善子と千歌の楽しい一日 3

47名無しで叶える物語(茸)2018/04/26() 11:59:46.91ID:wVDIrwGb

千歌「うわーー、広っろーーーーい!初めて来たーー!」 

善子「ほんと。この建物の面積がはっきりわかるわね…」 

鞠莉「向こうは客室用のシーツを干すスペースで、あっちに並んでるのはガスエアコンの本体機ね。その隣が貯水タンクで、こっちの一帯だけ空きスペースなの」 

千歌「今日はここでパーティするの?」 

鞠莉「そうよ!」 

善子「へえ…パーティやるには手狭な感じがするけど」 

鞠莉「今夜のお客さんは10人弱だから、こんなもので充分なのよ」 

善子「そう。飲めや騒げをするわけじゃないなら、確かにそこまで不足する感じでもなさそうね」 

鞠莉「そうでしょ。安心してね!…あ、飾り付けの道具来たみたい」 


ザッザッザッ ドサドサドサッ ペコッ ザッザッザッ… 


善子「軍隊みたいな人たちが控えてるのね…」 

鞠莉「みんな、昔からここに仕えてくれてる方々なの。給仕はプロ級よ」 

千歌「いいな~。チカのとこにも給仕さん雇おうかな~」 

善子「いや、あなたの旅館には合わないでしょ…」 

鞠莉「それじゃ始めるわよ!」 

………………

………

 

48名無しで叶える物語(茸)2018/04/26() 12:01:01.28ID:wVDIrwGb

鞠莉「端っこ持ってちょうだい。よし、ひろげるわよ」 

千歌「うわ~!こんなふわふわの絨毯初めて見たーー!」 

善子「ほんと…寝っ転がったら気持ちよさそう…」 


千歌「カラフルなクッションだね。かわい~」 

鞠莉「一目惚れしちゃってね。つい買っちゃったのよ」 

善子「いち、にい、さん…………ふうん」 


千歌「鞠莉ちゃーん。これどこに置くー?」 

鞠莉「それは隅に置いておいて。誰かさんが蹴飛ばすといけないからね」 

千歌「はーい」 


鞠莉「…うん!上出来ね」 

千歌「お~っ、かわいいパーティ会場になったね!」 

善子「マリ。やっておきながらこんなこと言うのもどうかと思うんだけど、その…ほんとにこれでいいの?」 

鞠莉「why?完璧だよ。今日のお客さんは堅苦しいのより、こうやってわいわいできる方がいいはずだからね」 

善子「…そう。マリがいいって言うなら、きっとそうなのね」 

千歌「鞠莉ちゃん!そのうちチカたちも誘ってパーティやってね!」 

鞠莉「任せて。近いうちに、必ずね」 

………………

………

 

49無しで叶える物語(茸)2018/04/26() 12:02:06.10ID:wVDIrwGb

善子「ここまででいいわよ。やっぱり、本当は忙しいんでしょ」 

鞠莉「善子は気を遣ってくれすぎよ。でも、ありがとね」 

千歌「鞠莉ちゃんこれからなにするの?」 

鞠莉「おもてなしするための料理を作らなくちゃいけないからね。その指揮と、私自身も手伝うよ」 

千歌「鞠莉ちゃんお料理できるんだ~!」 

鞠莉「モッチロン!ほら、一般常識ってやつ?ちかっちたちは料理しないの?」 

善子「料理本ならたまに読むけど…実践には至ったことないわね…」 

千歌「チカの得意料理はサンドイッチかな!」ドヤッ 

鞠莉「excellent. いつか食べさせてね」 

千歌「うん!それじゃ鞠莉ちゃん、またね!」 

善子「お邪魔したわね」 

鞠莉「ええ。曜たちによろしくね~」チャオ! 

………………

………

 

50名無しで叶える物語(茸)2018/04/26() 12:03:14.77ID:wVDIrwGb

プシュー バタン ブゥゥゥン… 


千歌「最後はよーちゃんのとこだね」 

善子「そうね……」 

千歌「善子ちゃん?どうかした?」 

善子「えっ。いや、別に。やっぱり結構遅くなっちゃったなと思って」 

千歌「そうだね。疲れちゃった?」 

善子「私は平気だけど。曜のとこ、迷惑じゃないかしら」 

千歌「だいじょーぶだと思うけどな~。一応連絡してみるね」 

善子「うん、お願い」 

千歌「それにしても、今日一日楽しかったね」 

善子「ほんと、色んなことしたわね。私たち二人じゃ絶対に思い付かなかったようなことばっかり」 

千歌「善子ちゃんはなにが一番楽しかった?」 

善子「もう一日が終わったかのような話をするわね。早くない?」 

千歌「今聞いても後で聞いても、答えは変わらないかなーって」 

善子「あら、まるで曜と遊ぶのが一番になることはないって言ってるみたいね」 

千歌「そういうつもりじゃないけど…今で一番のことはそのまんまかなって、ね」 

善子「それなら私も言っておくけど、その話をするのはまだ早いと思うわ」 

千歌「そうかなあ」 

善子「きっとそうよ」 


ブゥゥゥン… 

………………

………

 

51名無しで叶える物語(茸)2018/04/26() 12:04:11.77ID:wVDIrwGb

曜「いらっしゃい、ちかちゃん。善子ちゃん」 

花丸「さっきぶりずら~」 

千歌「やっほー、よーちゃん。花丸ちゃん。遅くなっちゃってごめんね」 

曜「平気だよ。ママも今日は泊まっていけばいいって言ってるし」 

千歌「ほんとに?!やったー!ほらね善子ちゃん、チカの言ったとおりでしょ!」 

花丸「まるも泊まっていっていいの?」 

曜「うん、もちろん!何人でもオッケーだよ。ま、その分狭くなっちゃうのは勘弁してね」アハハ 

千歌「花丸ちゃんとお泊まりするのって珍しいよね」 

花丸「AZALEAだけど、よろしくお願いしますずら」ペコ 

千歌「善子ちゃんもギルキスだからだいじょーぶだよ!ね、善子ちゃん。気にしないよね!」 

善子「そりゃもちろん、ユニット以前にずら丸だから気にしないけど」 

曜「よーし!じゃーさっそく遊ぼーっ!」 

ちかまる「「おーーーっ!!」」 

善子「ちょっと待ちなさーーーーーい!!!」

 

52名無しで叶える物語()2018/04/26() 12:05:24.08ID:wVDIrwGb

曜「おっとお!ここで善子ちゃんからタイムが入ったよ」 

花丸「善子ちゃん。人のおうちで大きな声を出しちゃだめだよ」 

曜「どうかした?善子ちゃん」 

善子「よ、善子善子連発しないで…っ!じゃなくて、なんでずら丸がいるのよ?!さも当然のように!」 

花丸「えー。善子ちゃん、千歌ちゃんと二人きりになりたいわけじゃなくて、まるのこと嫌いなだけずら?」 

曜「えっ?ちかちゃんと二人きり?なにそれ、なんの話??」ワクワク 

善子「そ、その話は今いいから!」 

曜「後で聞かせてね」 

花丸「ずらっ」 

善子「そこ、密約を交わすな!さっき別れた友達が再登場したら驚くでしょ、普通!曜はまだしも、なんで千歌さんまでそうあっさりしてるの?!」 

千歌「へ?だって花丸ちゃん呼んだのチカだもん」キョトン 

善子「でえええっ?!いつの間に?!」 

千歌「梨子ちゃんち出るとき」 

善子「やけに長いことケータイいじってると思ったら…」 

千歌「よーちゃん、準備できてる?」 

曜「ばっちりだよ!」ゞ 

善子「え、もうなにするか決まってるの?……なにするの…?」 

花丸「あはは、やだなあ善子ちゃん。まるたち三人と善子ちゃんで、やることなんか一つしかないよ」ニコォ 

善子「な、なに…」タジ 

千歌「メンバーのプロフィールはしっかり抑えとかなきゃだめだよ、善子ちゃん!」ニコッ 

………………

………

 

57名無しで叶える物語()2018/04/26() 15:08:46.47ID:wVDIrwGb

善子「ぎにゃーーーーっ、放してーー!放せーーー!!放しなさーーーいっ!!!」ジタバタ 

花丸「よくこんなにたくさん用意できたずらね」 

曜「親戚のおじさんがみかん農家やってるからね。よく送られてくるんだ」 

千歌「だからよーちゃん家いつもみかんの匂いするよね」クンクン 

花丸「言われてみたらそうだね」クンクン 

曜「あはは…天然のお香ってことで」 

善子「和んで会話してるんじゃないわよ!ほどきなさいよコレ!」 

花丸「ほどいたら善子ちゃん逃げちゃいそうだから」 

善子「そりゃ逃げるわよ!あんた目の前に牛乳500リットル置かれて縛られてみなさいよ!気絶できるならしてるとこだから!」 

千歌「いつにも増して荒れてるね~、善子ちゃん」 

善子「他人事みたいに言うなーーーっ!」ジタバタジタバタ 

曜「う~ん…善子ちゃんも構ってほしそうだし。そろそろ始めよっか」 

善子「えっ」ジタバ… ピタッ 

千歌「うん、今日もみかんが旨い!」 

花丸「そもそも善子ちゃんがいけないずら。こんなに美味しいのに苦手なんて言うから」モグ 

曜「こんなに美味しいみかん、善子ちゃんに分けてあげないわけにいかないもんね」 

善子「えっ、や…いいから……そういうの、いいからあ…」 


ギャーーーーーーーーーーーー………ッッ 

………………

………

 

58名無しで叶える物語(茸)2018/04/26() 15:09:30.53ID:wVDIrwGb

善子「 」←!DEAD

千歌「いやー、よーちゃんとこのみかんほんと美味しいよね~」 

花丸「ほんとに。甘味がぎゅっと詰まってるずら」 

曜「いくらでも食べられちゃうよね」 

千歌「善子ちゃーん、いつまで死んでるのー?みかんなくなっちゃうよー」 

善子「す、好きに食べればいいじゃないの…」グッタリ 

花丸「でも善子ちゃん何粒か食べれたずら」 

善子「あんだけ詰め込まれ続ければ舌も麻痺するっての!」 

曜「でも美味しいよね!」 

善子「う、…まあ。他のやつよりは少し食べやすかったけど」 

曜「こうやって食べる前に手で揉むと、甘味を感じやすくなるからね」ギュギュ 

千歌「さすがよーちゃんだよね。チカも酸っぱいの引いちゃったらそれやろーっと」パクパク 

花丸「まるもー」モグモグ 


ワイワイ パクパク キャッキャ モグモグ 


善子「………………」ヒョイ パク 

善子「…悪くないわね、みかん」モグ… 

………………

………

 

59名無しで叶える物語(茸)2018/04/26() 15:10:03.94ID:wVDIrwGb

 


曜「…あ、もうこんな時間か」 

花丸「ずら。みんなといると時間が経つのが早いね」 

曜「よし。ちかちゃん、善子ちゃん。外に行こっか」 

千歌「へ?お散歩?」 

曜「そんなところ!」 

花丸「善子ちゃんも。行くよ」 

善子「…はいはい」 

花丸「あんまり驚かないずらね」 

善子「なんとなくね、わかってたから」 

花丸「…さっすがあ」 

………………

………

 

60名無しで叶える物語(茸)2018/04/26() 15:10:45.71ID:wVDIrwGb

プシュー バタン ブゥゥゥン… 


千歌「お散歩なのにバスに乗るんだね」 

曜「歩いていくには少し遠いからね」 

千歌「そっか~…あれ?どこに行くか決まってるの?」 

曜「うん。実はね」 

花丸「あっほら見て見て善子ちゃん、海が黒いずら~!」 

善子「夜の海はいつだって黒いわよ」 

花丸「まる、遅い時間に外に出ることほとんどないから…」 

千歌「夜のバスって、なんだか不思議な感じだね」 

曜「不思議?」 

千歌「うん。外は暗くて、バスの中も明るくはなくて、途中で止まることもなくて、このままどこまでも走り続けるみたい」 

曜「あはは…それは怖いなー。でも、大丈夫だよ。このバスはちゃんと、向かう先があるから」 

千歌「…うん!」 


ブゥゥゥン… 

………………

………

 

61名無しで叶える物語(茸)2018/04/26() 15:11:27.95ID:wVDIrwGb

鞠莉「ハァイ、お帰りなさい。善子、ちかっち。ハナマルと曜はいらっしゃい」 

千歌「…………???」 

曜「あはは、ちかちゃん混乱してる」 

鞠莉「無理もないわね。それより、善子がわかってました~ってカオしてるのがかわいくないわ」 

善子「かわいくなくて悪かったわよ」 

花丸「善子ちゃんは変なところで察しがいいから困るずら」ヤレヤレ 

善子「なんで私が悪いみたいになってるのよ」 

千歌「鞠莉ちゃん、パーティはもう終わったの?あのねよーちゃん、チカたちさっきまでここにいたんだよ。鞠莉ちゃんとパーティの準備してたの」 

曜「うん、そうみたいだね」ニシシ 

鞠莉「私たち、ロビーで立ち話するような仲じゃないわ。上に行きましょう。ちかっちたちで全員だよ」 

千歌「全員?なにが?」 

鞠莉「モチロン、パーティのお客様が…よ」 

………………

………

 

62名無しで叶える物語(茸)2018/04/26() 15:12:11.46ID:wVDIrwGb

千歌「あれ?!果南ちゃん!」 

果南「よっ。遅かったね」 

千歌「遅くないよ。チカたちお散歩のついでに来たんだもん」 

果南「あっはっはっは。なに、チカまだ状況よくわかってないの?」 

梨子「そうみたいですね。同じ境遇のはずのよっちゃんは驚いてなさ過ぎますけど」 

千歌「梨子ちゃんもいる…」 

果南「ダイヤとルビィもいるよ」 

千歌「Aqours全員揃ってるの?!すごいね、奇跡みたいだね!」 

善子「奇跡じゃないわよ。マリが言ってたでしょ、私たちでお客さんがみんな揃ったって」ハァ 

千歌「へ?お客さんって、ここでパーティする人たちでしょ。あれ?チカたちここにいていいの?」キョロキョロ 

善子「どれだけ鈍いのよ……だから、マリが今夜やるパーティのお客さんってのは私たちAqoursのことで、今からそれをやるのよ」 

千歌「え………えーーーー?!そうだったの?!」 

ダイヤ「ようやく理解できたようですわね」 

鞠莉「近いうちにちかっちたち誘ってパーティやるって、約束したからね」 

千歌「近いよ!近すぎだよ!」

 

63名無しで叶える物語(茸)2018/04/26() 15:13:09.06ID:wVDIrwGb

花丸「善子ちゃんはどこで気付いたずら?」 

善子「ほとんど最初よ。マリが私たちに自分のとこのパーティの準備なんか手伝わせるわけないもの」 

果南「はは…鋭いなあ」 

善子「なにヒトゴトみたいに笑ってるの。企画したのあなたでしょう」 

果南「あれ?そこまでバレてたの?」 

善子「こっちは勘だけどね」 

鞠莉「もう!果南のせいでバレてたんじゃないの!」プンスカ 

果南「違うでしょ、鞠莉がもっと上手に手伝わせてればバレなかったんだよ」 

鞠莉「ちーがーうー!果南のせーいー!」ポカポカポカ ←果南たたいてる 

果南「まあいいや。みんな揃ったし、始めよっか」←たたかれてる 

千歌「ところで、パーティってなにやるの?オーケストラで踊るダンスパーティとか?!」 

曜「いや、音楽できるの梨子ちゃんしかいないから」 

鞠莉「マリィもできるわよ?」 

梨子「できてもやりませんから」 

果南「こんなに空に近い場所で、満天の星空だよ。だとしたら、やることは一つしかないでしょ!」 

………………

………

 

64名無しで叶える物語(茸)2018/04/26() 15:14:01.62ID:wVDIrwGb

花丸「ルビィちゃんほらあれ!大っきく光ってるの!あれが琴座ずら!」 

ルビィ「どれ?!花丸ちゃん、どの星?!」ピョンピョン 

果南「跳んでも星には近付けないぞ~」アハハ 

ダイヤ「ルビィ。他のより輝いてる星が三つあるでしょう。その三角形のてっぺんにあたるのが琴座ですわ」 

果南「あー、だめだめダイヤ。この中からたった三つの星を探そうとしても、慣れてなきゃ無理だって。それよりほらルビィ、あそこにいるか座があるでしょ?その上の方にあるやつだよ」 

ダイヤ「はあ?!いるか座のほうがよっぽどわかりませんわ!だいたいいるか座だって四つ星なのだから、ほとんど変わらないでしょう!」 

果南「遠い三つを探すより近い四つを探すほうが簡単じゃん。ね、ルビィ」 

ルビィ「え?え?うゆ、えっと…」オロオロ 

鞠莉「果南が星座を知ってるなんて… surprised だよ…」 

曜「梨子ちゃん、星は?」 

梨子「私もあんまり。でも、夏の大三角くらいはわかるわ」 

曜「そっか。見付けるコツとかある?」 

梨子「そうね…やっぱりダイヤさんが言ってるように、琴座を探すのが一番じゃないかな」 

曜「むむむー……っ、あれ!!」ビシッ 

梨子「ふふ、曜ちゃんったら。指を差されたってわからないわ」 

曜「あ…へへ、それもそうだよね」

 

65名無しで叶える物語(茸)2018/04/26() 15:15:05.56ID:wVDIrwGb

鞠莉「ねえ果南、これマリィも一緒に作ったのよ。食べてみて」 

果南「ん、美味しいよ!…でもなんか鞠莉らしくないような」 

ダイヤ「どれどれ……うん、美味しいですわね。それに鞠莉さんらしくありませんわ」 

ルビィ「ルビィも~。……おいしいっ!」 

鞠莉「ちょ…ちょっと、そんな言い方ってないよ。果南を想う気持ちが料理の腕を grate にしたってことで――」 

梨子「あー!これ、『mezzo piAno』のたまごサンド!すごい、まさかこんなところで食べられるなんて!」 

果南「…………ん?」 

ダイヤ「…………はい?」 

鞠莉「…………woo. 

曜「なになに?有名なとこのやつなの?」 

梨子「有名なんてものじゃないわ!開店前から交差点の向こうまで行列になるくらい人気のお店で、私も一回しか食べたことないの。はわ~…幸せ…」 

曜「へー、いいやつなんだ。……うん、美味しいね!」ゞ 

花丸「まるもまるも~!……美味しいずら!お出汁が入ってるの?」 

梨子「さすが花丸ちゃんね。そうよ、このたまごサンドの一番の特徴なんだから」 

果南「鞠莉…」 

ダイヤ「鞠莉さん…」 

鞠莉「oh... 間違えたわ、マリィが手伝ったのこっちのお煮しめだったかしら」

 

66名無しで叶える物語(茸)2018/04/26() 15:15:47.13ID:wVDIrwGb

――だあって果南に誉めてもらいたかったんだも~~ん! 

――だとしても嘘はよくありませんわ! 

――梨子が余計なこと言うからよー! 

――ええ?!なんですか?!なんの話?! 

――ん~~~っ、おいしーーー! 


善子「…いつでも元気ね、あの人たち」 

千歌「あはは…そうだね」 

善子「行かなくていいの?美味しいサンドイッチがあるみたいよ」 

千歌「いーの。サンドイッチならお昼に食べたし、きっとそれより美味しいことないしね」 

善子「あら。超人気店に言うじゃない」 

千歌「善子ちゃんだって同じこと言うでしょ」 

善子「まあね」

 

67名無しで叶える物語(茸)2018/04/26() 15:16:46.54ID:wVDIrwGb

善子「ねえ、千歌さん」 

千歌「なあに?」 

善子「今日の中で、なにが一番楽しかった?」 

千歌「あー!それチカが聞こうと思ってたやつ!」 

善子「こういうのは先に思い出した者勝ちの早い者勝ちよ」 

千歌「ぶー。…みんな楽しかったなー。果南ちゃんとは遊べなかったけど、こっちの準備してくれてたってことだよね」 

善子「そうでしょうね。いつ思い付いたのか知らないけど」 

千歌「そーいえば、なんで果南ちゃんだって思ったの?」 

善子「ほんとに勘なんだけど…強いて言うなら、メールを受け取ったときのマリの表情かしら。仕事のメールにしては、随分嬉しそうに読んでたから」 

千歌「それだけ?!」 

善子「あとは、あなたもマリもセンパイを『遊びたがり』だって言うのがどうも引っ掛かってて…メールのタイミング的にもそうかなって」 

千歌「ほえー…善子ちゃんは騙せないなー」 

善子「騙す予定でもあるわけ?…ってえ、わかったんだからね私!」ガバッ 

千歌「えっ、な、なに?!」 

善子「曜のとこに行くとき、あなたが『答えは変わらないと思う』って言った理由よ!みかん攻めにするつもりだったからでしょ!」 

千歌「ああ。うん、そーだよ」ニヘッ 

善子「悪びれず認めるなーーーっ!」ウガーーーッ

 

68名無しで叶える物語(茸)2018/04/26() 15:17:18.61ID:wVDIrwGb

千歌「ね、善子ちゃん」 

善子「なによ」ムスッ 

千歌「今日、なにが一番楽しかった?」 

善子「まだその話するの?」 

千歌「だって結局聞いてないもん」 

善子「あ、そうだっけ」 

千歌「そーだよー!」 

善子「…そうね。私は琴の練習が意外と楽しかったかも」 

千歌「わかる!楽しかったよね!また弾きたいな~」 

善子「日課や義務になったら違うんでしょうけどね」 

千歌「またダイヤさんとこ遊びにいこうね!」 

善子「ええ、必ずね」

 

69名無しで叶える物語(茸)2018/04/26() 15:17:52.49ID:wVDIrwGb

善子「でもね、千歌さん」 

千歌「うん。なーに?」 

善子「こうして友達の声を聞きながら星を眺める時間も、悪くないわ」 

千歌「…そーだね」 

善子「ねえ、千歌さん。これからも、たくさん遊びましょうね」 


善子「みんなともいいけど、やっぱりたまには二人きりで――ね」 



終わり

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コメント: 1
  • #1

    P (月曜日, 27 5月 2019 17:17)

    最の高でござる。