お悩み善子と聖良さん。 1

1名無しで叶える物語(公衆)2018/05/06() 14:17:10.70ID:Nyfo/1nj

聖良「♪フフンフ フンフン フフッフ フッフフ~」ジャーー キュッキュ 

聖良「…よし。お皿洗い完了、今日もピカピカです」 

理亞「姉さま、姉さま!」バタバタ 

聖良「どうかしましたか、理亞。はしたないですよ」フキフキ 

理亞「ご、ごめんなさい…あのね姉さま。さっきから変な鳴り方してる」スッ 

聖良「あ!また私の部屋に入りましたね?だめだめですよ、理亞」メッ 

理亞「うう…ごめんなさい。ずっと変な風に鳴ってたから、気になっちゃって」 

聖良「もう、仕方ありませんね。貸してもらえますか?」 

理亞「うん」ハイ 

聖良「…うわ、なにこれ?!」 

理亞「どうしたの?」 

聖良「着信が26件も入っているんです。全部同じ番号から…きゃっ」ブブ… ピタッ 

聖良「しかもワン切り?!」 

理亞「さっきからずっとそうだよ。相当悪質な嫌がらせだね…」 

聖良「次は必ず出てみせます。それでお説教してあげましょう」 

理亞「大丈夫?姉さま。危険な相手じゃないかな」オロオロ 

聖良「大丈夫ですよ。言ってごらんなさい、理亞。私は誰ですか?」 

理亞「鹿角…聖良!」パアアッ 

聖良「そういうことです。…さあ、いつでも掛けてきなさい」

 

2名無しで叶える物語(公衆)2018/05/06() 14:18:22.08ID:Nyfo/1nj

……ブ  聖良「はいもしもしっ!さっきからなんの用ですか?!こちらにはあなたの電話番号が表示されているんですからね、このまま警察に持っていったっていいんですよ。いえ、あなたがなにを言おうとそうしますからね。今のうちに大人しく名前と住所を白状しておくことをお勧めしますよ」 

『………………っ』 

聖良「へ~え、だんまりですか。いい度胸ですね。温情判決は必要ないというわけですか」 

理亞「そうだ!姉さまにいたずらするなんて!」 

『………あ、あの…』ボソ 

聖良「はい。聞いています。もっと大きな声を出せないんですか?」 

『と、突然電話しちゃったのは謝るわ。謝り、ます…だから、警察とかはやめてください…』 

聖良「はあ?まだご自分の立場がわかっていないようですね。いいですか、どこの誰とも知らないあなたがどうやってこの電話番号を入手したかは知りませんが、それはれっきとした犯罪なんですよ。しかもこんな風に何度も掛けてきて、気の弱い人ならトラウマになってもおかしくないんですからね」 

理亞「そうだ!私ならトラウマだよ!」 

『え?あ、えっと…聞いていませんか…?』 

聖良「は?なにをですか?」 

『番号は、すみません、うちのメンバーから聞いちゃったんですけど…今から聖良さんに電話するって、一時間くらい前に理亞に連絡しておいた…はず、なんです…けど』 

聖良「…………へ?」キッ 

理亞「やっちゃえ姉さ… ?!」ビクッ 

理亞「な、なに?姉さま」オロ… 

聖良「ちょ、ちょっと待ってください。あなた、一体誰なんですか?」 

善子『あの、私……Aqoursの、津島善子です…と、言います…』 

聖良「…………えーーーーーーーーっ?!!」 

………………

………

 

3名無しで叶える物語(公衆)2018/05/06() 14:18:58.28ID:Nyfo/1nj

聖良「すみません、津島さん。少しだけ待っていてもらえますか」 

善子『は、はい』 

聖良「理亞」スッ 

理亞「どうしたの?姉さま。相手は誰だったの?!津島って奴なの?」 

聖良「今すぐ自分のケータイを持ってきなさい」 

理亞「え?」 

聖良「早く!」 

理亞「は、はいっ」タタタ…

 

4名無しで叶える物語(公衆)2018/05/06() 14:19:43.72ID:Nyfo/1nj

理亞「持ってきたよ。あれ?なにか来てるみたい…津島善子からだ」 

聖良「それですよ!すぐにメッセージを確認して!」 

理亞「そ、それ?これ?えっと、『今から聖良さんに電話するって伝えておいてくれるかしら』だって。どうする?姉さま。それどころじゃないって返しておく?」 

聖良「…理亞、私がお皿洗いしているとき、部屋でなにをしていましたか?」 

理亞「え?確か、四つならべるゲームしてた…けど」 

聖良「………はあ。もしもし、津島さん」 

善子『は、はい』 

聖良「本当に申し訳ありません。うちの理亞がメッセージを見落としていて、私もケータイを部屋に置きっ放しにしていたもので、着信があったことに気付いていなかったんです」 

理亞「私が見落としてて?」キョトン 

善子『あ、ああ…そうなの…』 

聖良「だから、さっきは着信の多さにびっくりしてしまって、失礼なことを言ってしまいました。改めてお詫びを…」 

理亞「…………??」

善子『あ、いえ、いいんです。大丈夫です。ちょっと驚いたけど…』 

聖良「理亞のことは後でよく叱っておきますので」 

理亞「っ?!」

 

5名無しで叶える物語(公衆)2018/05/06() 14:20:40.85ID:Nyfo/1nj

聖良「ところで、どうかなさいましたか?あなたから私に直接ご連絡くださるなんて、初めてのことですよね」 

善子『はい。突然ご連絡を申し上げたことに加えて、さらに突然の申し出で恐縮なのですが…ご相談、したいことが…あるんです』 ←ちょっと落ち着いてきた 

聖良「相談…ですか。構いませんよ。それじゃ部屋を移動するので、このまま少しだけ待っていてもらえますか」 

善子『はい』 

聖良「理亞。私は部屋に引っ込みますね」 

理亞「ね、姉さま?電話の相手は…私は…」 

聖良「………相手は津島さんですよ。Aqoursの。それじゃ、出るときは電気を消してくださいね」 


スッ スタスタスタ… 


理亞 (どうしたんだろ、姉さまなんだか冷たかった…

理亞 (津島善子?まだ返してないのに電話してきたの?

理亞 (…………………………


理亞 (………っ!!!) ハッ! 

………………

………

 

6名無しで叶える物語(公衆)2018/05/06() 14:21:34.58ID:Nyfo/1nj

聖良「お待たせしました」 

善子『いえ。こちらこそ、急にご連絡してしまって…ご都合は悪くありませんか?』 

聖良「私は大丈夫ですよ。ですが、二つほど訊いてもよいですか?」 

善子『なんですか?』 

聖良「20回以上着信があったのですが、あれは全てワン切りだったんですか?」 

善子『20回?!えっと…たぶん、そうだと…。ワン切りしてるつもりはなかったんです。ただその、掛けては切って掛けては切ってとしていて、…てっきり掛かる前に切れてるものだと思っていました…』 

聖良「それはその、どういう意図で…」 

善子『掛けようとは決めたものの、いざ通話が繋がることを考えると、こ…怖くて…』 

聖良「……びびった結果でしたか」 

善子『びっ………まあ、結果的には…』ゴニョ 

聖良 (そういえば津島さんはそういうタイプだって聞いたな

聖良「それはわかりました。もう一ついいですか?」 

善子『はい』 

聖良「なぜ、相談相手に私を?」 

善子『………それは』 

聖良「ご相談を受けるのを断ろうというつもりではありませんが、あなたにはたくさん仲間がいるでしょう。年上に相談したかったのだとしても、たくさん。それがなぜ私を選んだのですか?」

 

7名無しで叶える物語(公衆)2018/05/06() 14:22:24.05ID:Nyfo/1nj

善子『…ご相談したいことというのが、その年上の仲間たちのことだから、です』 

聖良「なるほど」 

聖良 (人間関係か…わざわざ別グループの私に連絡してまで相談したいだなんて、一体何事なんだろう…

聖良「わかりました。メンバー間の関係に関する問題は、些細なものでも放っておくと致命的になりかねませんからね。私でよければ力になります」 

善子『あ…ありがとうございます!』 

聖良「さっそく本題に入りますが、なにかあったのですか?」 

善子『具体的になにかあった…というわけでは、ないのですが…むしろなにもなかったといいますか…』 

聖良「いいですよ、ゆっくりで」 

聖良 (なにもなかった……まさか、無視されているとか?あの人たちに限ってそんなことはないと思いたいけど

善子『あの、』 

聖良「はい」 

善子『先輩に、どう接したらいいのかわからないんです』 

聖良「はい。…はい?それはどういう…」 

善子『今まで、こう…あの人たちみたいな、親しい年上の相手っていたことがなくて。部活とかもしてなかったので…だから、どう接したらいいのか…わからなくて…』

 

8名無しで叶える物語(公衆)2018/05/06() 14:23:20.96ID:Nyfo/1nj

聖良「つ、津島さんは…Aqoursに入ってどのくらいになるんでしたっけ?」 

善子『え?えーと…八ヶ月、くらいですけど…』 

聖良 (八ヶ月?!その間、ずっとこんな悩みを抱えてグループの中にいたっていうの?!

善子『マリ…小原先輩とリ、桜内…先輩…は、同じユニットを組んでて、少し砕けた接し方ができるんですけど。他の先輩は、どんな風に接したらいいのか…』 

聖良 (ど、どうすれば…。この相談を私にするのはどう考えても間違っている。もっとグループの内情をよく知る、それこそ鞠莉さんと桜内さんに相談するのがベターだったはず…

善子『あの、すみません。グループの中の話を他の人に相談するなんて、自分でもどうかとは思ったのですが、その…』 

聖良 (…だからといって、どうするつもりだ?私。『それは私が聞くべき話じゃない』って突き放す?20回もワン切りしてしまうほど緊張しながらも私を頼って相談してくれた津島さんを?

善子『ごめんなさい、やっぱり…リリーにでも相談してみるので、今回のことは忘れていただいて大丈夫です』 

聖良 (……まさか。

善子『遅い時間に失礼しました。またご指導を賜れれば、』 

聖良「待ってください」 

善子『は、はい…』

 

9名無しで叶える物語(公衆)2018/05/06() 14:24:05.33ID:Nyfo/1nj

聖良「すみません。お話を色々と考えていて、つい黙り込んでしまいました。ですがもう大丈夫ですよ」 

善子『え、その、それじゃあ』 

聖良「はい。そのご相談は、私が責任を持って受けましょう」 

善子『ほ、ほんとですか…!よかった…』 

聖良 (よほど緊張したんだろうな…いや、今もしてるのか

聖良「まずは、私に対する緊張を解いてもらいましょう。でなければ、本音の相談もしづらいでしょう」 

善子『そ、それは…具体的にどういう…』 

聖良「まず、名前で呼んでもいいですか?ええと…善子さん」 

善子『っ?! ドン ガタン ガシャンッ』 

聖良「え?!善子さん?!大丈夫ですか?!」 

善子『あ、だ、ダイジョブです…あたた…』 

聖良「ごめんなさい。いきなりで驚かせてしまいましたか」 

善子『びっくりはしました…』 

聖良「嫌ですか?」 

善子『嫌、とかでは…別に…ないですけど…』 

聖良「けど?」 

善子『私、その…善子って名前、あの…』 

聖良「………?」 

聖良 (名前は間違ってないよね?だとしたらなんだろう。…………あ

聖良「…ヨハネさん?ですか?」 

善子『っ?!な、なぜその名を?!』

 

10名無しで叶える物語(公衆)2018/05/06() 14:24:58.99ID:Nyfo/1nj

聖良「あの、理亞があれを…放送を観てたので、一緒に観たことがあって」 

善子『っっ??!! ドタン ガッ ギィィィ ガッシャン』 

聖良「大丈夫ですか?!」 

善子『なぜ理亞があれを…』 

聖良「え?ご存知ないんですか?」 

善子『え?』 

聖良「Aqoursのホームページに、放送のリンクが貼ってありますよ。過去の放送とか、ヨハネさまのページへのリンクとか」 

善子『んなあああああっ?!ちょっ待っ カタカタカタカタカタカタ うわあほんとだ!誰よこんなことしたの!マリか?!マリねきっと!』 

聖良「本人に無許可だったとは」 

善子『聞いてないわよこんなの!!これじゃ私だけ晒し者じゃないの、ばかばか!ばかマリー!』 

聖良「…ふふ」 

善子『あっ?!ごめんなさっ、電話、忘れてたっ』 

聖良「いえ、謝らないでください。そのくらい素でいてくださった方が、相談にはいいでしょうから」 

善子『うう…笑わないんですか?』 

聖良「笑う?なにをです?」 

善子『堕天使とか、高校生にもなって、こんなの…』 

聖良「笑うなんてとんでもない。個性あってこそのスクールアイドル。それが作ったキャラでなく素なのであれば、望むべくもないほどの資質です。羨ましいとすら思いますよ」 

善子『羨ましい…』

 

11名無しで叶える物語(公衆)2018/05/06() 14:25:43.88ID:Nyfo/1nj

聖良「ところで、結局どちらで呼べばいいですか?善子さんか、ヨハネさんか」 

善子『あ、えと、善子…で、お願いします』 

聖良「わかりました。善子さんも、私のことは気軽に名前で呼んでくださいね」 

善子『せ、聖良…さん』 

聖良「はい。聖良です。…なんて」 

善子『ふふ…ふへ』 

聖良「ああ。あと、Aqoursのメンバーを呼ぶのも、いつも通りに呼んでいただいて構いませんよ。いちいち先輩なんて言い換えなくて」 

善子『ま、マリとかリリーとか?』 

聖良「はい。よほど奇抜なあだ名が付いていたりしないのなら、わかるはずですから」 

善子『…わかめセンパイ』 

聖良「…果南さん、ですか?」 

善子『へえ、すごい。メンバーのプロフィールなんか見てるんですか?』 

聖良「そうですね。ライバルですから。ホームページにも定期的に訪れて、新しい情報がないか確認していますよ」 

善子『さすがですね…』 

聖良「ところで、果南さんのことは『わかめセンパイ』と呼んでいるんですか?」 

善子『い、いやまさか!ふとした思い付きです!』

 

12名無しで叶える物語(公衆)2018/05/06() 14:26:38.73ID:Nyfo/1nj

聖良「ふふ…そうですよね。そんな呼び方をしているんだったら、どう接すればいいかなんて悩むはずありませんもんね」 

善子『そうですね…』 

聖良「参考までに、鞠莉さんと桜内さん以外の上級生は、なんと呼んでいるのですか?」 

善子『えっと、ダイヤは…ダイヤで、センパイ…果南センパイはセンパイで、千歌さんと、あと…曜さん、って』 

聖良「果南さんだけ極端に距離がありますね」 

善子『え?!いや、そんなことないつもりなんですけど…ダイヤのこともセンパイのことも、そもそもあんまり呼ばないし…』 

聖良「でも、他の三人は名前で呼んでいるんですね。だったらそこまで付き合いに問題があるようにも思えませんが」 

善子『呼ぶのは、なんか、みんな名前で呼び合ってるから。私だけ苗字呼びとかしたら、和を乱すかなって…』 

聖良「ふむ…」 

聖良 (そういう配慮はできるのか。ルビィちゃんも善子さんは頼りになると言っていたし、本人も歩み寄りたいと思ってる。それなら、そんなに難しいことでもなさそうだな

聖良「善子さん、時間は平気ですか?」 

善子『わ、私は平気です』 

聖良「それなら、一人ずつ普段の様子を聞かせてください。一概に接し方を考えるといっても、相手によりますからね。それじゃ、まずはリーダーの千歌さんから」 

善子『は、はいっ。千歌さんは、その、初めて私と会ったときに…』 

………………

………

 

 

13名無しで叶える物語(公衆)2018/05/06() 14:27:17.35ID:Nyfo/1nj

善子『…って、感じです』 

聖良「なるほど、だいたいわかりました」 

善子『把握能力高いですね』 

聖良「それでは、まずは千歌さんからいきましょう」 

善子『まずは?』 

聖良「はい。全員と親しくなることが目標ではありますが、同時にというわけにはいきませんからね。一人ずつ、確実に距離を縮めていくことにしましょう」 

善子『わ、わかりました。どうして最初は千歌さんなんですか?』 

聖良「千歌さんはAqoursのリーダーですからね。良くも悪くもグループ全体に強い影響力があります。であれば、真っ先に千歌さんとの関係を良好にしておいて損はないでしょう」 

善子『なんだか、国獲りゲームでもしてるみたい』 

聖良「ふふ…言い得て妙ですね。さすがです。あえて偽悪的な言い方をすれば、これは善子さんとAqoursの侵国戦です。とはいえAqoursから善子さん側に攻め入ってくることはない、善子さんが勝つまで続けられるゲームですけどね」 

善子『ほんとに偽悪的な物言いですね』

 

14名無しで叶える物語(公衆)2018/05/06() 14:28:15.97ID:Nyfo/1nj

聖良「そのくらい余裕をもって臨んでほしいということです。人と人との関わりは、それだけで日々戦っているようなものですが、仲間と交流を深めようという気持ちが悪いことは絶対にありませんから。何事も、やるなら楽しく。これは私のモットーです」 

善子『……よし、わかりました!元々ご相談しているわけですもんね。聖良さんのモットーを受け継いで、楽しく乗り切ってみせます』 

聖良「その意気ですよ、善子さん。具体的な話ですが、まず初めに千歌さんを選んだのは、さきほど伝えたようなリーダーだからという理由以前に、最も手早いからでもあります」 

善子『攻略しやすいってことですか?…あっ、攻略って言っちゃった』 

聖良「攻略…いいですね、その表現を採用することにしましょう」 

善子『聖良さん結構ノリノリですか?』 

聖良「楽しむのがモットーですから」 

善子『見習います』 

聖良「攻略しやすいというのは、実にしっくり来る表現です。まさにその通り。…というか、身も蓋もない言い方をすれば、躍起になっているのは善子さんだけで、千歌さんたちはそもそも仲良くするつもりというか、既に仲が良いつもりでしょうから、最初から攻略し終わっているとも言えますが」 

善子『えっ、なにその手のひら返し…私の悩みは一体…』

 

 

15名無しで叶える物語(公衆)2018/05/06() 14:29:08.56ID:Nyfo/1nj

聖良「ですから、ここでの攻略とは、善子さんと相手の関係をどうこうするというよりも、善子さんが相手に対して距離を感じずに接することができるようになることを言います」 

善子『な、なるほど』 

聖良「例えば、善子さんが関係を悩んでいる相手にルビィちゃんと国木田さんは含まれていませんよね」 

善子『国木田さん?ああ、ずら丸ね。えーと、はい、そうですね』 

聖良「それはなぜでしょう?」 

善子『なぜって、うーん…あの子たちは同級生だし、最初から対等っていうか…ずら丸は一応昔馴染みだし、ルビィも私の堕天使とか受け入れてくれてて、二人とも信頼できるっていうか…』 

聖良「そう、答えは今善子さんが言った通りです」 

善子『え?』 

聖良「対等、信頼。それこそ人間関係で最も重要なことです。対等な相手、信頼できる相手であれば、意識しなくてもこちらから相手に向ける態度は決まるものです。善子さんがその二人に自然に接することができるようにね」 

善子『…そうなると、私が千歌さんたちを信頼してないみたいに…』 

聖良「大雑把に言うとそういうことですね。こんな言い方をすると心苦しく感じるかと思いますが、接し方に悩んでいる事実こそがその証明です」 

善子『………………』 

聖良「では、鞠莉さんと桜内さんはどうでしょう。こちらの二人も、接し方で悩んではいないのですよね」