たちの中でも最弱の存在…
海未 …?すみません、おっしゃっている意味がよく…
善子 ククク…そうね。そして次はあなたの番よ――綺羅ツバサ!センパイ!
海未 善子?!
ツバサ 私をどう落とそうというのかしら。あなたたちごとき矮小な存在に、私に対して切れる手札なんかないでしょう。
善子 …絢瀬絵里。
ツバサ っ?!
善子 あなたが仲間になってくれるというのなら、絢瀬センパイも必ず仲間にしてみせると約束するわ。ふふ…知ってるのよ、
海未 善子!!
善子 あっハイごめんなさい…あの、綺羅センパイが絢瀬センパイに憧れてるって聞いて。その、私たち頑張って絢瀬センパイも加わってくださるようにお願いするんで、綺羅センパイも…
ツバサ …なるほど。
71名無しで叶える物語(やわらか銀行)2018/05/12(土) 00:54:00.34ID:W2PjMw5p
ことり はいっ花陽ちゃん!
花陽 …よし、よし、よし。オッケーです!理亞ちゃん。
理亞 はいはい…
理亞 ……はい。終わった。
ことり は~い。これで全部だね。
鞠莉 え…もう?
ことり はいっ。溜まってたお仕事、みんな終わっちゃいました。
鞠莉 うそ…何日分だと…
花陽 花陽たち、こういうチマチマした作業そんなに嫌いじゃないから…ね。
理亞 私は別に。こんなの時間割くだけばからしいから、ちゃちゃっと終わらせるのが一番。
ことり うふふ…だから、こんなお仕事はことりたちに任せて、鞠莉先輩は、もっと鞠莉先輩にしかできないことに時間を使ってください。
鞠莉 wao... あはは、これじゃあ「忙しい」なんて言ってられないね…
72名無しで叶える物語(やわらか銀行)2018/05/12(土) 00:54:37.24ID:W2PjMw5p
絵里 はいはい…もう、何回来たって一緒です。高坂さん、それに希。あなたたちも大概…あれっ?
花丸 初めまして、絢瀬先輩。一年の国木田と言います。ほら、ルビィちゃんも。
ルビィ い、一年生の黒澤ルビィです…
絵里 あ、えっと…はい、なに?生徒会に用事?
花丸 (教わった通りにやるよ、ルビィちゃん)
ルビィ (うまくいくかな…)
花丸 絢瀬先輩!
絵里 は、はい。
ルビィ ルビィたちに、力を貸してください!
絵里 は、はい?
花丸 まるたち、絢瀬先輩と一緒がいいずらっ!
ルビィ おねがいしますっ!
絵里 え、えええ……?!
絵里 (か、可愛い……)
73名無しで叶える物語(やわらか銀行)2018/05/12(土) 00:55:09.24ID:W2PjMw5p
聖良 お伝えしたはずですよ。理亞と闘えない環境に身を置くつもりはないと。わかったらお引き取りください。
真姫 ふふ…聞いた?凛。
凛 え?うん、聞いたよ。
真姫 随分と上から物を言うんですね、聖良先輩。
聖良 はい?
真姫 まるでご自分が理亞と対等…いえ、それ以上だとおっしゃっているように聞こえますけど。
聖良 …どういう意味ですか。
真姫 理亞から学べることが、まだまだたくさんあるはずですよ。そんなことにも気付かないなんて、たいしたことないのかしら。
凛 まっ、真姫ちゃん?!吹っ掛けすぎにゃ!
聖良 …そちらこそ、目上の相手に対して随分と言いますね。いいでしょう、そこまで言うのならば実際に見てもらった方が早い。
真姫 その言葉を待ってたわ!さあ凛、私たちの実力を見せ付けて返り討ちにするわよ!
凛 ななな……なんのバトルパートにゃーーーーっ!!
74名無しで叶える物語(やわらか銀行)2018/05/12(土) 00:55:48.88ID:W2PjMw5p
にこ ………
ツバサ ………
鞠莉 ………
絵里 ………
聖良 ………
希 みんな、ちょろいなあ。
あんじゅ ここまで来ると、なんていうか滑稽ね。
英玲奈 …鹿角は、後輩たちに負けたのか?
聖良 負けてなどいません。ですが、確かにあの子たちには見るべき才能がある。
聖良 …それに乗ってみるのも悪くないと思っただけです。
果南 ま、なにはともあれ一緒にやってくことになったんだから。仲良くやろうね。
にこ …で、あの子は?
希 誰?
にこ 最初の最初にケンカ吹っ掛けてきたオレンジよ。発起人なんでしょ。なんでいないの。
海未 穂乃果は、最後の一人を訪ねにいきました。
曜 千歌ちゃんとね。
果南 ……あとはあの子たちしだい、か。
◇◇◇