善子と千歌の楽しい一日 1

3名無しで叶える物語(茸)2018/04/26() 09:49:12.75ID:wVDIrwGb

善子『明日ヒマ?』 

千歌『ひまだよ~』 

善子『なら会いたいな』 

千歌『うん!善子ちゃんちに行けばいい?』 

善子『そうね…でも、ウチやることないのよね。来てもらってもいつもゲームばっかりで悪いし』 

千歌『チカ普段ゲームしないから楽しいけどな』 

善子『そう?千歌さんさえいいのならいいんだけど』 

千歌『そうだねー、どこか出掛ける?』 

善子『そうねえ、行きたいところある?』 

千歌『特にないかな。善子ちゃんと一緒ならなんでも楽しいし』 

善子『私も。どうしましょうか』 


善子「なんでも楽しい、か………それなら」 


善子『明日は私がそっちに行くから、家で待っててちょうだい』 

千歌『わかったー』 


善子『明日ヒマ?』 

***

 

4名無しで叶える物語(茸)2018/04/26() 09:49:59.38ID:wVDIrwGb

千歌「おはよー、善子ちゃん」 

善子「おはよう千歌さん。寝坊しなかったのね」 

千歌「なんか、どの世界線でも同じこと言われてる気がする…」 

善子「世界線?」ピクッ 

千歌「あ、ごめん。中二的なあれじゃなくて。ごめん」 

善子「世界線が中二的なあれじゃないことある…?」 

千歌「ところで、なんでうちにしたの?チカんとこも遊ぶものとかほとんどないよ」 

善子「ああ、別に千歌さんの家で遊ぶつもりじゃなかったのよ。こっちのほうが近かったからこっち待ち合わせにしただけなの」 

千歌「ほえ。どこか行くの?」 

善子「行くわよ。もう出られる?」 

千歌「うん、出れるよ」 

善子「それじゃ出発しましょうか!堕天獣コード006、『四ツ足のペガッソス』を召喚します」 

千歌「バスだね」オッケー 

善子「バスだねゆーな!」 

千歌「えー、だってバスじゃん。ペガサスってそもそも四本足だし」 

善子「うっ…と、とにかく出発ーっ!」 

千歌「お~!」 

………………

………

 

5名無しで叶える物語(茸)2018/04/26() 09:50:40.33ID:wVDIrwGb

プシュー バタン ブゥゥゥン… 


善子「土曜日でもガラガラね」 

千歌「平日でもガラガラなの?」 

善子「ガラガラとまで言わないけど…って、あなたも知ってるでしょ」 

千歌「だって毎日よーちゃんと登下校してるんでしょ?いーなー」 

善子「どっちに対して言ってるのよ、それ」ム… 

千歌「でも善子ちゃんとバスに乗るの新鮮だね。遠足みたいで楽しいなー」 

善子「ねえ、修学旅行ってどこ行くの?」 

千歌「東京だよ。梨子ちゃんと同じ班になれなかったんだ~」 

善子「そうなの?残念ね。でも一緒に行けるだけいいじゃない」 

千歌「善子ちゃんとは毎週修学旅行してるじゃーん」ギュッ 

善子「ちょっ抱き付かないでっ意味わかんないしっあとヨハネだからーーー!」 


ブゥゥゥン… 

………………

………

 

6名無しで叶える物(茸)2018/04/26() 09:51:14.06ID:wVDIrwGb

花丸「いらっしゃい。千歌ちゃん、善子ちゃん」 

善子「おはよ、ずら丸」 

千歌「おはよー!…花丸ちゃんと三人で遊ぶの?」キョトン 

善子「まあ、そういうことになるわね」 

千歌「へー!珍しいね。善子ちゃん、いつも二人きりになりたがるのに」 

善子「?! 千歌さんっ」// 

花丸「へえ~…善子ちゃん、千歌ちゃんと二人きりになりたがるんだあ」ニヤニヤ 

善子「なっ、ちがっ、ばっ……そーゆーんじゃないんだから!!」 

千歌「そーゆーの?」 

善子「なんでもないからあっ!!」

 

7名無しで叶える物語(茸)2018/04/26() 09:52:57.64ID:wVDIrwGb

花丸「千歌ちゃんにはなにも話してないずら?」 

善子「してないわ。話しとかなくても付き合ってくれるし」 

花丸「だとしても失礼だよ」 

千歌「善子ちゃんいつもこんな感じだよね」 

花丸「千歌ちゃんがいいならいいんだけど…」 

善子「それで、なにするか考えてくれた?」 

花丸「うん。まるはもちろん、これずら!」サッ 


『北の海まで』 


善子「ま、そうよね」 

千歌「……?」 

善子「今日のコンセプトは、『みんなの好きなことを試してみる』よ。二人で考えてると同じようなことしか思い付かないじゃない?だから、他の人たちが好きなことを一緒にやってみて、世界を拡げてみようと思ったの。…どうかしら。花丸は、その、読書が好きだから、三人で本を読んでみるの…」モジモジ 

千歌「面白そう!いいねいいね、善子ちゃん天才!」 

善子「そ、そうかしら」パアッ 

花丸「ふふ…こっちの部屋にたくさん本があるから、好きなの選んでみんなで読むずら」 

ちかよし「「はーーい!」」 

………………

………

 

8名無しで叶える物語(茸)2018/04/26() 09:53:41.15ID:wVDIrwGb

千歌「うわー!ほんとにたくさんあるねー!」 

善子「どういう本が多いの?」 

花丸「うーん…物語とか小説が多いかな。古今東西、色んなのが揃ってるずら」 

千歌「チカ、小説ってほとんど読んだことないなあ」 

善子「私も。黒魔術の本とかないかしら」 

花丸「ないよ。それに、いつもと同じ目線で選んだら今日の趣旨から外れるんじゃないの?」 

千歌「あ」 

善子「あ」 

花丸「しっかりするずら、善子ちゃん。それか、決められないならまるが選ぼうか?」 

千歌「そうしよ!お願い、花丸ちゃん」 

善子「読みやすいやつで頼むわよ、ずら丸」 

花丸「任せて!」

 

9名無しで叶える物語(茸)2018/04/26() 09:54:23.75ID:wVDIrwGb

花丸「千歌ちゃんにはこれと、」 


『女王蜂となりたがり屋さんたち』 


花丸「善子ちゃんにはこれなんてどうかな」 


『いとみち』 


千歌「これ、どういうお話?」 

花丸「スクールカーストと陰湿ないじめの話ずら」 

善子「あんた先輩になんてものを…私のは?」 

花丸「内気な主人公が頑張る話ずら」 

善子「私の方は込められた意図が見える」 

花丸「百聞は一見に如かず。一読は百の感想を超えるずら。さ、みんなで読書の時間にしよう」 

善子「はいはい。…あんたはなに読むの?さっきの、北のなんとか?」 

花丸「これだよ」サッ 


『チョコレート・アンダーグラウンド』 


善子「私そっちがいいんだけど」 

花丸「読書が面白いと思ったら、貸してあげるよ」 

善子「わかったわよ…」 

………………

………

 

10名無しで叶える物語(茸)2018/04/26() 09:54:57.61ID:wVDIrwGb

千歌「うわー、いいなー。一気に人気者だー」 

善子「この子が成功する未来が見えないわね…」 

花丸「………………」モクモク 


千歌「えー、意外!協力してくれるんだー」 

善子「がんばれ…ああっもう、不器用な…」 

花丸「………………」モクモク 


千歌「うっそお?!ひどいよひどいよ、そんなの~」 

善子「やりぃっ!なによ、格好いいじゃないこのオタ客」 

花丸「………………」モクモク 


千歌「うわー…これはこれでえげつないやり返し…」 

善子「トド…」 

花丸「………………」モクモク 

………………

………

 

11名無しで叶える物語(茸)2018/04/26() 09:55:44.28ID:wVDIrwGb

千歌「結構すっきりする話だったよ!面白かった~」 

善子「こっちも良かったわよ。なんかこう、頑張らなきゃって思わされたわ」 

花丸「いい物語は、読者の心にもいい影響を与えてくれるものだよ。楽しめた?」 

ちかよし「「うん!」」 

花丸「それはよかったずら」 

善子「…え?っていうかずら丸、あんたそれこの時間で読んだの?」 

花丸「そうだよ?」 

善子「私たちのと比べてかなり分厚いんだけど…」 

花丸「まあ、これ読むの六回目だから」 

善子「そ、そういうもの…?」 

千歌「ねーねー、これからどうするの?もう一冊読む?」 

善子「そうね…面白かったんだけど、また一冊読むってなるとちょっとしんどいわ…」 

千歌「えへへ…正直チカも」 

花丸「慣れてないとそうかもしれないね。読書が面白いと思えたのなら、自然と本に触れる機会は増えるはずだから。無理して今からもう一冊読む必要はないと思うよ」 

善子「そうかもね。ずら丸、そのチョコレートのやつ貸してよ」 

千歌「あ、いーなー。チカもなんか借りていく!花丸ちゃん、また選んで!」 

花丸「はいはい。…それと善子ちゃん、これ別にチョコレートの図鑑とかじゃないからね」 

善子「わ…わかってるわよ!」 

………………

………

 

12名無しで叶える物語(茸)2018/04/26() 09:56:42.26ID:wVDIrwGb

花丸「ばいば~い。またねー」ノシ 


善子「…さて、次に行きましょうか」 

千歌「次は誰のとこ?」 

善子「ルビィよ。さっき連絡したら家にいるって」 

千歌「ルビィちゃんか~。ルビィちゃんの好きなことってなんだったかなあ。スクールアイドルのことかなー」 

善子「スクールアイドルなら…微妙ね」 

千歌「そう?善子ちゃん、スクールアイドル嫌いなの?」 

善子「嫌いなわけないじゃない。じゃなくて、今回の目的は新しいことに触れることだから」 

千歌「あ、そっか」 

善子「簡単に説明はしておいたけど、あの子がどのくらい理解してるかしらね」 

千歌 (ルビィちゃんのこと小学生だとでも思ってるのかな

善子「ルビィのとこなら歩いて行っちゃいましょうか」 

千歌「うん。天気もいいしね」

 

13名無しで叶える物語(茸)2018/04/26() 09:57:32.20ID:wVDIrwGb

善子「そういえば、千歌さんはなに借りたの?」 

千歌「えっとね、これ」ゴソゴソ サッ 


『マチルダは小さな大天才』 


千歌「天才的な頭脳を持った女の子が、そのことに気付かない大人たちを相手に奮闘する爽快なお話だって!」 

善子 (これも微妙に読ませる意図が見えるわね…

千歌「ちょっとだけ中身見てみたけど、あんまり難しくなさそうで安心したよ」 

善子「そう。私のほうは分厚いし、なかなか読みごたえがありそう」 

千歌「でも、すごいよね。ほんとだったら今日も善子ちゃん家でゲームしてたかもしれないのに。物語一冊読んじゃって、しかも次のまで借りてきちゃったんだもん!」 

善子「そうね。なかなか当たりかもしれないわ、今日のコンセプト」 

千歌「さすが善子ちゃんだね!」 

善子「えっ、も、もう…たいしたことじゃないわよ」プイッ 

千歌「あー、照れてる」 

善子「照れてない!あと千歌さんが変なこと言ったからずら丸に誤解されたじゃないの!」 

千歌「え?!いつの話?!」 

善子「朝の話~~~っ!!」 

………………

………

 

14名無しで叶える物語(茸)2018/04/26() 09:58:09.68ID:wVDIrwGb

ー黒澤邸ー 


ダイヤ「ようこそいらっしゃいましたわ。お茶で?」 

千歌「あ、はい、お茶で」 

善子「お構いなく…」 

ダイヤ「しばしお待ちくださいね」 


スッ コポポポ… 


善子「ちょっと!なんでナチュラルにこの人が出迎えてくれてんのよ?!」コソ 

千歌「チカが知るわけないでしょ!善子ちゃんがルビィちゃんに連絡してくれたんじゃん!」コソ 

善子「ぐぬぬ…あの子なにやってんのよ…」コソ 

千歌「連絡してみたら?」コソ 

善子「出迎えてもらったばっかりで携帯いじるなんて失礼でしょ!」コソ 

千歌「なかなかの常識」コソ 

善子「くっ…こうなったら、順番を前後させるしかないようね…」コソ 

千歌「順番を?」コソ 

ダイヤ「粗茶ですが」コトリ コトリ 

善子「ありがとうございます」 

千歌「ありがとうございます」

 

16名無しで叶える物語(茸)2018/04/26() 09:59:02.51ID:wVDIrwGb

善子「頂きます」 

千歌「け、結構なお手前で」 

善子「それ飲んでから言うやつよ」 

千歌「あ、そうなの?」 

ダイヤ「そう緊張なさらずとも結構ですわよ」クス 

ダイヤ「それにしても、珍しいですわね。お二人が訪ねてきてくださるなんて、嬉しいですわ」 

善子 (やばい。ルビィを訪ねてきたって言いづらくなった

ダイヤ「かねてから下級生との交流が不足していると感じていて…こういう機会を得られてよかった」ニコ 

善子 (……ん?

善子「あの、もしかして…ルビィからなにか聞いてる?」 

ダイヤ「? ええ、もちろん。言伝てを依頼なさったのは善子さんでしょう?」 

善子「そう…だけど、ルビィは、なんて?」 

ダイヤ「ですから、善子さんと千歌さんがお琴の稽古をご一緒なさりたいから訪ねてくる、と」 

善子 (どんな理解力よ、あのピギィ!!

善子「ちなみにルビィはどこに?」 

ダイヤ「沼津の方までお菓子を買いにいきましたわ。稽古が終わったらみんなで食べるんだと、随分はしゃいでいましたわね」フフ 

善子 (自分は稽古したくないからでしょ、あのピギィィィ!!)

 

17名無しで叶える物語(茸)2018/04/26() 10:00:03.28ID:wVDIrwGb

ダイヤ「それでは私は稽古場の準備をしてきますから、もう少しこちらでお待ちくださいね」 


スッ パタン… 


善子「どうしましょう、千歌さん」 

千歌「へ?どうって?」 

善子「このままじゃ琴の稽古をさせられることになるのよ?!一旦この場は失礼して、ああ先にルビィに連絡した方がいいかしら」 

千歌「なんで?受けよーよ、琴の稽古。楽しそうじゃん」 

善子「え…」 

千歌「元々、したことないことをしにきたんだから。やってみたら案外楽しいかもしれないよ、読書みたいに。ね?」 

善子「…はあ。千歌さんがそう言うのなら文句ないわ。ルビィは帰ってきたら堕天十字固めだけどね」 

千歌「だってどっちみち、ダイヤさんとも遊ぶ予定だったんでしょ?」 

善子「あー…それよ、それ。さっき順番がどうこうって言ったの」 

千歌「あ、つまりルビィちゃんより先にダイヤさんと遊ぼうってことでしょ」 

善子「うん、まあ、そんなところ」 

千歌「じゃあたいした問題じゃないよね!楽しみだな~」 

善子 (そもそも、今回三年生の人たちを対象にするか…から悩んでたんだけど。この様子ならたぶん全員とやることになるわね…

善子 (………………

善子 (ま、これもいい機会か。千歌さんも楽しそうだし

………………

………

 

18名無しで叶える物語(茸)2018/04/26() 10:01:03.88ID:wVDIrwGb

ダイヤ「私が嗜むのは、筝の中でも和琴(わごん)といって、日本最古の楽器と言われていますわ」 

善子「日本最古の…」ゴクリ 

ダイヤ「…別に、このコ自体が大昔から存在しているわけではありませんわよ?」 

善子「わ、わかってるわよ」 

千歌「ねーねーダイヤさん、早く弾いてみたい!」 

ダイヤ「はいはい、せっかちですわね。琴軋(ことざき)は着けました?」 
※琴軋…和琴を弾く際に親指、人差し指、中指に着ける爪のようなもの。 

千歌「着けました!」ハーイ 

善子「ちょっ!危なっ!その状態で手を振り回さないで!」 

ダイヤ「それでは、お琴に対して少しだけ斜に座り、右手をこう添えます」スッ 

千歌「こ、こう?」 

ダイヤ「ええ、そんな感じですわ。でも、もう少し竜角(りゅうかく)から離れた位置に…そう、その辺です。竜角に近すぎても、逆に離れすぎても、出る音が変わってしまいますから」 
※竜角…筝の向かって右側にある、弦を支える部分。 

ダイヤ「それで、親指で弦を押すようにして…」 


ペンッ 


千歌「わあ!鳴った!」キャッキャ

 

19名無しで叶える物語(茸)2018/04/26() 10:01:50.73ID:wVDIrwGb

ピィンッ 


善子「あれ?ねえ、なんか私のほう音が違うんだけど」 

ダイヤ「もう一度弾いてみてくださいます?」 

善子「うん」 


ピィンッ 


ダイヤ「ああ。上向きに弾いているからですわね。弦は下からはじき上げるのではなく、そう、『押し』て、次の弦で親指を受け止めるようにしてみてください」 

善子「こ、こうかしら…」 


ペンッ 


善子「あっ」 

ダイヤ「綺麗な音が出ましたわね」ニコッ 

千歌「さすが善子ちゃん!」 

善子「う…えへへ…」 

善子 (意外と楽しい…)

 

20名無しで叶える物語(茸)2018/04/26() 10:02:34.85ID:wVDIrwGb

一時間後 

♪さくら さくら 野山も里も 

♪見わたすかぎり かすみか雲か 

♪朝日ににおう さくら さくら 花ざかり 


善子「――――……っ、ふう…どうかしら」 

ダイヤ「お見事ですわ!飲み込みが早いですわね」パチパチパチ 

千歌「すごいすごい、善子ちゃん!プロみたい!」パチパチパチパチパチパチ! 

善子「ぷ、プロは言いすぎよ…」// 

ダイヤ「いえ、でも本当にお上手ですわよ」 

善子「せ、先生がいいからじゃないの?」プイッ 

千歌 (かわいい

ダイヤ (かわいい

ダイヤ「千歌さんも第三小節まで弾けましたものね。始めて一時間でここまで弾ければ上出来ですわ」 

千歌「えへへ…楽しかったー」

 

21名無しで叶える物語(茸)2018/04/26() 10:03:20.90ID:wVDIrwGb

善子「…ところで、私たちに教えてばっかりだったけど、どのくらい弾けるものなの?」 

ダイヤ「あら。よかったら聴いてくださいます?」 

千歌「あっ、聴きたい聴きたい!」 

善子「そうよね、私も」 

ダイヤ「せっかく琴軋も着けてお琴の準備もしたので、一曲くらい弾きたいと思っていたところですわ。それじゃ、僭越ながら…」 

千歌 ワクワク 

善子 ワクワク 

ダイヤ「………」スゥ 


ーーーーーーッッ♪ 


私と千歌さんは後にいつまでも語ることになる。 

あの一時間はお遊びだった、と。 

和琴ってすげえ。 

黒澤ダイヤって、すげえ……と。 

………………

………

 

22名無しで叶える物語(茸)2018/04/26() 10:04:56.32ID:wVDIrwGb

ルビィ「ただいま~。おねいちゃあ、善子ちゃんたちもう来てr」ガラッ 

善子「待ってたわよ、ルビィ」ニコォ… 

ルビィ「ピッ?!よ、善子ちゃ…目が笑ってないような…?」ニ、ニコッ? 

善子「あなた、体よく逃げ出したわね」ニコォ 

ルビィ「や、いや、お菓子が…あったほうが……ね?ね?」タジ… 

善子「お仕置きの堕天十字固めーーーーっ!!」 

ルビィ「ピギャァァァアアアッッ!!」 


千歌「ダイヤさん、ああいうのは止めないんですね」 

ダイヤ「友人との戯れですもの。止める理由がありませんわ」ズズ… 

千歌「そっか~」ズズ… 

………………

………

 

23名無しで叶える物語(茸)2018/04/26() 10:05:46.20ID:wVDIrwGb

善子「ということで、次はルビィの好きなことを一緒にやるわよ」 

ルビィ「うゆ…よかった。ルビィとは遊んでくれないかと思った…」 

善子「和琴が楽しかったから特別よ。お姉さんに感謝しなさい」 

ルビィ「ありがとう、おねいちゃあ!」 

ダイヤ「うふふ。明日はルビィも一緒にお稽古する?」 

ルビィ「しない!」 

ダイヤ「 」 

善子「参考にと思って、ルビィのAqoursのプロフィール見直したんだけど」 


『趣味:お洋服、お裁縫』 


善子「裁縫はわかるけど、趣味が洋服ってなによ。モノじゃないの」 

ルビィ「えー。お洋服するの好きだから」 

善子「『お洋服する』がわかんないんだってば」 

千歌「お洋服を作ったり見たり着たり、そういうの全部ってことでしょ?」 

ルビィ「そう!」ピッ 

善子「それ、『特技:衣装選び』と同じじゃないの?」 

ルビィ「ルビィ細かいことは気にしないから!」 

千歌「ほら、衣装は衣装だけど、お洋服は洋服全般だから」 

善子「…いや、うん、………わかったわ」

 

24名無しで叶える物語(茸)2018/04/26() 10:07:32.52ID:wVDIrwGb

善子「それで、ルビィは『お洋服する』ってことでいいの?」 

ルビィ「うーん…お洋服は部活でいつもやってるから…」 

善子「あれ?ねえ、やっぱり『お洋服する』と『衣装選び』の境界線、この子の中でも曖昧じゃないの?」 

ルビィ「……あ!そうだ!善子ちゃん、千歌ちゃん、こっちの部屋に来て!」 

善子「思い付いたみたいね」 

ダイヤ「お、お姉ちゃんも行っても…?」オソルオソル 

ルビィ「うん、もちろん!」 

ダイヤ「るびぃ…!」パアアッ 

善子 (普段、蔑ろにでもされてるのかしら