花丸「ルビィちゃんの寝込みを襲ったら理亞ちゃんだったずら」 1

1ぬし z9ftktNqPQ (プーアル茶)2018/03/26() 21:39:36.49ID:TEkikqek

頂き物のタイトルで書いたss 

 

2ぬし z9ftktNqPQ (プーアル茶)2018/03/26() 21:40:26.13ID:TEkikqek

丑三つ時。 

「丑の刻」――現代で言う深夜1時から3時――を半刻おきに四分割した三つ目、つまり2時から2時半の間を言う。 

その不気味なまでの静けさから、冥界への扉が繋がり、妖しき物々が跋扈すると言われている時間帯。 

ひゅう… ひゅう… 

細く鳴る冬の風は、ひと吹きごとに音と温度を奪っていくかのよう。 

かり… かり… 

枯れ木は風に煽られて家の壁を掻き、心細さを助長する。 

ぐうう… ぐううううう… 

そして私はこの丑三つ時に、 


花丸「お腹が…空いたずら…」 


空腹に耐え切れず目を覚ました。

 

3ぬし z9ftktNqPQ (プーアル茶)2018/03/26() 21:43:40.74ID:TEkikqek

時は冬休み、場所は函館。 

ルビィちゃんと理亞ちゃんのお手伝いをするため、理亞ちゃんのお家に厄介になることになった。 

その初日の夜のこと。 

初夜のこと。 


花丸「ああ…やっぱり晩ごはん足りなかったずら…」 


理亞ちゃん達とご一緒したせいで、少し見栄を張ったのが良くなかった。 

正直、寝る前の歯磨きタイム辺りから既にお腹が鳴りそうだった。 

寝れば収まるかと思ったら全然そんなことないし。 

むしろ最悪に近いタイミングで我慢の限界を迎えてしまった…

 

 4ぬし z9ftktNqPQ (プーアル茶)2018/03/26() 21:44:56.74ID:TEkikqek

鞄の中にのっぽぱんの控えはある。 

ただなー でもなー 

今から食べてまた歯磨きをしに起きるのも面倒くさいし。 

あと今はなんだか塩加減の薄いものが食べたい気分。 

甘ったるいものでお腹と心を満たしたい気分だ。 

のっぽぱんはナシだなーちくしょー… 

いっそなんとか眠り直してしまうのが得策か。 

唸りつつ、寝返り一つ。 


花丸「あ」 


ルビィちゃんを食べちゃえばいっか。

 

5ぬし z9ftktNqPQ (プーアル茶)2018/03/26() 21:46:21.74ID:TEkikqek

善子ちゃんを挟んだ向こう側、扉の最寄りの床敷き布団。 

癖のついた赤毛とうなじが見える。 

性欲と食欲は似ていると聞くし。 

善子ちゃんは眠りがかなり深いほうだし。 

理亞ちゃんは聖良さんのところで寝ると言ってくれたし。 

歯磨きし直す必要ないし。 

それになにより… 


花丸「甘ったるくて美味しいずら♡」 


そうと決まれば決行、決行。 

譲ってもらったベッドを這い出し、跨ぎざまに善子ちゃんの尻を揉んでから、いざルビィちゃんのお布団へ。 


花丸「いっただっきまーすずら」

 

6ぬし z9ftktNqPQ ()2018/03/26() 21:48:31.28ID:Lr/El4V0

背中に寄り添うように布団に潜り込み、首と布団の隙間から腕を差し込んで抱き締める。 

日中の癖が残り、緩やかに左右に分かれた髪。 

その間から覗くうなじに口付けを落とす。 

途端、ぴくりと跳ねる肩。 


「う、ん…」 


もぞもぞと動く脚に脚を絡めて寝返りを阻止する。 

正面からもいいけど、今日は後ろからの気分。 

そのまま右手は右手を絡め取り、左手で髪をすく。 

うなじへの口付けをもう一つ。 

ああ、もう我慢できない。

 

7ぬし z9ftktNqPQ (プーアル茶)2018/03/26() 21:50:53.13ID:TEkikqek

下から上へ、うなじに舌を這わせる。 


「ひゃあんっ」 


再び大きく肩が跳ねるのが早いか、甲高い声が漏れる。 


「な、なな、なにして……?!」 

花丸「ちょっとお腹が空いちゃって。首の周りだけにするから…ね、お願いずら」 

「や、そんな、無理、わたし…んああんっ」 


とりあえず首筋から耳までを舐め上げる。 

はいはい、わかったわかった。 

抵抗してみせる脚も、爪先で撫でてあげればおとなしくなる。 

か細い声で鳴くルビィちゃんを、頂き、頂き、頂いて。 


花丸「…ふうっ。ごちそーさまずらっ♡」 


およそ一時間。 

いそいそと睡眠の続きに舞い戻るのだった。 

………………

………

 

10ぬし z9ftktNqPQ (プーアル茶)2018/03/26() 21:52:53.95ID:TEkikqek

ぱちり。 

今まさに鳴動しようとしたスマートフォンに手を伸ばし、アラームを止める。 


善子「ククク…時間通りの起床。さすがヨハネね…うう、さむ」 


暖房をつけて寝たとは言え、やっぱり朝は冷える。 


善子「温度あげよー…ぐえっ」 


エアコンのリモコンを取るため腰を伸ばそうとしたところで、なにかに邪魔をされて変な声。 

一体なにが…って、 


善子「なんで私の腰に抱き付いてるのよ…」 


寒かったのか、私の布団に転がり込んで、あまつさえ私の腰を抱き枕にするルビィの姿。 


善子「あれ?じゃあこれは…」 


元々ルビィが寝ていたはずの布団も、誰かを包んでこんもりと膨れている。 

ベッドにはずら丸。 


善子「朝よー……って、なんでいるの?」 


おそるおそる布団をめくると、なにかから身を守るかのように背中を丸めて縮こまる理亞の姿があった。 

………………

………

 

11ぬし z9ftktNqPQ (プーアル茶)2018/03/26() 21:55:18.98ID:TEkikqek

聖良「おはようございます。昨晩はよく眠れましたか?」 

善子「ええ。お陰さまで」 

ルビィ「ルビィも!」 

花丸「おらもずら~」 

聖良「それはよかった。さ、遠慮せず召し上がってください。朝ごはんは一日の活力の源ですからね。……おや?理亞がいませんね」 

善子「そういえばなぜか私たちの部屋で寝てたわね、あの子」 

聖良「寝付くときには私の部屋にいたはずなのですが…皆さんとご一緒したかったのかもしれませんね」 

ルビィ「意外と寂しがり屋さんなのかも!」 

理亞「誰が寂しがり屋よ」 

ルビィ「ピギッ?!」 

聖良「理亞、遅かったですね。どうかしましたか?」 

理亞「…なんでもない。姉さまも座って。私たちの分は私がやる」 

聖良「そうですか?じゃあお言葉に甘えて」 

「「「頂きまーす」」」 


もぐもぐチラッ もぐもぐ…チラッチラッ 


善子「…理亞。ずら丸になにか言いたいことでもあるの?」 

理亞「っ?!べ、別になにもないけど?!」 

花丸「ずら?」 

善子「そう?ごめんなさい、私の勘違いだったみたい」 

理亞「変なこと言わないで!」 

善子 (なにかあると言わんばかりの露骨な反応ね…心当たりがあるわけでもないし、別にいいんだけど

善子「理亞、お味噌汁のお代わりちょうだい」 

理亞「は?なんで私が」 

善子「あなたが一番近いんだもの」 

理亞「大差ないでしょ。自分でやって!」 

善子「え~…」 

………………

………

 

14ぬし z9ftktNqPQ (プーアル茶)2018/03/26() 22:00:33.33ID:TEkikqek

善子「今日はどうするの?」 

ルビィ「えっと…歌詞作りの続きと、衣装のアイディアを考えるのと、おねいちゃん達への招待状を書くのと、」 

理亞「待って。招待状は最後でいいでしょ。それより曲作りと、ライブの演出を考えるのと、それから」 

花丸「そもそもライブにはもう出られるって確定したずら?」 

ルビィ「ピギャ!そうだった、申込用紙を取りにいかなきゃ…」 

理亞「会館の場所は私が知ってるから、取りにいってる間にルビィは」 

善子「そういうのはネットから申し込めると思うけど」 

花丸「はあ~~そういうのもあるんずらねえ…」 

理亞「だったら申込は私がやるからその間にルビィは」 


善子「…やることを洗い出したほうがよさそうね」 

………………

………

 

16ぬし z9ftktNqPQ (プーアル茶)2018/03/26() 22:05:13.62ID:TEkikqek

理亞「う~ん…」 

花丸「悩んでるずら?」ヒョコ 

理亞「うわああああっ!!」 

花丸「さっきから同じ部屋にいるのに、そんなに驚かなくてもいいずら」 

理亞「お、驚いたっていうか、おまえっ、わた、私の後ろに立たないで!」 

花丸「ずらあ…」 

ルビィ「もー、理亞ちゃん。ルビィ以外とも仲良くしなきゃだめだよ」 

理亞「う、うるさい。このずら子は危険だから」 

花丸「傷付くずら」 

善子「なによ、ずら丸。あんた理亞になんかしたの?」 

花丸「えー?まるはなにも…」 

理亞「そ!その話はいいから、さっさと作業に戻って!」 

花丸「はーい。…ねえ善子ちゃん、これクリックしても反応しないんだけど」カチッ 

善子「え? ああ、こういうときはダブルクリックしないと…」カチカチッ 

理亞「………………」 

………………

………

 

17ぬし z9ftktNqPQ (プーアル茶)2018/03/26() 22:08:27.66ID:TEkikqek

善子「聖良さん、この辺にパン屋はありますか?うちの国木田がパンを食べたがって仕方なくて」 

聖良「パン屋ですか。そうですね…この辺だと、大三坂に天然酵母のパン屋がありますよ」 

善子「あいつぱさぱさしたやつ好きそうだしなあ…うん、そこに行きたい。道を教えてもらえませんか?」 

聖良「うちからなら一回曲がるだけで行けますからね。簡単に地図をお描きしましょう」 

善子「ありがとうございます」 


シャーッ カリカリ カキカキ… 


善子「あの、聖良さん」 

聖良「なんですか?」 

善子「理亞って昔からあんな…つんつんしてたのですか?」 

聖良「そうですね…前は今ほどではなかったと思います。私以外に対してあそこまで態度がかたくなったのは、うーん…私が中学校に進学したくらいからでしょうか。物心ついて以降はずっと一緒にいたのが、学校が離れたことでその時間が極端に減ったせいかもしれません」 

善子「ふうん…なるほどね」

 

18ぬし z9ftktNqPQ (プーアル茶)2018/03/26() 22:11:35.19ID:TEkikqek

善子「後ろに立たれるのが嫌とか、そういうことは?」 

聖良「そんな、どこぞの殺し屋じゃないんですから。私が知る限り、特にそんなことはないと思いますが…またなにか失礼がありましたか?」 

善子「あ、いえ。なんでもないんですけど」 

聖良「気難しい子ですが、仲良くしてあげてください。ああ見えても皆さんが泊まっているのをすごく喜んでいるみたいですから」 

善子「そうなのですか?」 

聖良「ええ。分かりづらいですけどね。…はい、地図できましたよ」 

善子「あ、ありがとうございます」 

聖良「うちを出たら左に真っ直ぐ進んで、左手に茶寮がある十字路を左折してください。足元のタイルが変わるのを目印にしてもよいかもしれません」 

善子「なにからなにまで恐縮です」 

聖良「これくらいは」 

善子「お礼になにか買ってきますね」 

聖良「ではレーズンパンをお願いします」 

善子「わかりました。行ってきます」 

………………

………

 

19ぬし z9ftktNqPQ (プーアル茶)2018/03/26() 22:15:29.63ID:TEkikqek

理亞「ルビィ、衣装は?」 

ルビィ「うん、良い感じ…だと思う」 

ルビィ「理亞ちゃんも歌詞どう?」 

理亞「任せて。こっちも良い感じ」 


コンコン 


聖良「やはりまだ起きていましたか」 

理亞「あ…姉さま」 

聖良「頑張りたい気持ちは分かりますが、あまり無理をしてはいけませんよ」 

理亞「うん、気を付ける」 

聖良「じゃあ私はそろそろ寝ますね」 

理亞「あ…うーん…それなら私ももう寝る。姉さま、歯磨きしてくるから待ってて」 

聖良「ふふ。せっかくですし、理亞はこっちでルビィさん達と一緒にお休みなさい」 

理亞「えっ。や、私は姉さまの部屋で」 

聖良「それでは、また明日」バタン 

理亞「あっ…」 

理亞 (…ずら子はもう寝てるし、大丈夫か。ルビィにくっついて寝ればいいや

………………

 

………

 

20ぬし z9ftktNqPQ (プーアル茶)2018/03/26() 22:18:40.93ID:TEkikqek

「あっ…だめ、やめて…っ」 

花丸「からだは嫌がってないずら」 


今晩も、やっぱりお腹が空いて目が覚めてしまった。 

知らない土地でナイーブになってるのかもしれない。 

一人じゃなくてよかった。 

頼れる仲間、大好きな友達。 

ルビィちゃんも嫌々と言いつつも、抵抗に力がない。 

マゾっぽいしね。わかるわかる。 


花丸「痕はつけないから大丈夫ずら」 

「あっあっ…やあん……んんんっ」 


必死に抑えてるからか、夜は声色が違って聞こえる。 

これはこれで支配欲が満たされる感じがして…イイ。 

自分の中にそんな欲求があったとは驚きだけど、人はみな誰しも己が知らない面を持っているもの。 

今宵、一つ大人になったということだ。 


花丸「…ふう。ごちそーさまずらっ♡」 

***

 

22ぬし z9ftktNqPQ (プーアル茶)2018/03/26() 22:21:41.31ID:TEkikqek

ぱちり。 

内なる咆哮を発しようとしたスマートフォンを片手で制す。 


善子「ククク…今日も良い目覚め♪」 


普段ならスヌーズとの連戦が繰り広げられるところ、函館に来てからというもの朝の調子がすこぶる良い。 

そして、はたと気が付く。 


善子「ああ…私、場所が変わって深く眠れてないのか…」 


すっきり目覚めたくせにどこかぼんやりとするのは、きっとそういうことなのだろう。 

それでもよく眠れるのは、 


善子「…これが原因かしらね」 


昨日と変わらず腰に引っ付いているルビィ。 

暖かいし、密着してると安心もするし。 


善子「それで、こっちも今朝もいるのね」 


ルビィの布団には、なぜか相変わらず縮こまった理亞。 

一体なんなのだろう… 

………………

………

 

23ぬし z9ftktNqPQ (プーアル茶)2018/03/26() 22:25:36.81ID:TEkikqek>>32

タタタ… 


ルビィ「あ、理亞ちゃんいた~」 

理亞「ルビィ…」 

ルビィ「案外お寝坊さんなんだね!聖良さんが、朝ごはんできたからって。行こ」 

理亞「…起こして」 

ルビィ「うゆ?」 

理亞「あ、脚に力が入らなくて……起こして」 

ルビィ「変な体勢で寝ちゃったんでしょー。はい、掴まって」 

理亞「…ありがと」 

ルビィ「理亞ちゃん、大丈夫?」 

理亞「え、なにが?」 

ルビィ「ちょっとお顔が赤いよ。お熱あるのかな」 

理亞「うそ…いや、なんでもないと思うけど…」 

ルビィ「念のため、後で聖良さんに体温計借りよ」 

理亞「うん」

 

24ぬし z9ftktNqPQ (プーアル茶)2018/03/26() 22:28:42.70ID:TEkikqek>>31

聖良「おはようございます、理亞。ルビィさん、ありがとうございます」 

理亞「おはよう、姉さま」 

聖良「ごはん、よそっておきましたよ。ルビィさんもそちらに。さあ頂きましょう」 

「頂きます」「頂きます」「いただきます」 

「頂いてます」「おらも」 


もぐもぐチラッ もぐチラッもぐもぐ…チラッ チラッもぐもぐ… 


善子 (なんか頻度が上がってるわね…視線の対象は変わらずずら丸

ルビィ「あ!せいらさん、後で理亞ちゃんのお熱を計りたいです」 

聖良「熱ですか?そういえば、顔が赤いですね。理亞、優れない部分はありませんか?」 

理亞「う、うん…からだはなんともないんだけど」 

聖良「昨日も遅かったですからね。ごはんを食べ終えたら計りましょうか」 

花丸「きっと夜のうちにお布団を蹴散らしちゃったんずら」 

理亞「う!ううううるっさい!!おまえが言うな!」 

花丸「ずら?!おらはお布団ちゃんと着てたずら…」 

善子 (…やっぱりずら丸となんかあったのかしら

………………

………

 

25ぬし z9ftktNqPQ (プーアル茶)2018/03/26() 22:32:18.88ID:TEkikqek>>30

理亞「今日中に歌詞を完成させる!」 

ルビィ「させるびぃ!」 

善子「…それなに?」 

理亞「宣言よ。強く意識して宣言することで、理想通りの結果を呼び込むの」 

善子「へえ。セイントスノーの儀式?」 

理亞「Saint Snow のっていうか、姉さまと私の。小さい頃からのおまじないみたいなもの」 

ルビィ「二人の大切なもの、ルビィもやってよかったの?」 

理亞「…ルビィは良い。結構良い奴だから」 

ルビィ「えへへ…ありがとう理亞ちゃん!」 

理亞「は、早く取り掛かろう。宣言したからには絶対成功させるんだから」 

ルビィ「うん!がんばるびぃ!」 

理亞「出た…必殺技」 

ルビィ「これ理亞ちゃんにもあげよっか?」 

理亞 (………「がんばりあっ!」

理亞「いらない。ださいし」 プイッ

ルビィ「ピギャ?!」 

………………

………

 

26ぬし z9ftktNqPQ (プーアル茶)2018/03/26() 22:36:24.96ID:TEkikqek>>29

花丸「パン買ってきたずら~」 

善子「あんたいないと思ったら…昨日のとこ?」 

花丸「うん。すっごく美味しくて、気に入っちゃった」 

善子「にしたって買い過ぎでしょこれ」 

花丸「みんなの分だよ!おら一人で食べるわけじゃないずら」 

ルビィ「もうお昼だもんね。ごはんにしよっか」 

善子「私これもーらいっ」ヒョイッ 

ルビィ「あ!それルビィも食べたい!」 

善子「勝負の世界は非情なものよ…」 

ルビィ「じゃあこれ貰っちゃうもん」ヒョイッ 

善子「にゃ?!うう…ルビィ!半分こ!」 

ルビィ「うんっ」 

理亞「こんな大量のパン…初めて見た」 

花丸「普段パンはあんまり食べないずら?」 

理亞「そ!そんなことないけど…」ススス… 

花丸「なんで離れるずら」 

理亞「別に……これ貰おう」ガサ 

花丸「おらもそれ食べてるとこずら!美味しいよ」 

理亞「やっぱりやめとこう」スッ… 

花丸「ずらあっ?!」 

………………

………

 

27ぬし z9ftktNqPQ (プーアル茶)2018/03/26() 22:39:27.95ID:TEkikqek>>28

ルビィ「できた!!」 

理亞「うん。凄く良い!」 

ルビィ「衣装案も形になったもんね。これならなんとか間に合うかな」 

理亞「きっと間に合う。間に合わせる」 

ルビィ「うんっ!」 

理亞「でも…衣装作りまで視野に入れると、かなり怪しいかもしれない」 

ルビィ「それは大丈夫」 

理亞「え?」 

ルビィ「Aqoursにはね、おねいちゃん以外にも頼れるお姉さんがいっぱいいるの!衣装は心配しないで」 

理亞「う、うん…わかった」 

ルビィ「振付は、理亞ちゃんのやつがあるもんね」 

理亞「思い付いたのを書き殴っておいただけだけど、これで本当に役に立つかな」 

ルビィ「大丈夫だよ!曲のイメージができたから、それに合わせてところどころ変えていけばいいはずだよ」 

理亞「なんか…ルビィは凄いな」 

ルビィ「え?」

 

33ぬし z9ftktNqPQ (プーアル茶)2018/03/26() 22:43:14.57ID:TEkikqek>>34

理亞「私はいつも姉さまの後をついてきた。スクールアイドルにしても、それ以外にしても。だから、なにかを自分で作ったり決めたりするのが、すごく怖い。間違ってるんじゃないか、変なんじゃないかって、いつも怖い」 

ルビィ「理亞ちゃん…」 

理亞「それなのに、ルビィは凄い。口では怖いって言いながら、ちゃんと自分で決めて、動いて。私なんかよりずっと強いんだね」 

ルビィ「それは…ちょっと違うの」 

理亞「違う?」 

ルビィ「うん。ルビィも理亞ちゃんと同じで、いつだっておねいちゃんの後ろを追い掛けてきただけだから。なにか一人でするのは怖いし、嫌なの。それでもやってみたいって、やってみようって思えるのは、みんながいるから」 

理亞「みんな、って…」チラッ 

ルビィ「そう。Aqoursのみんな。ルビィ一人じゃなんにもできない。でも、足りないところを補ってくれて、間違ってたら間違ってるって言ってくれる…そんなみんながいるから、怖くても大丈夫なの。踏み出せるの。だから、凄いのはルビィじゃなくてAqoursのみんななんだよ」 

理亞「私には…姉さま以外に信じられる仲間って、いないな…」 

ルビィ「できるよ!」 

理亞「えっ」 

ルビィ「まだ見付かってないだけ、まだ出会ってないだけだよ!理亞ちゃんに本当に仲間が必要になったときには、絶対に見付かるから!」 

理亞「ルビィ…ありがとう」 

ルビィ「うゆっ!」

 

35ぬし z9ftktNqPQ (プーアル茶)2018/03/26() 22:47:05.55ID:TEkikqek

コンコン 


聖良「私はそろそろ寝ますよ」 

理亞「あっ、姉さま」 

ルビィ「ルビィたちももう寝ます!」 

聖良「静岡のほうには、まだお戻りにならないのですよね?」 

ルビィ「は、はい。おねいちゃんたちにも連絡して、もう少しこっちにいるねって」 

聖良「親御さんにお話しされているのなら、私たちは構いませんので。納得できるまで、ゆっくりされていってください」 

ルビィ「ありがとうございます!」 

聖良「それでは、私は部屋に引っ込みますね」 

理亞「あ、姉さま…」 

聖良「どうしました?理亞」 

理亞「えっと……ううん、なんでもない。お休みなさい」 

聖良「お休みなさい。また明日」 

ルビィ「今日も一緒に寝られるね!」 

理亞「う、うん…」ドキドキ… 

………………

………

 

36ぬし z9ftktNqPQ (プーアル茶)2018/03/26() 22:52:42.41ID:TEkikqek

ごそ…ごそ… 


理亞 (っ!き、来た?!

理亞 (ルビィ…ルビィガードを…って、あれ?!いない?!さっきまでそこらへんに転がってたのに!

理亞 (待ってこれじゃ身を守るものが…予定とちが――

花丸「お邪魔しまーすずら」スルスル 

理亞「 」 


ぬる… ゾワッ 

つつつ… ゾクゾクッ 

ちゅ… ビクッ 


理亞「あああ…だ、めえ…ふあ…」 

理亞 (だ、だめ…力が入らない…頭も回らない…なにも考えられない…

理亞 (どうして?どうして毎日ずら子は私にいたずらするの?

理亞 (一昨日、いつもの癖でトイレからこっちの部屋に戻ってこず、ちゃんと姉さまの部屋に戻っていれば…こうはならなかったの?

理亞 (あ…あああ………だめ…


理亞「……ああああんっ」 

………………

………

 

37ぬし z9ftktNqPQ (プーアル茶)2018/03/26() 22:56:51.07ID:TEkikqek

花丸「お邪魔しまーすずら」 


ベッドから下り、善子ちゃんを跨ぎ、ルビィちゃんのもとへ。 

なんだか函館の夜の恒例になってきた感じ。 

ぶっちゃけ今日は別にお腹も減ってないけど、ただただルビィちゃんを頂きたくなってしまった。 

うなじや首筋、耳の心地も…随分と舌になじんできた。 

もう…ルビィちゃんナシでは眠れないからだに…っ、なんて。 

…ん? 


花丸「起きてるずら」 

「っ!」 


触れる直前、ふと気付いた。 

案の定、びくりと肩が跳ねる。 


花丸「なあんだ、待ってたずらね」 

「だ、誰も待ってなんか…」 

花丸「お待たせずら♡」 

「んあっ」 

………………

………