【安価SS】黒澤ダイヤの実況 裏側 2

もくたんちゃんについて

本作の主人公はダイヤさんですが、途中からはダブル主人公制のようになっていたように思います。いわずもがな、もくたんちゃんですね。

初めのうちは、もくたんちゃんをいちキャラクターに仕立て上げようなどというつもりは一切ありませんでした。というか、今も別にないです。ただ、読んでいた方々が存外もくたんちゃんを気に入ってくださったといいますか(ダイヤさんの態度に起因するところも大きいのでしょうけど)、いつの間にか喋るはずのない彼女に発言権が与えられていて、それから徐々にキャラクターとして形成されていった感じですね。

これも本作の特性っぽいかなと思っていて、ポケモンとのクロスパロでありながら物語上の主人公とポケモントレーナーが完全なイコールではないがゆえに起こったのでしょう。どれだけダイヤさんが本気になろうともくたんちゃんの代わりになにかをするということはできなくて、ポジティブな感情もネガティブな感情も画面を隔てて止まってしまい彼女には届かない。そのもどかしさに耐えるシーンもいくつかありましたね。(とは言いつつなんか普通に意思疎通してそうでしたけど)

本編序盤でダイヤさん自身に少し語らせた点でもありますが… 通常、ポケモンをプレイする際には、ポケモントレーナー=自分、という認識を持つものだと思います。セリフらしいセリフが与えられていないのはプレイヤーが自分を重ねやすいように、だとか。しかし、(本作の)ダイヤさんがそんな風にゲームを捉えることができるでしょうか。見た目も違えば出自も生い立ちも違う、ゲームに親しんでいればそんなのは当然というか疑問を挟むという考えがまず思い浮かびもしない点ですが、そういうプレイアブルキャラクターを「自分の分身」と素直に呑み込んで『ダイヤ』と名付けるのかな、と。一方、実機的にはストーリーが始まる前にオダマキ博士から『キミの名前を教えてくれるかい』と訊かれて名前をつけるはずなので、それを思えばノータイムで『ダイヤ』と返すだろうな、とも考えていました。

結局、キャラクターネームを『もくたん』(『ダイヤ』以外)にすることにした決め手は、表現上の問題でした。ゲーム内の主人公の行動を記述する際にキャラクターネームが『ダイヤ』だと、ダイヤさんのことなのかキャラクターのことなのか混同してしまい読みづらく(書きづらく)なるかな、と懸念したためです。また、「名前ダイヤだし『もくたん』でいいやろ」とわりかし適当に決めた名前だったため、由来を求めるコメントが来始めてちょっと焦りました。しばらくそのコメントを無視していたのはそれが大きな理由です。とは言え、恐らく喜んで語りたがるわけではなさそうなキャラクターネームの由来を、ダイヤさんがコメント一つに促されてあっさり話すかな、と思い、追い込まれて仕方なく話す感を演出するために同じ旨のコメントが溜まるのを待ったという側面もありました。(あまり飛んでこなければ、善子の戯れ言としてさらっと受け流してしまい由来については話すことなく進む、という展開も有り得たと思います)

産まれこそ(色々な面で)雑なもくたんちゃんですが、やがていちキャラクターとして成長していくにつれて、ダイヤさんのメンタルやモチベーションを強く支える存在になってくれました。読み手の方々の中でも存在が確立してきたことは如実に感じていましたし、彼女が関わるとダイヤさんが面白くなるというか、結構ぐいっと表情が変わるようになったので、適度に関わってくれることはむしろ心地よくなっていました。そうしているうちに「ああ、このコもこのSSになくてはならないキャラクターなんだな」というのがわかって、後半は積極的に関わらせていったように思います。私はたまにSSにオリキャラを採用するのですが、もくたんちゃんをオリキャラと言うかどうかは微妙なラインとして、ここまで本筋にがっつり関わらせたのは家野さん(誰)と合わせて今のところは二人きりです。

 

手前味噌で恐縮ですが、本編最後のセリフ。

あれ、最高じゃなかったですか。

 

マスクデータについて

本作、公開していなかった設定というものがいくつかあります。これは別に裏設定とかそういうことではなく、一定の整合性を保つために決めざるを得ないものの公開する必要がない(あるいは公開しない方がいい)設定というものです。わかりやすく言うと、個体値と努力値です。

しかしこれも書き始めた当初から決めていたものではなくて、どこかのタイミングで「決めた方がいいな」と気付きました(いつだったかは忘れました)。そのため序盤は一貫性のないダメージ計算になっています。ムロジムでのバトルに関してダメ計への言及がありましたが、これは恐らく個体値と努力値について、想像されたものと私が設定したものが異なっていたことが原因で起こった齟齬だと思います(非常に似たやり取りを四天王戦で善子がルビィと交わしていましたね)。「最初からダメ計やってる」と作者の人が言い張っていますが、ムキになって見栄を張ったわけではなく確かにカナズミジム戦からダメ計を回していた記憶があります。ただ、そのとき個体値や努力値をどう設定したかは全く記憶になく、かつその時点では絶対に一貫した設定をしていなかった自信はあるので、ご指摘くださった方はもしかしたらその辺の数字を前提にお話しされていたのかもしれません。

この値をマスクにしているのは、まあまあ公開する必要がないと判断しているのと、バトルの展開を先読みされるのを防ぐ目的からです。だいぶギャグ寄りなこのSSにそこまでする方がいらっしゃるかはわかりませんが、ゲームの性質上、値がわかればバトルの大筋を計算することができます。別にされて困ることもないのですが、「あれ、このままだと絶対負けるんじゃね?」というのが感覚値でなく予測できてしまうと、端的に言ってつまらないじゃないですか。つまるつまらないの話なら勝手に計算したご本人の問題で済みますが、すげえ具体的な数字的根拠とともに先の展開予測を投げられでもすると、頭からっぽにして読んでくださっている方々と私のモチベーションに大きく関わるので。あと、ガチ勢が多いゲームなので、計算ミスとかしたとき追及されるのを予防する目的もあります。言うてギャグSSだからさ…そんな目くじら立てないで…

まだシリーズが完結していないので具体的な値の公開はしませんが、

・もくたんちゃんのパーティ

個体値…平均的

努力値…パーティに入って旅をした長さに応じて、少しずつ増加(つまりみんな時々でバラバラ)

・ジムリーダーや四天王などのボスキャラ

個体値…非常に高い

努力値…なし

という感じです。努力値がちょっとミソかもしれませんね。最初にカンストしたの誰だっけな。ちなみにもう影響しなさそうなので明言しますが、まりのママ(グラードン)は3Vです。

 

まりのママということで触れると、グラードン捕獲時の成功判定も最初はマスクでしたね。

ただあれはそもそも公開するつもりで設定しました。というのも、根拠なしで「捕獲成功!」ってやっちゃうとご都合主義というか、「疲れたから捕まったことにしたんじゃね」という風に見えちゃうかなと思ったからです。ちょうどいい確率がどんなものなのかわからなくて結構投げやりに設定したところ、「相当厳しそう」との見方があり、かと思ったら一瞬で捕まりましたね。まじで公開しといてよかった。みんな混乱はしてましたけど。

余談ですが、ORASでのグラカイってそんなに強敵だと思ってないんですけど、旅パで捕獲を粘るとなるとやっぱり結構苦戦を強いられていて、「もちもの解禁しても焼け石に水」とか言われました。なにが言いたいかというと、かがやきさまどうするんだろうなあ…って今から不安だということです。

 

ダイよし(カプ要素)について

これはスレ立て時に(厳密には >>1を書いた時点で)決めていました。

そもそもダイヤさんがポケモンに触れるという導入をどうするかという点に関しては、いくつか案がありました。しかしそこにニコ生配信を開始するという点も加えるとなると、やはり自然なのは善子に手引きをさせることでした。善子とダイヤさんが特筆すべき関係性でないパターンももちろん考えたのですが、そのうえでポケモンどころかニコ生配信開始まで決断させるとなると、そこそこ尺を使うなと。書き上げ投下式のSSなら別にいくらか尺を使おうが気にしないのですが、現行安価SSであまり本筋が始まるまでに余計な尺を使いたくなく、できるだけあっさり済ませたかったのです。そうすると、自分の世界の外にある行動をダイヤさんが淀みなく受け入れるために、善子を特別な相手とする方が話が速くかつわかりやすいと判断し、確定しました。

設定として二人が恋人関係にあるという大前提があったため、ところどころでそれらしい描写はあったと思います。が、別に恋愛SSではないため、積極的に二人の関係を読み手の方々に理解させようという意図はありませんでした。反面、隠そうというつもりもありませんでした。いわゆるいつもの私節で、「二人が恋人関係である」ことを前提として、時々で最も自然な言葉や反応を選んでいた感じです。

二人の関係性が明言されたのはキンセツシティだったでしょうか。ダイヤさんが口にしましたね。

ほのめかす程度ならいざ知らず、ああも明言すると、まあ反響があるのは想定内でした。よくも悪くも。単にダイよしを喜ぶ方、王道カプではないためその希少性ゆえ喜ぶ方、余計な要素が入ってきたと嘆く方、当然ですね。ただ重ねて言いますが、あくまで諸々の都合で生まれた設定『の一つ』でしかないため、それぞれの反応はあまり重く受け止めないようにしています。ほかの設定同様、レスやコメントを見ながら分量を調整しつつ使っていました。結果的にシリーズが長くなったことで、この二人に限らずキャラクター達の間に様々な関係性が生まれていったため、最終的に希釈されて読み手の方々にとってもそこまで重要な設定ではなくなっていったように感じています。どうでしょうか。

とはいえこの関係性があったからこそ生まれたドラマもいくつかはあったでしょうし、まさかシリーズ中にこの二人が別れるみたいなあまりに大きな出来事は起こらないはずなので、やはり要素の一つくらいの気軽な気持ちで見ていただくといいかなと思います。

 

ダイヤさん、誤ってキモリを選ぶの陣(1スレ目 >>23近辺)

全体的な話はこの辺りで切り上げ、ストーリーを追い始めることにしましょう。

 

初っ端からズッコケという感じです。

コメントではミズゴロウを選ぶ流れのものしか飛んでこなかったものの、安価ではキモリとなり、どうしようか迷った結果こんなことになりました。いや、キモリに失礼すぎるだろう。手元ツルーじゃないよ。

しかも「あんまり可愛くない」とか「選んでしまったものは仕方ない」とか、どうも第一印象はそんなによくなかったようです。アチャモは見た目がわかりやすく愛らしいのでたぶんベタ褒めしたんじゃないかと思いますが、ミズゴロウだとどうだったのでしょうね。

あと、ニックネーム候補『こまつ』って。どんな経緯で名付けろっていうんですか。この安価だけは取られなくてよかったと、何度読み返しても心底ほっとします。投げた方も採用されないことを確信したうえでのレスだったんじゃないかと思うほどです。こういうのは結構最初が肝心というか流れを決定することに大きく資する部分があるので、実際キモリのニックネームが『こまつ』になっていたら、それ以降の展開は相当変わっていたのではないでしょうか。二匹目以降、Aqoursメンバーの名前をつける流れが出来ましたが、これもなかったかも? そうなるとダイヤさんが各ポケモンに向ける感情も異なっていたはずですし、カオスなものになっていったかも…。

 

尋常じゃない量の独り言

SSの性質上、仕方のないことなんですけど、序盤のダイヤさんは独り言の量が尋常ではありませんね。ちょっと心配になるほどです。確か読み手の方にも指摘されていました。後にルビィから「お姉ちゃんはゲームやってるとき独り言を言うクセがあるらしい」みたいな評価を受けているので、日常テレビとかにツッコんだりはしないのだと思いますが。

序盤、ダイヤさん結構とんでもない勢いでツッコみ続けてますよね。「しかも通れるんかい!!」(1レス目 >>63)とか。隣に人が配置されるようになった辺りから頻度とツッコミのキレがやや落ち着いていったように感じますが(途中で自分の実況を他人が観ていることを知ったのも大きいかもしれません)。

これは今になって因果を深読みしているだけかもしれませんが、ダイヤさんがポケモンやもくたんちゃん、そのほかのキャラクターや視聴者(配信視聴者)に話しかけるようになったことも、この序盤の影響が強いのかなとも思っています。私がそもそもダイヤさんの性格をそういう風に捉えていて、そうでなくてもなんか話しかける感じのキャラに育っていた可能性はありますが。

 

パーティ個体の画像

初出は、1レス目 >>79 のよしこ(ケムッソ)ですね。せっかく色違いということなので、わかりやすく並べてみました。

この段階で頭にあったかは覚えていないのですが… かつて超有名なラ!×ポケモンのクロスパロSSを読んだときのことです。当時、私は絶賛ポケモン離れしていた時期で、第五世代以降のポケモンを全く知りませんでした。なので、読みながら知らないポケモンが登場するたびに調べていました。特に主要キャラの手持ちとして登場したポケモンは頻繁に名前が出たり活躍したりするため、どんなポケモンなのかわかっている方が読みやすいし楽しめると思ったからです。元々ポケモンも好きなのでそのこと自体に苦はなかったのですが、いざ自分が書く身になったとき、あまりポケモンに詳しくない読み手の方にあの作業を強いるのはイヤだなと思いました。その手間を惜しまない方ならいいのですが、たとえばどんどん知らないポケモンが出てくるせいで、途中で「ああもうわかんない、読むのやめよう」となってしまう懸念もあります。SS自体に飽きたり合わなかったりして読むのをやめるのは自由なことなのですが、そういういらないストレスで読み手の方が離れてしまったら悲しいので、これは少なくともシリーズ中には継続しようと決めました。

定期的に「現在のパーティ」を表示していましたが、あれは自分の整理に加え、上記の意味合いもありました。見た目とタイプくらいわかっていれば、知らないポケモンであってもいくらか想像しやすいだろう、と。終盤はだいぶネームドポケモンの数も増えてきて結構大変でしたが、まあ私の負荷で済んだならいいかなと思っています。

 

ちなみに、『黒澤ダイヤの実況』中に個体画像を取得していたサイトですが、一度シリーズが完結した段階でタブを閉じてしまったせいで見失いました。続編の『黒澤ダイヤの決闘』を書き始めるにあたってまたあのサイトを探したのですが、ま じ で 見つかりません。

世代別にページが分かれていて、各ページ、1レス目 >>79 のケムッソのように、通常個体と色違い個体が隣り合う形で、図鑑順に並んでいるサイトです。

めちゃくちゃ使いやすかったので、誰かあのサイトを発見した方はURLを教えてください…

 

よしこ(ケムッソ)について

色違い。ビギナーズラックというのでしょうか。「運よすぎだろ」というご指摘がありましたが、ほんとそれな。

これは私が勝手にやったことなので誰を責めることでもないのですが、野生産色違いとかいう再現難易度が非常に高いものをよくも手持ちに指定してくれたなという気持ちでいっぱいです。正味100時間かかりましたからね。色違いの出現確率に加え、性別・特性・進化先でその1/8。シンクロもしていましたが、第六世代は確率どうなってたんですっけ。あまりにカラサリスに進化するのが続いたせいで、とうとう色違いが出現しただけではなんの感情も湧かなくなってましたからね、終わり際。本当は出会ったレベルも再現したかったのですが、ポケサーチの仕様上、それは諦めました。おかしくなる。

シンクロ要員のユンゲラーがケムッソの経験値だけでLv.90を超えたときはビビりましたね。鈴木けんぞうすげえ。

なにが怖いって、中断中の続編でも手持ちに色違い個体がいることです。本気?

 

いわゆる序盤虫にしては、そこそこ活躍してくれましたね。成熟が早いという性質ももちろん活きましたし、技も優秀なものが多いですし。選ばれなくても仕方ないかなーと思っていましたが、殿堂入りメンバーに選んでもらえて嬉しかったです。

途中パーティ抜けしてついていけなくなる懸念もありましたが、本当によかった。

読み手の方が描いてくださったよしこのイラストはとてもお気に入りで、本サイトのトップにデカデカと載っているのもさることながら(ツイッターの仕様上、新しくまとめたSSを報告するツイートでサムネに採用されがち)、私用PCのデスクトップ画像にも設定しています。知人からは「何事?」と言われることも多いですが。

 

とりあえず、ここまで。

ちょっと心配していたことですが、これは無限に裏側を書けてしまいますね。どうしよう。

いいから早く続編を再開しろという声ももっともなのですが、規制で書込みが安定しないので…

書き上げ投下式のSSもいくつか(いくつも)途中で筆を止めっ放しのものがありますし、そろそろ書きたいな。