果南「私のチカと」梨子「私の千歌ちゃん」 裏側

書いたきっかけ

この頃、長く休んでいた同人誌作成を再開しようと考えていました。そこでゆる日常系の四コマ漫画を構想していたのですが、ただ日常を描いていても面白みに欠けるなと感じており、ひっそりと裏で進行するテーマを立てて紛れ込ませようと思い付きました。友情一辺倒の日常の裏で密かに恋愛が進行するのは面白いのではないか、と恋愛要素を組み込むこと自体はすぐに思い至ったのですが、なんだか物足りない。ここらへんから物語を素直一色で作ることをやめ始めた感じです。考えた末、今回のかなりこ(かなりこと呼んでいいものかはわかりませんが)を紛れ込ませることに決めました。表がゆるゆるの日常で、裏では狂気色の強い恋愛が進行するというのは、コントラストが取れていいなと思ったからです。『ひぐらしのなく頃に』のように、気付いたときには手後れになっていた、というほど徐々に日常が崩壊していく系が好きなので、この二人に辿り着いてからは即決でした。

そしてここで、私は気付くのです。

「あれ?そういえば、絵って描けなくね…?」

こうして同人誌の案は呆気なくお蔵入りとなりましたが、全ておじゃんにするのはもったいないということで、かなりこだけを拾い上げて今作を仕立て上げましたとさ。

(混乱のないように付記しておくと、既刊の同人誌は全て小説です)

 

かなりこについて

かなりこと呼びます。それ以外に呼びようもないので。

かなりこというカプを考えてみたとき、どうしても上手く形になってくれませんでした。そもそもなぜかなりこを考え始めたのかは忘れたので言及しませんが、とにかく、この二人が手を取り合い仲睦まじくちんちんかもかもするまでに至る経緯が全く浮かんでこなかったのです。G'sや他の媒体を見ていれば違ったのかもしれませんが、アニメしか追っていなかった当時はそんな状態でした。

それならそこで見切りをつけて他のカプに移ればいいんじゃね、と思いますが、今こうして書いていて真っ先に思いましたが、当時の私はなんとか思考を先へ進めようと頑張りました。しかし、果南と梨子が繋がるとき、間に必ず千歌がいるのです。右手を果南と左手を梨子と繋ぐようにして、楽しそうな千歌が必ずついて回る。千歌ちゃんはいつでも元気だねえ、二人のことが大好きなんだねえ、これはトリオしか成立しないのでは、もう千歌を加えたドロドロ三角形でも書くか、と諦めかけたとき、ひらめきました。

――間に千歌が必要だからといって、千歌本人が必要なわけではないんじゃね。

そこからは本編を読んでいただければわかる通りの、あんな形がするすると出来上がっていきました。さて、この二人、感情は誰にどう向いているのでしょうか。物語の始め~中盤までは間違いなく二人とも真っすぐに千歌を求めていたはずですが、果たして……? 先に感情が変化したのは梨子のように見えますが、皆さんはどう受け取ったでしょうか。教えていただけると嬉しいです。

 

頂いた感想(ラ!板、まとめ、ツイッターから)

・かなりこで千歌っち取り合うの?G's版設定かな珍しい

・ちかなんりこいいぞ~

・闇が深いけど、そこがまたいい

・これは千歌ちゃん病みそう

・ようちか+かなりこの明るい話は見たことあるけどこういうアプローチは新鮮で読んでて楽しかった。かなりこ良いね

・後半めっちゃ怖くなったけど乙

・叙述トリックって言っていいんじゃないのこれ。途中まで千歌ちゃんがせわしなく三人とっかえひっかえでデートしてたのかと思ったよ

・記号で視点が分けられてるのがおもしろい

 →この手法パクりたいぐらい面白いと思った

 →途中読んでてなんだこのポニテって思った。最後らへんで理解したw

・歪みすぎてて草

・なんかドキドキして面白かったわ。個人的にもう少しちかりこ二人だけのシーンが欲しいと感じた。遊びに行ったの三人だったし。屋上の練習中に梨子ちゃんが果南ちゃんの様子に気付くシーンは凄く良かった。なんだろう、文章読んでてゾワってしたよw これとは別になんかちかりことちかなんがイチャイチャするのも読みたい

・歪んだ始まりでも最後はお互いをお互いとして愛するかなりこも見たかった

・ホテルでの髪を乾かすやり取りが素敵だったので純粋なかなりこも見てみたい

・あー、好き。こういう狂愛、クソほど好きなんだけど…でも同時に読んでてクソほどつらいんだよなあ…あー

・なんというか…って感じ

・怖かったわ…

・こういう壊れた恋愛すき

・ホラーSS語ってるやつよりもホラーだったわ