【SS】クローン千歌ちゃんを手に入れた曜ちゃんにありがちなこと 3

46ぬし ◆z9ftktNqPQ (プーアル茶)2018/04/12() 22:20:44.58ID:ZyNImPVe

#18.よーちゃんとちかちゃん⑬ 

渡辺母「曜、電話よ。小原さんから」ガチャ 

曜「ありがとう。…もしもし、鞠莉ちゃん?どうかした?」 


退室際、お母さんの表情を横目で窺う。 

やっぱりどこか冷たく見えた――ううん、いけないいけない。 

事情があるとはいえ、私を家に置いてくださってる。 

感謝することはあっても、失礼なことを考えちゃ、 曜「ほんと?!」 


曜「うん、うん!そっか!よかった…それで、こっちにはいつ?うん…そうだよね。ううん、全然平気だよ!連絡ありがとう!」 


とんでもなく嬉しそうな声につられて、ぽけっとよーちゃんの電話に聞き入る。 

やがて通話が終わり。 

どうかしたの、と私が聞くよりも早く。速く。 

受話器も放り投げてよーちゃんが飛び付いてきた。 


千歌「うわわっ、と…危ないよよーちゃん!」 

曜「嬉しいからいいの!」 

千歌「意味わかんないから…どうしたの?」 

曜「手術が無事に終わったって!!」

 

47ぬし ◆z9ftktNqPQ (プーアル茶)2018/04/12() 22:21:47.73ID:ZyNImPVe

千歌「手術…あ、あああ!チカの?!」 

曜「そう!!よかった…よかったよお」 

千歌「そっかあ…よかった…」 

曜「術後しばらくは身体を休ませなきゃいけないから、こっちに戻ってくるのは明後日になるらしいけどね」 

千歌「明後日…か」 


それはつまり、私の終わりを意味するのだろう。 

だけど――だけど―― 

よーちゃんは相変わらずズビズビと鼻を啜りながらしがみついている。 


千歌「もー、大丈夫?鼻水と涙ですごいことになってるよ」 

曜「う""………えへへ、安心しちゃって…」 

千歌「わかったわかった。わかったからちょっと離れて。鼻水ついちゃうからね」 

曜「それはごめんね。我慢してね」 

千歌「しないよ!よーちゃんが鼻かんだらいいでしょ!」 

曜「ちかちゃ~~ん!よかったよお!」ギューッ 

千歌「あーー!だから…あーーー!ちょっよーちゃ…ついてるついてる!ほんとに鼻水ついてるから!!」 

 

48ぬし ◆z9ftktNqPQ (プーアル茶)2018/04/12() 22:22:34.07ID:ZyNImPVe

千歌「落ち着いた?」 

曜「落ち着いた」 

千歌「鼻は?」 

曜「かんでなかった」 

千歌「かんで!」 


チーーーン。 

鼻水と涙で顔はすごいことになり。 

めがねは掛けたまま飛び付いたせいかやや曲がり。 

目元も鼻も真っ赤にして。 

とても幸せそうに笑うよーちゃん。 


千歌「よーちゃんは…ほんとにすきなんだね」 

曜「え、なにを?」 

千歌「ちかちゃんのこと」 

曜「そりゃそうだよ!ずっと一緒にいた大親友なんだもん!」 

千歌「よーちゃんがすきなのはちかちゃんであって、…チカじゃないよね」 

曜「えっ?」 

千歌「あ………」 

曜「ちかちゃん、」 

千歌「ご、ごめん!お茶取ってくるね!」 

曜「あっちかちゃん!」 

………………

………

 

49ぬし ◆z9ftktNqPQ (プーアル茶)2018/04/12() 22:23:05.72ID:ZyNImPVe

どうして、あんなこと… 

ちかちゃんはチカだし、チカはちかちゃん。 

どちらも同じ高海千歌。 

そこに違いなんかないのに。 

よーちゃんが私をすきでいてくれるのは、つまり私をすきでいてくれるのと同じことなのに。 

どうして。 

胸が…苦しいの…… 


千歌「…よーちゃんに謝らなきゃ」 

………………

………

 

50ぬし ◆z9ftktNqPQ (プーアル茶)2018/04/12() 22:23:41.64ID:ZyNImPVe

千歌「ただいま。えへへ…さっきは変なこと言ってごめんね。お茶取ってきたよ…」 

曜「ちかちゃん、座って」 


部屋に戻ると、よーちゃんが正座で待っていた。 


千歌「あ、やだな、さっきのこと気にしちゃったんでしょ。ちょっと意地悪したくなっただけだから気にしないで、」 

曜「座って。ちかちゃん」 

千歌「…うん」 


促されるままに、向かいへ。 

すっかりお尻の形に馴染んでしまったクッションに。 


千歌「…お茶、飲む?」 

曜「貰う」

 

51ぬし ◆z9ftktNqPQ (プーアル茶)2018/04/12() 22:24:14.43ID:ZyNImPVe

コクコクコク…ぷは。 

一息に飲み干すと、まるでそれがお酒であったかのように。 


曜「私、考えたの!」 


よーちゃんは勢い付いて切り出した。 


千歌「な、なにを?」 

曜「ちかちゃんが言ったこと。私がすきなのはちかちゃんじゃなくてちかちゃんなんだねって」 

千歌「えっと…」 

曜「だいぶ考えたんだよ!この短い間に」 

千歌「だいぶ考えたんだ」 

曜「そう。だいぶ…」 

千歌「今、ちょっとプールのこと考えたでしょ」 

曜「か、考えてないよ!」

 

52ぬし ◆z9ftktNqPQ (プーアル茶)2018/04/12() 22:25:17.41ID:ZyNImPVe

千歌「結論、…出たの?」 

曜「出た」 

千歌「聞いてもいいの?」 

曜「ん!」 


照れてるのか、なんだか妙なテンションの相づち。 

茶々は入れない。 


曜「私はね、幼馴染みのちかちゃんがすき。でも、ちかちゃんのことも同じくらいすき。二人に優劣なんかないよ」 

千歌「そ!…そんなの」 

曜「だって、決められないよ。ちかちゃんとは昔からずっと積み重ねてきた信頼と想い出がある。遊んだり、喧嘩したり、言い表せないくらいの絆があるから」 

千歌「だったらやっぱり、」 

曜「でも、ちかちゃんとはちかちゃんとしかない想い出がたくさんあるんだよ」 

千歌「チカとしかない、想い出が…?」 

曜「そうだよ!あのハンバーグを一緒に食べたり、ごはんが入らなくなるくらいお腹いっぱいみかん食べたり、私たち夜の学校に忍び込んだりもしたよね。そのどれ一つだって、ちかちゃんとしたことない。ちかちゃんだけとの大切な想い出だよ!だから、どっちのちかちゃんがすきなんて選べない。どっちのちかちゃんも大好き!!…これって、ずるかな」 

千歌「ううん…そんなことない。ずるなんかじゃ、ない」 


私は、とんだばかチカだったみたい。 

一人で気にして、落ち込んで。 

潮風と海のような心の広さを疑うなんて。 

その笑顔だけで、どんなもやもやだって晴れてしまうのにね。 

***

 

53ぬし z9ftktNqPQ (プーアル茶)2018/04/12() 22:29:25.33ID:ZyNImPVe

#19.起こり③ 

果南「鞠莉!」 ダイヤ「鞠莉さん!」 

鞠莉「oh...二人とも、待っててくれたのね」 

ダイヤ「当然ですわ。それで、お医者さまはなんと?!」 

果南「ダイヤ、あんまり急かしちゃ悪いよ。…その様子を見るに、あんまり望ましくない状態ってこと?」 

鞠莉「ううん、そんなことないよ。身体のほうはね、パパがすぐにでも手術の手配を始めてくれるって」 

ダイヤ「からだの…ほう?」 

鞠莉「ちょっとね…厄介なことになりそうだよ…」 

………………

………

 

54ぬし ◆z9ftktNqPQ (プーアル茶)2018/04/12() 22:30:43.94ID:ZyNImPVe

#20.起こり④ 

ダイヤ「そ…それでは、『あれ』に千歌さんの脳を乗せて、生活させるってことなんですの?!」 

鞠莉「『あれ』なんて言い方しないでよ、ダイヤ。これでも随分ちかっちに似せてできたほうだと思わない?ほら、ほっぺたもぷにぷにで so cute だよ」 

ダイヤ「鞠莉さん!真剣に話しているんですのよ!」 

果南「ダイヤ、大きな声を出さないで。鞠莉も、ふざけないで」 

鞠莉「ふざけずに話せる内容でもないじゃない…こんなこと」 

ダイヤ「私には、無理ですわ……友人の脳を乗せた機械相手に、それがまるで本物の友人であるかのように接するなんて…っ。気が触れてしまいますわ…」 

果南「ダイヤ…私にだって無理だよ。まともな精神してたら、そんなの誰だって耐えられるわけがない」 

果南「ねえ、やっぱり病院かどこかで預かっててもらおうよ。それなら本人たちだってそんなに違和感ないでしょ?」 

鞠莉「だめなの。ほとんど寝たきりと同じで、ろくに思考することもないような状態じゃ、やっぱりそう長くもたずに腐っちゃうって。…それに、だよ。病院にいるからって、私たちの中の誰か一人でも、一回だってお見舞いに行ける?」 

果南「そんな…そんなの………じゃあ、どうしたらいいのさ…」 

***

 

55ぬし ◆z9ftktNqPQ (プーアル茶)2018/04/12() 22:31:36.09ID:ZyNImPVe

#21.よーちゃんとちかちゃん⑭ 

曜「準備できた?」 

千歌「うん」 

曜「じゃあ、行こっか」 

千歌「うん」 


じりじり、炎天下。 

太陽はいよいよ真夏の始まりを告げる。 


曜「いやー、暑っついね~」 

千歌「帽子かぶってきてよかったね」 

曜「車、あんまり通らないね」 

千歌「人もあんまりいないよ」 

曜「暑くない?」 

千歌「暑くない」 

曜「私も」 


上から、下から、容赦のない熱。 

この手を放したくないだけ。 

すっかり歩き慣れたこの道を行くのが最後になるなら。 

あなたと手を繋ぐのも、きっと最後になるから。 

………………

………

 

56ぬし ◆z9ftktNqPQ (プーアル茶)2018/04/12() 22:32:11.81ID:ZyNImPVe

#22.戻り 

鞠莉「ハァイ、ちかっち~!曜も!」 

曜「やっほー!」 

千歌「あ、こんにちは。えっと、」 

曜「こちら鞠莉ちゃん。前に話したよね」 

千歌「あ!鞠莉さん!手術の手配をしてくれたり、身体を用意してくれたり、なにからなにまでお世話になって…」 

鞠莉「ノーノー。マリィ、堅いのあんまりすきじゃないの。さ、暑かったでしょ。入って入って」 

千歌「し、失礼しますっ」 

………………

………

 

57ぬし ◆z9ftktNqPQ (プーアル茶)2018/04/12() 22:33:20.84ID:ZyNImPVe

抗菌室を思わせる、真っ白な廊下。 

足音の響きと共に抜けて辿り着いたのも、真っ白な調度で揃えられた部屋だった。 


鞠莉「適当に座って。紅茶でいいかしら」 

千歌「あ、お構いなく…」 

曜「私も手伝うよ!」 


きょろきょろと見回すけれど、なにもない。 

そう思わされるほどに真っ白な空間。 

やがて、桃の匂いが運ばれてくる。 

コの字のソファにそれぞれ座り、向かい合う。 


千歌「…もう、終わりなんですね」 


揺れる琥珀色に、ぽつりと漏れる言葉。 

それを聞くや、よーちゃんと鞠莉ちゃんの表情が見る見る崩れていった。 


鞠莉「ごめ…っ、ごめんね…ごめんね、ちかっちぃ…。つらい想いをさせて、ごめんねえ……」 

曜「うっ、うう…ちかちゃん。ちかちゃん…。もっと、いっ、一緒にいたかったよぅ…ちかちゃあん……」 

 

58ぬし ◆z9ftktNqPQ (プーアル茶)2018/04/12() 22:34:12.28ID:ZyNImPVe

や、やだな…そんなつもりじゃ。 

謝らないでください、鞠莉さん。 

ちょっとよーちゃんも、ほら、泣かないで。 

前からわかってたことですし、覚悟だって決めてきました。 

仕方ないことだし…でも、感謝してます。 

よーちゃんとたくさんの時間を過ごせたこと。 

そりゃあ欲を言ったら、もっと色々なことしたかったけど。 

これから夏も本番に近付いていくから、 

花火大会とか、山に行ったりとか、海とか、あ…海はだめなのかな。 

それに一緒にお洋服作ろうねって言ったけどできなかったし、 

秋だって冬だって、春だってよーちゃんと過ごして、 

私も私に負けないくらいの想い出をたくさん作って…… 

でも、大丈夫です! 

ここで眠るってことは、私は私の中に戻るってことで、 

私は私として、これからもよーちゃんと一緒にいられるんですよね。 

それだけで、もう、なにも怖くありませんから。 

だから、大丈夫です。 

だから…だから、安心して私は―― 


千歌「やだ…よーちゃん。離れたくない…もっとずっと、一緒にいたいよう…」 


言葉って、心の中で思い描いた通りには出てこないんだね。 

………………

………

 

59ぬし ◆z9ftktNqPQ (プーアル茶)2018/04/12() 22:35:06.31ID:ZyNImPVe

#23.戻り② 

ちかちゃんは強かった。 

先に泣いてしまった私たちに気を遣ってくれたのが、よくわかった。 

それでもただ一言だけ本当の気持ちを抑えられなかったちかちゃんを、いったい誰が責められたというだろう。 

やがて、ちかちゃんは鞠莉ちゃんに深く頭を下げた。 


――私を私の中に戻してください。 


鞠莉ちゃんは真っ正面から向かい合って立ち、同じだけ頭を下げた。 

これまで本当にありがとう。 

あなたがいてくれなかったら、ちかちゃんの記憶は失われてしまっていた。 

一人の友人として、心から感謝する、と。 

それは、人間相手でなければ絶対に取ることのない態度で、私はすごく嬉しかった。 

最後に私たちは抱き締め合った。 

かたく、つよく。 

その肩も、腰も、作り物とは思えない。 

私の肩と、私の腰と、少しだって変わりはなかった。 

胸を張って言える。 

ちかちゃんは人間だった――確かに生きていたんだ、と。 

………………

………

 

60ぬし ◆z9ftktNqPQ (プーアル茶)2018/04/12() 22:36:01.73ID:ZyNImPVe

#24.戻り③ 

鞠莉「私は、やっぱり選択を間違ったのかもしれないね…」 


二人きりになった部屋。 

だらしなくソファに上体を預けて、鞠莉ちゃんが呟く。 


曜「ちかちゃんのこと?」 

鞠莉「それもそうだけど、他のこともね」 

曜「…………」 

鞠莉「いつか眠ることがわかっていながら生きるなんて、きっとすごくつらかったよね…私だって想像もできないのに」 

曜「そうだね…私も」 

鞠莉「もしかしたら、なにも知らずに『高海千歌』として生きてもらって、最後にふっと意識を切ったほうがよかったのかな」 

曜「どうかな…それはそれでつらいし残酷だと思うけど」 

鞠莉「曜ならどっちがよかった?生まれたての『渡辺曜』として、いつか眠ると知りながら生きるか。『渡辺曜』の記憶を持ったまま生きて、知らないうちに眠るか」 

曜「え…ええ~?どっちも嫌だなあ………って、ん?記憶を持ったまま生きてもらうこともできたの?」 

鞠莉「うん、できたよ。ただいずれにしたって違和感が出ちゃって、結局はいつか『眠る』ことを話さなきゃいけなかったかもしれないけどね」 

曜「そうなんだ…」 

鞠莉「…Sorry. こんなこと、訊くものじゃなかったね」 

………………

………

 

61ぬし ◆z9ftktNqPQ (プーアル茶)2018/04/12() 22:37:10.99ID:ZyNImPVe

#25.戻り④ 

鞠莉「さて、と…あと一仕事、か」 


鞠莉ちゃんはソファを立つと、ぐうっと背伸びをした。 


曜「手伝えることなら手伝うよ」 

鞠莉「ううん、これは私がやらなきゃいけないことだから。ありがとう」 

曜「じゃあ、私は帰ろうかな…ちかちゃんには、まだ会えないんだよね?」 

鞠莉「そうね。実はいくつか隣の部屋にいるんだけど、まだ絶対安静。身体に溜まってる疲労があらかた抜ければ目を覚ますから」 

曜「ちゃんと目を覚ますんだよね?」 

鞠莉「もちろん。それは何度も何度も確認したよ」 

曜「そっか、よかった。…もう、帰ってもちかちゃんはいないのか…」 

鞠莉「ねえ、曜」 

曜「ん?なに?」 

鞠莉「この十数日間、本当にありがとう。曜が預かってくれなかったら、千歌の脳はだめだったかもしれない」 

曜「や、やだな…当たり前のことだから。それに、あはは…大袈裟だなあ。もし私が断ってたら、他の誰かのところに行っただけでしょ」 

鞠莉「ううん。あんなこと、曜にしか頼めなかったんだよ。だから、本当に本当に感謝してる。それなのに、こんな終わらせ方で――ごめんね」 


鞠莉ちゃんが手を伸ばしてきて、わたし 

***

 

62ぬし ◆z9ftktNqPQ (プーアル茶)2018/04/12() 22:38:05.76ID:ZyNImPVe

#26.起こり⑤ 

ダイヤ「ま…鞠莉さん!本気なんですの?!」 

果南「鞠莉、正気?!」 

鞠莉「本気だし正気だよ。それとも、やっぱりダイヤと果南がそれぞれ預かってくれるっていうの?」 

ダイヤ「…っ、それは…」 

鞠莉「このまま誰も手を挙げなかったら、ちかっちたちの脳は本当にだめになっちゃう。そんなのだけは…絶対に、だめ…」 

ダイヤ「わからない…わかりませんわ…」フラッ 

果南「ダイヤっ!」 

鞠莉「二人が事故に遭ったって聞いたときは頭が真っ白になったけどね…事故に遭ったのが二人でよかったって、そう考えよう」 

ダイヤ「私には、わかりませんわ…正義というもの、なにが正しいのかということが、ない交ぜになって…わからなくなってしまいましたわ…」 


鞠莉「…あ、もしもしパパ?うん、千歌たちの件。うん、それなんだけどね、曜の脳だけ先に複製して目覚めさせてほしいの。うんそう、あ、それとね…倫理観の枷を少し外しておいてくれる?」 

***

 

63ぬし ◆z9ftktNqPQ (プーアル茶)2018/04/12() 22:38:50.62ID:ZyNImPVe

#27.目覚め② 

ここは…どこ… 

わたしは…だれ… 

わたし、は… 


鞠莉「ハァイ、目が覚めた?」 

「……あなたは、だれ…?」 

鞠莉「私は小原鞠莉。マリィって呼んでね☆それで、あなたは渡辺曜――って、お寝坊さん。そろそろ起きたかしら?」 


おはら、まり… 

わたなべ、よう… 

わたしは、わたなべよう……… ……あ。 


曜「うわっ!私、今すっごく寝ぼけてたよね?!」 

***

 

64ぬし z9ftktNqPQ (プーアル茶)2018/04/12() 22:40:02.20ID:ZyNImPVe

28.よーちゃんとちかちゃん -last- 

渡辺母「曜ちゃ~ん!千歌ちゃんたち来たわよ~」 

曜「はーーい!」 


梨子「ねえ千歌ちゃん、ここの歌詞なんだけど。4文字の言葉に変えられないかな?どうも曲との収まりが合わないのよ」 

千歌「4文字?うーん…『味噌カツ』とか?」 

梨子「千歌ちゃん…」 

千歌「わわわ、ごめん冗談だってば!すぐ考えるから!」 

曜「ちかちゃんが味噌カツなんて言うから、お腹空いてきちゃっだなー」 

梨子「ちょっと曜ちゃんまで!まだやり始めてから一時間しか経ってないのよ?」 

曜「あはは、ごめんごめん。でも、誰かさんなんてもう食べ物のことしか頭にないみたいだよ」 

千歌「『オムレツ』…『甘夏』…『キャベツ』…あ、これだと3文字か」 

梨子「~~~っ、……はあ。わかったわよ。じゃあ少し早いけどお昼にしましょう」 

千歌「ほんとに?!やったーーー!!」 

梨子「戻ってきたらちゃんと続きやるのよ?!」 

千歌「わかってるわかってる」 

梨子「まったくもう…ね、曜ちゃん。この辺になにか美味しいお店あるかな?」 

曜「うーん…あ、それならね」 千歌「あ!この辺だったらね、」 


ようちか「「美味しいハンバーグのお店があるよ!」」 



終わり