1ぬし ◆z9ftktNqPQ (プーアル茶)2018/04/07(土) 16:56:46.59ID:dnjAsJ7q
よろしくお願いします、とのメッセージ。
こちらこそ、と返信し終えるのを待っていたかのように。
♪
理亞『着いた』
淡白なメッセージ。
そっけないわけでも怒っているわけでもない、彼女の標準。
すっかり慣れたその淡白さは意にも介さない。
花丸『出口のところのいすに座ってるよ』
すまーとふぉんをしまい、これからの時間につい頬が弛む。
やがて流れ始めた人の群れに目を凝らす。
ぴょこぴょこと揺れる二つ結びを発見して、腰を上げる。
花丸「理亞ちゃん」
理亞「あ、花丸!」
今日は理亞ちゃんとお出掛けです。
………………
………
2ぬし ◆z9ftktNqPQ (プーアル茶)2018/04/07(土) 16:58:04.18ID:dnjAsJ7q
理亞 ジッ
花丸「どうしたの?」
理亞「…私の、使えるのかな」
ピッ ピッ ピッ
花丸「ああ、電車のカード?理亞ちゃんも持ってるの?」
理亞「持ってる」サッ
『ICAS nimoca』
花丸「イカす名前だね」 コクッ
理亞「いかにも」 コクッ
花丸「まるは善子ちゃんが旅行のときに買ったやつを貰ったずら」サッ
『ICOCA』
理亞「それじゃ行こうか」
花丸「ずら」
ピッ ピッ
………………
………
3ぬし ◆z9ftktNqPQ (プーアル茶)2018/04/07(土) 16:59:25.08ID:dnjAsJ7q
ガタゴト
『次は――』
ジッ
花丸「理亞ちゃん、どうかした?」
理亞「変わった駅名が多いなって」
花丸「そうだね。この線の駅名には隠された物語があるって、善子ちゃんが熱弁してたずら」
理亞「隠された物語?」
花丸「なんでも、かつていた天使の世界へ帰る道のヒントだとか」
理亞「どんなの?」
理亞 (天使の世界?)
花丸「糀深く立ち込める谷を抜け、神の御御足たる大鳥居を潜り、稲荷神に頭を垂れると、天空に至る橋が架かり、やがて翼を授かり飛び立てる――だったかな」
理亞「…色々とすごい」
花丸「まあ、善子ちゃんだから…」
理亞「糀って谷に立ち込めるものなの?かびでしょ」
花丸「まあ、善子ちゃんだから……」
………………
………
4ぬし ◆z9ftktNqPQ (プーアル茶)2018/04/07(土) 17:00:21.34ID:dnjAsJ7q
『ダアッ、シェイエスッ』
プシュー ガコン
理亞「……ん?大変花丸!この電車、逆戻りしてる!」
花丸「このことだったずらね…」
理亞「なにが?」
花丸「善子ちゃんから聞かされてたずら。この電車に乗って10分くらいしたら異界に迷い込む、って」
理亞「異界?」
花丸「線路の形がひらがなの『て』みたいになってるから、Uターンするような動きを取るらしいずら。乗り慣れてないと、来た道を戻る感覚で進むのにびっくりしちゃうんだって」
理亞「そういうこと…。でも、津島善子は変なこと言いながらもちゃんと解説してくれるんだね」
花丸「ううん。これは一緒に聞いてたルビィちゃんが必死に調べて教えてくれたの」
理亞「…………」
………………
………
5ぬし ◆z9ftktNqPQ (プーアル茶)2018/04/07(土) 17:01:24.75ID:dnjAsJ7q
『――、――です』
花丸「おりるよ、理亞ちゃん」
理亞「ここになにかあるの?」
花丸「うん。軽くおやつ食べていこ」
理亞「…意外」
花丸「え?」
理亞「花丸が東京に慣れてるとは思わなかった」
花丸「えへへ…みんなで何回か来たときに色んなところ回ったからね。あと、これがあるから」スッ
『魔都歩きのしおり』
理亞「…津島善子?」
花丸「監修はね。でもAqoursのみんなと、千歌ちゃんのお姉さんたちも協力してくれたずら。泊まりにきたお客さんからお勧めを聞いてくれたりなんかして」
理亞「そっか。みんな優しいね」
花丸「うん!…あ、理亞ちゃん。改札を出るのにまたカードが必要だよ」サッ
理亞「知ってる!」サッ
花丸「こっちでも使えたから安心だね」
ポーン 花丸「?!」
ポーン 理亞「?!」
………………
………
6ぬし ◆z9ftktNqPQ (プーアル茶)2018/04/07(土) 17:02:27.85ID:dnjAsJ7q
理亞「近いの?」テクテク
花丸「うん。10分も歩かないって」テクテク
理亞「地図も描いてあるんだ」
花丸「目につきやすい目印しか描き込まれてないから、普通の地図より断然読みやすいずら。こっちに曲がるって」
テクテク…
花丸「着いたずら!」
理亞「和菓子屋?」
花丸「そう。美味しいお汁粉が食べられるらしいずら~」ジュル
理亞「へえ…私に和菓子で挑もうなんて、良い度胸ね」
花丸 (なんか変なスイッチ入った…って、)
花丸「あ!理亞ちゃんのとこ和菓子屋さん…」
理亞「行こう、花丸。腕を確かめてやる」
花丸 (失敗だったかな…)
7ぬし ◆z9ftktNqPQ (プーアル茶)2018/04/07(土) 17:03:31.87ID:dnjAsJ7q
ー風情のある和菓子屋ー
理亞「たのもう!」ガラッ
花丸「こ、こんにちは…」
店員「?? いらっしゃいませ…」
理亞「腕を確かめにきました」
花丸「あの、お汁粉を頂きにきました…」
店員「……ああ、はい。こちらに」ニコッ
花丸 (プロだ…)
理亞「お汁粉しかメニューないの?」
花丸「豆かんとおこわもあるみたいだね。お汁粉は粒あんとこしあんを選べるずら!」
理亞「もちろんこしあん」
花丸「まるは粒あんにしようかな」
理亞「?! お汁粉といえばこしあんでしょ?!」ガタッ
花丸「あわわわ…ほら、違うのを頼めば分けっこできるずら。ね?」
8ぬし ◆z9ftktNqPQ (プーアル茶)2018/04/07(土) 17:04:35.28ID:dnjAsJ7q
理亞「なるほど…それなら苦手な方だったからって言い訳されずに済むね」
花丸 (なんでこんなに尊大なの…)
花丸「すみません、粒あんのとこしあんの一つずつ下さい」
店員「かしこまりました。おこわはよろしいですか?」
理亞「へえ。よっぽど自信があるのね」
店員「はい?」
花丸「なんでもありません!」アワアワ
理亞「そこまで言うのなら貰おう。ね、花丸」
店員「は、はあ…」
花丸「ごめんなさいごめんなさい、おこわも一つずつお願いします」
店員「かしこまりました」ニコッ
花丸 (良い人でよかった…)
9ぬし ◆z9ftktNqPQ (プーアル茶)2018/04/07(土) 17:05:40.23ID:dnjAsJ7q
店員「お待たせしました」
花丸「わああ…お米がきらきら輝いてるずら!」
店員「お米はうるち米ともち米を使用しています」
花丸「二種類も!贅沢ずら~~」
店員「栗と豆類を一緒に炊き上げていますので、風味と食感もお楽しみいただけます」
花丸「栗もお豆も大好きずら~~~♡」
理亞 (テンションが上がると『ずら』が頻出するんだ)
店員「お汁粉はもう少々お待ちください」
花丸「いただきま~すっ」
理亞「いただきます」
モグ…モグ…
花丸「美味しいずら!」パアアッ
理亞「…うん、まあまあ」
花丸「お米がもちもちしてて、栗は甘くてお豆はさっぱりしてて、全然飽きないずら!」モチモチ モグモグ
理亞「…………」モチモチ モグモグ
花丸 (黙々と食べてる。これは合格ってことかな?)
10ぬし ◆z9ftktNqPQ (プーアル茶)2018/04/07(土) 17:07:10.99ID:dnjAsJ7q
店員「お待たせしました。こちらが粒し餡と、こちらが漉し餡です」
花丸「お待ちかねずら!」
理亞「こしあんに白玉…ふん、普通ね」
花丸「奇抜なお汁粉を食べたくて来たんじゃないから…」
理亞「いただきます」
花丸「いっただっきま~~す!」
モチ…モチ…
花丸「美味しいずら!!」パアアッ
理亞「…悪くない」モチモチ…
花丸「まるの方食べる?」
理亞「粒あんのお汁粉なんか飲まない」
花丸「わざわざ二種類頼んだのはなんだったずら…」ズズ…
花丸「お汁も美味しい!小豆が大っきくて嬉しいずら♡」
理亞「小豆が大きいって…わかるけど…」ズズ…
理亞「…美味しい」
………………
………
11ぬし ◆z9ftktNqPQ (プーアル茶)2018/04/07(土) 17:08:15.36ID:dnjAsJ7q
ブゥゥン…
理亞 ジッ
花丸「理亞ちゃん、バス好きなの?」
理亞「別に。…関東には変な地名が多いなって」
花丸「函館にも変わった地名くらいあるずら」
理亞「ないよ」
花丸「ほら、うーん…倶知安(くっちゃん)とか」
理亞「倶知安は函館じゃない!全然違う!」
花丸「そうなの?でも北海道ずら」
理亞 キッ
花丸 ビクッ
理亞「函館と北海道は、別」
花丸「そ、そう…」
………………
………
12ぬし ◆z9ftktNqPQ (プーアル茶)2018/04/07(土) 17:09:25.41ID:dnjAsJ7q
花丸「イタリアに寄っていくずら」
理亞「イタリア?」
花丸「しおりによると、近くにイタリアがあるんだって」
理亞「…なに言ってるの?」
花丸「だってしおりが…」シュン
理亞「津島善子監修だからあてにならないね」スタスタ
花丸 (善子ちゃん、理亞ちゃんになにかしたのかな…)
ーイタリアのような町並みの場所ー
花丸「ふわーーー!イタリアずら~~~!!ね、ね、理亞ちゃん。イタリアずら!」
理亞「い、イタリアには行ったことないからよくわからない」ソワソワ
花丸「見て回るずら!」ギュッ
理亞「あ、ちょっと花丸…」//
花丸「行こっ♡」
理亞「…うん」
13ぬし ◆z9ftktNqPQ (プーアル茶)2018/04/07(土) 17:10:32.05ID:dnjAsJ7q
花丸「このへん一帯がイタリアみたいな町並みしてるんだね」
理亞「なんで東京にイタリアを作ったんだろう」
花丸「たまには歩いて海外旅行に行ってみたかったんだよ」
理亞「そんなこと思ったことない」
花丸「でも、歩いてこんなところに来られちゃうなんて素敵だね。絵本の世界に迷い混んだみたいずら」
理亞「私、そもそもここに来るのに飛行機乗った」
花丸「夢のないことを言わないで…」
理亞「事実だし。…あ、テラス席でコーヒー飲んでる」
花丸「しゃんぜりぜずら~」
理亞「シャンゼリゼ通りはパリだよ」
花丸「細かいことは気にしないずら」
理亞「細かいかな…国が違うんだけど」
花丸「どっちもヨーロッパずら!」
理亞 (おおらかな考え方だなあ)
理亞「でも、楽しい。花丸と一緒だからかな」
花丸「えへへ…まるも楽しいよ」
理亞「遠かったけど、東京に来てよかった」
花丸「あ、そういえばここ東京じゃないよ」しれっ
理亞「?!」
………………
………
14ぬし ◆z9ftktNqPQ (プーアル茶)2018/04/07(土) 17:11:34.91ID:dnjAsJ7q
理亞「途端に普通の道になったね」
花丸「夢の終わりは儚いものずら」
理亞 (詩人だ…)
理亞「これからどうするの?」
花丸「また電車に乗って、次こそ東京に行くよ」
理亞「駅あっちじゃないの?」
花丸「ふふ…東京に向かう前に、次は中国を見ていくずら」
理亞「へえ。中国もあるんだ」
花丸「今度はあっさりしてるね」
理亞「イタリアに行った後だし。花丸と一緒なら怖くもないし」
花丸 (中国は一人だと怖いってことかな?)
理亞「ここから歩くの?」
花丸「もう少しずら。もう見えてるけどね」
理亞「えっ。どこ?」キョロキョロ
花丸「ふふ…」
15ぬし ◆z9ftktNqPQ (プーアル茶)2018/04/07(土) 17:12:39.53ID:dnjAsJ7q
ー中国のような景観の建物(の前)ー
理亞「なに…これ…」
花丸「かつて中国に存在したという伝説のスラム街を模した建物らしいずら…」
理亞「なんか怖い」ギュ
花丸「まるも」ギュ
理亞「これ、入るの?」
花丸「ううん、入るつもりはないよ。…というか、18歳未満は立入禁止なんだって」
理亞「絶対やばい建物じゃん!早く行こう」クイクイ
花丸「…あ、誰か入っていくずら」
ヴィーーーーン…プシュウウウウウッッ!!
花丸「ひっ?!」
理亞「なんの音?!」
花丸「ま、魔窟ずら…おいとましよっか」ソソクサ
理亞「うん」コクコク
スタスタ…
………………
………
16ぬし ◆z9ftktNqPQ (プーアル茶)2018/04/07(土) 17:13:42.77ID:dnjAsJ7q
理亞「花丸」
花丸「ずら?」
理亞「見て。猫がいる」
花丸「うん、いるね」
理亞「猫がいるんだ…」
花丸「そりゃ猫くらいいるよ」
理亞「ねこ…」
花丸「そんなに珍しいものでもないずら。函館には猫っていないの?」
理亞「ばかにしないで!猫くらいいる。昨日も10匹見た」
花丸「ええ……」
理亞 チラチラッ ソワソワ…
花丸「もう少し見ていく?」
理亞「うん!」
………………
………
17ぬし ◆z9ftktNqPQ (プーアル茶)2018/04/07(土) 17:15:38.01ID:dnjAsJ7q
理亞「花丸、花丸」
花丸「なに?理亞ちゃん」
理亞「これなに?」
花丸「なにって、ガチャポンずら」
理亞「なにそれ」
花丸「理亞ちゃん、ガチャポン知らないずら?」
理亞「うん。自動販売機?」
花丸「似てるけど違うよ。やってみる?」
理亞「やりたい!」
花丸「百円玉をここに入れて、回すずら」
ガチャ ポン
理亞「なんか出てきた」
花丸「それが景品だよ」
理亞「なに買うか選んでないんだけど」
18ぬし ◆z9ftktNqPQ (プーアル茶)2018/04/07(土) 17:16:49.96ID:dnjAsJ7q
花丸「ガチャポンはそういうものずら。ランダムなんだよ」
理亞「くじなの?」
花丸「そんな感じずら。開けてみて」
パカッ
理亞「鳥のおもちゃだ!」
花丸「可愛いね。まるもやってみよ」ガチャ ポン
理亞「なんだった?」
パカッ
花丸「猫ずら」
理亞「猫…」
花丸「いる?」
理亞「いいの?!…でも悪いよ、それは花丸のやつだし」
花丸「じゃあ代わりに理亞ちゃんの鳥さんちょうだい。交換っこずら」
理亞「うん!」パアアッ
花丸 (可愛いなあ)
………………
………
19ぬし ◆z9ftktNqPQ (プーアル茶)2018/04/07(土) 17:18:12.39ID:dnjAsJ7q
理亞「花丸」
花丸「どうしたの?」
理亞「この辺にはエイガってあるの?」
花丸「エイガ?映画館?あるよ」
理亞「行ってみたい!」
花丸「理亞ちゃん、映画観たことないずら?」
理亞「A-RISEのドキュメンタリーは映画に入る?」
花丸「映画館で上映されたなら、たぶん…」
理亞「姉さまと家で観たからよくわかんない」
花丸 チラッ
花丸 (時間は…別に予定が詰まってるわけでもないし平気かな)
花丸「じゃあ観ていこっか」
理亞「いいの?!」
花丸「うん。理亞ちゃんのしたいことしよ」
理亞「花丸だいすき!」
花丸「だいすき頂きました」
………………
………
20ぬし ◆z9ftktNqPQ (プーアル茶)2018/04/07(土) 17:19:57.28ID:dnjAsJ7q
ー普通の映画館ー
理亞「私、エイガに来たの初めてなんだけど…どうすればいい?」
花丸「まずなにを観るか選ぶずら。あそこに貼ってあるやつで、気になるのある?」
理亞「…………」ジーーーーッ
理亞 (すごく真剣だ…)
理亞「あれがいい。黒髪の人のやつ」
花丸「『北の海まで』ずらね。まるも詳しくないけど、任侠ラブロマンスというジャンルらしいずら」
理亞「任侠でラブロマンスなの?」
花丸「任侠でラブロマンスずら」
理亞「おもしろそう!早く行こっ」ギュ
花丸「わわわ、まだチケット買ってないよ~~~!」
………………
………
21ぬし ◆z9ftktNqPQ (プーアル茶)2018/04/07(土) 17:21:26.29ID:dnjAsJ7q
花丸「ちょうどいい時間のがあってよかったね」
理亞「うん」ソワソワ
花丸「理亞ちゃん、お手洗いに行っておかなくて平気?」
理亞「行っておいた方がいいものなの?」
花丸「まるは行くよ」
理亞「じゃあ私も行く」
花丸「なにか買う?」
理亞「買った方がいいものなの?」
花丸「それは好みずら」
理亞「花丸は?」
花丸「うーん…飲み物だけ買おうかな。まる、映画に集中しちゃってポップコーン食べ終われないから」
理亞「ポップコーンとかあるんだ…えっ?!花丸、やめたほうがいい!ここすごく高いよ!詐欺だよこれ!」
花丸「ちょっ理亞ちゃ…そういうもの!そういうものずら!しーっ!しーっ!!」
………………
………
22ぬし ◆z9ftktNqPQ (プーアル茶)2018/04/07(土) 17:22:30.67ID:dnjAsJ7q
――あにさん!姐さんのことは、もう…
――じゃかあしいダボがあ!!
――堪忍して、あんた…うち、やっぱりまるさんのことが…
――ほお~う、そうかい。二人揃って、ワシをこけにしとったんじゃのお!
――あにさん!
花丸 (う~ん…思ったより飽きちゃう展開ずら)
理亞 (有名なシリーズだから面白いかと思ったけど。理亞ちゃん退屈しちゃったかな) チラッ
理亞「だめ…愛し合ってる二人を引き裂くのは、だめ…っ!」
花丸 (ものすごく感情移入してる?!)
理亞「まるにい…」グヌヌ
花丸 (独自の呼び名まで付け始めた?!)
理亞「まるにい…逃げて…早く…っ」
花丸 (…………)
花丸 (楽しんでくれてるみたいだし、まあいいか)
………………
………
23ぬし ◆z9ftktNqPQ (プーアル茶)2018/04/07(土) 17:23:42.16ID:dnjAsJ7q
花丸「結構いい時間になったね」
理亞「もうお昼過ぎなのに、まだ東京にいないなんて…」
花丸 (どういう考え方なんだろう)
花丸「理亞ちゃん、お腹は?」
理亞「まだ平気」
花丸「おこわ食べたもんね。じゃあ移動してからお昼にしよっか」
理亞「ついに東京に!」パアアッ
花丸 (東京に憧れてるだけか、これ)
花丸「ここからだと行き方が二通りあるみたいずら。さっきと違う電車がいい?」
理亞「別に、そこにそんなこだわりはないけど」
花丸「せっかくだから違う方の電車に乗るずら!」
理亞 (自分が乗りたかったやつだ、これ)
花丸「もういっこの電車はあっちずら!」グイ
理亞「はいはい、電車は逃げないよ」
………………
………
24ぬし ◆z9ftktNqPQ (プーアル茶)2018/04/07(土) 17:25:19.75ID:dnjAsJ7q
『――、――に到着です』
花丸「おりるよ、理亞ちゃん」
理亞「うん…」
花丸「どうかした?」
理亞「ここ知ってる。東京で一番おしゃれなとこだ…」
花丸「そうなの?」
理亞「知らずに来たの?!失礼だよ!」
花丸「し、失礼だったかな」
理亞「こんなところ…このわたくしめが一体なんの用で…」ブツブツ
花丸 (また不思議なスイッチが入った)
花丸「大丈夫、大丈夫。お昼ごはん食べにきただけなんだから。気にすることないずら」
理亞「食べてるひまなんかないよ…気を抜いたら、食べ…食べられ…」
花丸 (東京のことなんだと思ってるんだろう)
………………
………
25ぬし ◆z9ftktNqPQ (プーアル茶)2018/04/07(土) 17:26:46.32ID:dnjAsJ7q
花丸「ここでお昼にするずら!」
理亞「お昼にはだいぶ遅めだけどね。…サラダ?」
花丸「うん、サラダだよ」
理亞「花丸。サラダはごはんにならない」
花丸「まるもそう言ったんだけどね、千歌ちゃんとこのお客さんがすごくお勧めしてきたから」
理亞「まあ、いいけど。足りなかったらカフェにでも行けばいいしね」
花丸「ずら♡」
26ぬし ◆z9ftktNqPQ (プーアル茶)2018/04/07(土) 17:28:17.59ID:dnjAsJ7q
ーとてもいい雰囲気のサラダの店ー
理亞「………っ」
花丸「………っ」
理亞 (は、花丸…)
花丸 (?! 脳内に直接…どうしたずら?!)
理亞 (ここ、なんか違う!私がイメージしたサラダと違う!)
花丸 (奇遇ずら!まるも同じこと考えてる!)
理亞 (なによりまず、)
まるりあ ((ものすごくおしゃれ…!!))
花丸 (そして次に、)
まるりあ ((店員さんがみんな爽やか…!!))
店員「いらっしゃいませ。ご注文の方法はこちらに記載いたしております☆」
店員「材料をお選びいただくこともできますし、シグネチャーサラダをご注文いただくこともできます☆」
店員「すっきりした味がお好みでしたら、ドレッシングはレモンタヒニなどお勧めですよ☆」
理亞 (ま、眩しい…)
花丸 (しぐ…ねちゃ…?!)
27ぬし ◆z9ftktNqPQ (プーアル茶)2018/04/07(土) 17:29:30.44ID:dnjAsJ7q
理亞「ふう…注文するだけですごく緊張した」
花丸「理亞ちゃん、レモネードは…」
理亞「頼んだ」
花丸「やっぱり」
理亞「あんなに爽やかに勧められたら断りづらい…のもあったけど、レモネードがおかわり自由って聞いたことなくて、つい」
花丸「まるもだいたい同じ感じずら。でも美味しいよ」チューッ
理亞「うん、美味しい」チューッ
花丸「じゃあ食べよっか」
理亞「うん。いただきます」
花丸「いただきます」
理亞「それにしても、作ってもらってるときから薄々思ってたけど」
花丸「ずら?」
理亞「多いよね」
花丸「…うん、多いね」
理亞「これはお昼ごはんになるね」
花丸「こんなにお野菜をたくさん食べること、滅多にないずら」
理亞「すごく健康的なことしてる気持ちになるね」
………………
………